東京電力の発表(1)を集計すると、除染を除く賠償支払い額は
2013年度 17,142億円
2016年度 5,355億円
2017年度 3,806億円
で、2017年度の除染を除く賠償支払い額は2016年度の3割減、2013年度の2割まで減っています。
福島原発事故によって福島に3本の金脈が繋がれました。第一は原発賠償、第二は復興予算、第三は廃炉費用です。
以下に賠償費用の支払い状況を示します。

※(1)を集計
図-1 福島第一事故の賠償支払い額
図に示す様に年々、減っています。、除染を除く賠償支払い額は
2013年度 17,142億円
2016年度 5,355億円
2017年度 3,806億円
で、2017年度の除染を除く賠償支払い額は2016年度の3割減、2013年度の2割まで減っています。
以下に福島県の予算・決算額の推移を示します。

※1 2009年から15年度は決算(歳出)額(2)
※2 2016・17年度は補正後の予算額(3)
※3 2017年度は(4)による。
図-2 福島県の予算・決算額
図に示す通り、事故前は8,000億円程度でしたが事故後は2兆円前後で推移していした。2017年当たりから減少して2018年度は13,372億円です。2017年度に比べ2712億円、15.8%減で事故後の最低です。
福島県の 県内総生産(名目)は7兆円前後(5)ですので決して少ない額ではありません。他に廃炉費用がありますが、賠償や復興資金に比べれば小額です。2018年度で2,183億円で(6)、賠償や復興に比べれば小額です。
このような現象は経済指標に出ています。以下に福島の新規住宅着工件数を示します。

※(7)にて作成
図-3 福島の新規住宅着工数
住宅着工数前年比20.1%減で、2012年以降で最低です。これからも減って行きます。これについて、福島の建築業の関係者からは復興需要がピークを過ぎた影響を懸念する声が上がっているそうです(7)。
以下に福島の有効求人倍率を示します。

※(6)にて作成
図―4 有効求人倍率
図に示す通り2012年以降は福島の有効求人倍率が全国平均を上回っていたのですが、昨年(2017年)は逆転しました。今年はもっと差が開くはずです。
事故から7年以上を経て福島へのお金の流れは確実に細っています。福島復興バブルは崩壊に向かっています。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
事故によって福島は汚染されました。

※(8)のデータを(9)に示す方法で4月1日に換算
図―5 特異的に汚染されている福島
図に示す様に福島では国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた地域(10)が広がっていますが、他は殆どありません。事故後に避難区域が設定されたのは福島県だけです(11)。事故から7年以上が経過しましたが福島は特異的に汚染されたままです。
以下に福島県本宮市に放置されている放射性セシウムの量を示します。

※(12)を転載
図―6 福島県本宮市の放射性セシウムの量
図に示す様に殆ど減らなくっています。図に示す様に残っているのは半減期(半分になるまでの時間)が30年にセシウム137(13)が主です。30年で半分、60年では0でなく4分の1です。あと数十年は福島の汚染が続きます。それでも福島は「安全」とされ(14)、お金の流れは削減され、安倍出戻り内閣のサポートは細っています。これでは福島の皆様は不安だと思います。
福島県を代表する野菜にキュウリがあります(15)。東京電力は福島復興バザール開催を開催し、福島産いわせきゅうりを出品しました(16)。福島は今年もキュウリの季節になりました。福島県須賀川市は福島を代表するキュウリの産地です(15)。同市辺りのキュウリはみずみずしい香りで、パリッとして歯切れのよいそうです(17)。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主要しています(18)。でも、福島県須賀川市のスーパーチラシには福島産キュウリはありません。

※(19)を引用
図―7 福島産キュウリが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
賠償金のお支払い状況|東京電力(2)
決算関係資料 - 福島県ホームページ(3)
予算の概要 - 福島県ホームページ(4)
平成30年度当初予算の概要 - 福島県ホームページ(5)
10の指標にみる福島県のいまVer.30を掲載しました。 - 福島県ホームページ中の「
平成30年4月16日公表分 10の指標にみる福島県のいまVer.30 [PDFファイル/607KB]」
(6)
廃炉等積立金制度に基づく取戻し計画の承認について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社(7)
住宅着工数前年比20.1%減 昨年の県内下げ幅、震災後最大 | 東日本大震災 | 福島民報(9)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(9)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)(10)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(11)
避難区域見直し等について - 福島県ホームページ(12)
めげ猫「タマ」の日記 ばら撒かれたセシウムの6割が残る福島県本宮市(13)
半減期 - Wikipedia(14)
風評に立ち向かう - 経済産業省・資源エネルhttp://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/santi/1009/santi1.htmlギー庁(15)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(16)
<3.11から7年。福島県産品の美味しさをつたえたい~多摩総支社で福島復興バザール開催~ 東京電力/a>
(17)特産品 - すかがわ岩瀬 | JA夢みなみ(18)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(19)
ヨークベニマル/お店ガイド
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- 2018/04/18(水) 19:41:53|
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