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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

放射線による遺伝的な影響は?

Q>放射線による遺伝的な影響は?
A>ありえます。広島や長崎では、父母一方の被ばくが大部分ですが、福島では父母両方が被ばくしています。
 私たちは遺伝によって親から子へと特性が受け継がれます。遺伝を担うのが「遺伝子」です(1)。1927年にアメリカの遺伝学者H.マラー(Hermann Joseph Muller)は、ショウジョウバエにエックス線を当てると羽根の短い個体や目の色の変わった個体などが生まれてくるなどの遺伝的影響が生ずることを発見しました。放射線によって遺伝子突然変異や染色体異常が、被ばく者の生殖細胞に生じ、それが子孫に伝えられてそのために身体の異常(奇形など)や疾病が発現するのが「放射線の遺伝的影響」です(2)。遺伝子を司る物質がDNAですが(1)、DNAは放射線で「損傷」することが知られています(3)。
 動物学において、アルビノ(albino)は、遺伝子の欠陥で先天的にメラニン(色素)が欠乏する疾患です(4)(5)。沼沢湖は福島県西部の山中にあるカルデラ湖で(6)、ヒメマスが生息しています(7)。原発事故でに沼沢湖のヒメマスは汚染されました。

長らく基準値を超えていた沼沢湖のヒメマス
 ※(8)を集計
 図-1 沼沢湖ヒメマスのセシウム濃度

 2016年5月にはアルビノのヒメマスが見つかっていたそうです(9)。
沼沢湖で見つかったアルビノニジマス
 ※(10)を転載
 図-2 沼沢湖で見つかったアルビノのヒメマス

 福島ではモミの木(11)や蝶の一種のヤマトシジミ(12)でも放射線の影響と思われる異常が見つかっています。2017年には福島県内でアルビノのスズメも見つかりました(12)。こうした話の為でしょうか、福島県県民項管理調査によれば、放射線による遺伝的影響を問う
「現在の放射線被ばくで、次世代以降の人(将来生まれてくる自分の子や孫など)への健康影響がどれくらい起こると思いますか。」
との質問に36.1%が可能性は高いないし非常に高いと(高い20.8%、非常に高い15.2%)答えています(14)。
 一方で福島県は放射線による遺伝的影響は生じえないとしています。根拠にいるのが、小児がん生存者の子どもや広島や長崎の被ばく2世調査で先天性異常が増えていいことです(15)。
小児がん生存者の子供の調査
 ※(15)を引用
 図―3 小児がん生存者の子どもと兄弟の子どもの先天性異常の割合が同じとする福島県資料
 でも、これらの被ばくと福島の被ばくは違いがあります。福島は広域かつ長期低線量被爆であることです(16)。以下に福島の放射線量分布をしめします。
事故から8年4ヶ月を過ぎて広域に汚染が広がる福島
 ※1(17)の数値データを元に(18)に示す手法で7月1日時点に換算
 ※2 避難区域境界は青で示し(19)による
 図-4 警戒区域と計画的避難区域(当時)

 図に示す通り、国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超える(20)地域が広く広がっています。事故から8年4ヶ月が経過しましたが、福島の汚染は続いています。広島や長崎の被ばく者には被ばく者手帳が支給されます。支給対象は広島や長崎市内で直接被ばくした人や、広島では8月20日、長崎では8月23日に爆心地から2km以内に入域した方です(21)。広島の原爆投下が8月6日、長崎が8月9日なので(22)、2週間で打ち切られました。広島や長崎の被ばくは地域が限定され短期で終了しています。被ばく者手帳の支給者はピークの1974年で約37万人です(23)。1945年当時の広島県の人口が約189万人で(24)、この2割弱です。父母双方が被ばく者であることは少なく、一方が被ばく者である場合が多いと思います。
 以下に被ばく者の子ども出生児の異常の調査結果示します。
父母片方の被ばくが多い広島・長崎の被爆者子供調査
 ※(15)を引用
 図―5 被ばく者の子ども出生児の異常の調査結果

 図―5を集計すると、父母のどちらかないし、双方が被ばくしている方の合計が10,069人ですが、その85%以上の8,694人は父母のうちどちらか一方の被ばくです。広島や長崎の被ばくでは、父母どちらかの被ばくが主流です。小児がん(0~14歳)の罹患率は人口10万人当たり12.3人で(25)、概ね1万人に1人です。小児がん生存者同市がパートナーになるのは極めて稀です。小児がん生存者の調査も父母どちらかの被ばくです。
 一方、福島は生活圏に放射能が入り込みました。父母が共に生活すれば共に被ばくします。福島の被ばくは父母の同時被ばくです。
 遺伝には父母一個から受け継いだ遺伝子で現れる優性遺伝と、父母の両方から受け継がないと現れない劣性遺伝があります(26)。小児がん生存者にしても広島や長崎の調査でも、主流は父母どちら一方が被ばくした方の調査です。優性遺伝の異常は見つけられても劣性遺伝の異常は見つけられません。一方で福島では父母双方が被ばく者ですから劣性遺伝が生じえます。
 放射線研究所は広島や長崎で遺伝的影響がないとした理由に、自然死産率の上昇や生まれて来る赤ちゃんの男女比(出生性比(27))に異常がなかった事をあげています(28)。以下に福島の自然死産率の推移を示します。
全国の1.5倍の福島県死産率(グラフ)
 ※(29)を転載
 図―6 福島県の自然死産率の推移

 事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれるであろう2012年以降に自然死産率は全国平均の1.5倍に跳ね上がっています。このような増加が偶然に起こる確率を計算したら1.3%(29)なので、偶然とは思えません。妊娠期間を280日とすると(30)、2012年は丁度原発事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれる年です。

 Q19.(31)に記載の通り、福島原発事故では警戒区域と計画的避難区域の2種類の避難区域が設定されました。避難指示が出た区域のうち、飯舘村全域、川俣町の避難区域の全て、葛尾村の大分部が計画的避難区域になりました。避難指示が出た他の市町村は警戒区域が主流です。警戒区域は直ぐに設定されたのですが、計画的避難区域で避難指示が出たの事故から1ヶ月以上が過ぎた4月22日です(19)。飯舘村の避難が概ね完了したのが事故から3ヶ月以上が過ぎた6月22日です。さらには、警戒区域では残された家畜は殺処分となりました(32)。一方で、計画的避難区域では一定の条件下で家畜の持ち出しが認められました(33)。計画的避難区域は逃げ遅れた、さらには家畜の持ち出し等の為になかなか逃げなった避難区域です。
 以下に飯舘村と葛尾村の合計の赤ちゃん誕生数を示します。
事故後に女の子が多く生まれるようになった飯舘村・葛尾村
 ※1(34)を集計
 ※2 2019年は4月まで(5月は発表していない)
 図―7 飯舘村、葛尾村の赤ちゃん誕生数

 図に示す様に事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれるであろう2012年以降に女の子が多く生まれています。2012年以降を集計すると
 男の子 195人
 女の子 248人
で、女の子が多くまれています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら、統計的な差があるとされる5%(35)を下回る1.4%でした(36)。

 以下に各年3月から1年間の福島県の赤ちゃん誕生数を示します。
事故9年目は女の子が多く生まれた福島県
 ※(34)を各年3月から翌年2月までを集計
 図―8 福島県の赤ちゃん誕生数

 事故8年目(2019年2月)までは、通常通り男の子が少し多く生まれていました。でも事故9年目の2019年3、4,5月の合計はで女の子が多く生まれています。合計すると
  男の子1,459人 女の子 1,548人
です。一方で事故前1年(2010年3月~11年2月)は
 男の子8,319人 女の子 7,805人
です。事故前は男の子が多く生まれていたのですが、事故9年目は女の子が多くまれています。
このような事が偶然に起こる確率を計算したら、統計的な差がるとされる5%(2)を下回る4%でした(36)。 放射線の健康影響を考える上では、トータルとしてどれほどの線量を受けたか(積算線量)が重要です(37)。福島の放射線量が下がっても、積算線量は日々増え続けています。福島の皆様の放射線影響は日々増大しています。これまで見られなかった事が、福島県全体での出生性比の逆転が新たに認められても不思議はありません。
 福島原発事故で生じる被ばくの遺伝的影響について、心配する必要はないと福島県は主張しています。でも、福島県が用いているデータは主に父母のうちどちらか一方が被ばくした場合です。これでは優性遺伝による異常は見けられても、劣性遺伝による異常は見つけられません。一方で福島の被ばくは、広域かつ長期低線量被爆であり、生活の中で父母が同時に被ばくします。劣性遺伝による異常が生じる可能性があります。
 放射線影響研究所は広島や長崎で遺伝的影響が無かった根拠に自然死産の異常や出生性比の異常が無かったことをあげています。一方で、福島では事故後に懐妊したであろう赤ちゃんが生まれる2012年から自然死産率が上昇し、通常は男の子が多く生まれるの、女の子が多く生まれる逆転が生じています。
 これまでのデータを元に福島では被ばくによる遺伝的影響無いと、言い切るのは無理があります。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 被ばくによる遺伝的影響がないと言い切るには確りした調査が必要です。前政権時代には計画されていました(38)。でも、安倍が出戻ってからはウヤムヤになりました。こんな総理では福島の皆様は不安だと思います。
 福島を代表する夏野菜にピーマンがあります(39)。今年の出荷が始まりました(40)。二本松市は福島のピーマン産地です(41)。福島のピーマンは生食でも味わい良く、加熱すると柔らかくなり、独特のにおいも和らぎ風味の良いそうです(39)。福島県は福島産ピーマンは「安全」だと主張しています(42)。でも、福島県二本松市のスーパーのチラシには福島産ピーマンはありません。
他県産はあっても福島産ピーマンが無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
 ※(43)を引用
 図―9 福島産が無い福島県のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県二本松市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)遺伝 - Wikipedia
(2)放射線の遺伝的影響 (09-02-03-04) - ATOMICA -
(3)環境省_放射線によるDNAの損傷
(4)アルビノ - Wikipedia
(5)メラニン - Wikipedia
(6)沼沢湖 - Wikipedia
(7)妖精の里 かねやま 沼沢湖
(8)報道発表資料 |厚生労働省
(9)金山町 ふるさと情報発信事業 - 金色に輝くヒメマスは金山に福をもたらすか!?... | Facebook
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島に遺伝的欠陥で色素が合成できないアルビノ・ヒメマス現る。
(11)大瀧研究室 | フクシマプロジェクト
(12)めげ猫「タマ」の日記 2017年度も女の子が多く生まれる福島県川俣町
(13)第31回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成30年6月18日)について - 福島県ホームページ
(14)中の 資料2-2 平成28年度 県民健康調査「こころの健康度・生活習慣に関する調査」結果報告書 [PDFファイル/911KB]
(15)(13)中の 参考資料4 放射線の遺伝的影響について [PDFファイル/767KB]
(16)長期の低線量被ばく“安全基準を” | 東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース | NHK 40年後の未来へ 福島第一原発の今
(17)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(18)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(19)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(20)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(21)被爆者健康手帳 - Wikipedia
(22)日本への原子爆弾投下 - Wikipedia
(23)被爆者(被爆者健康手帳所持者)数の推移
(24)広島県 - Wikipedia
(25)小児・AYA世代のがん罹患:[国立がん研究センター がん登録・統計]
(26)遺伝の法則
(27)出生性比
(28)原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 ? 公益財団法人 放射線影響研究所 RERF
(29)めげ猫「タマ」の日記 福島の自然死産率は全国平均の1.5倍
(30)妊娠期間「十月十日(とつきとおか)」の計算・妊娠週数の数え方 [妊娠の基礎知識] All About
(31)めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A Q19.速やかな避難指示はでましたか?
(32)警戒区域内の家畜の安楽死処分の対応に関するQ&A:農林水産省
(33)計画的避難区域及び緊急時避難準備区域における家畜の取扱い等について:農林水産省
(34)福島県の推計人口(令和元年6月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(35)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(36)めげ猫「タマ」の日記 3ヶ月連続で女の子が多く生まれた福島
(37)放射線の健康への影響は積算線量が決める | 原子力災害専門家グループ | 東電福島原発・放射能関連情報 | 首相官邸ホームページ
(38)(新)福島におけるゲノム解析による放射線遺伝影響調査(福島ゲノム調査
(39)夏 | ふくしまの野菜 | JA全農福島
(40)トピックス | JAふくしま未来
(41)概要 | JAふくしま未来について | JAふくしま未来
(42)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中のやさい編 [PDFファイル/173KB]
(43)二本松インター店 | お店を探す | ヨークベニマル
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