食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。1月25日に2018年10月26日までの食品中の放射性セシウムの検査結果がほぼ3ヶ月遅れで発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先回に続き今回もしっかりセシウム汚染食品が見つかっています(4)。しかも市場流出です。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
①検査数854件中件の基準超え
②平均は、1キログラム当たり4ベクレル、最大200ベクレル(山梨県産野生キノコ)。

※1 牛肉を除く
※2 単位については(5)を参照
※3 山梨県産野生キノコは、1キログラム当たりで
ショウゲンジ 200ベクレル
クリイロイグチ 140ベクレル
アイシメジ 140ベクレル
ハナイグチ 130ベクレル
アミタケ 110ベクレル
である。
図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(1月25日発表分)
色分けは以下の通りです。
赤マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
橙出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
福島産から基準超が見つかっています。今回の発表を解析すると
・群馬産汚染シイタケが再び市場流通、出荷制限は無し、発表は3ヶ月以上後
・宮城産スズキからセシウム、福島は83件連続ND
・福島市の直売所でいちごまつり、福島県は検査していません。それでも検査で安全を主張
・福島県伊達市産ゴボウから事故後はじめてのセシウム
特徴が読み取れ福島産は安全とは言えません。
1.群馬産汚染シイタケが再び市場流通、出荷制限は無し、発表は3ヶ月以上後
国立医薬品食品衛生研究所の検査で、市場で売られていた群馬県産シイタケから1キログラム当たりでセシウム134が6ベクレル、137が95ベクレル、合計で101ベクレルのセシウムが見つかったと発表がありました(7)。国の基準は1キログラム当たり100ベクレルですので(6)、基準超です。検査は2018年10月24日に終っていたのですが、発表されたのは3ヶ月以上先の1月25日です(7)。群馬県産セシウム汚染シイタケの市場流出は1月27日に記事にしたばかりです(8)。出荷制限も自粛されず(9)、市場流出が放置されています。
2.宮城産スズキからセシウム、福島は83件連続ND
宮城県が検査した宮城産スズキからセシウムが見つかったと発表がありました(10)。福島産が気になります。以下に検査結果を示します。

※1(1)を各県が実施した検査について集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※3 日付けは捕獲日
※4 淡水は除く
図―2 スズキの検査結果
宮城だけでなく、各県の検査で宮城や千葉産からも見つかっています。でも、福島県が検査した福島産スズキからは見つかっていません。厚生労働省(1)の発表を数えると83件連続で検出限界未満(ND)です。海が繋がっているのにおかしな話です。福島県のスズキ等の農水安物の出荷前検査は厚生労働省の発表(1)を見ると、全てを福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(11)で実施しています。中立性に疑問があります。
福島産は他よりも低くでる検査で「安全」とされ、出荷されます。
2.福島市の直売所でいちごまつり、福島県は検査していません。それでも検査で安全を主張
福島県福島市の直売所でこの週末にいちごまつりが開催されます(12)。小さいお子さんもだべるので確り検査して欲しいと思います。以下に、検査状況を示します。

※1(13)の数値データを元に(14)に示す手法で1月1日時点に換算
※2 旧避難区域は(15)による
※3
●1個がイチゴの検査1件を示し(16)による。
図―3 福島県のイチゴ検査状況
福島県福島市は福島県3位のイチゴ産地です(17)。図に示しように両市は国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(18)地域が広がっています。福島のイチゴの主要産地は8シーズン連続で汚染されたままです。図に示す様に福島県は福島市のイチゴを検査していません。それでも、福島県は福島産イチゴの安全を検査で確認したと主張しています(19)。
福島県の発表(20)から、福島市の葬式数を集計してみました。
事故前年(2010年1年間)2,819人
昨年(2018年1年間) 3,273人
で16.1%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら約2億分の1でした。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果
※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(21)による。

福島県にあるひらた中央病院は、福島産野菜を許容するか否かのアンケート結果を公表しています。以下に示します。
表―2 福島産を許容すかのアンケート結果
※ (22)を集計
福島産野菜を許容するか否かは地域によって差があります。表に示す通り、相馬市や南相馬市では全体の4分3近い方が福島産野菜を避けています。イチゴが野菜か否かは議論があると思いますが(23)、当然ながら相馬市・南相馬市の皆さんは避けていると思います。相馬市のイチゴ生産量は福島県10位(24)、南相馬市は12位(25)です。福島県は13市(26)なので共にイチゴ栽培が盛んと言えません。相馬・南相馬市の皆様は福島産を避けておりイチゴ栽培も盛んではありません。相馬市・南相馬市の葬式(死者数)は
事故前年(2010年1年間)1,300人
昨年(2018年1年間) 1,329人
で殆ど変りません。
イチゴ栽培が盛んな福島市では葬式が有意に増えていますが、イチゴ栽培が盛んでなく福島産を避ける方が多い相馬市・南相馬市では葬式は有意には増えていません。
福島産は汚染され、葬式が増えた産地を避けた検査で「安全」とされ出荷されます。
3.福島県伊達市産ゴボウから事故後はじめてのセシウム
以下に福島県伊達市産ゴボウのセシウムの検査結果を示します。

※1(1)をて集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※3 日付けは収穫日
図―4 福島県伊達市産ゴボウの検査結果
事故から7年半が過ぎて、初めてセシウムが検出されました。同じように基準値以下が続いても、いつ基準値を超えるか分かりません。
福島産はセシウム含有量が上昇することがあります。過去の検査結果は「安全」であったとしても、今は分かりません。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
・3ヶ月以上の遅れで発表されるセシウム汚染食品市場流出、しかも放置されています。。
・他所より低くでる検査で安全とされ出荷される福島産
・汚染が酷く葬式が増えた産地を検査しなくても、検査で安全とされ出荷される福島産
・セシウム含有量が上昇する物がある福島産
(=^・^=)は不安なので
「買わない」「食べない」「出かけない」の「福島3原則」
を決めています。でも、これって(=^・^=)だけでは無いようです。
福島県須賀川市産米の全量全袋検査が約74万件に達しました(27)。同市の人口は7万人台なので(28)、市民が食べるには充分な量です。同市辺りのお米はおいしく・安全・安心なお米だそうです(29)。福島県は福島産米は「安全」だと主張しています(30)。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産米はありません。

※(31)を引用
図―5 福島産米が無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ(3)
食品中の放射性物質の検査結果について(第1107報)(4)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(1月24日発表)―福島産あんぽ柿から基準超のセシウム―(5)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(6)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(7)(3)中の⇒3 国立医薬品食品衛生研究所の検査結果⇒
検査結果(PDF:30KB)⇒No1
(8)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(1月23日発表)―群馬産汚染シイタケが流通、出荷制限は無し、発表は105日後―(9)
群馬県 - 県産「きのこ(原木栽培)」「野生きのこ・山菜類」出荷制限・自粛情報(10)(3)中の⇒
検査結果(PDF:801KB)⇒No3988
(11)
農林水産部 - 福島県ホームページ(12)
イベント | JAふくしま未来(13)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(14)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(15)
避難区域見直し等について - 福島県ホームページ(16)
品目から探す | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報を「野菜⇒あ行⇒い⇒イチゴ、イチゴ(施設)で検索
(17)
福島県[福島市]の農業 | 耕種(農作物)/畜産 | 農業産出額と順位 | 強み | 市町村 | ジャパンクロップス(18)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(19)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(20)
福島県の推計人口(平成31年1月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(21)
めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について(22)
研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ(23)
いちごやメロンは野菜なの? 果物コラム(24)
福島県[相馬市]の農作物 | 穀物 野菜 果物 | 生産/収穫/作付面積 | 福島県と日本の中の順位 | 市町村 | ジャパンクロップス(25)
福島県[南相馬市]の農作物 | ブロッコリー | 生産/収穫/作付面積 | 福島県と日本の中の順位 | 市町村 | ジャパンクロップス(26)
市区町村プロフィール 福島県(27)
ふくしまの恵み(28)
ホーム/須賀川市公式ウェブサイト(29)
特産品 - すかがわ岩瀬 | JA夢みなみ(30)
全量全袋検査に関するよくある質問 - 福島県ホームページ(31)
ザ・ビッグ須賀川店 | 宮城県、福島県のイオングループのスーパーマーケット「ザ・ビッグ」 | マックスバリュ南東北
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テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記
- 2019/01/31(木) 19:49:47|
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| コメント:1
群馬県のしいたけから、何度も基準値声が出ているのですね。
原木しいたけが好きですが、怖くて食べられません。
シカなどの野生動物も筋肉が100ベクレル越えるほど汚染されているのですね。
本当に原発と言うものは、罪なものです。
- 2019/02/01(金) 12:36:29 |
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