福島の旧避難区域で全域が80km圏内の3市1郡のセシウムの量を(=^・^=)なりに見積もると
事故4ヶ月後(2011年7月2日) 45.5g
事故義7年8ヶ月(2016年11月15日)33.1g
で、事故8年目ですが、ばら撒かれたセシウムの約4分3は残ったままです。これは他の福島県域でも同じだと思います。
事故によって5重の壁が破れ(1)、放射能が福島第一から各地にうつり、各地を汚染しました。

※1(3)のデータを(4)に示す手法で3月1日に換算
※2 避難区域は(5)による。
図―1 事故から8年以上を経て汚染されている福島
図に示す様に福島では国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(6)地域が広がっています。事故から8年以上が経過しましたが福島は汚染されています。
昨年度には福島の除染が終わりました(7)。除染でどの程度の放射性物質が取り除かれたか興味があります。原子力規制委は事故後に時々、放射線量の分布を発表しています(3)。事故直後は80km圏内のみです。放射性物質の量と放射線量の関係は放射性物質毎に分かっています。
1mm四方に1ベクレル(Bq)の放射性物質があるとすると、放射線量は1時間当たりで
セシウム134 ― 5.4マイクロシーベルト(μSv)
セシウム137 ― 2.1マイクロシーベルト(μSv)
の放射線量になります(8)(9)。
セシウム134と137の割合は一定しています。ただし時間依存があります。以下に2011年と2017年4月末のセシウム137に対するセシウム134の割合を示します。

※(10)を集計
図-2 セシウム137に対するセシウム134の割合
図に示すように同時期ならセシウム137に対する134の割合は一定ですが、時間と共に低下します。2011年4月末時点ではセシウム137とセシウム134のベクレル(Bq)で測れる放射能量はほぼ同量ですが、6年半後の2017年11月末には約13%まで低下しています。これは放射性物質が半分になるまでの時間を「半減期」と呼びますが、セシウム134の半減期は2年でセシウム137は30年です(11)。セシウム134は6年で8分1(12.5%)(0.5
(6÷2))まで低下しますが、セシウム137は87%(0.5
(6÷30)×100)が残ったままです。
セシウム134とセシウム137の割合が分かれば、これを元にセシウム134由来と137由来の放射線量を知ることできます。
セシウム137と134の割合をa:b
放射線量をR
とすればセシウム137由来の放射線量R
137は
R
137=R×(2.1a)÷(2.1a+5.4b)
セシウム134由来の放射線量R
134は
R
134=R×(5.4b)÷(2.1a+5.4b)
になります。
これを元に単位面積当たりのセシウム137と134の量が求まります。例えば放射線量を1時間当たりのマイクロシーベルト(μSv/h)で、単位面積を1ミリメートル四方(mm
3)すればセシウム134および137の放射能量をそれぞれB
134およびB
137とすれば
B
134=R
134÷5.4
B
137=R
137÷2.1
になります。1グラムのセシウム134は47.9兆ベクレル、セシウム137は3.21兆ベクレルに相当します(11)。この値で割ってやれば単位面積当たりの放射線量を求める事ができます。これに面積を乗じれば放射性セシウムの全重量を求めることができます。
航空機モニタリングは事故直後は福島第一から80kmの範囲で実施されていました。毎時0.1マイクロシーベルト以下になると、数値データが表示されなくなりデータが欠落します(2)。80km圏内で、数値データの欠落が殆ど無い市町村として図―1に示す3市1郡(二本松市、伊達市、本宮市、伊達郡)をピックアップしてセシウムの量を集計しました。

※1(2)を集計
※2 「半減期」は自然に減っていく量で(12)よる。
※3 各市市町村の面積は(13)による。
図―3 3市1郡(二本松市、伊達市、本宮市、伊達郡)の放射性セシウムの量
3市1郡(二本松市、伊達市、本宮市、伊達郡)のセシウムの量は
事故4ヶ月後(2011年7月2日) 45.5g
事故義7年8ヶ月(2016年11月15日)33.1g
で、事故8年目ですが、ばら撒かれたセシウムの約4分3は残ったままです。さらには、減り方は半減期で計算される事前に減っていく量と差があまりまりません。除染は殆ど効果がありませんでした。これは他の福島県域でも同じだと思います。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島の復興はマイナスからのスタートと言われています。宮城や岩手は地震と津波で全てが無くなり「0」からのスタートですが、福島はそこに放射能が「うつり」汚染されてしまいマイナスになったとの理解ようです(14)。そして図―3に示す様に事故から8年以上が経過しましたが、未だにマイナスは解消していません。図に示す様に残っているのは殆どがセシウム137です。セシウム137は30年で半分、60年で4分の1になるので、マイナスが解消するにはあと数十年かかると思います。これでは、福島の皆様は不安だと思います。
福島県を代表する農畜産物に牛肉があります(15)。福島の牛肉は美味しいそうです(16)。福島県は福島産牛肉は「安全」だと主張しています(17)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産はありません。

※(18)を引用
図―4 福島産牛肉が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
5重の壁 - Wikipedia(2)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会(3)(2)中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成30年9月6日~11月15日測定) 平成31年03月08日 (KMZ, CSV)」
(4)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2018年)(5)
避難区域見直し等について - 福島県ホームページ(6)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(7)
福島県の除染措置完了市町村について|除染実施区域(市町村除染)の概要・進捗|除染情報サイト:環境省(8)
空間線量率の計算(9)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(10)
報道発表資料 |厚生労働省(11)
半減期 - Wikipedia(12)
放射能の比較 - Wikipedia(13)
福島県(市区町村プロフィール)(14)
原発被害でマイナスからのスタート - 福島医大学長・菊地臣一氏に聞く◆Vol.1|医療維新 - m3.comの医療コラム(15)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(16)
福島牛販売促進協議会(17)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(18)
マルト/SC岡小名店のチラシと店舗情報|シュフー Shufoo! チラシ検索
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- 2019/03/18(月) 19:45:10|
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