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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

経産省は汚染水放出資料で凍土壁効果あり、実際は効果なし

 福島第一に設置された凍土壁の内側への水の流入量を東電発表(1)から見積もると
 2017年7月 1日当たり平均で798トン
 2018年7月 1日当たり平均で704トン
で、凍土壁をすり抜け内側に流入する水の量は10%しか減っていません。凍土壁による止水はできていません。それでも経産省は福島第一汚染水放出公聴会資料で
 凍土壁併合前 1日当たり520トン
 凍土壁併合後 1日当たり140トン
と記載し(2)、あたかも凍土壁の効果があったような主張をしています。
 福島第一では地下水が山から流れて来て、原子炉やタービン建屋に流入しています。あるいは海までに達しています。汚染されれば海に流せないので、これを汲みあげ浄化装置を通した後で海に流しています。ただし全ての放射性物質が浄化できる訳ではありません。東京電力はトリチウムは浄化できないとしています(3)。浄化しても排水基準(4)を満たさない汚染地下水は、タービン建屋に送っています(6)。
 地下水がタービン建屋に流れ込んだり、海岸の井戸からタービン建屋に送り込んだ地下水で汚染水は増えていきます。 
ドンドン増える福島第一汚染水
 ※(7)を集計
 図―1 どんどん増える福島第一汚染水

 最新の発表(8)を集計すると総量で約115万トンに達します。以下にタービン建屋から汲み上げた直後のセシウム137の濃度をします。
 再上昇する福島第一汚染水のセシウム137濃度
※(9)を集計
 図―2 タービン建屋から汲み上げた直後の汚染水のセシウム137濃度

 いったんは下がったのですが再び上昇し、1リットル当たりで1億ベクレル程度になりました。法定限度は1リットル当たり90ベクレルですので(10)、100万倍の高濃度です。以下にトリチウムの濃度を示します。
再上昇する福島第一汚染水のトリチウム濃度
 ※(9)を集計
 図―3 福島第一汚染水のトリチウム濃度

 こちらいったんは下がったのですが、再び上昇し1リットル当たり200万ベクレルを超えてしまいました。法定限度は1リットル当たり6万ベクレルですので(10)、30~40倍の高濃度です。
 このままでは海には流せないので、汚染水タンクを作り続け保管しています(12)。そのうちに汚染水タンクの増設が困難になる日が来そうです。汚染水の増加を抑えることは近々の課題です。
 汚染水の増加を抑える対策の柱として原子炉やタービン建屋を氷の壁で囲む「凍土壁」が作られました。以下に構造を示します。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン
 ※(3)(13)にて作成
 図―4 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン

 断面の模式図は以下の通りです。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面
 ※(3)(13)にて作成
 図―5 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面)

 氷の壁で地下水の流れを阻止し、タービン建屋に流れ込む地下水や海岸にまで達する地下水を減らす計画です(13)。当初の予定では2015年3月位から運用を始める予定でしたが(14)、完全凍結が始まったのは2017年8月22日からです(15)。ほぼ2年半の遅れです。
 増え続ける汚染水を持ちきれなくなったのか、経済産業省資源は7月31日に、汚染水の海洋放出等の処分の方法や時期などについて国民の意見を聞く公聴会の案内を発表しました(2)(15)。その資料で、凍土壁について
 凍土壁併合前 1日当たり520トン
 凍土壁併合後 1日当たり140トン
と記載し(2)、あたかも効果があったかのような発表をしています。
凍土壁が効果を上げたかのような発表
 ※(2)引用
 図―6 凍土壁の効果があったかのような「経済産業省」の発表

 経済産業省は事故前は「原子力保安院」で「原子力の安全」も担当していました(17)。でも、大事故です。信用してよいか分かりません。そこで、本当に効果があったのか(=^・^=)なりに調べてみました。図―3に示す様に福島第一は西側が山で東側が海です。陸側(西側)から順に凍土壁・サブドレン・建屋・サブドレン・凍土壁・ウエルポイント・地下水ドレン・海側遮水壁です。このうち凍土壁と海側遮水壁は水の流れを遮ることを意図し設けられました(3)(13)。サブドレンは地下水を汲み上げる井戸です。図-3,4に示しように凍土壁の内側になり、ここで汲み上げらる水は全量が凍土壁をすり抜けて流れ込んだ水です。
 サブドレンでの汲みあげに失敗した地下水は建屋に流れ込むか、海に向かって流れて行きます。ウエルポイント、地下水ドレンは海側に流れた地下水を汲み上げる井戸です。すなわち、サブドレン汲み上げ量、原子炉建屋への流入量、ウエルポイント、地下水ドレンの汲み上げ量の合計が「凍土壁」では阻止できずに流れ込んだ「水」の総量です。以下に推移を示します。
はまり減らない凍土壁内への水の流入量
 ※1(4)を集計
 ※2 サブドレンはサブドレン汲み上げ量、流入は建屋流入量、海岸部はウエルポイント、地下水ドレンの合計汲み上げ量
 図-7 「凍土壁」で阻止できなかった「水」の量

図に示すように凍土壁で阻止できなかった「水」の量はあまり減っていません。凍土壁は2017年8月に「完全凍結」がはじっまたので、先月と完全凍結開始間前の前年同月との流量を比較してみました。
 2017年7月 1日当たり平均で798トン
 2018年7月 1日当たり平均で704トン
で、凍土壁をすり抜け内側に流入する水の量は10%しか減っていません。
 経済産業省の資料では2017年12月から18年2月を集計して汚染水の増加量を1日当たり140トンとしていますが、(=^・^=)なりに東京電力の発表(7)を2017年12月から18年7月までで集計すると1日当たり190トンです。経済産業省は都合の良い時期を集計しています。経済産業省は「嘘」をつく役所です。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島第一原発の「廃炉」を担当する国側の機関である「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」の担当大臣は経産大臣の兼務であり(18)、経済産業省は「廃炉」担当する役所です。そこが「嘘」つくようでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島県の地方紙・福島民報は8月1日付の社説「【ふくしまの桃】産地を育てる消費者に」で
「県産桃の収穫が最盛期を迎えている。全国二位の生産量を誇る。JAふくしま未来によると、今年は糖度が高く、例年以上に『おいしい』という。<中略>甘さや酸味、香りの違いを楽しみ、消費者として産地を盛り上げよう。」
と論じていました(19)。福島県は福島産モモは安全だとも主張しています(20)。でも、福島の皆様の賛同はえらないようです。福島県二本松市のスーパーのチラシには福島産モモはありません。
他県産はあっても福島産モモが無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
 ※(21)を引用
 図―8 福島産モモが無い福島県二本松市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県二本松市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)(1)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2018年7月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第56回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(23.8MB)PDF
(2)多核種除去設備等処理水の取扱いに係る説明・公聴会 (METI/経済産業省)中の多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会 説明・公聴会資料(pdf:5518KB)
(3)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(4)サンプリングによる監視|東京電力
(5)報道配布資料|東京電力
(6)(5)中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(7)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社ちゅの「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(8)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第363報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(9)(5)中の「水処理設備の放射能濃度測定結果」
(10)サンプリングによる監視|東京電力
(11)第56回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(12)(11)中の「資料6:フランジ型タンクに関するリスク低減策の進捗[東京電力]【PDF:2MB】
(13)陸側遮水壁|東京電力
(14)2014年3月12日 凍土式遮水壁の計画及び進捗状況について(資源エネルギー庁)
(15)2017年8月22日福島第一原子力発電所 陸側遮水壁第三段階開始について(PDF 786KB)
(16)トリチウム水公聴会 参加者募る 資源エネ庁 | 県内ニュース | 福島民報
(17)原子力安全・保安院 - Wikipedia
(18)原子力損害賠償・廃炉等支援機構 - Wikipedia
(19)【ふくしまの桃】産地を育てる消費者に(8月1日) | 県内ニュース | 福島民報
(20)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(21)安達店 | ベイシア
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  1. 2018/08/02(木) 19:43:53|
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