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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島県のモニタリング検査は「破綻」、知事は「出荷前検査の体制が機能している」

福島県いわき市沖で採れたヒラメから地元・漁協の自主検査で国が定めるスクリーニングレベルを超える1キログラム当たり50ベクレル(1)を超える59ベクレルのセシウムが見つかかり(3)(4)、ヒラメの試験操業が中止になりました(4)(5)。これについて福島県知事は
「出荷前検査の体制が機能している」
と主張していました(4)。福島県沖の試験操業は福島県が実施する検査を基に、問題の無い事が確認されあ魚種から開始されます(6)(7)。自主検査の基準を超えたヒラメが見つかった事は、福島県の検査が破綻していることを示しています。
 事故から8年になりますが、福島第一から海洋への放射能漏れは続いています。以下に福島第一原発ないの排水路のセシウム137濃度を示します。
法定限度を超えるセシウム137で汚染された排水が流れる福島第一排水路
 ※1(8)にて作成
 ※2 法定限度は(9)による。
 図―1 福島第一排水路のセシウム137 

 図に示す通り事故から7年以上になりますが、福島第一から海へは法定限度を超える放射能を含む汚染排水が流されています。福島の海は汚染され続けています。多くの方が福島の「海」に不安を抱いたと思います。以下に福島の海水浴伽数の推移を示します。
事故後に大幅に減ったままの福島の海水浴客
 ※
 図―2 四倉、勿来および薄磯海水浴場の入込数

 今年は分かりませんが、図に示す通り昨年までに訪れた海水浴客は事故前の比べ大幅に減っています。そして今年は海開きで、キャンペーンクルーが逃げ出しています(11)。福島県いわき市の観光キャンペーンクルーは3名です(12)。でも、同市の海開きに出席したのは2名で(13)、一人はドタキャンしたようです。
福島の海開きを報じる福島のローカルTV(FTV)
 ※(3)をキャプチャー
 図―3 キャンペーンクルーは2名の海開きを報じる福島のローカルTV局(FTV)

 当然ながら福島の海で採れた魚介類についても「不安」があります。そこで、福島県の漁協である福島県漁連は試験操業を行っています(2)(7)。福島県の検査と国の基準(14)を前提に、「安全」な魚種を選び小規模な操業と販売を試験的に行い、出荷先での評価を調査して、福島県の漁業再開に向けた基礎情報を得るために「試験操業」を行っています(2)。試験操業では採れた魚介類は福島県漁連で検査し、基準値以下を確認し出荷されます(6)。ところが、トラブルが発生しています。
 2014年2月には福島県漁連の自主検査でユメカサゴから1キログラム当たり110ベクレルのセシウムが見つかりました(4)。
brg140301c.gif
  ※(15)を転載
  図―4 ユメカサゴから110ベクレルを報じる福島ローカル局(FTV)

 不思議な事に福島県の2013年3月~14年2月末までの1年間に158件の検査をしていますが、うち151件からは放射性セシウムがみつからず、最高値は1キログラム当たり25ベクレルです。以下に推移を示します。
brg140301b.gif
  ※1(16)を集計
  ※2 NDは検出限界未満を示す
  図―5 福島県沖ユメカサゴの放射性セシウム濃度の推移

 福島県漁連と福島県の検査結果が一致しません。
 福島県いわき市は福島県沿岸部南部にある市で南を茨城県に接しています(17)。以下にヒラメの検査結果を示します。
千葉・茨城産からは見つかっても、福島県いわき市産ヒラメからは見つらないセシウム
 ※1(16)(18)を集計
 ※2 日付けは捕獲日
 ※3 NDは検出限界未満(みつからな事)を示す
 ※4 いわき市産の検査は全て福島県(福島県農業総合センター)が実施
 図―6 ヒラメの検査結果

 図に示す通り福島県が実施した検査では、いわき市産ヒラメからセシウムは2017年9月以降は全てが検出限界未満(ND)です。発表(16)(18)から数を数えると180件連続です。図に示す様に南隣の茨城産やその先の千葉産ヒラメからはセシウムが見つかっています。海は繋がっているのの、汚染源に近い福島県いわき市産ヒラメからは見つからないとは、おかしな話です。
 そして、福島県いわき市沖でとれたヒラメから国が定めるスクリーニングレベル(1)や福島県漁連の基準の1キログラム当たり50ベクレル(6)を超えるセシウムが見つかりました。
いわき市沖ヒラメから59(Bq/kg)のセシウムが見つかったと報じるFCT
 ※(19)をキャプチャー
 図―7 福島県いわき市沖で採れたヒラメから1キロ当たり59ベクレルのセシウムが見つかったと報じる福島のローカルTV局・FCT

 福島県の検査は福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(20)が実施しています(18)。中立性に疑問があります。福島県はユメカサゴで基準超が見つかっているので、自らの検査体制を見直すべきだったのですが、それをせずおかしな検査を放置したので、今度はヒラメで基準超がでました。
福島では国の基準より低いとの報道がなされています(4)
「国の基準で出荷していい物」と報じる福島のローカルTV局(TUF)
 ※(4)をキャプチャー
 図―8 「国の基準で出荷していい物」と報じる福島のローカルTV局(TUF)

 国が制定している食品の検査方法には「緊急時におけるガンマ線スペクトロメトリー」(21)と「食品の放射性セシウムスクリーニング法」(1)があいますが、1キログラム当たり100ベクレルの基準値が適応されるのは「緊急時におけるガンマ線スペクトロメトリー」に準拠して検査したものです(22)。福島県漁連が採用している「緊急時におけるガンマ線スペクトロメトリー」のスクリーニングレベルは概ね1キログラム当たり50ベクレルです。国が規定するスクリーニングレベルを超えています。
 福島県の検査は「破綻」していますが、福島県知事は
「出荷前検査の体制が機能している」
とコメントを出しました。
「出荷前検査の体制が機能している」との発言をする福島県知事
 ※(4)をキャプチャー
 図―9 「出荷前検査の体制が機能している」との発言をする福島県知事

 問題は福島県の検査体制にあります。それを見直すことなく、このような発言はとんだ居直りです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島県知事の発言通りなら、福島県の検査では「安全」は担保されず「「出荷前検査の体制」でしか福島産の「安全」は担保されません。福島産の「安心」について
「技術や科学がかいとうするのはとても難しい」
とTUFは報じていました。
「技術や科学がかいとうするのはとても難しい」と報じるTUF
 ※(4)をキャプチャー
 図―10 「技術や科学がかいとうするのはとても難しい」と報じるTUF

 でも、福島県の検査に問題がある以上は「技術や科学」見地で、福島産は受け入れるべきではないとの結論になります。福島の多くの皆様も同じ考えだと思います。
 福島を代表する果物にモモがあります(23)。福島では7月25日にスマイルピーチの皆様の立ち合いける献上桃の選果・箱詰め式が行われました(24)。
 献上桃の選果・箱詰め式に立ち会う福島の綺麗な女性(スマイルピーチ)
 ※(25)をキャプチャー
 図―11 献上桃の選果・箱詰め式に立ち会う福島の綺麗な女性(スマイルピーチ)

 福島はモモのシーズンです。福島のモモは美味しいそうです(26)。福島県は福島産モモは「安全」だと主張しています(27)。でも、福島県塙町のスーパーのチラシには福島産モモはありません。
他県産はあっても福島産モモが無い福島県塙町のスーパーのチラシ
 ※(28)を引用
 図―12 福島産モモが無い福島県塙町のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県塙町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正について |報道発表資料|厚生労働省
(2)福島県における魚介類の試験操業に関するポータルサイトです
(3)(2)中の「 漁協によるスクリーニング検査結果 ⇒いわき地区
(4)Nスタふくしま20180723 TUFchannel
(5)東日本大震災:福島第1原発事故 県沖ヒラメ漁、県漁連が自粛 自主基準値超え /福島 - 毎日新聞
(6)(2)中の「検査体制
(7)試験操業の流れ - 福島県ホームページ
(8)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2018年6月28日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第55回事務局会議)⇒【資料3-6】環境線量低減対策(7.07MB)
(9)サンプリングによる監視|東京電力
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島・海じまい、海水浴客は事故前の7.5%
(11)めげ猫「タマ」の日記 福島海開き、キャンペーンクルーが逃げ出した!
(12)第30代サンシャインガイドいわきが決定いたしました! | いわき市 観光情報サイト IWAKI
(13)待ってたぞ!夏 いわきで海開き | 県内ニュース | 福島民報
(14)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(15)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2月)―ユメカサゴは基準超え、でも福島県は公表せずー
(16)報道発表資料 |厚生労働省
(17)いわき市 - Wikipedia
(18)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(19)ニュース|福島中央テレビ
(20)農林水産部 - 福島県ホームページ
(21)緊急時における食品の放射能測定マニュアル - 厚生労働省
(22)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(23)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(24)桑折の献上桃 丁寧に箱詰め | 県内ニュース | 福島民報
(25)ニュース|福島中央テレビ
(26)ふくしまプライド便
(27)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(28)グディング/塙店のチラシと店舗情報|シュフー Shufoo! チラシ検索
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  1. 2018/07/26(木) 19:44:42|
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