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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一津波対策は「原発停止に直結する」と経営判断

東京電力が福島第一の津波対策を実施せずに大事故を起こした理由について、河北新報は津波対策を実施すると「原発停止に直結する」と報じていました(1)。当時の状況をみると極めて合理的な報道です。
 先の震災で4つの原発が津波に襲われした。北から東北電力女川(2)、東京電力福島第一(3)、東京電力福島第二(4)、日本原電東海第二(5)です。このうち原子力緊急事態宣言が発令され(6)、周囲に避難指示が出されたのは東京電力の福島第一、第二だけです(7)。東北電力と日本原電の原子力発電所の周囲では避難指示が出ることなく乗り切れました。(=^・^=)はなぜ「東京電力」だけが?と思ってしまいます。
避難地域は東電原発周囲のみ
 ※(7)を引用
 図―1 福島第一、第二周辺にだけ設定された「避難区域」
 
 この疑問に対する東京電力の説明は「想定外」です。
 2012年4月には
「今回の津波は、それまでの知見では想定できない大規模なものでした」
とのプレス文を発表しています(7)。(=^・^=)が東京電力の発表を調べる限りでは、このプレス分を訂正する発表を知りません。さらには、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の「安全対策」を紹介した漫画では福島事故について
「想定を上回る津波が過酷な事故への引き金となりました」
記載し、ここでも「想定外」を主張しています(2)(12)。
今も「想定外」を主張する東京電力
 ※(11)を引用
 図―2 東京電力の「柏崎刈羽の安全対策」を紹介した漫画

 でも、事故前に福島第一を襲った津波は想定されていました(14)。
 brg140919c.gif
 ※(11)を抜粋・加筆
 図―3 2002年の津波想定(福島第一原発付近)

 なぜか、福島第一原発付近の想定が消えていますが、周囲の溯上高で15mが想定されています。
 貞観地震(じょうがんじしん)は、869年7月9日に、日本の陸奥国東方沖(日本海溝付近)の海底を震源域として発生したと推定されている巨大地震であで、地震の規模は少なくともマグニチュード8.3以上であったとされています。地震に伴って発生した津波による被害も甚大であったそうです(14)。 東北電力は貞観津波を想定し、女川原子力発電所の津波想定を海抜9.1m想定し,標高14.8mの場所に女川原発を作ることをきめたようです(12)(13)。
brg140912a.gif
※(13)を抜粋・加筆
 図-4 東北電力の津波想定

 図で見てわかる通り「貞観津波」の波源は福島第一と女川の中間の位置ですので、同じ影響が福島第一にも起こることも十分に予想できると思います。
 2007年の中越沖地震で東京電力柏崎刈羽がトラぶった(事故った)ことを受けて始まった再度のチェック(14)の為と思いますが、東海第二では2009年から防潮堤のかさ上げ工事を行い、このかさ上げの効果で先の震災で襲来した津波をなんとかしのぐことがでいました(5)。しかるに東京電力は福島第一の津波想定を約3mとしています(15)。
 東北電力や日本原電は津波対策を実施し、大事故を免れたのに、東京電力は津波対策をとらず大事故を引き起こしました。東京電力が津波対策を取らなかった理由について、東北のブロック紙の性格も有する河北新報(16)が、2008年7月に東電本店の会議室で、原子力・立地副本部長を務める武藤栄常務への説明会が開かれ、
「長期評価を基に大津波を想定すれば、防潮堤建設など大規模工事は避けられない。だが、柏崎刈羽原発が損傷、停止した07年の新潟県中越沖地震以降、世間の目は厳しい。大規模工事は地元の不安を招き、運転停止を求められかねない。対策実施はすなわち、原発停止に直結する。」
との結論になったと報じていました(1)。当時の状況を振り返ると、十分にあり得ることだと思います。
 15.7メートル津波の計算結果が従前に報告されていたそうです。この説明会には吉田昌郎原子力設備管理部長(故人)も出席したそうです。彼は津波の危険を知っていました。でも、政府事故調で
「日本の地震学者、津波学者のだれがあそこにマグニチュード9がくるということを事前に言っていたんですか。」
と証言しています(10)。
 2002年:東京電力管内の原子力発電所のトラブル記録を意図的に改竄、隠蔽していたことが発覚しました(いわゆる東京電力原発トラブル隠し事件)。これによって一連の事件による原子力発電所の運転中止により、翌年夏は電力不足の危機に見舞われました(17)。この事件等で当時の福島県知事は東京電力に不信感を持ったようです(17)(18)。
 2007年:東京電力柏崎刈羽原子力発電所が中越沖地震で、火災(19)や放射能漏れ事故(20)をお越し、新潟県の海水浴客が半減する等(21)の被害を出しました。
2007年の柏崎刈羽原発火災映像を放送したBSN
 ※(22)を転載
 図-4 煙もくもく柏崎刈羽原子力発電所

柏崎市長の消防法に基づく緊急使用停止命令や、経済産業省の原子炉の運転を再開しないよう指示により(19)、運転が停止しました。これによりまたも「電力危機」が起きました(23)。津波対策の打ち合わせがあった2008年度は柏崎刈羽原発は発電をしていません(24)。
 「防潮堤」等の大規模な安全対策を実施すれば、完成まで「稼働を停止」するなどはある意味で当然の要求です。福島第一、第二が立地する福島県に東京電力は電力は電気を供給していません(25)。福島県は電力を心配することなく、稼働の停止を要求できます。一方で、東京電力は柏崎刈羽が止まり「電力危機」の状態なのに、福島第一(場合によっては第二も)止まっては電力危機がよりいっそうに深刻な物になります。安全を無視し、安全対策をしない「経営判断」をする環境が整っていました。
 そして、事故を起こしました。
 事前に15.7メートル津波の計算結果が報告されていたそうです。この説明会には吉田昌郎原子力設備管理部長(故人)が出席していました(1)。報道の通りなら彼は15.7メートルの津波の可能性を知っていたはずです。でも、政府事故調で
「日本の地震学者、津波学者のだれがあそこにマグニチュード9がくるということを事前に言っていたんですか。」
と証言しています(26)。
 「電力危機」回避を優先する経営判断で、「安全」を無視し、事故ったら「想定外」と言い張る。これが福島事故の真相のように(=^・^=)には思えます。
 
<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 東京電力が原発を安全に運転するには、福島事故の原因を確り調べ同じような事が起こらない仕組み作りが必須と思います。でも、原因を「想定外」の津波と主張し続けています。それでいて柏崎刈羽原発の「再稼働」を目論んでいます(27)。こんな東京電力が「廃炉」をやっていては福島の皆様は不安だと思います。
 福島を代表する野菜にキュウリがあrます(28)。今がシーズンです。TOKIOの皆様は「うまい」と言っています(29)。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(30)。でも、福島県相馬市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ
 ※(31)を引用
 図―5 福島産キュウリが無い福島県のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県相馬市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)<福島第1原発事故>津波対策「白紙化」の夏/旧経営陣公判証言から | 河北新報オンラインニュース
(2)原子力発電所の安全対策 東日本大震災と女川原子力発電所 | 東北電力 ホームページ
(3)福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia
(4)福島第二原子力発電所 - Wikipedia
(5)東海第二原発は本当に危険な瀬戸際だった
(6)原子力災害対策特別措置法 - Wikipedia
(7)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(8)今回の津波は、それまでの知見では想定できない大規模なものでした|東京電力
(9)原子力発電所に質問です 柏崎刈羽原子力発電所の安全対策|東京電力ホールディングス株式会社
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島事故は「想定外」を主張し続ける東京電力、想定外がまた起きて柏崎刈羽も事故りそう
(11)予測された日本海溝津波地震 想定されなかった津波被害
(12)貞観地震 - Wikipedia
(13)めげ猫「タマ」の日記 福島原発事故は吉田所長の自作自演?
(14)3.3.2 原子力の安全の確保と安心の醸成 │ 資源エネルギー庁
(15)【120620】福島原子力事故調査報告書の公表について|TEPCOニュース|東京電力
(16)河北新報 - Wikipedia
(17)東京電力原発トラブル隠し事件 - Wikipedia
(18)収賄額0円の収賄罪…“抹殺”された福島県元知事が“現在”を語る (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
(19)柏崎刈羽原子力発電所 - Wikipedia
(20)柏崎刈羽原子力発電所6号機の放射性物質の漏えいについて|TEPCOニュース|東京電力
(21)[PDF]PDF形式 858 キロバイト - 新潟県
(22)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい東電原発(3月1週)―柏崎刈羽・安全審査の申請書を再提出―
(23)新潟県中越沖地震に対する東京電力の対応 - Wikipedia
(24)2008年度(平成20年度)|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力中の発電電力量と設備利用率PDF
(25)東京電力ホールディングス - Wikipedia
(26)政府事故調査委員会ヒアリング記録 : 原子力防災 - 内閣府)中の「吉田 昌郎 東京電力福島第一原子力発電所長 ⇒事故時の状況とその対応について 3 ⇒吉田 昌郎-5(PDF形式:845KB)
(27)新潟県の皆さまへ(新潟本社)|東京電力ホールディングス株式会社
(28)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(29)ふくしまプライド。
(30)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(31)Webチラシ情報 | フレスコキクチ中の「相馬店」
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  1. 2018/09/02(日) 19:47:00|
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