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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

原発忌避も風評被害

 新潟県知事選で与党系候補が当選したことを受け(1)(2)、日本経済新聞は6月12日付の社説「原発への不安をどう拭うか 」との社説を発信しました(3)。表題を見る限り原発は安全であり、再稼働を妨げているのは住民の「不安」のような論調です。(=^・^=)が調べた限りでは「福島産は安全」には科学的根拠がありません(4)。それでも、「風評被害」が叫ばれています。福島産には「「世界一厳しい基準と検査」が適応されているそうです(5)。同じように原発は「世界でもっとも厳しい水準の新しい規制基準が策定されました」との事です(6)。だったら原発も安全であり、当該社説の表題の通り原発の再稼働を妨げているのは「原発への不安」であり、原発を忌避するのは「風評被害」です。たとえ数年前に大事故を起こした(7)としても。
 福島第一原発の大事故で、放射性物質を閉じ込めるはずだった5重の壁(8)があっさりと壊れ放射能(8)が炉心から福島を中心に各地に「うつり」ました。以下に放射線量の分布を示します。
事故8年目も特異的に汚染されている福島
 ※(9)の数値データを元に(10)に示す手法で6月1日時点に換算
 図-1 特異的に汚染されている福島 

 図に示す通り福島では国が除染が必要とする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(11)地域が広がっています。一方で、福島県外には広がっていません。避難地域が設定されているのは「フクシマ」だけです(12)。事故8年目になりましたが「福島」は特的に汚染されています。
 福島を代表する農作物にモモがあります(13)。福島県福島市は福島最大のモモの産地であり(14)、県庁所在地の中では一人当たりのモモの消費量が全国一です(15)。以下に福島県福島市の各年1-4月の合計の葬式数を示します。
 事故後に葬式が増えた福島県福島市
 ※1(16)を集計
 ※2 各年1-4月の4ヶ月間
 ※3 震災犠牲者は(17)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 図―2 福島県福島市の各年1-4月の葬式(死者)数

 モモの生産が盛んで消費が多い福島市の葬式(死者)数は
 事故前(2010年1月~4月)1,042人
 今年(2018年1月~4月) 1,235人
で19%増えていました。2010年と2018年に亡くなった方を一つのグループとして、これを2010年と2018年に亡くなった方の二つのグループに分けます。もし、葬式が増えていないなら同じ数になります。一方で2018年の葬式が増えているなら、2018年が多くなるます。葬式が増えていないとして、このような事が起こる確率を計算したら0.005%でした。福島市で葬式が増えていないとは言い難い状況です(18)。
 福島県のひらた中央病院が福島産米や野菜を避けるか、避けないかのアンケート結果を発表しています(19)。これを集計すると相馬市・南相馬市では福島産米と野菜を共に許容する方は7%です。果物の調査結果はありませんが同様に避けていると想像できます。そこで、比較のために相馬・南相馬についても集計してみました。
相馬・南相馬市の葬式(死者)数は
 事故前(2010年1月~4月)478人
 今年(2018年1月~4月) 456人
で(19)少し減っていますが、統計的な差があるとまではいえません。
 福島の最大のモモの産地でモモの消費が多い福島県福島市では葬式が増えていますが、そうでは無い相馬・南相馬市では増えていません。図―1に示す通り福島は特異的に汚染されており、多くの方が「福島産」を避けるはずです。
 以下に生産量第一位の山梨県(20)と福島県産モモの取引価格を示します。
事後に低迷が続く福島産モモ価格
 ※(21)を集計
 図―3 山梨・福島のモモ価格(東京中央卸売市場)

 図に示す通り、事故前から福島産は安かったのですが、事故後は汚染されたので、消費者がこれを忌避しさらに安値になりました。
 ところが経済産業省はこうした「福島産」を避ける行為を「風評」と呼んでいます。なんでも
「世界一厳しい基準と検査」
で安全が担保されているとの主張です(5)。ただ、この役所には記憶を無くしり、戻したりする妙な審議官がいます(22)。(=^・^=)には何かの目的の為に、適当に「嘘」言っているようにしか見えません。だったら、福島産は「安全」も嘘の可能性があります。
 モモ等の果物の基準値は日本は1キログラム当たり100ベクレルですが(23)、ウクライナは70ベクレルです(24)。モモは福島よりウクライナの方が基準が厳しくなっています。そして検査も怪しげです。以下にスズキの検査結果を示します。
隣県では見つかっても福島産スズキからは見つからないセシウム
 ※1(25)を集計
 ※2 日付けは捕獲日
 ※3 NDは検出限界未満(みつからな事)を示す
 ※4()内は検査先
 ※5 淡水は除く
 図―4 スズキの検査結果

 図に示す通り茨城・千葉産だけでなく、岩手産、宮城産のスズキからもセシウムが見つかっています。ところが福島県が検査した福島県産からは見つかっていません。隣県産から見つかっているのの福島県が検査した福島産スズキからはセシウムが見つかっていませ。海はつなっているのにおかしな話です。スズキ等の福島農水産物の出荷前検査は、厚生労働省の発表(25)を見ると、すべてを福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(26)が実施してます。中立性に疑問があります。福島産は他より引く出る検査で「安全」とされ出荷されます。
 柏崎刈羽原子力発電所は事故を起こした東京電力の原子力発電所です。2007年の中越沖地震では、柏崎刈羽原子力発電所は火災(27)や放射能漏れ事故(28)をお越し、新潟県の海水浴客が半減する等(29)の被害を出しました。
2007年の柏崎刈羽原発火災映像を放送したBSN
 ※(30)を転載
 図-5 煙もくもく柏崎刈羽原子力発電所


 昨年12月27日の原子力規制員会は柏崎刈羽原発6,7号機の適合性審査(安全審査でない)の合格を決めました(31)(32)(33)。 6,7号機は合計で271.2万kWの出力があり(27)、稼働率を75%と見込むと(34)、年間178.2億kWh(271.2万×365×24×0.75)の発電が可能です。ガスタービン発電の燃料費は1kWh当たり13円だそうです(35)。東京電力は柏崎刈羽原発の再稼働で年間2,316億円(178.2億×13)の燃料費が節約できます。東京電力からみれば柏崎刈羽原発は打ち出の小槌です。新潟県は福島事故の検証を独自に進めています(36)。そのなかでは福島の子どもの間で見つかっている甲状腺がんも話題になっています(37)。(=^・^=)の見る限り福島の子ども甲状腺がんは事故影響の可能性が高そうです(38)。柏崎刈羽が再稼働後に事故って子供達が甲状腺がんになっては新潟の皆さんは困ると追います。
 6月10日に新潟県知事選挙の投票が行われました。与野党対決の構図で、3人が立候補しましたが、実質は与党系の花角候補(当選、現知事)と野党系の池田候補(落選)の一騎打ちでした(1)(2)。選挙公報を見ると(39)両候補とも柏崎刈羽の問題をトップにしていました。
原発再稼働問題を第一に掲げた新潟県知事選与野党系候補
 ※(39)を抜粋
 図-6 2018年新潟県知事選、選挙公報

 原発再稼働問題は新潟の皆さんの関心事のようです。NHKが報じるところによれば、知事選当日の出口調査で柏崎刈羽原発の再稼働への賛否を聞いたところ、反対が73%、賛成が27%で大多数が再稼働反対です(40)。それでも与党系候補が当選しました(1)(2)。原発の再稼働に「賛成」と答えた人は、70%台前半と、「反対」と答えた人のうち、30%台後半が与党系候補を、「反対」と答えた人のうち、50%台後半が野党系候補を支持したそうです(40)。与党系候補の支持率を見ると原発賛成が19%(0.27×0.7×100)、反対が22%(0.73×0.3×100)で、原発反対の方が多くなっています。当選した与党系候補に投票した方の半分以上が柏崎刈羽の再稼働に反対なようです。
 経済産業省は原発の安全性について
「世界でもっとも厳しい水準の新しい規制基準」
と主張しています(6)。福島産に対する
「世界一厳しい基準と検査」
と(5)極めて近い表現です。なんだか原発は安全であり、これを忌避するのは「風評被害」と言いたげです。
 これを受けてでしょうか?日本経済新聞は6月12日付の社説「原発への不安をどう拭うか 」との社説を発信しました(3)。この社説ではまず
「新潟県知事選で自民・公明両党が支援した花角英世氏が当選した。同氏は東京電力・柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に慎重な構えで、再稼働をめぐり地元の不安がなお強いことを浮かび上がらせた。 <中略>
柏崎刈羽6、7号機は昨年12月、原子力規制委員会の審査に合格している。東電や国は地元の同意を早く得て、再稼働させたい考えだが、知事が交代しても厳しい状況は変わりそうにない。

 地元の不安が強いのは、東電が福島原発事故を起こした当事者であるからだけではない。柏崎刈羽原発では2002年、原子炉のひび割れを東電が組織ぐるみで隠していた問題が発覚した。07年の中越沖地震でも火災発生の通報が遅れ、地元は不信を募らせた
 <中略>
花角氏にも現実を踏まえた対応を求めたい。柏崎刈羽原発の再稼働の可否は東電の経営を左右し、福島原発事故の被災地の復興にも影響を及ぼす。いたずらに判断を遅らせることは避けるべきだ。」
と論じています。柏崎刈羽は「世界でもっとも厳しい水準の新しい規制基準」をクリアし「安全」であり、これを忌避するのは(科学的根拠のない)地元の不安、すなわち「風評被害」である。新知事は東電の経営を安定化し、福島原発事故の被災地の復興を進める為に再稼働を認めるべきとの主張のようです。
 福島産の「風評被害」の連呼の裏には、原発忌避は「風評被害」との主張が隠れているようです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 (=^・^=)は原発に限らず技術はメリットとデメリットを比較しメリットがデメリットを上回れば使うべきだし、そうでないなら止めるべきだと考えます。交通事故は危険ですが、自動車を廃止などの意見は出ません。これは交通事故リスクより自動車の利便性が高いかからだと思います。原発再稼働も同様だと思います。事故等のリスクよりメリットが大きければ再稼働するべきと思いますし、デメリットが大きければ再稼働すべきでないと思います。
 日本全体で考えると難しい問題ですが、柏崎刈羽の再稼働は答えが簡単です。東京電力は新潟に電気を供給していません(41)。日本経済新聞は柏崎刈羽の再稼働のメリットを
「東電の経営を安定化し、福島原発事故の被災地の復興を進める」
のに有用としていますが(3)、東電の経営が安定化は首都圏や福島の問題で新潟には関係ありません。一方で再稼働すれば大小は別にして事故リスクを負います。さらには。柏崎刈羽が再稼働すれば東京電力の発電コストが低下するので、首都圏では電気料金の値下げの声が高まると思います。原子力政策を上手く進めるには、原発を再稼働した電力会社から順次の電気料金値下げは効果てきだと思います。柏崎刈羽原発が再稼働すれば東京電力が電気を供給している首都圏(42)の電気料金が下がる可能性が大きいと思います。一方で立地しているのに電気を供給していない新潟(41)の電気料金は下がりません。相対的に電気料金が高くなった新潟の産業は競争を失います。当該社説は
「新潟は政令指定都市があり、日本海側の拠点だ。新知事は地域の活性化にも全力を挙げてほしい。」
と結んでいます(3)。でも、実現は不可能になります。この社説は新潟の活性化を主張していますが、一方でこれを妨げかねない柏崎刈羽の再稼働を主張しています。事故後の原発報道を見るとこうした怪しげな報道をよく見かけます。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島を代表する野菜にキュウリがあります。二本松市は主要な産地です(43)。同市産の「ブルームきゅうり」が人気だそうです(44)。福島県二本松市はキュウリの季節です。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(45)。でも、福島県二本松市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
 ※(46)を引用
 図―7 福島産キュウリが無い福島県二本松市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県二本松市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)2018年新潟県知事選挙 - Wikipedia
(2)2018新潟県知事選|特集|新潟日報モア
(3)原発への不安をどう拭うか  :日本経済新聞
(4)めげ猫「タマ」の日記 「福島産は安全」には科学的根拠が無い
(5)風評に立ち向かう|福島復興|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁
(6)原発の安全を高めるための取組 ~新規制基準のポイント|広報特集|資源エネルギー庁
(7)福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia
(8)福島第一原子力発電所のような事故を二度と起こさないために|あくなき安全性の追求|[関西電力]
(9)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(10)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(11)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(12)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(13)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(14)くだものづくりがさかんな福島盆地
(15)福島県・福島市|なるほど統計学園
(16)福島県の推計人口(平成30年5月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(17)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ
(18)めげ猫「タマ」の日記 除染土利用計画段階で購入拒否、風評被害?
(19)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(20)桃の生産量の都道府県ランキング(平成28年) | 地域の入れ物
(21)東京都中央卸売市場-統計情報検索を「大分類⇒果物、中分類⇒もも類、品目(小分類)⇒もも」で検索
(22)柳瀬元首相秘書官の国会証言はやはり嘘だった 官邸面談録を全文公開 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)
(23)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(24)ウクライナにおける法的取り組み
(25)報道発表資料 |厚生労働省
(26)農林水産部 - 福島県ホームページ
(27)柏崎刈羽原子力発電所 - Wikipedia
(28)柏崎刈羽原子力発電所6号機の放射性物質の漏えいについて|TEPCOニュース|東京電力
(29)[PDF]PDF形式 858 キロバイト - 新潟県
(30)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい東電原発(3月1週)―柏崎刈羽・安全審査の申請書を再提出―
(31)第57回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会
(32)東京電力ホールディングス(株)に柏崎刈羽原子力発電所6号炉及び7号炉の設置変更を許可 | 原子力規制委員会
(33)(コメント)柏崎刈羽原子力発電所6,7号機の新規制基準への適合性に係る原子炉設置変更許可について|お知らせ|東京電力ホールディングス株式会社
(34)原子力発電所の設備利用率|発電所等データ|資料室(発電所運転データ他)|原子力情報センター(KNIC)|公開情報|原子力発電について|エネルギー|エネルギー・安定供給|関西電力
(35)化石燃料に依存する日本の電力事情(1):電力の88%を火力で作る
(36)新潟県:原発事故に関する3つの検証について
(37)新潟県:新潟県原子力発電所事故による健康と生活への影響に関する検証委員会
(38)めげ猫「タマ」の日記 福島甲状腺、地域差あり
(39)発電所の安全対策|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力中の柏崎刈羽原子力発電所安全対策リーフレットPDF
(40)新潟県知事選 出口調査結果から|NHK 新潟県のニュース
(41)【経済インサイド】電力自由化、仁義なき戦い 東京電力が東北電力エリアの新潟に進出!? 柏崎刈羽原発再稼働の切り札か?(1/4ページ) - 産経ニュース
(42)東京電力ホールディングス - Wikipedia
(43)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(44)「ブルームきゅうり」人気 表面の白い粉特徴、通販で福島県産:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(45)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(46)安達店 | ベイシア
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