食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。先週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が7日遅れで発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先々週に続き先週もセシウム汚染食品が見つかっています(4)。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
①検査数880件
②平均は、1キログラム当たり7.5ベクレル、最大780ベクレル(群馬県産イノシシ)。

※1 牛肉を除く
※2 単位については(5)を参照
図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2018年3月4週その2)
色分けは以下の通りです。
赤マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
橙出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
福島産からは基準超は見つかっていませんが、今週の発表から
・茨城産クロダイからセシウム、福島産は37件連続ND
・無検査福島産キュウリを販売する東京電力
・福島産メタガレイ属のセシウムがと突然に上昇
などの特徴が読み取れ、福島産は安全とは言えません。
1.茨城産クロダイからセシウム、福島産は37件連続ND
茨城県が検査した茨城産グロダイからセシウムが見つかったと発表がありました(8)。福島産が気になります。以下に検査結果を示します。

※1(1)を集計
※2 日付けは捕獲日
※3 NDは検出限界未満(みつからな事)を示す
※4()内は検査先
図―2 クロダイの検査結果
図に示す通り、茨城産だけでなく宮城産からもセシウムが見つかっています。ところが福島県が検査した福島産クロダイからはセシウムが見つかっていません。厚生労働省の発表(1)を数えると2017年以降で37件連続で検出限界未満です。
福島県いわき市は福島県沿岸部の南に位置し、茨城県に接します(9)。千葉県産スズキからセシウムが見つかったと発表がありました(10)。いわき市産が気になります。以下に結果を示します。

※1(1)を集計
※2 日付けは捕獲日
※3 NDは検出限界未満(みつからな事)を示す
※4()内は検査先
※5 淡水は除く
図―3 スズキの検査結果
図に示す通り千葉産だけでなく、茨城産スズキからもセシウムが見つかっています。ところが福島県いわき市産からは見つかっていません。汚染源に近いのにおかしな話です。
厚生労働省の発表(1)を見ると、クロダイにしてもスズキにしても福島産農水産物の出荷前検査は福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(11)が実施しています。中立性に疑問がありません。福島産は他よりも低くでる検査で「安全」とされ出荷されます。
2.無検査福島産キュウリを販売する東京電力
福島を代表する野菜にキュウリがあります。須賀川市等が主要な産地です(12)。東京電力は多摩総支社で福島復興バザール開催したそうです(13)。そこには「岩瀬きゅうり」が出品されました。

※(13)を引用
図―4 「岩瀬きゅうり」が出品された福島復興バザール
福島には天栄村・鏡石町から成る岩瀬郡があります(14)。他にも須賀川市産も岩瀬きゅうりにるそうです(15)。2017年6月1日以降の厚生労働省の発表(1)を見ても福島県須賀川市、天栄村、鏡石町産キュウリは出て来ません。福島県が提供するデータベース(16)で調べたのですが出て来ません。福島県須賀川市、天栄村、鏡石町を活動範囲とする農協の自主検査結果(17)を見てもキュウリは出て来ません。東京電力は無検査の福さんキュウリを販売しました。
それでも福島県は福島産胡瓜は検査で安全が確認されたと主張しています(18)。福島産は検査されていなくても、検査で「安全」とされ出荷されます。
3.福島産メタガレイ属のセシウムがと突然に上昇
福島県松川浦漁港は事故前(2002年)にはカレイ陸揚げ量全国2位でした(19)。カレイは福島を代表するする魚です。以下に福島産メイタガレイの東京中央卸売市場への各年1,2月の出荷量を示します。

※(20)を集計
図―5 福島産メイタガレイの東京中央卸売市場への各年1,2月の出荷量
図に示す通り今年は事故前(2011年1,2月)を超えています。驚くべきはシェアです。以下に東京卸売市場でのメイタガレイの出荷量のうち福島産が占める割合を示します。

※(20)を集計
図―6 福島産メイタガレイの東京中央卸売市場でのシェア(各年1,2月)
図に示す通り事故前は40%程度でしたが、今年の1.2月は65%です。東京でメイタガレイを食べるなら福島産を食べる覚悟が必要です。これに気をよくしたのか福島では「カレイで食彩祭」が行われています(21)。
でも食べて良いか心配です。以下に福島産メイタガレイ属の検査結果を示します。

※1(1)を集計
※2 日付けは捕獲日
※3 NDは検出限界未満(みつからな事)を示す
※4 検査先は福島県(福島県農業総合センター)
図―7 メイタガレイ属の検査結果
ずっと検出限界未満(ND)が続いていたのですが、3月30日に厚生労働省の発表は福島県産メイタガレイ属(ナガレメイタガレイ)から基準値の半分(6)を超える1キログラム当たり51ベクレルのセシウムが見つかったと発表がありました(22)。このペースで上がれば次は基準値超えです。
福島産はセシウム含有量が突然に上昇することがあります。過去に検出限界未満が続いたとしても「安全」は担保されません。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
・検査されていなくても検査で安全とされる福島産
・セシウム含有量が上昇する事がある福島産
これでは福島の皆様は不安だと思います。
福島県須賀川市産米の全量・全袋検査数が約82万件になりました(23)。同市は人口7万人台の市なので(24)、市民が食べるには十分な量です。同市のお米は岩瀬清流米といって美味しいお米です。須賀川市は同市産米は「安全」だと主張しています(25)。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産米はありません。

※(26)を引用
図―8 福島産米が無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県須賀川市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ(3)
食品中の放射性物質の検査結果について(第1077報) |報道発表資料|厚生労働省(4)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(3月4週)―茨城産カナガシラからセシウム、福島県検査の福島産は387件連続ND―(5)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(6)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(7)(3)中の「1 自治体の検査結果⇒
検査結果(PDF:8,912KB) 」
(8)(7)のNo3074
(9)
いわき市 - Wikipedia(10)(7)のNo3082
(11)
農林水産部 - 福島県ホームページ(12)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(13)
3.11から7年。福島県産品の美味しさをつたえたい~多摩総支社で福島復興バザール開催~|東京電力パワーグリッド|東京電力報(14)
岩瀬郡 - Wikipedia(15)
福島県 すかがわ岩瀬農業協同組合 (きゅうり)~「パリッと新鮮でおいしい 岩瀬きゅうり」~ 月報 野菜情報-産地紹介-2010年9月(16)
品目から探す | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報を野菜⇒か行⇒き⇒キュウリおよびキュウリ(施設)、須賀川市・天栄村・鏡石町で検索
(17)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(18)
営農情報 - 農作物自主検査 | JA夢みなみ中の
すかがわ岩瀬地区(19)
カレイ - Wikipedia(20)
東京都中央卸売市場-統計情報検索を鮮魚⇒かれい類⇒めいたかれいで検索
(21)
復興チャレンジグルメ第15弾!! カレイで食彩祭 in 松川浦 1/20(土)~3/31(土) | 相馬市観光協会オフィシャルサイト(22)(3)中の「2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果⇒
検査結果(PDF:602KB) ⇒No146
(23)
ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報(24)
ホーム/須賀川市公式ウェブサイト(25)
岩瀬清流米 新米です(ふるさと納税)/須賀川市公式ウェブサイト(26)
チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
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テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記
- 2018/03/31(土) 19:50:31|
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