昨年(2017年)3月末に避難指示が解除された福島県浪江町(1)の新規の移住者数を見たら
2018年3月末 273人
2018年4月末 234人
で減っています。浪江町は新規移住者の為に公営住宅を用意しましたが(2)、埋まらないようです。
福島県浪江町は福島県沿岸部北部になります(1)。南隣の双葉町には福島第一原発があります(3)。先の事故では全域が放射能に汚染され避難地域となりました(1)。

※1(4)のデータを(5)に示す手法で2月1日に換算
※2 避難地域は(6)による。
図―1 福島県浪江町
図に示す様に事故から7年近く経た今も国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超える(7)地域が広がっています。そでれも安倍出戻り内閣は「安全」だとして同町東部の避難指示を昨年3月31日に解除しました(1)(6)。さらには今年4月には浪江町内で小中学校が再開しました(8)。

※(9)を引用
図―2 浪江町内の小中学校
これで子どもがいる世帯の帰還が容易になりました。でも、帰還は進まなっ方ようです。以下に浪江町民の居住状況を示します。

※1 帰還者は(10)による。
※2 新規移住者は浪江町在住者(11)(12)―帰還者(10)で計算
図―3 浪江町在住者
避難指示は解除されましたが、帰還は進んでいません。4月末時点で
対象20,599人中帰還495人
で(10)、帰還者は全体の約2.4%です。帰還が進みません。残りの2万人以上の方は町外で暮らしています。ただし、福島県が福島県内の避難者として認定しているのは2,570人です(13)。同じく避難地域であったが避難指示が解除された飯舘村や葛尾村では居住形態も発表していますが、過半数が持家や村外の災害公営住宅などの安定した住居で暮らしています(14)(15)。浪江町の発表には居住形態はありませんが概ね同じと思います。すると、今後に帰還するとしても最大で2,570人で、既に帰還している方と合わせ浪江町は最大でも3,065人です。これは対象者の14.9%です。これでは町は小さな町になります。
避難指示の解除によって、事故前から浪江町に住んでおられる方だけなく、同町内に住む場所が確保できればだれもが浪江町に住むことができるようになりました。以下に浪江町への転入者数を示します。

※(16)を集計
図―4 福島県浪江町の転入者数
図に示す通り避難指示解除が直後の昨年4月や今年3月に急増いています。浪江町の復興計画をみると(17)、 10年後に目指す未来・将来ビジョンの3項に
「様々な人が町外から訪れるまち」
との記載があります。町の活気を戻す為には帰還者だけでは不足で外からの来訪者や移住者にも期待を寄せています。そのために移住者が入居できる町営住宅も整備しました(2)。東京電力は今後3年間で福島第一原発の廃炉に合計で7,033億円(1年当たり2,344億円)を使うと発表しました(18)。全てが福島で使われる訳ではないと思いますが、大部分は福島で使われると思います。福島第一には大量の仕事があります。直ぐ南に福島第一がある以上は多くの人が移住しても仕事は十分にあります。あるいは仕事によって人が呼び込めることを期待しているのかもしれません。でも、これも上手くいっていないようです。新規の移住者数を見たら
2018年3月末 273人
2018年4月末 234人
で減っています。
浪江町の帰還は進みません。せっかくやって来た新規の移住者は逃げ出しているようです。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
浪江町の避難指示解除を決めたのは内閣府に属する原子力災害対策本部です(19)(20)。元内閣府所属の内閣総理大臣秘書官が(21)、怪しげな事をいっています(22)。帰還されなかった方は騙されずに良かったと思っているかもしれません。内閣府は同様に福島を避ける行為を「風評被害」としています(23)。これが嘘だったと福島の皆様は不安だと思います。
福島を代表する農畜産物に牛肉があります(24)。福島の牛肉は美味しいそうです(25)。福島県は福島産牛肉は「安全」だと主張しています(26)。でも、福島県相馬市のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。

※(27)を引用
図―5 福島産牛肉が無い福島県相馬市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県相馬市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
浪江町 - Wikipedia(2)
浪江町営住宅入居者募集 | 浪江町ホームページ(3)
福島第一原子力発電所 - Wikipedia(4)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(5)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)(6)
避難区域見直し等について - 福島県ホームページ(7)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(8)
校舎等完成!なみえ創成小学校・中学校~平成30年4月開校~ | 浪江町ホームページ(9)
平成30年度上半期の話題 | 浪江町ホームページ(10)
町民の避難状況 - 震災・原発事故からの復興 - 浪江町ホームページ(11)
広報なみえ - 浪江町ホームページ(12)
浪江町ホームページ トップページ(13)
平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(月1回更新) - 福島県ホームページ(14)
めげ猫「タマ」の日記 飯舘村学校再開1ヶ月、進まない帰還、岡本真夜さんも効果無し(15)
めげ猫「タマ」の日記 学校再開も帰還が進まない福島県葛尾村(16)
福島県の推計人口(平成30年4月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(17)
浪江町復興計画【第二次】の策定について - 浪江町ホームページ(18)
廃炉等積立金制度に基づく取戻し計画の承認について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社(19)
原子力防災会議・原子力災害対策本部 : 原子力防災 - 内閣府(20)
避難指示区域の解除について | 浪江町ホームページ(21)
内閣府 - Wikipedia(22)
社説|柳瀬氏参考人招致/「加計ありき」の疑念深まる | 河北新報オンラインニュース(23)
補論 第1節 東日本大震災からの復旧・復興 - 内閣府(24)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(25)
ふくしまの牛 おいしい店・買える店 | ふくしまのお肉 | JA全農福島(26)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(27)
Webチラシ情報 | フレスコキクチ
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- 2018/05/14(月) 19:46:28|
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