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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

完成から9ヶ月、効果が見えない福島第一凍土壁

 福島第一に設置された凍土壁は昨年3月に完成しました(1)。内側への水の流入量を東電発表(2)から見積もると
 2017年3-12月 1日当たり平均で836トン
 2018年3-12月 1日当たり平均で615トン
で、凍土壁をすり抜け内側に流入する水の量は26%しか減っていません。凍土壁による止水はできていません。
 福島第一では地下水が山から流れて来て、原子炉やタービン建屋に流入しています。あるいは海までに達しています。汚染されれば海に流せないので、これを汲みあげ浄化装置を通した後で海に流しています。ただし全ての放射性物質が浄化できる訳ではありません。東京電力はトリチウムは浄化できないとしています。さらには「トリチウム以外の放射性物質をほとんど取り除くことができます。」と主張していますが(3)、「トリチウム以外の放射性物質」も取り除いていないことも発覚しました(4)。浄化しても排水基準(5)を満たさない汚染地下水は、タービン建屋に送っています(6)。
 地下水がタービン建屋に流れ込んだり、海岸の井戸からタービン建屋に送り込んだ地下水で汚染水は増えていきます。
どんどん増える福島第一汚染水
 ※(7)(8)を集計
 図―1 どんどん増える福島第一汚染水

 最新の発表(9)を集計すると総量で約116万トンに達します。以下にタービン建屋から汲み上げた直後のセシウム137の濃度をします。
1リットル当たり1億ベクレルのセシウムで汚染されている福島第一汚染水
 ※(10)(11)を集計
 図―2 タービン建屋から汲み上げた直後の汚染水のセシウム137濃度

 概ね1リットル当たりで1億ベクレルを下回る程度でしょうか?法定限度は1リットル当たり90ベクレルですので(5)、100万倍の高濃度です。このままでは海には流せないので、汚染水タンクを作り続け保管しています(12)。そのうちに汚染水タンクの増設が困難になる日が来そうです。汚染水の増加を抑えることは近々の課題です。
 汚染水の増加を抑える対策の柱として原子炉やタービン建屋を氷の壁で囲む「凍土壁」が作られました。以下に構造を示します。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン
 ※(1)にて作成
 図―3 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン

 断面の模式図は以下の通りです。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面
 ※(1)にて作成
 図―4 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面)

 氷の壁で地下水の流れを阻止し、タービン建屋に流れ込む地下水や海岸にまで達する地下水を減らす計画です(1)。当初の予定では2015年3月位から運用を始める予定でしたが(13)、完全凍結が始まったのは2017年8月22日からです(14)。ほぼ2年半の遅れです。さらに凍土壁が完成したのは2018年3月です。
 図―3に示す様に福島第一は西側が山で東側が海です。陸側(西側)から順に凍土壁・サブドレン・建屋・サブドレン・凍土壁・ウエルポイント・地下水ドレン・海側遮水壁です。このうち凍土壁と海側遮水壁は水の流れを遮ることを意図し設けられました(1)。サブドレンは地下水を汲み上げる井戸です。図-3,4に示しように凍土壁の内側になり、ここで汲み上げらる水は全量が凍土壁をすり抜けて流れ込んだ水です。
 サブドレンでの汲みあげに失敗した地下水は建屋に流れ込むか、海に向かって流れて行きます。ウエルポイント、地下水ドレンは海側に流れた地下水を汲み上げる井戸です。
 すなわち、サブドレン汲み上げ量、原子炉建屋への流入量、ウエルポイント、地下水ドレンの汲み上げ量の合計が「凍土壁」では阻止できずに流れ込んだ「水」の総量です。以下に推移を示します。
あまり減らない凍土壁内への流入量
 ※1(2)を集計
 ※2 サブドレンはサブドレン汲み上げ量、流入は建屋流入量、海岸部はウエルポイント、地下水ドレンの合計汲み上げ量
 図-5 「凍土壁」で阻止できなかった「水」の量

図に示すように凍土壁で阻止できなかった「水」の量はあまり減っていません。凍土壁は2018年3月に完成したので(1)、過去3ヶ月と完成前の同3ヶ月との流入量を比較してみました。
 2017年3-12月 1日当たり平均で836トン
 2018年3-12月 1日当たり平均で615トン
で、凍土壁をすり抜け内側に流入する水の量は26%しか減っていません。
凍土壁による止水はできていません。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 凍土壁は「止水」していません。それでも、安倍出戻り内閣(15)(16)や東京電力(17)(18)は効果があったと主張しています。
 こんな方が福島産は「安全」、避けるのは「風評被害」を主張しても(19)(20)、福島の皆様は信用しないと思います。
 福島では今シーズンのイチゴの収穫が始まっています(21)。福島県鏡石町産イチゴは粒が大きくあまいそうです(22)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(23)。でも、福島県鏡石町のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県鏡石町のスーパーのチラシ
 ※(24)を引用
 図―6 福島産イチゴが無い福島県鏡石町のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県鏡石町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)凍土方式陸側遮水壁 - 廃炉プロジェクト|廃炉作業の状況|東京電力ホールディングス株式会社
(2)2018年のアーカイブ - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社⇒2018年1227日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第59回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策
(3)汚染水の浄化処理 - 廃炉プロジェクト|廃炉作業の状況|東京電力ホールディングス株式会社
(4)多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(第10回)‐配布資料(METI/経済産業省)
(5)サンプリングによる監視|東京電力
(6)建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入等の推移 - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社
(7)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社ちゅの「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(8)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社
(9)(8)中の2018年⇒12月⇒25日
(10)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果|アーカイブ|東京電力中の「水処理設備の分析結果⇒水処理設備の放射能濃度測定結果 」
(11)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果アーカイブ|データ|東京電力ホールディングス株式会社の「水処理設備の分析結果」
(12)第56回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会中の「資料6:フランジ型タンクに関するリスク低減策の進捗[東京電力]【PDF:2MB】
(13)2014年3月12日 凍土式遮水壁の計画及び進捗状況について(資源エネルギー庁)
(14)2017年8月22日福島第一原子力発電所 陸側遮水壁第三段階開始について(PDF 786KB)
(15)めげ猫「タマ」の日記 経産省は汚染水放出資料で凍土壁効果あり、実際は効果なし
(16)多核種除去設備等処理水の取扱いに係る説明・公聴会 (METI/経済産業省)中の多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会 説明・公聴会資料(pdf:5518KB)
(17)めげ猫「タマ」の日記 東電・株主総会で凍土壁効果あり、実際は効果なし
(18)動画アーカイブ|写真・映像ライブラリー|東京電力ホールディングス株式会社
(19)福島県産農産物等流通実態調査結果に基づく指導、助言等を行います(METI/経済産業省)
(20)風評被害に対する行動計画の策定について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(21)聖夜の彩り贈答用イチゴ収穫最盛期 | 県内ニュース | 福島民報
(22)イチゴ|鏡石町公式ホームページ[福島県]
(23)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(24)鏡石店 – イオンスーパーセンター公式ウェブサイト
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