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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

小高駅再開2年1ヶ月、未来は暗い

 2016年7月12日に避難指示解除に合わせて再開した福島県南相馬市の小高駅が再開しました(1)。それから2年1ヶ月になります。この間の様子を見ていると
 ・駅周辺の住民の帰還が進まない。
 ・駅の利用者は殆どが高校生と思われるが、駅のある南相馬市の子どもが減り続けており、生徒が減少し利用者が減りそう。
 ・駅周辺の事業所が再開しない。
などの兆候があり未来はくらそうです。
 福島県南相馬市は福島県沿岸部北部にある市です。先の震災では津波で大きな被害をうけ、さらに事故で汚染されました(1)。
事故8年目も汚染が続く福島
 ※1(2)の数値データを元に(3)に示す手法で8月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(4)による
 図―1 福島県南相馬市

 2016年7月12日付で避難指示を解除しました(1)(4)。同日に同市南部にある小高駅も再開しました(5)。以下に位置を示します。
津浪危険地帯と汚染地帯に挟まれた小高駅
 ※1(2)の数値データを元に(3)に示す手法で8月1日時点に換算
 ※2 避難区域および旧緊急時避難準備区域は(4)による
 ※3 小高と避難指示解除区域は(6)よる。
 ※4 小高の津波危険地帯は南相馬市のハザードマップによる(7)。
 図―2 小高駅と2016年7月12日の避難解除区域

 図に示す通り海側は津波危険地帯で山側が国が除染が必要とする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(8)地域が広がります。小高駅周辺は津波危険地帯か除染が必要な場所です。それでも「安全」とされ駅周辺の避難指示が解除されました。以下に小高駅がある南相馬市小高の住民の居住状況を示します。
帰還が進まない南相馬市小高
 ※1(6)を集計
 ※2 避難は住民登録されている人数から小高に居住されている人数を引いた人数
 図-3 南相馬市小高住民の居住先

 図に示す様に帰還が進みません。2018年7月31日時点で
 住民登録 8,263人中小高在住は2,877人(34.8%)
です。さらに注意すべ事は住民登録している方が減り続けています。事故時には12,842人いましたが(6)、4,579人(36%)減っています。既に多くの方が小高への帰還をあきらめ、小高から住民票を移しています。
 南相馬市の発表(6)から計算すると、南相馬市小高の住民のうち5,386人が小高以外でくらしています。ただし、福島県が福島県内の避難者として認定しているのは1,869人です(9)。この方達が全て南相馬市小高に住むようになっても合計で4,579人です。これは事故時の住民数の37%です。
 住民帰還の施策は福島でも市町村によって温度差があります。飯舘村では学校のPTA会費、給食費、修学旅行費用などを無償にし、子どもを村に繋ぐ止めようとしています(10)。あるいは村のイベントに岡本真夜さんや増田明美さんを呼んで盛り上げようとしています(11)(12)(13)。8月12日に小高でな夏まつりが開催されましたが、報道を見る限りこのような著名人は来ていません(14)。このような積極策は南相馬市小高では無理です。図―2に示す様に事故によって南相馬市は避難区域、緊急時避難準備区域、どちらでもない区域の3つに分断されました。区域によって賠償額に相当な差があります。いわゆる「賠償格差」です(15)。旧避難区域だけに特別な施策をとれば他の区域から不満がでるのは明らかです。それどころか事故前は入院機能があった南相馬市小高の小高病院の入院機能を廃止してしまいました(16)。南相馬市は旧避難区域住民帰還のための優遇策をとることが出来ません。
 常磐線小高駅から徒歩20〜30分、スクールバスで10分に小高産業技術高校があります(17)。この高校は元々は南相馬市小高にあった小高工業高校(18)と小高商業高校(19)が2017年4月にできた高校です(17)。事故以降は避難してきましたが(18)(19)、小高に戻しました。以下に南相馬市小高の児童・生徒数を示します。
高校生が極端に多い小高の学校の児童・生徒数
 ※1 小学校は(20)、中学校は(21)で共に2017年度
 ※2 高校は(22)で2018年4月
 図―4 南相馬市小高の児童生徒数

 図に示す様に小中学生に比べ、高校生が多くなっています。小高産業技術高校の生徒さんですが、概ね外部から通学しているようです。以下に小高駅の1日当たりの乗車人員を示します。
2017年度は481人の小高駅
 ※(5)にて作成
 図―5 小高駅の乗車人員

 図に示す様に小高産業技術高校が小高で再開した2017年度は1日当たり481人です。一方で小高産技術高校の生徒は少し多い530人です。少し生徒数が多いのは学校に行かない日があるためと思います。小高駅の主な利用者は小高産業高校の生徒さんです。
 2017年度の募集定員は240人です(23)。2017年の新入生は今は2年生です。小高産業技術高校の2年生の生徒は163人です(22)。定員割れです。小高産業技術高校は不人気な高校です。以下に南相馬市の10代前半の人口を示します。
減り続ける南相馬市の10代前半の人口
 ※(24)を集計
 図―6 南相馬市の10代前半人口

 図に示す様にどんどん減っています。
  事故前(2011年3月1日)3,303人
  近々(2017年7月1日) 1,583人
で、事故直前に比べ半分以下になっています。これからも減って行きます。当然ながら不人気な高校はさらに生徒が集まらなくなります。
 将来はもっと悲惨です。今から5年前の2013年7月には南相馬市では15~19歳の女性が1,489人いました(24)。それから5年を経て彼女達は20~24歳になりました。今(2018年7月)、南相馬市の20~24歳の女性は3分1近い502人です(24)。2013年当時15~19歳だった南相馬市の女性の3分2近くが南相馬市が脱出しています。若い女性がいなくなれば子どもが生まれなくなります。小高産業技術高校は不人気です。生徒も集まりません。
 報道によれば小高の飲食店など290の会員事業所のうち、地元に戻ったのは30ほど。100事業所以上は区外で再開したそうです(25)。小高駅がある小高の事業所が再開しいません。
 以上をまとめると、小高駅再開から2年1ヶ月になります。この間の様子を見ていると
 ・駅周辺の住民の帰還が進まない。
 ・駅の利用者は殆どが高校生と思われるが、駅のある南相馬市の子どもが減り続けており、生徒が減少し利用者が減りそう。
 ・駅周辺の事業所が再開しない。
などの兆候があり未来は暗そうです。

  
<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 小高駅を活性化するには避難されている方の不安を解消し多くの方に戻ってもらう必要があります。でも、多くの福島の皆様は不安なようです。  
 福島を代表する果物にナシがあります(26)。今年も収穫が始まりました(27)。福島のナシは美味しいそうです(28)。福島県は福島産ナシは「安全」だと主張しています(29)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産ナシはありません。
他県産はあっても福島産ナシが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(30)を引用
 図―7 福島産ナシが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)南相馬市 - Wikipedia
(2)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(3)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(4)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(5)小高駅 - Wikipedia
(6)避難指示区域別居住状況 - 南相馬市
(7)地震・津波等ハザードマップを見直しました - 南相馬市
(8)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(9)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(月1回更新) - 福島県ホームページ
(10)学校再開に係る保護者説明会資料 - 飯舘村ホームページ
(11)広報いいたて 平成30年5月号 - 飯舘村ホームページ
(12)7年ぶりの飯舘村。 | 岡本真夜オフィシャルブログ「Mayo Log」Powered by Ameba
(13)広報いいたて 平成30年8月号 - 飯舘村ホームページ
(14)ローカルTime FNN被災地発...
(15)視点・論点 「シリーズ・東日本大震災5年 いま原発避難者に求められる支援とは」 | 視点・論点 | 解説アーカイブス | NHK 解説委員室
(16)小高病院の全病床移行 南相馬で市民説明会 | 東日本大震災 | 福島民報
(17)福島県立小高産業技術高等学校 - Wikipedia
(18)福島県立小高工業高等学校 - Wikipedia
(19)福島県立小高商業高等学校 - Wikipedia
(20)"南相馬市立小高小学校 » 児童数生徒数情報|Gaccom[ガッコム]
(21)南相馬市立小高中学校 » 児童数生徒数情報|Gaccom[ガッコム]
(22)小高産業技術高等学校の進学情報 | 高校選びならJS日本の学校を(=^・^=)なりに集計
(23)参考資料 小高産業技術高等学校パンフレット(PDF形式 ... - 経済産業省を(=^・^=)なりに集計
(24)福島県の推計人口(平成30年7月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(25)<南相馬・小高>避難指示解除2年 地域再生へ整備急務、生産年齢人口の帰還増が鍵 | 河北新報オンラインニュース
(26)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(27)いわき産「ナシ」どうぞ!甘み強く高品質 福島県トップ切り出荷:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(28)ナシ(梨) | 一般社団法人福島市公設地方卸売市場協会
(29)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(30)イオンいわき店 | お買物情報やお得なチラシなど
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