事故当時18歳以下だった方を対象とした宮城県丸森町の甲状腺がん検査で
検査 1,270人中 4人(1)、患者の割合0.315%
同じく、福島県会津地方では
検査33,770人中17人((3)(4)(6)(7)を集計)、患者の割合0.056%
で、丸森町では会津の6倍近い割合で見つかっています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら、0.04%でした。
宮城県丸森町は宮城県南部にある町です。地図で見ると東を福島県新地町、南を福島県相馬市、東を福島県伊達市に接しています。以下に示します。

※1(8)の数値データを元に(9)に示す手法で6月1日時点に換算
※2 避難区域は(10)による
図-1 宮城県丸森町と福島県会津地方
図に示す様に福島の中につこんだような配置です。図に示す様に汚染の状態は福島県内の近隣と大きな差はありません。
事故翌日の2011年3月12日に福島第一原発1号機が爆発しました(11)。

※(12)をキャプチャー
図-2 水素爆発する福島第一原発1号機
翌日の3月13日、丸森町よりさらに北にある女川原発敷地内で毎時21マイクロシーベルトの放射線が検出されたことが報じられた。原子力安全・保安院は、検出された放射線は福島第一原発の爆発で放出されたものとの見解を示しました(13)。3号機の爆発は3月14日なので、一号機の爆発で放出された放射能は北に向かったことになります。この時点で丸森町が汚染されていたとしても不思議はありません。
安倍出戻り内閣は、国は速やかな出荷制限などの対応を行なったと喧伝していますが(14)(15)、丸森町は例外です。

※1(16)を集計
※2 日付けは発表日
図―3 宮城県の食品検査結果
図に示しように、直ぐには検査結果が発表になりませんでした。これは宮城県が津波で被災したことや、特に宮城県原子力センターが津波で被災し、測定装置が流され(17)、測定不能に陥り、立て直しの時間を要したためと思います。厚生労働省の発表(1)を見ると宮城県産の最初の検査結果が出たのが、事故1ヵ月後の4月11日、丸森町産の検査結果が最初に発表になったのは1ヵ月半後の4月27日です。水道水の最初の検査結果発表は6月16日です(18)。
チェルノブイリ原発事故で子供の甲状腺がんの多発が見つかりました(19)。甲状腺がんはヨウ素131の被ばくによって生じる物とされていますが(20)、ヨウ素131は半減期(量が半分になるまでの時間)が8日です(21)。摂取制限などで、ヨウ素131による被ばくを抑制するには、半減期に比べ短い期間内に対策が実施されていなければ効果はありません。
報道によると 事故当時18歳以下だった方を対象とした宮城県丸森町の甲状腺がん検査で
検査 1,270人中 4人(1)、患者の割合0.315%
の患者が見つかったそうです(1)。同様の検査福島県でも実施されています(22)。図―1に示す様に、福島県会津地方は丸森町に比べ汚染が少なく、福島第一からの距離が遠い会津と比較してみました。会津地方では
検査33,770人中17人((3)(4)(6)(7)を集計)、患者の割合0.056%
で、丸森町では会津の6倍近い割合で見つかっています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら、0.04%でした。以下に偶然に起こる確率の計算結果をしめすます。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果
※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(23)による。

丸森町は会津に比べ汚染が酷く、食品や水の検査が遅れたので、会津以上の甲状腺被ばくが発生した可能性が高くなっています。そこで、会津に比べて6倍の頻度で甲状腺がんが見つかっています。福島事故による放射線被ばくの影響が考えられます。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島甲状腺癌との関連どう考えるかですが、今の所の公式見解は
「現時点において、甲状腺検査本格検査(検査2回目)に発見された甲状腺がんと放射線被ばくの間の関連は認められない。」
です(24)。ただしこれは、被ばくとは「被ばくとの関連なし」でありません。分からないです(25)。(=^・^=)は福島県の結果に丸森町のデータを加えれば、より詳細な事が分かる気がします。でも、そのような動きはないようです。福島では事実より「安全」とゆう喧伝が重視されている気がします。これでは、福島の皆様は不安だと思います。
福島を代表する野菜にキュウリがあります。二本松市等が主要な産地です(26)。今年も出荷が始まりました(27)。同市辺りのキュウリはあざやかな色とみずみずしい食感が良いそうです(28)。 福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(29)。でも、福島県二本松市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。

※(30)を引用
図―4 福島産キュウリが無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県二本松市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
甲状腺検査で1人がん診断 丸森町が3回目の結果公表 | 河北新報オンラインニュース(2)
第31回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成30年6月18日)について - 福島県ホームページ(3)(2)中の
資料3-1 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)」結果概要 [PDFファイル/969KB](4)(2)中の
資料3-2 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査2回目)】」結果概要<平成29年度追補版> [PDFファイル/8.77MB](5)
第34回「県民健康調査」検討委員会(平成31年4月8日)の開催について - 福島県ホームページ(6)(5)中の
資料3-1 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査3回目)】」実施状況 [PDFファイル/1.1MB](7)(5)中の
資料3-2 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査4回目)】」実施状況 [PDFファイル/1.05MB](8)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(9)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)(10)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(11)
福島第一原子力発電所事故の経緯 - Wikipedia(12)
1号機水素爆発vs3号機?vs小型核爆発の比較 - YouTube(13)
女川原子力発電所 - Wikipedia(14)
風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略中の
放射線のホント(15)
放射線副読本(平成30年10月改訂):文部科学省(16)
報道発表資料 |厚生労働省(17)
環境放射線監視センター年報一覧 - 宮城県公式ウェブサイト中の
第29巻(平成23年) [PDFファイル/9.14MB](18)
水道水中の放射性物質測定結果 - 宮城県公式ウェブサイト(19)
放射線被曝とがんとの関連性3 | トピックス | 日本臨床検査薬協会(20)
ヨウ素131 - Wikipedia(21)
半減期 - Wikipedia(22)
甲状腺検査について - 福島県ホームページ(23)
第13回甲状腺検査評価部会(令和元年6月3日)の開催について - 福島県ホームページ中の
資料3 甲状腺検査本格検査(検査2回目)結果に対する部会まとめ(案) [PDFファイル/273KB](24)
めげ猫「タマ」の日記 福島甲状腺がん被ばくとの関連性無しとNHK、実は認められない。(26)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(27)
お笑いコンビ・ペナルティら収穫体験 会津の野菜おいしい!:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet(28)
特産品情報 | 地区別くらし情報 安達地区 | JAふくしま未来(29)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
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- 2019/06/17(月) 19:44:31|
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