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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)―エネルギー政策含め社会全体で議論、実は反原発の世論が高まる―

 昨年10月に改定された「放射線副読本」は、
「エネルギー政策含め社会全体で議論」
と(1)あたかも東日本大震災後の電力不足をきっかけにエネルギー政策に対する議論が活性化したように記載しています。実は反原発の世論が高まっただけでした。
 福島事故前に原子力発電について関心をもつ人は、それ程には多くなかったと思います。1975年に政府が実施した世論調査では

Q1 現在日本では電力全体のうち約70%が輸入した石油による火力発電によっていますが,今後,どのような発電が開発の中心になると思いますか。この中ではどうでしょうか。
火力発電 ⇒ 7.9%
 水力発電 ⇒ 4.9%
 原子力発電⇒48.4%
 太陽熱発電⇒ 8.4%
 地熱発電 ⇒ 1.1%
 その他  ⇒ 0.1%
 わからない⇒29.1%

Q2 現在,日本では,電力全体のうち約5%が原子力によって発電されていますが,原子力発電の開発について,どのように思いますか。この中ではどうでしょうか。
もっと積極的に開発する方がよいと思う。⇒38.5%
 これ以上開発しない方がよいと思う。⇒18.3%
 原子力発電はやめる方がよいと思う。⇒ 9.3%
 わからない⇒33.9%
と(2)、かなり誘導的な設問ですが、多くの方が原子力発電に関し、肯定的ないしは特段の関心はなったようです。原子力をそれ程には危険な物とは思っていなかったと思います。電力会社も「安全」の喧伝に努めてきました。
東京電力は事故前には原子力発電所の放射能は五重の壁に守られており、外に出ることはないと主張していました。
5重の壁を喧伝していた東京電力
 ※(3)を引用
 図―1 五重の壁で安全を主張する東京電力の2010年7月14日付資料

 すなわち、原発で発生する放射能は内側からペレット、被覆管、原子炉圧力容器、原子炉格納容器、原子炉建屋の5つの壁で覆われており、そとに漏れることはないとの主張です(4)。ところが大爆発です。
爆発する福島第一原発3号機
 ※(5)を引用
 図―2 大爆発する福島第一3号機

 5重の壁は一気に壊れ福島を中心に放射能が「うつり」ました。原子力関係者は「嘘」を言っていました。当然ながら、原子力に対する不信感は増すと思います。原子力文化財団が2018年に実施した世論調査では
 Q今後日本は、原子力発電をどのように利用していけばよいと思いますか。
あなたの考えに近いものをお選びください。(○は1つだけ)に
 原子力発電を増やしていくべきだ⇒ 2.4%
 東日本大震災以前の原子力発電の状況を維持していくべきだ⇒7.2%
 原子力発電をしばらく利用するが、徐々に廃止していくべきだ⇒48.4
 原子力発電は即時、廃止すべきだ⇒12.1%
 その他⇒1.2%
 わからない⇒23.7%
で、原子力発電に否定的な意見が多くなっています(6)。この世論調査で
「今後日本は、どのようなエネルギーを利用・活用していけばよいと思いますか。以下にあげているエネルギーの中から、お選びください。(○はいくつでも)」
 との設問で「原子力」と答えた割合の推移を示します。
2011年以降は選択されなくなった原子力
 ※(6)を集計
 図―3 「今後日本は、どのようなエネルギーを利用・活用していけばよいと思いますか。以下にあげているエネルギーの中から、お選びください。(○はいくつでも)」との設問で「原子力」と答えた割合

 図に示す様に2011年以降に急に低下し、回復の兆しがありません。福島原発事故後に、反原発の世論が高まりました。
 。ところが 昨年10月に改定された「放射線副読本」は16ページで、
「原子力発電所の事故の後、全国の原子力発電所で運転が停止されたことにともなって、企業や家庭において電力の使用が制限されるなど、大きな影響が生じる」
と記載した後で
「エネルギー政策をめぐる様々な課題に関して、社会全体で議論が行われることになりました。」
と記載し、エネルギー政策に関して原発の再稼働も含め社会全体で議論がおこなわれるようになったかのように、記載しています。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
改定された副読本(1)は他にもデマでいっぱいです。めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)にまとめました(7)。よかったら見て下さい。
 確かに原発の再稼働の必要との主張はあります。だだし、原子力産業に関係する方や(8)、原発を所有する電力会社(9)が主です。事故前には原発は安全だといっていた方です。多くの方は耳を傾けることはないと思います。そして福島(産)は「安全」だとし、避ける行為を「風評被害」と主張しています(10)(11)。このような方が、「風評被害」を主張して、理解が得られるか疑問です。すくなくとも、福島の皆様の理解は得られてないようです。
 避難指示が出た為に中断していた福島県川俣町山木屋の養豚が復活しました(12)(13)。ここの豚肉はおいしいとの事です(14)。福島県は福島産豚肉は「安全」だと主張しています(15)。でも、福島県川俣町のスーパーのチラシには福島産豚肉はありません。
他県産はあっても福島産豚肉が無い福島県川俣町のスーパーのチラシ

 ※(16)を引用
 図―4 福島産豚肉が無い福島県のスーパーのチラシ


 (=^・^=)も福島県川俣町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)放射線副読本(平成30年10月改訂):文部科学省
(2)「原子力発電に関する世論調査」
(3)エネルギー館リニューアルオープン - 東京電力
(4)新潟県中越沖地震発生時の柏崎刈羽原子力発電所の運転 ... - 東京電力
(5)3号機核爆発 - YouTube
(6)2018年度世論調査|一般財団法人 日本原子力文化財団
(7)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)
(8)「原子力を人類のために」経団連会長、原発再稼働を訴え:朝日新聞デジタル
(9)新潟県の皆さまへ(新潟本社)|東京電力ホールディングス株式会社
(10)原発風評被害の福島温泉街、産官学で再生 廃業旅館を活用  :日本経済新聞
(11)風評被害に対する行動計画の策定について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(12)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(13)グローバルピッグファーム株式会社 ≫ Blog Archive ≫ 直営農場本場の再開および柳津農場工事開始のお知らせ
(14)和豚もちぶた|製品・サービス|グローバルピッグファーム株式会社
(15)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(16)チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
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