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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島Q&A Q5.ストロンチウム90の検査が無くても、福島産は「安全」と言えますか?

Q.色々調べたのですが、福島産食材単品のストロンチウム90の検査結果が見当たりません。それでも「安全」と言えますか?
A.「安全」とは言えません。
 福島産に限らず食品単体のストロンチウムの検査は殆どありません。東京電力が福島の魚について3ヶ月に1回発表している(1)程度でしょうか。これにつて
「放射性セシウム以外の核種(ストロンチウム90、プルトニウム、ルテニウム106)は、測定に時間がかかるため、移行経路ごとに各放射性核種の移行濃度を解析し、産物・年齢区分に応じた放射性セシウムの寄与率を算出し、合計して1mSvを超えないように放射性セシウムの基準値を設定する。」
と主張しています(2)。言い換えれば、ストロンチウム90はセシウムに対して一定の割合を想定して取り込んでいるとの説明です。でも、割合がどの程度かは記載がありません。資料から算出するしかありません。当該資料はセシウムだけなら1キログラム当たり120ベクレルまで安全だとしています。20ベクレルがストロンチウム90分です。
 セシウム137を1ベクレルを取り込むと0.013マイクロシーベルト
 ストロンチウム90を1ベクレル取り込むと0.028マイクロシーベルト
被ばくします(3)。
 セシウム137が20ベクレルは0.26マイクロシーベルト(0.013×20)
の被ばくに相当します。
 0.26ベクレル被ばくするストロンチウム90の量は9.3ベクレル(0.26÷0.28)
です。厚生労働省が想定しているストロンチウム90の「存在比率」、セシウムの10%です。
 厚生労働省の資料(2)は2012年4月に改定となった基準値を説明するためにつくらてたものです。今でもそうですが、その時点でも福島産のストロンチウム90はあまり測定されていませんでした。どこのデータを持ってきたかは記載されていませんが、福島事故でなくそれ以前のデータです。核実験(4)かチェルノブイリ事故(5)か、あるいは両方のデータを使ったとは思います。でも、核爆弾と原子炉では基本的な構造が違います。チェルノブイリと福島では条件が違います。チェルノブイリは黒鉛炉ですが(6)、福島第一は軽水炉です(7)。原子炉の形式が違います。チェルノブイリは内陸にありますが(5)、福島第一は海岸にあります(7)。
 ウラン235が核分裂をすると概ね6%がセシウム137ないしはストロンチウム90になります。半減期は共に概ね30年(セシウム137が30.17年、ストロンチウム90が28,9年)であり(8)、放射能の量の単位であるベクレル(Bq)は生成される原子数と半減期で決まります。ストンチウム90とセシウム137が核分裂で作られる割合と半減期がほぼ同じなので、発生する放射能はほほ同じです。これがストロンチウム90だけ「移行経路」で10分の1になるというのが厚生労働省の説明です。
 福島と過去の放射能漏れないしは放出事故では条件が違います。「移行経路」は福島の条件で確認されるべきです。事故から7年半近く経ったので時間はあったはずです。しかしこうした調査を(=^・^=)は知りません。
 福島第一原発では海岸に5本の井戸が設置されています。海に汚染水が流れ出す前にこの井戸から地下水をくみ上げています(10)。ただし全てを汲み上げているかは不明です(11)。
福島第一の海岸に設置されている地下水ドレン
 ※1(10)に加筆
 ※2井戸の名称は(12)による。
 図―1 地下水ドレン

 これを東京電力は地下水ドレンと呼んでいます(10)。5本の井戸は北からA、B、C、D、Eとの名称がついています。このうち「B]の放射性物質濃度を示します。
セシウムは殆んど見つからないのにストロンチウム90が見つかる地下水ドレン汲み上げ水
 ※(13)による
 図―2 地下水ドレン井戸(揚水井B)の放射性物質濃度

 図に示す様にセシウムは殆ど見つからないのに、ストロンチウム90は確り見つかっています。福島にはストロンチウム90だけが流出する「移行経路」があります。
 以下に福島原発沖20km圏内の魚のストロンチウム90の検査結果を示します。
過去最高のストロンチウム90が見つかった今年の福島の魚
 ※(1)を集計
 図―3 20km圏内の魚のストロンチウム90の検査結果

 図に示す通り、そこそこストロンチウム90が見つかっています。最大の物はクロダイで1キログラム当たり30ベクレルのストロンチウム90が見つかっています。これのセシウムは1キログラム当たり50ベクレルです(14)。したがってセシウムの60%のストロンチウム90が見つかっています。厚生労働省の想定の10%の6倍です。
 放射性ストロンチウムは生体内ではカルシウムと同じような挙動をとるそうです(16)。以下に比較的サンプル数が多い福島第二原発沖(T-S7)地点で採れたお魚のストロンチウム含有量とカルシウム含有量の相関を示します。
 カルシウム含有量が多い程にストロンチウム90を多く含む福島第二沖魚
 ※ ストロンチウム90含有量は(1)、カルシウム含有量は(16)による。
 図―4 カルシウム含有量とストロンチウム含有量の相関(福島第二沖:T-S7)

 図に示す通りカルシウム含有量が多い程にストロンチウム90を多く含みます。牛乳はカルシウムが豊富な食品です(17)。お魚同様にストロンチウム90が心配です。でも、福島県の発表(18)も厚生労働省の発表(19)の、福島県楢葉町はおろか原乳のストロンチウム90検査結果は全く掲載されていません。
 さらにストロンチウム90のリスクを増しているのが、「放射性物質低減対策」です。名前は「放射性物質低減対策」ですが、実態は「セシウム低減策」であってストロンチウム90には効果がありません。セシウムだけを測れば安全が確保でいるとの厚生労働省の説明を無効にするものです(20)。
 以上をまとめると、厚生労働省はストロンチウム90はセシウムの1割程度であり、セシウムを検査していればストロンチウム90を検査していなくても福島産の安全は担保されると主張していますが、
 ①セシウムは見つからず、ストロンチウム90だけが見つかる「移行経路」がある。
 ②福島県沖で採れたお魚からは、厚生労働省想定の6倍のセシウムに対して60%のストロンチウム90が見つかっている。
 ③カルシウム含有量が多い程にストロンチウム90を多く含むが、カルシウムが豊富な牛乳など、殆ど全ての農畜産物でストロンチウム90は検査されていない。
 ④「放射性物質低減対策」はストロンチウム90には効果がなく、セシウムが見つからなくともストロンチウム90を含む食品を生み出す。
になります。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。福島に対する疑問を「福島Q&A 」にまとめました(21)。よかったら他のQ&Aも見て下さい。
 どう見ても福島産の「安全」を担保するには単品のストロンチウム90の検査が必要です。でも、安倍出戻り内閣も福島県もしようとしません。行政がこのような姿勢では不安なので、(=^・^=)は
 「買わない」「食べない」「出かけない」
の「フクシマ3原則」を決めています。でも、これって(=^・^=)だけではないようです。
9月に入り福島はナシやブドウの本格シーズンです(22)。福島の果物はおいしいそうです(23)福島県は福島産ナシもブドウも「安全」だと主張しています(24)。でも、福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産ナシもブドウもありません。
他県産はあっても福島産ナシもブドウも無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
 ※(25)を引用
 図―5 福島産ナシもブドウも無い福島県郡山市のスーパーのチラシ

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道配布資料|東京電力中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域> 201*年度 第*四半期採取分 」(*は1桁の数字)
(2)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省中の「食品中の放射性物質の対策と現状について [1,434KB]
(3)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(4)核実験 - Wikipedia
(5)チェルノブイリ原子力発電所事故 - Wikipedia
(6)黒鉛炉 - Wikipedia
(7)福島第一原子力発電所 - Wikipedia
(8)核分裂反応 - Wikipedia
(9)ベクレル - Wikipedia
(10)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(11)2015年1月16日(いわき市漁協組合員説明会資料)海洋汚染をより確実に防止するための取り組み(PDF 2.21MB)
(12)サンプリングによる監視|東京電力中の「サブドレン・地下水ドレンに関するサンプリング⇒中継タンクの分析結果⇒2016年6月14日
(13)⇒Ⅹ.地下水⇒地下水ドレンポンド揚水井・観測井水質分析⇒CSV
(14)2017年7月13日魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域> 2016年度 第4四半期採取分(PDF 756KB)
(15)ストロンチウム - Wikipedia
(16)五訂増補日本食品標準成分表 [第2章]中の10 魚介類(PDF:283KB)
(17)大切な栄養素カルシウム:農林水産省
(18)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(19)報道発表資料 |厚生労働省
(20)めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A Q5.放射性物質低減対策ってなんですか?
(21)福島Q&A 
(22)ふくしまプライド。
(23)くだもの王国福島県のフルーツライン♪新鮮な果物狩りを満喫しよう! | icotto(イコット)
(24)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(25)シミズストア-店舗案内中の金屋店
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  1. 2018/09/03(月) 19:41:24|
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