FC2ブログ

めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)―その19.福島での先天異常の発生率等は、全国的なデータと差がない。合計特殊出生率等に異常

 今年10月に改定された「放射線副読本」は、
 「福島県内における先天異常の発生率等は、全国的な統計や一般的に報告されているデータと差がない」
と記述し(1)、福島の妊婦さんにあたかも異常がなかったように記述していますが、(=^・^=)なりに調べると
・合計特殊出生率の低下
・自然死産率の上昇
・計画的避難区域での出生性比の異常
などが認められます。
 事故によって福島を中心に大量の放射能がばら撒かれました。そして政府は原発から半径20キロ圏からの住民の避難(2)、20~30キロ圏の人々には屋内退避を指示しました。さらに、米政府は日本にいる米国民に対し、50マイル(約80キロ)離れるように勧告しました(3)。以下に20km、30km、80km圏を示します。
事故から7年9ヶ月を経て汚染されている福島
 ※1(4)のデータを(5)に示す手法で12月1日に換算
 ※2 旧計画的避難区域は(2)による。 
 図―1 事故から7年9ヶ月が過ぎて汚染されている福島

 福島県飯舘村は福島県北部の山村で(6)、図に示す様に概ね福島第一原発から概ね30km以上離れています。現行の制度では原発事故の避難計画の策定が必要な30kmの外になります(7)。ところが事故によって放射能が飛んで来て村は汚染されました。図に示す様に事故から7年9ヶ月が過ぎても、国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(8)を超えており、汚染されたままです。
 ただし、直ぐには避難指示はでませんでした。避難指示が出たのは事故1ヶ月後の4月22日、避難が始まったのは2ヵ月以上過ぎた5月15日、概ね避難を終えたのは3ヶ月以上が過ぎた6月22日です(6)。いわば逃げ遅れた村です。そんななか一人の同村の女子高校生が2011年5月に開かれた東京電力の説明会で「将来結婚したとき、被ばくして子どもが産めなくなったら」と質問しました(9)。
brg130719b.gif
 ※(10)を転載
 図―2「産めなくなったら・・」と質問する福島県飯館村の女子高校生

 その後の展開は彼女の予想通りといってもよいもんでした。妊娠期間は概ね280日だそうです(11)。3月11日の280日後は12月16日なので、事故後に懐妊した赤ちゃんは概ね2012年以降に生まれることになります。
以下に福島の合計特殊出生率を示します。
2011,12年と下がった福島の合計特殊出生率
 ※(12)を引用
 図―3 福島の合計特殊出生率

 図に示す通り、事故があった2011年と翌年に低下しています。一人の女性が一生に産む子供の数の平均の数です(13)。2012年の福島は特異的に子どもが生まれ難くなりした。このようなことは同じ被災地でも岩手や宮城では起こっていません。
brg130607a.gif
 ※(14)を転載
 図―4 福島および隣県と全国の合計特殊出生率推移

 これについて、
 「福島県は福島原発事故の影響で安心して子ども生める環境が整っていなかったにが低下の要因」
と報じていました(14)。ただし、なぜそうのような判断が出たのかの理由は説明されていません。
 以下に福島県の自然死産率の推移を示します。
全国の1.5倍の福島県死産率(グラフ)
 ※(15)を集計
 図―5 福島県の自然死産率の推移

 図に示す様に、事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれるであろう2012年以降に急に増えています。以下に各年の数値を示します。

 表―1 福島県の赤ちゃん誕生数と自然死産数
 ※(15)を集計
全国の1.5倍の福島県死産率(数値表)

 これを2010,11年と12,13の二つのグループに分けて、偶然に起こる確率を計算したら統計的な差があるとされる5%(16)を下回る1.3%でした。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―4 偶然に起こる確率の計算結果(自然死産)
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(17)による。
有意差検定表

 事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれるであろう2012,13年はそれ以前の1.5倍に増えました。福島では妊娠途中で自然死産をしてしまい元気な赤ちゃんを産めなかったお母さんが増えました。
 「産めなくなったら」と質問した女の子の村にも異変が起きました。 福島事故直後に二種類の避難区域が設定されました。警戒区域と計画的避難区域です。警戒区域は事故直後の2011年3月12日に設定されました。計画的避難区域は事故後にしばらくしてから放射線量が高いことが判明し設定された避難区域で、設定されたのは事故から1ヶ月以上が過ぎた2011年4月22日です(2)。さらには、警戒区域では残された家畜は殺処分となりました(18)。一方で、計画的避難区域では一定の条件下で家畜の持ち出しが認められました(19)。計画的避難区域は逃げ遅れた、さらには家畜の持ち出し等の為になかなか逃げなった避難区域です。図―1に示す通り、飯舘村の全域と葛尾村の大部分が計画的避難区域になりました。また、逆に全域ないしは大部分が計画的避難区域に指定されたのは飯舘村と葛尾村だけす(2)。事故前の飯舘村には「飯舘牛」なるブランド牛がありました(20)。葛尾村では3,448頭の牛と3,863頭の豚が飼育されていした(21)。これは葛尾村の事故前の人口1,531人(22)を超えます。両村とも畜産が盛んでした。家畜の移動で被ばくした方も多いと思います。この2村が福島事故の影響を最も強く受けています。
 以下に各年3月から翌年2月までの2村(飯舘・葛尾村)合計の赤ちゃん誕生数を示します。
事故後は女の子が多く生まれた福島県飯舘村・葛尾村
 ※1(22)を集計
 ※2 2018年は10月末まで
 図―6 2村(飯舘・葛尾村)合計の赤ちゃん誕生数

 妊娠期間280日(11)を考慮すると、事故後に懐妊した赤ちゃんは2011年12月後半から生まれることになります。影響がでるとしたら2012年からです。2012年1月から今年10月末までの赤ちゃん誕生数を合計すると
 男の子 178人
 女の子 237人
で、男の子の倍の女の子が生まれています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら、統計的な差があるとされる5%(16)を下回る0.4%でした。通常は男子が多く生まれるので、異常な事態です。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果(2012年以降)
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(17)による。
有意差検定表

以上のように、福島では事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれるであろう2012年以降に・合計特殊出生率の低下した。一方で他の被災地や全国平均は上昇している。
・自然死産率の上昇した。ただし全国平均は上昇していない。
・通常は男の子が多く生まれるに鬼、全域ないしは大部分が計画的避難区域となった飯舘村、葛尾村では女の子が多く生まれるようになった。
等の「異常」が見られます。
今年10月に改定された「放射線副読本」の14ページには
「福島県が実施した妊産婦に関する調査によれば、震災後、福島県内における先天異常の発生率等は、全国的な統計や一般的に報告されているデータと差がないことが確認されています 8。」
と記載されています(1)。まるで福島では出産に異常はなかったような書き方です。注8は「8  (出典)放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成 29 年度版)」となっていました(1)。そこで出典の「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成 29 年度版)」(24)の「第10章 健康管理⇒10.6 妊産婦に関する調査⇒妊産婦に関する調査 わかってきたこと(1/2)」(25)には
「震災後、一時的に福島県における出産数は減少しました」
との記述がありました。非常に曖昧に逃げています。以下に2010年から13年の月毎の福島での赤ちゃん誕生数を示します。
2011年3月以降に低下した福島の赤ちゃん誕生数
 ※(22)を集計
 図―7 福島の赤ちゃん誕生数(2010年から13年)

 図に示しように2011年1,2月は前年と変わりありませんでしたが、4月は減りました。図―3、4に示す様に2011年の福島の合計特殊出生率はそれ程には下がっていないので、妊婦さんが福島を逃げだした為ともとれます。2011年12月は前月に比べ大幅に減っています。この月は丁度、事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれる頃です。そして12年は合計特殊出生率の大幅な低下です。赤ちゃん減る要因にはお母さんが逃げだすか、懐妊しにくくなるですが、福島では続けざまに起こりました。これをひとまとめの「出産数は減少」で誤魔化しています。
「放射線等の新生児への影響が心配されましたが、震災後、福島県内における早産率、低出生体重児率、先天奇形・先天異常発生率等は、全国的に人口動態統計や一般的に報告されているデータとは差がないことが分かっています。」
と記述していますが(25)、自然死産率や飯舘村・葛尾村の出生性比の異常は記載していません。「異常」が見つからかったところだけを列挙しているようです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。改定された副読本(1)は他にもデマでいっぱいです。めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)にまとめました(26)。よかったら見て下さい。
 福島に関しては不都合な事実は無視され、「安全」「風評被害」「差別」などが叫ばれているようです(1)(27)。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島では福島牛のキャンペーンが行われています(28)。福島の牛肉は美味しいそうです(29)。福島県は福島産牛肉は「安全」だと主張しています(30)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。
他県産はあっても福島産牛肉が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(31)を引用
 図―8 福島産牛肉が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)放射線副読本(平成30年10月改訂):文部科学省
(2)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(3)福島第1原発事故 避難範囲、なぜ国内外で違うのか  :日本経済新聞
(4)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(5)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(6)飯舘村 - Wikipedia
(7)よくある御質問 : 原子力防災 - 内閣府
(8)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(9)みんゆうNet 原発災害・「復興」の影-【10】“放射線と向き合う” 固執すると別のリスクが高まる恐れも(福島民友ニュース)
(10)めげ猫「タマ」の日記 6月も女の子しか生まれない・福島県飯館村
(11)「十月十日」妊娠週数の数え方・出産予定日の計算 [妊娠の基礎知識] All About
(12)10の指標にみる福島県のいまVer.29を掲載しました。 - 福島県ホームページ中の平成30年2月15日公表分 10の指標にみる福島県のいまVer.29 [PDFファイル/601KB] 
(13)合計特殊出生率 - Wikipedia
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島県の合計特殊出生率がダウン―福島原発事故の影響、福島テレビ!―
(15)保健福祉部関係の統計情報データベース(過去倉庫) - 福島県ホームページ
(16)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(17)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(18)警戒区域内の家畜の安楽死処分の対応に関するQ&A:農林水産省
(19)計画的避難区域及び緊急時避難準備区域における家畜の取扱い等について:農林水産省
(20)「飯舘牛」復活へ向け、牧草地に放牧の実証実験 : 福島原発 : 読売詳報_緊急特集グループ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
(21)わが葛尾村の農業 -022/036page
(22)福島県の推計人口(平成30年11月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(23)出生性比
(24)環境省_放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成29年度版)の掲載について(お知らせ)
(25)環境省_妊産婦に関する調査 わかってきたこと(1/2)
(26)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)
(27)風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略
(28)福島牛購入で豪華賞品当たる 31日までキャンペーン | 県内ニュース | 福島民報
(29)福島牛販売促進協議会
(30)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(31)マルト/SC岡小名店のチラシと店舗情報|シュフー Shufoo! チラシ検索
スポンサーサイト



  1. 2018/12/10(月) 19:50:45|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<避難指示解除も戻らぬ住民 | ホーム | 福島・新ブランド米、食べて大丈夫?>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/tb.php/2737-baf94cae
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)