昨年3月31日に避難指示が解除された福島県川俣町山木屋地区(1)で学校が再開されました。山木屋に帰還た子どもはいません(2)。学校再開も子どもの帰還には結びつかないようです。
福島県川俣町は阿武隈高地の北部に位置する山村です。福島事故で放射能が飛んで来て町は汚染されました。

※1(3)のデータを元に(4)に示す手法で4月1日に換算
※2 避難区域は(5)による。
図―1 福島県川俣町
図に示す通り国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(6)地域が広がっています。事故から7年以上が経過しましたが川俣町は今も汚染されたままです。
以下に各年3月から1年間の福島県川俣町の赤ちゃんの誕生数を示します。

※(7)を集計
図―2 福島県川俣町の赤ちゃん誕生数
図に示す通り事故後は女の子が多く生まれています。事故後の5年間(2011年3月~16年2月)を集計すると
男の子 141人
女の子 182人
で女の子が多く生まれています。偶然に起こる確率を(=^・^=)なりに計算すると統計的に差があるとされる5%(8)を下回る2.3%でした。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果(飯舘村)
※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(9)による。

通常は男の子が多く生まれるので(10)異常な事態です。福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。

※(11)を引用
図-3 福島県川俣町の綺麗な女性
でも喜んでばかりはいられないようです。放射性影響研究所は広島や長崎で遺伝的な影響が無かった根拠の一つに生まれて来る赤ちゃんの男女比(出生性比)に異常がなかったことをあげています(12)。さらには福島事故で設定された避難区域の全てないし大部分が「計画的避難区域」だったのは川俣町の他に飯舘村、葛尾村がありますが、どちらも川俣町と同じように事故後に女の子が多く生まれています(13)。広島や長崎で起きて無い事が福島では起きているようです。
以下に2016年11月から1年間のセシウム飛散量を示します。

※(14)に示すデータと手法で計算
図―4 福島県川俣町のセシウム飛散量(2016年11月から1年間)
図に示す様に事故7年目もほぼ全域でセシウムが飛んで来ています。
川俣町全体で見ると若い女性の川俣町離れが進んでいます。5年前の2013年には川俣町には15~19歳の女性が349人いました。5年を経た2018年3月には彼女達は20~24歳になりましたが、この年代の女性は150人です。2013年当時10代後半だった女性の半分以上がこの5年間で町を去って行きました。図-3に示す様に福島県川俣町の女性も他の福島の女性と同様に綺麗です。何処へ行っても歓迎されます。敢て、汚染され放射能が降り注ぐ川俣町に留まる必要はありません。
20代前半で若い女性が出て行けば20代後半の女性が減って行きます。以下に福島県川俣町の20代後半の人口を示します。

※(7)を集計
図―5 福島県川俣町の20代後半人口
図に示す様に女性を中心にどんどん減っています。女性の人数を記載すると
事故直前(2011年3月1日) 323人
事故7年後(2018年3月1日) 167人
で、事故後7年でほぼ半減しています。福島の平均初婚年齢は20代後半です(15)。この世代の女性は人生のパトーナーを見つけ、ママになる世代です。でも川俣町ではママになるべき女性がいなくなっています。当然ながら赤ちゃんも生まれなくなります。川俣町の赤ちゃん誕生数は図―2より
事故前1年(2010年3月~11年2月) 101人
事故7年目(2017年3月~18年2月) 54人
で半減しています。やがてママになる女性がいなくなり、子どもが生まれなくなります。
それでも安倍出戻り内閣は「安全」であるとして昨年(2017年)3月31日に川俣町山木屋の避難指示を解除しました(1)(5)。
以下に川俣町山木屋の帰還者・避難者数を示します。

※(16)を集計
図―7 川俣町山木屋の帰還・避難者数
図に示しように帰還は進んでいません。避難指示解除から1年の2018年4月1日時点で対象1,081人中で帰還は320人で(17)3割未満です。
4月4日に山木屋小中学校の開校式が行われました(2)。学校再開です。

※(18)をキャプチャー
図―8 学校再開を報じる福島県の地方紙・福島民報
川俣町山木屋には天然のスケートリンクがあります。今年2月には浅田真央さんが来訪しています(19)。

※(11)を引用
図―9 浅田真央さんと記念写真に写る川俣町山木屋の子ども達
新たに再開された学校に通うのは小学6年生5人、中学生2.3年生10人で小中学校とも新入生はいません(20)(21)。

※(21)をキャプチャー
図―10 山木屋小・中学校の学年別人数を報じる福島のローカルTV・TUF
小学校は6年生しかいないので、1年限りです。今の小学6年生が中学を卒業する4年後には生徒がいなくなり中学も廃校です。
山木屋小中学校はこの3月までは避難地域とはならなかった川俣町の別の場所にありました(21)。その時(2017年度)の学年別人数を示します。

※(22)(23)にて作成
図―11 昨年(2017年)度の山木屋小中学校の人数
図に示し通り今年は中学に入学するはずの小学6年生が5人いたのですが、今年の中学の新入生はいません(20)。山木屋の中学ではなく、避難先の中学を選んだようです。
学校は再開したのですが、全員が山木屋以外の避難先から通うそうです(2)。川俣町山木屋から15歳以下の子ども60人が避難していますが、だれも帰還していません。浅田真央さんが来ても効果は無かったようです。子どもが戻らない川俣町山木屋はやがて滅びます。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
本文記載の通り学校は再開しましたが、子どもは戻っていません。敢て避難元に学校を再開する意味があったか疑問です。中には通学で片道1時間かかる子どももいるそうです(24)。
「子供がいない自治体は滅びるだけだ」
そうです(25)。子ども為でなく、福島県域の復興の為に学校を再開した気がします。福島県域復興の為に子供達がいるのでなく、子供達の未来の為に福島県域復興があると(=^・^=)は思います。でも、そのような発想は行政には無いようです。これでは福島の皆様は不安だと思います。
福島を代表する野菜にアスパラガスがあります(26)。福島の直売所ではアスパラガスが並び(27)、福島はアスパラガスのシーズンになりました。福島のアスパラガスは切り口からは水分が溢れ、生でも食べられるほど甘さが特徴だそうです(28)。福島県は福島産アスパラガスは「安全」だと主張しています(29)。でも、福島県川俣町のスーパーのチラシには福島産アスパラガスはありません。

※(30)を引用
図―12 福島産アスパラガスが無い福島県川俣町のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県川俣町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
川俣町 - Wikipedia(2)
7年ぶり古里へ通学 山木屋小中一貫校開校式 | 県内ニュース | 福島民報(3)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(4)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)(5)
避難区域見直し等について - 福島県ホームページ(6)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(7)
福島県の推計人口(平成30年3月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(8)
有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書(9)
めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について(10)
出生性比(11)
広報かわまた 2018年3月号 - 川俣町公式ホームページ(12)
原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 - 放射線影響研究所(13)
めげ猫「タマ」の日記 福島県飯舘村の開校・開演式の出席者は減、失われる求心力(14)
めげ猫「タマ」の日記 放射能が舞い散る福島(2017)(15)
結婚が早い都道府県ランキング1位は? - 東京都は男女ともに最下位 | マイナビニュース(16)
山木屋地区の居住の状況 - 川俣町公式ホームページ(17)(16)中の
避難者数一覧(平成30年4月1日現在) [PDFファイル/42KB](18)
福島民報(19)
絹の里やまきやスケートリンク - 川俣町公式ホームページ(20)
7年ぶり地元で小中校6日に再開 川俣・山木屋、富岡、浪江、葛尾、飯舘 | 県内ニュース | 福島民報(21)
Nスタふくしま20180405 TUFchannel(22)
川俣町立山木屋小学校 » 児童数生徒数情報|Gaccom[ガッコム](23)
川俣町立山木屋中学校 » 児童数生徒数情報|Gaccom[ガッコム](24)
ニュース|福島中央テレビ(25)
震災5年半:来春学校再開の福島・葛尾村 子供の声戻るか - 毎日新聞(26)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(27)
春到来: まちの駅 南会津ふるさと物産館(28)
アスパラガス | JA会津よつば(29)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(30)
チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
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- 2018/04/06(金) 19:44:59|
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Kyon 様
お問い合わせありがとうございます。以下回答します。
Q> まだセシウム降ってるんですか?
A>詳細な見積もり方法は(14)を見ていただきたいのですが、半減期で予測される値より放射線量が高ければどこからか放射能が飛んできたと考えるのが自然です。あとは計算の結果です。図―1に示すように福島は汚染されままです。お隣の浪江町では昨年4月~5月にかけて山火事がありました(
https://mainichi.jp/articles/20170511/k00/00m/040/020000c)。放射能が飛んできても不思議はないと思います(
http://www.agara.co.jp/column/mizu/?i=332963)。事故から7年以上を経て半減期の短い核種は減っています。半減期による減衰がすくなくったので、従前よりこの計算の精度は上がっているはずです。「今でも?」でなく「今だから」できる計算です。
- 2018/04/07(土) 18:13:50 |
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