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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

同級生がいない葛尾小中学校

 事故によって全村が避難し来月から学校が再開する福島県葛尾村(1)(2)の新1年生は一人です(3)。4月からの新1年生は全てが事故(避難)後に生まれた子供達です。福島県の発表(1)を集計すると2011年4月から12年3月末までに7人の赤ちゃんが生まれています。さらには幼稚園の年少、年長組、小1、小3~中1の各学年で児童・生徒は一人です。葛尾村の学校では同級生がいません。
 福島県葛尾村は福島県東部ある山村です。事故により全村が避難しました。
事故から7年以上を経て汚染されている福島
 ※1(5)のデータを元に(6)に示す方法で3月11日に換算
 ※2 避難区域は(7)による。
 図―1 福島県葛尾村

 図に示す様に全域が国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(8)を超えています。事故から7年以上が経ちましたが福島県葛尾村は汚染されたままです。
 以下に福島県葛尾村の赤ちゃん誕生数を示します。
事故後に女の子が多く生まれるようになった福島県葛尾村
 ※1(4)を集計
 ※2 2017年度は2018年2月まで
 図―2 葛尾村の赤ちゃん誕生数

 図に示しように事故後に女の子が多く生まれるようになりました。2012年度以降を集計すると
  男の子 24人
  女の子 45人
で女の子が多く生まれています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら統計的に差がるとされる5%を下回る(9)1.1%でした。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果(葛尾村)
 ※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(10)による。  
有意差検定表(葛尾村)

 2011年に福島に設定された避難区域には警戒区域と計画的避難区域があります。警戒区域は福島第一原発から20km圏内の区域で、事故翌日の2011年3月12日に設定されました。計画的避難区域はその後に放射線量が高い事が分かり設定された避難区域で、設定されたのは2011年4月22日です。計画的避難区域はいわば逃げ遅れた避難区域です。この避難区域は葛尾村の他に飯舘村、浪江町、川俣町、南相馬市に設定されましたが、ほほ全域が計画的避難区域になったのは葛尾村と飯舘村だけです。同様に飯舘村の2012年4月以降の赤ちゃん誕生数を福島県の発表から集計すると
  男の子 139人
  女の子 176人
で女の子が多く生まれています。ほぼ全域が計画的避難区域になった2村(葛尾村と飯舘村)を合計すると
  男の子 163人
  女の子 221人
です。このような事が偶然に起こる確率を計算しtら0.3%でした。以下に計算結果を示します。

 表―2 偶然に起こる確率の計算結果(葛尾村・飯舘村)
 ※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(10)による。  
有意差検定表(葛尾村・飯舘村)

 普通は男の子が多く生まれるので異常な事態です。男の子でも女の子でも生まれて来ればと多くの方は考えると思います。まして、福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。
安倍出戻り総理にプレゼンする葛尾村の綺麗な女性
 ※(11)をキャプチャー
 図―3 安倍出戻り総理に説明を行う葛尾村の綺麗な女性

でも喜んでばかりいられないようです。放射線影響研究所は広島や長崎で遺伝的影響が生じなかったことの根拠の一つに出生性比(生まれて来る赤ちゃんの男女の割合)に異常がなかったことをあげています(12)。でも葛尾村等の福島の計画的雛区域では違います。それでも安倍出戻り内閣は「安全」だとして2016年6月12日に避難指示を解除しました(2)(7)。
 でも住民は不安なようです(13)。なかなか帰還が進みません。
帰還が進まない福島県葛尾村
 ※(14)(過去分を含む)を集計
 図―4 福島県葛尾村村民の居住状況

 持家や災害公営住宅などの恒久的な住居への居住者が大部分であろうその他が850人で最大でし。しかもどんどん増えています。その他に分類される住居に住まわれる方は村に戻ることはないと思います。
 以下に帰還者の増減を示します。
帰還者が減っている福島県葛尾村
 ※(14)(過去分を含む)を集計
 図―5 福島県葛尾村帰還者の増減

 図に示しすように避難指示解除後から昨年11月までは月10人程度の割合で増えていましたが、12月1項は月1,2人です。帰還にブレーキがかかったとうです。図―2に示す様に減っているのは借り上げ住宅や仮設住宅の方々です。今後の帰還の可能性があるのはこ方々ですが、併せて136人です(14)。3月1日時点で村内在住者は273人(避難指示解除後の新規転入者59人を含む)ですので、併せて499人が葛尾村に帰る可能性がある人です。事故前(2010年10月)には1.531人が葛尾村に住んでいたので3分の1以下になるのが確定しました。なお、図―3の女性(女の子)は事故前から葛尾村にいた方で無く、昨年(2017年9月)に葛尾村に来られ3月23日に小学校を卒業され来月から村内で再開される中学校に通う予定の伊藤妃香さんです
葛尾村小学校を卒業した伊藤妃香さん
 ※(15) 伊藤妃香さんを紹介する福島のローカルTV局(TUF)
 図―6 葛尾村小学校を卒業した伊藤妃香さん

葛尾村では来月から学校が再開します(2)。それに先立ち学年別の就学予定人数を発表しました(3)。以下に示します。
殆んどの学年で同級生無しの葛尾村幼・小・中
 ※(3)にて作成
 図―7 葛尾村幼・小:中学校の通学予定人数

図に示す様に幼稚園の年少、年長組、小1、小3~中1の各学年で児童・生徒は一人です。葛尾村の学校では同級生がいません。
 特に来年小学校に入学する1年生以下の方は事故後に避難先で生まれた方がです。いわば古里が無い世代です。東京電力は避難による賠償の対象者を
「当社事故発生時点における生活の本拠が、避難指示解除準備区域・居住制限区域(大熊町・双葉町を除きます)にあった方で避難継続を余儀なくされている方を対象とさせていただきます。」
としています(16)。彼らは事故当時は生まれていないので、賠償の対象にはなりません。今年の新1年生になられる方は2011年4月から12年3月に生まれた方です。葛尾村村民からはこの間に図―2に示す様に7人が生まれています。新小学校1年生で見る限り7人に1人しか村に戻りません。以下に小学校1年生以下の児童・園児の通学予定者数とそれに対応する出生数を示します。

 表―3 通学予定者数とその間の出生数
 ※(3)(4)を集計
震災以降に生まれた方の入学率は10%台


 2011年4月から15年3月まで福島県葛尾村では38人の赤ちゃんが生まれています。かれは来月(2018年4月)には幼稚園の年小組から小学校1年生になります。38人中で葛尾村の幼・小学校に通うは全体の13%の5人です。葛尾村の教育長は
「三春町の校舎をいつまでも残しておくと村に子供は帰らない。子供がいない自治体は滅びるだけだ」
と言っています(13)。でも子どもは戻りません。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島県川内村で秋元千果さんが中学を卒業されました(17)。川内村は2012年4月に学校を再開しましたが、彼女と同年代で村に戻ったのは彼女一人です。それから5年半、同級生無しの学校生活を送っていました。ようやく昨年の10月に避難先から元の同級生が戻り2人なりました。彼女は卒業式で泣いていました(18)。
中学校の卒業式で涙を流す秋元千果さん
 ※(19)をキャプチャー
 図―8 中学校の卒業式で涙を流す秋元千果さん 

 秋元千果さんは頑張ったと思います。でも事故がなければ別の頑張りができた気がします。伊藤妃香さんは昨年9月に葛尾村に来られました。安倍出戻り総理へ対応を見ていると(12)大変に確りした対応です。彼女が葛尾村に来たおかげで、安倍出戻り総理への対応、小学校の卒業式、中学校の入学式が途切れなく行えます。彼女の葛尾村転入は安倍出戻総理の大きな助けにはなったと思います。でも、葛尾村で彼女を待っていたのは放射能と同級生のいない学校生活です。毎年のように卒業式で涙が流れる気がします。それで良いのか(=^・^=)には分かりせん。
「子供がいない自治体は滅びるだけだ」
としても、福島復興の為に子供達がいるのでなく、子供達の未来の為に福島復興があると(=^・^=)は思います。でも、そのような発想は行政には無いようです。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島を代表する冬野菜にニラがあります(21)。3月ですがまだまだ楽しめます(22)。福島のニラは茹でても生で食べてもおいしく、柔らかくて甘いそうです(23)。福島県は福島産ニラは「安全」だと主張しています(24)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産ニラはありません。
他県産はあっても福島産ニラが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(25)を引用
 図―9 福島産ニラが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)葛尾村 - Wikipedia
(2)葛尾中学校 - 葛尾村ホームページ
(3)広報かつらお 平成29年度 - 葛尾村ホームページ中の•広報かつらお3月号 [PDFファイル/5.09MB]
(4)福島県の推計人口(平成30年3月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(5)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(6)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(7)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(8)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(9)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(10)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(11)出生性比
(12)平成30年3月10日 福島県訪問 | 平成30年 | 総理の一日 | 総理大臣 | 首相官邸ホームページ中の関連動画
(13)震災5年半:来春学校再開の福島・葛尾村 子供の声戻るか - 毎日新聞
(14)葛尾村からの避難者の状況(3月1日現在) - 葛尾村ホームページ
(15)Nスタふくしま20180323 TUFchannel
(16)避難指示解除準備区域・居住制限区域における精神的損害等に係る具体的なお取り扱いについて|東京電力
(17)たくましく成長...楢葉中『晴れの日』 福島県内中学校で卒業式:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(18)めげ猫「タマ」の日記 5年半・同級生無しの中学卒業、福島・川内村
(19)ローカルTime FNN被災地発...
(20)冬 | ふくしまの野菜 | JA全農福島
(21)福島県の旬(出回り時期) 野菜編
(22)みりょく満点ブランド|JA東西しらかわ
(23)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中のやさい編 [PDFファイル/173KB]
(24)平尼子店 - 新鮮安い食品スーパーマルト
4月14日追記
 葛尾村で幼稚園の入園式が行なわれました。入園者はたった一人です。
 入園式を報じる福島のローカルTV(FTV)
 ※(A1)をキャプチャー
 図-A1 入園式を報じる福島のローカルTV(FTV)

 とっても可愛い女の子です。彼女はこれから12年間のわたり同級生のいない幼稚園・学校生活を送ります。「子供の元気な姿が復興の後押し」と報じていましたが(=^・^=)は、子供は福島県域復興の道具ではないと思います。
「子供の元気な姿が復興の後押し」と報じる福島のローカルTV(FTV)
 ※(A1)をキャプチャー
 図-A1 。「子供の元気な姿が復興の後押し」と報じる福島のローカルTV(FTV)

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(A1)ローカルTime FNN被災地発...
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  1. 2018/03/26(月) 19:43:19|
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