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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

避難指示解除も戻らぬ住民、事故から8年3ヶ月

 福島原発事故で避難地域が設定された11市町村中、双葉町を除く10市町村で全部または一部で避難指示が解除されました(1)。川内村を除く9市町村の6月1日時点で解除された地域に住んでいるのは住民登録 52,835人中12,200人(全体の22.6%)です。
 福島は事故で汚染されました。そのなかで、福島第一原発から20km圏内や汚染が酷い地域には避難指示がだされました(1)。以下に6月1日時点の状況を示します。
事故9年目も汚染されている福島
 ※1(2)の数値データを元に(3)に示す手法で6月1日時点に換算
 ※2 避難区域と解除区域は(1)により、6月1日時点
 図-1 避難区域と解除区域

 図に示すように福島では国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(4)を超える地域が広がっています。事故から8年近くが経過しましたが、福島は汚染されたままです。それでも安倍出戻り内閣は「安全」だと主張し(5)、次々と避難指示を解除していきました(1)。これによって東京電力は避難に伴う賠償を打ち来ることができました(6)。以下に避難に伴う精神損害の賠償支払い額を示します。
大幅に減った東京電力の避難に伴う精神損害の賠償支払い額
 ※(7)を集計
 図―2 東京電力の避難に伴う精神損害の賠償支払い額

 図に示す様にどんどん減っています。
 以下に市町村を示します。
 福島でも汚染が酷い旧避難区域
※1(2)の数値データを元に(3)に示す手法で5月1日時点に換算
 ※2 避難区域と解除区域は(1)により、5月1日時点
 図-3 避難区域と解除区域地町村

 図に示しように事故後は11市町村に避難指示が出ましたが、5月1日時点で双葉町を除く10市町村では全部または一部で避難指示が解除されました。この中で浪江町は面積的には避難区域が広いのですが、3月頃の数字で住民登録17,434人(8)中12,913人が住民登録してます(9)。町の中心部は避難指示が解除されています。
 避難指示がでた市町村のうち、川内村を除く8市町村では解除された区域の居住者と対象者数を月末ないし毎月1日発表しています(10)~(19)。図-2に示す様に川内村で避難指示が出た区域は一部に限られ、地図で見ると同村の主要施設である学校、保育園、役場、農協支店、主な観光施設(20)、バスの終点・起点(21)は、避難指示が出た区域外であり、主要な部分には国の避難指示は出ていません。
 概ね川内村を除く8市町村の避難者数を集計すれば4月1日時点の避難指示が解除された区域の居住者数と避難者数が分かります。
なかなか住民が戻らない福島・避難指示解除区域
 ※1(10)~(19)を集計
 ※2 川内村を除く
 ※3 避難者数は対象者数―解除区域の居住者数で集計
 図―4 避難指示が解除された区域の居住数と避難者数(川内村を除く)

 図に示す様に、避難指示は解除されましたが住民はあまり戻っていません。概ね6月1日時点で旧避難地域に住んでいるは
 住民登録 52,835人中12,200人(全体の22.6%)
です。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 以下に市町村別の住民登録者数に対する避難指示解除区域に住む方の割合(以下居住率する)を示します。
住民が戻っている割合が市町村におって大きく違う福島の避難し解除区域
 ※1(10)~(19)を集計
 ※2 都路は田村市都路、山木屋は川俣町山木屋
 図―5 市町村別居住率

 図に示す様に、市町村によって大きな差があります。以下に居住率と避難指示解除時期の相関を示します。
避難指示解除が速い程に住民が戻っている割合が高い福島・避難指示解除区域
 ※(1)(10)~(19)を集計
 図―6 居住率と避難指示解除時期の相関

 図に示す様に、解除時期が速い程、再居住率は高くなっています。でも、これは時間が経てば、住民っが戻ることを意味しません。避難指示解除が最も早かったのは田村市都路の2014年4月1日、次が楢葉町の2015年9月5日です(1)。図―3を見てわかる通り、避難指示解除区域の中では汚染がマシな地です。比較的戻り易いと思います。また、避難指示が解除されれば、避難先に定住するか戻るかの選択を迫られます。南相馬市南部の小高の2011年3月の住民登録者数は12,842人です。それが2019年5月31日時点では7,688人で5,154人減っています。一方で居住者は3,576人で(10)、減少者数が居住者を超えています。多くの住民が帰還でなく、避難先への定住を選びました。この集計の母数は5月31日ないし6月1日の登録者数なので、母数が少なくなれば居住率が上がります。
 「安全」を確認して避難指示を解除等と安倍出戻り内閣が主張しても(22)、福島の皆様は信じないようです。同様に福島産は「安全」との主張も(23)、信用されていません。
 福島県福島市では養鶏が行われています。鶏肉は美味しいとのことです(24)。福島県は福島産鶏肉は「安全」だと主張しています(25)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産鶏肉はありません。
他県産はあっても福島産鶏肉が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(26)を引用
 図―7 福島産鶏肉が無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(2)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(3)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(4)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(5)国連報告者、福島事故の帰還で日本を批判  :日本経済新聞
(6)避難指示解除準備区域・居住制限区域における精神的損害等に係る具体的なお取り扱いについて|東京電力
(7)賠償金のお支払い状況|東京電力(過去分を含む)
(8)広報なみえ(令和元年5月号) - 浪江町ホームページ
(9)<安住の灯>浪江と富岡 避難解除2年進まぬ帰還 移住者に期待 若い世代の支援強化 | 河北新報オンラインニュース
(10)避難指示区域別居住状況/南相馬市公式ウェブサイト -Minamisoma City-(南相馬市)
(11)広報なみえ - 広報なみえ - 浪江町ホームページ(浪江町)
(12)浪江町ホームページ トップページ(浪江町)
(13)県内外の避難・居住先別人数【令和元年6月1日現在】/富岡町(過去分を含む)
(14)楢葉町内居住者数について|楢葉町公式ホームページ
(15)避難指示解除後の町内帰還世帯・人数について|楢葉町公式ホームページ(楢葉町)
(16)平成31年4月1日現在の村民の避難状況について - 飯舘村ホームページ(飯舘村)
(17)山木屋地区の居住の状況 - 川俣町公式ホームページ(川俣町)
(18)住民生活課 - 葛尾村ホームページ(葛尾村、過去分も含む)
(19)田村市民の避難状況動向調査報告 - 福島県田村市ホームページ
(20)観光 | 川内村公式ホームページ
(21)川内村へのアクセス | 川内村公式ホームページ
(22)東電福島原発 放射能関連情報 | みなさまの安全確保
(23)風評に立ち向かう|福島|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁
(24)全国地鶏銘柄鳥ガイド
(25)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(26)イオン 福島店のチラシ・特売情報 | トクバイ
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  1. 2019/06/25(火) 19:47:15|
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