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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

遅れが目立つ福島第一原発廃炉工程

 11月からの実施が予定されていた福島第一原発3号機使用済み核燃料プールからの核燃料取り出し(2)が延期になりました(3)(4)。これまでも、廃炉作業を遅延を繰り返しています。福島第一の廃炉は2011年12月に30~40年で実現する発表されました(5)。それから7年を経たのであと23から33年で廃炉完了の計画ですが、実現は無理です。
 福島第一原発は2011年3月に事故を起こし、今、「廃炉作業」が進められています(6)。最初の廃炉計画は2011年12月に発表されました。廃炉を30~40年で実現するとの内容です(5)。その後に何度か見直しが行われましたが(7)、廃炉は2011年12月を起点に30~40年で実現する事は変っていません(8)。最新の計画は2017年9月に発表されたものですが(8)、その中で11項目について期限が改定されました。その中で「3号機燃料取り出しの開始 」は「2018年度中頃」とされています(9)。年度を3分割すれば、中頃は「8月から11月」になります。そんなわけと思いますが、これまでは2018年11月から実施することになっていました(2)。それが9月6日の会見で「延期」が発表されました(4)(10)。
3号機核燃料取り出し延期を記載した東京電力発表資料
 ※(3)を抜粋
 図―1 「3号機燃料取り出しの開始 」の延期を発表する東京電力資料


 1年前に改定された廃炉計画で(8)「3号機燃料取り出しの開始 」は「2018年度中頃(11月まで)」と最初に期限を迎えるものです。これが延期になりました。
 3号機核燃料取り出し延期を報じる福島県の地方紙・福島民報
※(11)を9月7日に閲覧
 図―2 「3号機燃料取り出しの開始 」の遅れを報じる福島県の地方紙・福島民報

他の項目もどんどん遅れると思います。
 その前の計画は2015年6月に廃炉計画の見直しがありました(12)。その中で11項目について期限が明示されました(13)。その中で計画通りにできたものは「敷地境界の追加的な実効線量を1mSv/年未満まで低減」の「2015年度」だけです(14)。ただし、これも当初計画(5)では2012年度中に実現するとしていました(15)。以下に各項目の状況について説明します。
①「敷地境界の追加的な実効線量を1mSv/年未満まで低減」、期限「2015年度」(2016年3月末)
 東京電力の資料を見る限り(15)、福島第一原発の外(敷地外)に漏れ出る放射線量を年間1ミリシーベルト未満にする取組です。東京電力は期限ぎりぎりの2016年3月30日に「達成」を発表しています(15)。ただし、当初の計画では2012年度(2013年3月末)で(5)、計画が発表された2012年12月21日からですと(5)、概ね1年3ヶ月(15ヶ月)で達成するはずでした。でも、達成は4年3ヶ月(51ヶ月)後の2016年3月ですので、当初見込みの3倍以上を要しています。

②「多核種除去設備処理水の長期的取扱いの決定に向けた準備開始」、期限「2016年度上半期」(2016年9月末)(15)
 福島第一原発ではタービンや原子炉建屋に地下水が流れ込んだり、海岸から汲み上げた汚染水のうち海には流せない物をタービン建屋に送っています。原子炉やタービン建屋内の放射性物質に触れ、酷く汚染されます。放置すると溢れ出るので、汲み上げて汚染水タンクに保管しています(16)。ただし、この汚染水は日々増え続けいます。
どんどん増える福島第一原発汚染水量
 ※(17)(18)で作成
 図―3 日々、増え続ける福島第一汚染水

 最新の発表(19)を集計すると東京ドーム(体積124万立方メートル(20))の一杯分に近い総量で約115万トンに達します。汚染水は処理装置で中に含まれる放射能を低減していますが、すくなくともトリチウムは取り切れません(21)。さらには、ヨウ素129は植物、土壌、乳汁、動物組織などの生物圏に組み込まれます(22)。東京電力は「浄化装置」(多核種除去設備)で取り除けると主張しています(23)。ところが排水の法令基準(1リットル当たり9ベクレル)を超えるヨウ素129が度々、見つかっていると8月23日に報じられました(24)。
 東京電力は自らが所有する柏崎刈羽原発の再稼働を目指して、適合性審査(安全審査ではない)を申請しています。(=^・^=)の試算では審査中の6,7号機の再稼働が実現できれば約2000億円の燃料代が節約でます(25)。柏崎刈羽原発の再稼働は東京電力の悲願です。一方で、原子力規制委は福島第一汚染水の「海洋放出」を柏崎刈羽原発の審査合格の実質的条件にしています(25)。東京電力には福島第一汚染水を「海洋放出」で最終処分するしかありません。
 「多核種除去設備処理水の長期的取扱いの決定に向けた準備開始」は汚染水の最終処分に向けた準備を始める事です。
 経済産業用は汚染水の最終処分を検討する「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」を立ち上げました(26)。これが「準備」と思います。ただし小委員会の第一回会合は2016年11月11日で(27)、期限の2016年9月末に間に合いませんでした。

③「建屋流入量を100m/日未満に抑制」、期限「2016年度」(2017年3月末)(15)
 図―3に示す様に福島第一では日々、汚染水が増えづけています。汚染水の増加要因のうち、直接に原子炉やタービン建屋に流れ込む量を1日たり100トン未満にするもです。これについては凍土壁の効果に期待したようです。
 「凍土壁」は原子炉やタービン建屋を囲む氷の壁です。以下に構造を示します。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン
 ※(28)(29)にて作成
 図―4 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン

 断面の模式図は以下の通りです。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面
 ※(28)(29)にて作成
 図―5 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面)

 氷の壁で地下水の流れを阻止し、タービン建屋に流れ込む地下水や海岸にまで達する地下水を減らす計画です(29)。当初の予定では2015年3月位から運用を始める予定でしたが(30)、完全凍結が始まったのは2017年8月22日からです(31)。ほぼ2年半の遅れです。さらに凍結が完了したのは今年(2018年)3月と東京電力は言っています(32)。
 図―4に示す様に福島第一は西側が山で東側が海です。陸側(西側)から順に凍土壁・サブドレン・建屋・サブドレン・凍土壁・ウエルポイント・地下水ドレン・海側遮水壁です。このうち凍土壁と海側遮水壁は水の流れを遮ることを意図し設けられました(28)(29)。サブドレンは地下水を汲み上げる井戸です。図-3,4に示しように凍土壁の内側になり、ここで汲み上げらる水は全量が凍土壁をすり抜けて流れ込んだ水です。
 サブドレンでの汲みあげに失敗した地下水は建屋に流れ込むか、海に向かって流れて行きます。ウエルポイント、地下水ドレンは海側に流れた地下水を汲み上げる井戸です。すなわち、サブドレン汲み上げ量、原子炉建屋への流入量、ウエルポイント、地下水ドレンの汲み上げ量の合計が「凍土壁」では阻止できずに流れ込んだ「水」の総量です。以下に推移を示します。
一向に減らない凍土壁内への「水」の流入量
 ※1(33)を集計
 ※2 サブドレンはサブドレン汲み上げ量、流入は建屋流入量、海岸部はウエルポイント、地下水ドレンの合計の汲み上げ量
 図-6 「凍土壁」で阻止できなかった「水」の量

図に示すように凍土壁で阻止できなかった「水」の量はあまり減っていません。凍土壁は2018年3月に「完成」したので(32)、先月と「完成」前の前年同月との流量を比較してみました。
 2017年8月 1日当たり平均で915トン
 2018年8月 1日当たり平均で774トン
で(33)、凍土壁をすり抜け内側に流入する水の量は15%しか減っていません。凍土壁が「完成」した4月以降にタービン建屋に直接流れ込んだ量は平均で
 1日辺り124トン
で、達成されていません。その後1年前(2017年9月)に工程表が改定され(8)、この目標は
 「汚染水発生量を150m/日程度に抑制 、(期限)「2020年内」
に置き換わっています。東京電力の発表(17)(18)を集計すると、4月以降の平均の
 汚染水発生量は1日当たり223トン
で、期限までは2年4ヶ月ありますが、今の所は達成しておません。

④「高濃度汚染水を処理した水の貯水は全て溶接型タンクで実施」、期限「2016年度早期」(2016年6月くらい、早期を第一四半期と解釈しました)
 福島第一の汚染水タンクには鋼材をボルトでつなぎ合わせたフランジ型タンクとより信頼性の高い溶接型タンクがあります(34)。フランジ型タンクは過去に汚染水漏れを起こしています(35)。そこでフランジ型タンクを廃止して、全ての汚染水を「溶接型タンク」に保管する目標が設定されました。期限は2016年度早期」です(15)。ところが2017年10月30日になってに「フランジ型タンク」に汚染水を貯めています(36)。1年前に改定された工程表(8)では
 「浄化設備等により浄化処理した水の貯水を全て溶接型タンクで実施」、期限「2018年度」(2019年4月)
なっており、期限が2年数か月後にずれました。

⑤「建屋内滞留水中の放射性物質の量を半減」、期限「2018年度」(15)
 1年前に改定された工程表(8)では
  「建屋内滞留⽔中の放射性物質の量を2014年度末の1/10程度まで減少」、期限「 2018年度」
に置き換わっていますが、今のところは2015年の計画通りでしょうか

⑥「1号機燃料取り出しの開始」、期限「2020年度」(15)。
 1年前に改定された工程表(8)では
 「1号機燃料取り出しの開始」、期限「2023年度目処」
で、期限が3年後にずれています。

⑦「2号機燃料取り出しの開始」、期限「2020年度」(15)
 1年前に改定された工程表(8)では
 「2号機燃料取り出しの開始」、期限「2023年度目処」
で、期限が3年後にずれています。

⑧「3号機燃料取り出しの開始」、期限「 2017年度
」(15)
 1年前に改定された工程表(8)では
 「3号機燃料取り出しの開始」、期限「2018年度中頃」
で、期限が8ヶ月(2017年3月末から2018年11月)後にずれています。これも実現できなくたった事は前述の通りです。

⑨「初号機の燃料デブリ取り出し方法の確定」、期限「2018年度上半期」(15)
 1年前に改定された工程表(8)では
  「初号機の燃料デブリ取り出し⽅法の確定 」、期限「2019年度」
で、期限が1年半後にずれています。

⑩「初号機の燃料デブリ取り出しの開始」、期限「2021年内」
 1年前に改定された工程表(8)では
  「初号機の燃料デブリ取り出しの開始」、期限「2021年内」
で、同じですが方法の確定は1年半遅れなので、その分だけ準備期間が短くなっています。できるのですかね?政治的なに匂いがします。

⑪「廃棄物対策 処理・処分に関する基本的な考え方の取りまとめ」、期限「2017年度」
 1年前に改定された工程表(8)では
 「廃棄物対策 処理の処分の方策とその安全性に関する技術的な見通し」、期限「2021年度頃」
 に変わり、期限が4年後にずれています。

 2015年6月に期限設定された11項目のうち、8項目は期限が後にずらされています。予定通りにいった1項目は、初期の計画から見れば大幅遅延です。今の所で期限が変わっていない2項目中1項目は実現が怪しくなっています。そして1年前に改定された計画のうち
 「3号機燃料取り出しの開始 」
がそろそろ「期限」ですが、遅れが確定しました。福島第一原発の廃炉工程は常に遅れています。最新の廃炉計画でも廃炉まで30~40年(8)とされていますが、現状を見る限り先が見えません。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 先が見えない福島第一原発の廃炉では福島の皆様は不安だと思います。
 福島の夏野菜にピーマンがあります(37)。9月ですが、まだまたシーズンです(38)。TOKIOの皆様は福島産の夏野菜は「うまい」と言っています(39)。福島県は福島産ピーマンは「安全」だと主張しています(40)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産ピーマンはありません。
他県産はあっても福島産ピーマンが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 (41)を引用
 図―7 福島産ピーマンが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県福島市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)2018年のアーカイブ - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社
(2)(1)中の「2018年7月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第56回事務局会議)⇒【資料3-2】 使用済燃料プール対策
(3)(1)中の「2018年9月6日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第57回事務局会議)⇒【資料3-2】 使用済燃料プール対策
(4)11月開始は困難 第一原発3号機核燃料取り出し作業 | 県内ニュース | 福島民報
(5)2011年のアーカイブ - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社
(6)廃炉プロジェクト|福島の責任|東京電力ホールディングス株式会社
(7)中長期ロードマップ(廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議等) - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社
(8)2017年のアーカイブ - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社
(9)(8)中の(資料1)中長期ロードマップ改訂案について
(10)動画アーカイブ|写真・映像ライブラリー|東京電力ホールディングス株式会社
(11)福島民報
(12)2015年のアーカイブ - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社
(13)(12)中の(資料1)中長期ロードマップ改訂案について
(14)敷地境界線量(評価値)の目標達成について2016年3月30日東京電力株式会社
(15)(5)中の東京電力(株)福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ(概要版)(538KB)
(16)汚染水対策の状況 - 廃炉プロジェクト|廃炉作業の状況|東京電力ホールディングス株式会社
(17)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社
(18)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社
(19)(18)中の10日
(20)東京ドーム (単位) - Wikipedia
(21)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(22)ヨウ素の同位体 - Wikipedia
(23)汚染水の浄化処理|東京電力中の多核種除去設備による除去効果が見込まれる核種(PDF 20.4KB)
(24)<福島第1原発>処理水の放射性物質残留 ヨウ素129基準超え60回 17年度 | 河北新報オンラインニュース
(25)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水公聴会日程終了 「長期保管も議論」へ、窮地に立つ東京電力
(26)福島第一原子力発電所における汚染水対策 (METI/経済産業省)
(27)多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会情報 (METI/経済産業省)
(28)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(29)陸側遮水壁|東京電力
(30)2014年3月12日 凍土式遮水壁の計画及び進捗状況について(資源エネルギー庁)
(31)2017年8月22日福島第一原子力発電所 陸側遮水壁第三段階開始について(PDF 786KB)
(32)汚染水対策の状況 - 廃炉プロジェクト|廃炉作業の状況|東京電力ホールディングス株式会社
(33)(1)中の「2018年9月6日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第57回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策
(34)【福島第一原子力発電所:溶接型タンクの製造現場】... - 東京電力ホールディングス株式会社 | Facebook
(35)2013年8月30日(汚染水対策検討WG第5回資料)H4タンクエリアにおける汚染水の漏えいについて(PDF 11.3MB)
(36)第56回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会中の「資料6:フランジ型タンクに関するリスク低減策の進捗[東京電力]【PDF:2MB】
(37)夏 | ふくしまの野菜 | JA全農福島
(38)福島県の旬(出回り時期) 野菜編
(39)ふくしまプライド。
(40)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中のやさい編 [PDFファイル/173KB]
(41)イオン福島店 | お買物情報やお得なチラシなど
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  1. 2018/09/11(火) 19:45:02|
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