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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島Q&A Q4.福島産米の全量・全袋検査で「安全」が担保されますか?

Q.福島県で実施されている福島産米の全量・全袋検査で「安全」が担保されますか?
A.担保されません。理由は以下の通りです。
①福島県が公表しているのは「仕様」のみで、検査が仕様通りに行われているかを示すデータが無い
②(=^・^=)なりに調べると、ほぼ基準値と同じ1キログラム当たりで76ベクレル程の誤差がある。
③福島産を許容する方が多い郡山市・三春町では葬式が有意に増えていますが、福島産米を許容する方が少ない無い相馬市・南相馬市ではそうではありません。
 福島は事故によって汚染されました。
事故8年目も汚染が続く福島
 ※1(1)のデータを(2)に示す方法で7月1日に換算
 ※2 旧避難区域は(3)による。
 図―1 本記事で紹介する市や町

 事故8年目になりましたが、福島では国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(4)地域が広がっています。福島は汚染されたままです。
 多くの方が福島産米が「安全」か心配していると思います。ところが2011年10月に福島県は今年のお米は「安全」として「安全宣言」をだしました(5)。しかし、その後に大量の汚染米が見つかりました。
 表―1 福島産セシウム汚染米の発見状況
 ※1 (6)を転載
 ※2 年は11,12月が2011年、1,2月が2012年
 基準超の福島産米リスト

 追加の検査は出荷前の検査だけであり、流通品に対しては実施されておらずどれ程の汚染米が市場に流出したかは不明です。
 2012年産米からは福島産米を全量検査する全量全袋検査が導入されました(7)(8)。以下に流れを示します。
福島産米全量全袋検査の流れ
 ※1(7)を引用加筆
 ※2 縦横比はいじってます。
 図―2 福島産米は全袋検査で安全が担保されていると主張する安倍出戻り内閣

 福島産米の全量・全袋検査は2段階になっています。1段目は袋ごとに簡易検査装置で検査し、一定の値(スクリーニングレベル)以下なら「安全」とされそのまま出荷されます(7)(8)。
 福島県の担当課のHP(9)を見ると「仕様」は記載されているのですが、検査が仕様道理に実施されているかを示すデータが一切記載されていません。「仕様」はただのドキュメントにか過ぎません。事故後に導入された新しい検査であることも併せて考えれば、検査が「仕様」に実施されてることを示すデータ無ければ検査で「安全」を担保することが出来ません。
 以下に図―2のを拡大したスクリーニングレベル示します。
福島産米全量全袋検査は50(Bq/kg)を主張する安倍出戻り内閣
 ※(7)を引用
 図―3 全量全袋検査(仕様)のスクリーニングレベル

 図に示すように「仕様」ではスクリーニングレベルは1キログラム当たり50ベクレルです。以下に福島県がYouTubeにアップしている検査映像示します。
スクリーニングレベルは76(Bq/kg)の福島産米全数全袋検査
 ※(10)を引用
 図―4 スクリーニングレベル76(Bq/kg)で運用される福島産米全量全袋検査

 図に示すようにスクリーニングレベルは1キログラム当たり76ベクレルです。すくなくとも、スクリーニングレベルは仕様と異なった運用をしています。
 運用が仕様通りでないなら、測定精度が仕様通りか気になります。厚生労働省の発表(11)を見ると4件の精密検査結果が出ていました。値は1キログラム当たりで
 47、19,6.2ベクレルおよび検出限界未満(ND)
です。。精密検査に回ったものは1段目の簡易検査で1キログラム当たり76ベクレルを以上のものです。すなわち簡易検査で1キログラム当たり76ベクレルを以上の物でも、精密検査を実施すると検出限界未満(ND)になります。測定誤差は76ベクレル以上です。基準値は1キログラム当たり100ベクレルですので(12)、基準値と同じレベルの誤差があります。これでは「基準値以下」は担保されません。福島の皆様の健康が心配です。
 福島県のひらた中央病院は福島産米等をさけているか否かのアンケートを発表しています(13)。以下に概要を示します。

 表―1 福島産米等を避けているかのアンケート結果
 ※(13)を集計
 郡山・三春で許容される福島産米

表に示す通り、地域によって大きな差があります。相馬市・南相馬市では福島産米を許容する方は23%ですが、福島県郡山市・三春町では67%が許容しています。表で郡山市と三春町、相馬市と南相馬市を合わせて集計したのは隣接しているからです。
 以下に各年3月から翌年5月までの福島県郡山市と三春町・合計の葬式数を示します。 
事故前に比べ増えた福島県郡山市の葬式
 ※1(14)を各年3-翌年2月までの1年間を集計
 ※2 震災犠牲者は(15)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 図―5 福島県郡山市・三春町の各年3月から翌年2月までの葬式(死者)数

郡山市・三春町合計の葬式(死者)数は
  事故前1年(2010年3月から11年2月)3,163人
  事故7年目(2017年3月から18年2月)3,665人
で16%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら8億分の1でした。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―2 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(16)による。
有意差検定表

 以下に相馬・南相馬市の葬式数を示します。
 事故前とあまり変わらない福島県相馬市・南相馬市の葬式
※1(14)を各年3-翌年2月までの1年間を集計
 ※2 震災犠牲者は(15)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 図―6 福島県相馬市・南相馬市の各年3月から翌年2月までの葬式(死者)数

福島県相馬市・南相馬市の葬式(死者)数は
  事故前1年(2010年3月から11年2月)1,294人
  事故7年目(2017年3月から18年2月)1,323人
で、殆ど変りません。

 以下にいわき市の葬式数を示します。
事故前に比べそれなりに増えている福島県いわき市の葬式
 ※1(14)を各年3-翌年2月までの1年間を集計
 ※2 震災犠牲者は(15)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 図―7 福島県いわき市の各年3月から翌年2月までの葬式(死者)数

福島県いわき市の葬式(死者)数は
  事故前1年(2010年3月から11年2月)4,007人
  事故7年目(2017年3月から18年2月)4,283人
で、7%増えています。郡山市・三春町と相馬市・南相馬市の中間です。
 郡山市・三春町、いわき市、相馬・南相馬市の葬式の増加率と表―2に示す福島産米を許容する割合と葬式の増加率をプロットしてみました。
福島産米を許容する地域程に増える葬式
 ※(13)(14)を集計
 図―8 福島産米を許容する割合と葬式の増加率

 図に示す通り福島産米を許容する地域程に葬式が増えています。
福島産米全量・全袋検査について纏めると
①図―1に示す様に福島汚染されている。
②公表されているのは「仕様」のみで、検査精度を担保するデータが発表されていない。
③(ほぼ基準値と同じ1キログラム当たりで76ベクレル程の誤差がある。
④福島産を許容する方が多い地域程、葬式が増えいる。
との特徴があり、全量・全袋検査では福島産米の「安全」は担保されません。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。福島に対する疑問を「福島Q&A 」にまとめました(17)。よかったら他のQ&Aも見て下さい。
 福島産米全量・全袋検査では「安全」は担保されません。それでもNHKは福島産米は「全量・全袋検査」が実施されており「安全」だ。避けるのは「風評被害」とので「嘘」を流しています。(18)。福島の皆様の反応が気になります。
 福島県棚倉町産米の全量全袋検査数は約15万件です(19)。同町の人口は14,209人なので(20)、町民が食べるには充分な量です。同町辺りのお米は美味しいお米だそうです(21)。福島県は福島産米は「安全」だと主張しています(22)。でも、福島県棚倉町のスーパーのチラシには福島産はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県棚倉町のスーパーのチラシ
 ※(23)を引用
 図―8 福島産が無い福島県のスーパーのチラシ

(=^・^=)も福島県棚倉町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(2)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(3)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(4)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(5)asahi.com(朝日新聞社):福島知事、県産米「安全宣言」 二本松産一部は買い上げ - 東日本大震災
(6)めげ猫「タマ」の日記 福島産品風評対策は「安全情報発信」では無理
(7)東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う各国・地域の輸入規制強化への対応:農林水産省中の「2.英語版(全体版)(PDF:4,500KB)」中の分割版1(PDF:1,680KB)
(8)全量全袋検査 - Wikipedia
(9)水田畑作課 - 福島県ホームページ
(10)福島県産米の全量全袋検査風景 - YouTube
(11)報道発表資料 |厚生労働省
(12)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(13)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(14)福島県の推計人口(平成30年6月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(15)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ
(16)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(17)めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A 
(18)「安全なのに売れない」~福島“風評被害“はいま~ - NHK クローズアップ現代+
(19)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報
(20)トップページ | 棚倉町公式ホームページ
(21)みりょく満点ブランド|JA東西しらかわ
(22)全量全袋検査に関するよくある質問 - 福島県ホームページ
(23)エコス
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  1. 2018/08/11(土) 19:45:11|
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