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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島・値下がり、全国・値上がり、1~4月のイチゴ価格

 今年と昨年の1~4月の東京卸売市場のイチゴ価格を見ると、1キログラム当たりで全国平均では
 昨年(2017年) 1,241円
 今年(2018年) 1,291円
で(1)、50円の値上がりしています。一方で、福島産は
 昨年(2017年) 1,154円
 今年(2018年) 1,141円
で(1)、△13円の値下がりです。
福島産イチゴは
 ①産地は汚染されている。
 ②産地では葬式が増えているが、福島産イチゴを拒絶しているであろう相馬・南相馬市では増えていない。
 ③他より低く出る検査で安全され出荷される。
 ④産地では放射能が舞い散っている
等の特徴があります。福島産イチゴの価格低下は消費者が福島産の特徴を正しく理解したためであり当然の事です。
 福島はくだもの王国を自称しています(2)。イチゴが果物かは議論がありますが(3)、イチゴを果物とすると福島産果物は年間を通して楽しめます。すなわち
 1~5月  イチゴ狩り(4)
 6月    サクランボ狩り
 7~9月  モモ狩り
 8~10月 ナシ狩り
 8~12月 リンゴ狩り(5)
です。
 以下に福島県のイチゴの生産量を示します。
福島県のイチゴの生産量
 ※(6)を転載(元データは(7))
 図―1 福島県のイチゴの生産量

 伊達市、いわき市、福島市が3大産地です。その中で伊達市が圧倒的です。以下に位置を示します。
事故から7年以上経て汚染されている福島のイチゴ産地
 ※1(8)のデータを元に(9)に示す方法で5月1日に換算
 ※2 避難区域は(10)による。
 図―2 福島のイチゴ産地と相馬・南相馬市

 図に示す様に福島のイチゴ産地は国が除染が必要だとする0.23マイクロシーベルトを超えた地域が広がっています(11)。事故から7年以上が経過しましたが福島のイチゴは汚染された産地で作られています。
 これで本当に安全なのか心配です。福島県内に本社があり福島県を中心に店舗展開をするスーパーチェーンがあります(12)。当チェーンは福島最大のイチゴ産地の伊達市にもイチゴ栽培が盛んでない南相馬市にも店舗を展開しています。以下にチラシを示します。
福島県産イチゴが載っている福島県伊達市のスーパーのチラシ  他県産イチゴが載っている福島県南相馬市のスーパーのチラシ
 (a)伊達市店舗                         (b)南相馬市店舗
 ※(a)は(13)、(b)は(14)を引用
 図―3 福島のスーパーチェーンのイチゴのチラシ

 図に示す様にイチゴ栽培が盛んな伊達市では福島産ですが、そうでは無い南相馬市では他県産です。
 福島県のひらた中央病院が福島産米や野菜を避けるか、避けないかのアンケート結果を発表しています(15)。以下に結果を示します。
表ー1 福島産米や野菜を許容すかのアンケート結果
 ※ (15)を集計
福島産許容する割合が多い郡山市、少ない相馬・南相馬市

 表に示す通り、地域によって大きな差があります。相馬市・南相馬市では福島産米と野菜を共に許容する方は7%ですが、イチゴ産地のいわき市では37%の方が共に許容しています。図―3と表―1から伊達市、いわき市や福島市等の福島産イチゴの主要産地では福島産イチゴを許容する方が多いと推定できます。一方で、相馬・南相馬市では許容する方は少ないと推定できます。
 以下に福島のイチゴ産地(伊達市、いわき市、福島市)の各年度(4月から翌年3月までの1年間)の葬式(死者数)を示します。
事故後に増えた福島のイチゴ産地の葬式
 ※1(16)を各年度(4月から翌年3月)1年間で集計
 ※2 震災犠牲者は(17)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 ※3 福島事故は2010年度に発生
 図―4 福島のイチゴ産地(伊達市、いわき市、福島市)各年どの1年間のイチゴ産地の葬式(死者)数は
  事故前年度(2009年4月から10年3月)7,586人
  事故7年目(2017年4月から18年3月)8,501人
で12.1%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら2兆分の1でした。

 表―2 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(18)による。
有意差検定表

 福島県の発表(16)集計するとイチゴの主要な相馬・南相馬市の葬式数を集計すると
  事故前年度(2009年4月から10年3月)1,336人
  事故7年目(2017年4月から18年3月)1,332人
で殆ど変りません。
 福島のイチゴ産地では葬式が増えているますが、福島産イチゴを拒絶しているであろう相馬・南相馬市では増えていません。
 以下に福島県天栄村産ワラビの検査結果を示します。
県外検査は98(Bq/kg)、福島県検査は14(Bq/kg)の福島県天栄村産ワラビ
 ※1(19)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 日付けは収穫日ないし購入日
 ※4 凡例は検査先
 図―5 福島県天栄村産ワラビの検査結果

 図に示す様に福島県外の機関(国立医薬品食品衛生研究所)が実施した検査では1キログラム当たり98ベクレルですが、福島県の検査では14ベクレルでまったく合いません。
 ワラビ等の福島産農産物の出荷前検査は厚生労働省の発表(19)を見ると、全てを福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(20)が実施しています。中立性に疑問があります。福島産は他よりも低く出る検査で「安全」とされ出荷されます。
 以下に福島県最大のイチゴ産地の福島県伊達市の2016年11月から1年間で舞い降りた福島の放射性セシウムの量を示します。
ほぼ全域で放射能が舞い降りた福島県伊達市
 ※(21)に示す元データと手法で計算
 図―6 福島県伊達市の2016年11月から1年間に舞い降りた放射性セシウムの量

 図に示す様に福島県伊達市の大部分でセシウムが降り注いでいます。同市産の汚染が増しても不思議ではない状況にあります。
 以上を纏めると福島産イチゴは
 ①産地は汚染されている。
 ②産地では葬式が増えているが、福島産イチゴを拒絶しているであろう相馬・南相馬市では増えていない。
 ③他より低く出る検査で安全され出荷される。
 ④産地では放射能が舞い散っている
等の特徴があります。
 それでも安倍出戻り内閣の官僚は福島産は「安全」であり、これを避ける事を「風評被害」と主張しています(22)。でも、彼らは平気で「嘘」を言います(23)。福島産が「安全」との彼等の主張を消費者が受け入れるか興味があります。以下に各年1~4月の東京卸売市場のイチゴ取引価格を示します。
全国値上がり、福島産は値下がりの1-4月のイチゴ価格
 ※(1)を集計
 図―7 各年1~4月の東京卸売市場のイチゴ取引価格

 図に示す通り昨年より価格差は拡大しています。数値を見ると、1キログラム当たりで全国平均では
 昨年(2017年) 1,241円
 今年(2018年) 1,291円
で(1)、50円の値上がりしています。一方で、福島産は
 昨年(2017年) 1,154円
 今年(2018年) 1,141円
で(1)、△13円の値下がりです。
 これは消費者の福島産に対する正しい理解が進んだ結果であり、当然の事です。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。福島産を避けているのは福島の皆様も同じだと思います。
 福島を代表する野菜にトマトがあります(24)。福島県いわき市では5月18,19日に安倍出戻り総理も出席して「島サミット」と呼ばれる国際会議が開かれました。参加者は同市のトマト畑を視察したそうです(25)。福島県いわき市はトマトの季節です。同市産のトマトは美味しく栄養満点だそうです(26)。福島県は福島産トマトは「安全」だと主張しています(27)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(28)を引用
 図―8 福島産トマトが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)東京都中央卸売市場-統計情報検索
(2)福島県くだもの消費拡大委員会ホームページ
(3)いちごやメロンは野菜なの? 果物コラム
(4)いちご狩り2018 – 一般社団法人福島市観光コンベンション協会公式ページ
(5)くだもの狩り情報
(6)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(4月4週)―フルーティアふくしま出発、主産地の検査はありませんー
(7)作物統計調査 市町村別データ  平成18年産市町村別データ 年次 2006年
(8)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(9)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(10)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(11)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(12)ヨークベニマル - Wikipedia
(13)ヨークベニマル/お店ガイド
(14)ヨークベニマル/お店ガイド
(15)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(16)福島県の推計人口(平成30年4月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(17)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ
(18)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(19)報道発表資料 |厚生労働省
(20)農林水産部 - 福島県ホームページ
(21)めげ猫「タマ」の日記 放射能が舞い散る福島(2017)
(22)第5回「福島県産農林水産物の風評払拭対策協議会」を開催します (METI/経済産業省)
(23)加計問題「疑惑は晴れていない」83% 朝日世論調査:朝日新聞デジタル
(24)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(25)『復興』着実な進展支持 「島サミット」閉幕、首脳宣言を採択:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(26)今月の農家さん vol.8 - JA福島さくらの情報サイト TORETATE
(27)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(28)平尼子店 - 新鮮安い食品スーパーマルト
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  1. 2018/05/21(月) 19:44:14|
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