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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

浪江町、来月イオン開店、帰還者減

 2017年3月31日に避難指示が解除された福島県浪江町(1)に今日(7月14日)にイオンが開店しました(2)(3)。帰還促進に期待がかっかていたのですが(4)(5)、浪江町に帰還した方はが一人減りました(6)。町内に居住しているかた(帰還者と新規転入者の合計)
  住民登録 17,346人中 1,056人(全体の6%)
で(7)、住民は戻りません。イオン開店も効果が無かったようです。
 福島県浪江町は福島県沿岸部北部にあります(1)。南隣の双葉町には福島第一原発があります(8)。先の事故では全域が放射能に汚染され避難地域となりました(1)。
事故から8年4ヶ月過ぎて、汚染されている福島
 ※1(9)のデータを(10)に示す手法で7月1日に換算
 ※2 避難地域は(11)による。
 ※3 DASH村は(12)による。
 図―1 福島県浪江町

 図に示しように、避難指示解除区域は面積としては一部ですが、今年2月末時点で、同町に住民登録している17,526のうち14,535人が避難指示解除区域です(13)。実質的には大部分で避難指示が解除されています。 図に示す様に、国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超える(14)地域が広がっています。そでれも安倍出戻り内閣は「安全」だとして同町中心部(東部)の避難指示を一2017年3月31日に解除しました(1)(11)。そして町の整備を進めて来ました。
  2017年4月
   ・役場の町内への移転
   ・JR浪江駅再開(浪江-小高間運転再開)(以上(15))
  2018年4月
   ・こども園、小中学校再開
  2018年7月
   ・野馬追再開(以上(16))
 野馬追は浪江町だけでなく福島県沿岸部北部で行われる神事で、鎌倉時代から続く伝統行事です(17)。
  2018年10月1日
   ・「うけどん」がイメージアップキャラクターに就任(18)
  2019年5月
   ・復興庁福島復興局の支所が移転(19)
 。
 そんな中で、今日(7月14日)にイオンの開店しました(2)(3)。
イオン浪江店オープンを報じる福島のローカルTV局・FTV
 ※(2)をキャプチャー
 図―2 イオン浪江店開店を報じる福島のローカルTV局(FTV)

 どの程度の効果があるかきょうみがあります。以下に浪江町民の居住状況を示します。
なかなか住民が戻らない浪江町
 ※1 帰還者は(24)による。
 ※2 新規移住者は浪江町在住者(4)(25)―帰還者(24)で計算
 図―3 浪江町在住者

浪江町に帰還した方は
 5月末 730人(26)
 6月末 729人(5)
で、逆に一人減ってしまいました。
解除2年2ヵ月後の2019年6月31日時点の町内在住者は
  住民登録(転入者 17,346人中 1,057人(全体の6%)
で(2)、なかなか住民は戻りません。イオンくらいでは効果がないようです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 この出店はかなり政治的な気がします。広野町は原発事故で緊急時避難準備区域にしていされ、ほぼ全町民が避難しました(23)。イオンはそこに赤字覚悟で、出店しました。それでも、2,400人程の住民が戻っていました(24)。浪江町に帰還したのは729人です(5)。間違いなく赤字です。イオンは福島県伊達市に東北最大規模のショッピング-モールを計画しています。出店場所は国道4号と東北中央道が交わる場所ですが、市街化調整区域です。こうした場所への大型店舗の出店は「福島県商業まちづくり推進条例」によって制限されて来ました(25)。この条例の改定案がまとまりました。これまで、これまで大型店の誘致は人口規模や交通の利便性など六つの要件を満たす市町村に限っていました。改定案では届け出面積の引き上げの他、広域の市町村間協議で同意を得られれば要件を満たしていない市町村でも出店可能としました(26)。周辺の伊達市の他、周辺の桑折町や国見町の同意があれば出店の可能性が出てきます。また、大型店の誘致は都市計画法の「商業地域」と「近隣商業地域」のみだったが、幹線道路沿いなどに設定されている「準工業地域」も追加したそうです(26)。出店予定地を「準工業地域」指定替えすれば出店可能です。当然ながら、イオンは行政の意向を気にすると思います。ひょっとすると「忖度」するかもしれません。
 浪江町は避難指示解除直後の町内在住者の目標を5,000人としています。そのうち1,000人を新規の転入者をあてにしています(27)。そのためと思いますが、復興計画では「様々な人が町外から訪れるまち」や「新しく町に居住される方への支援」をうたっています(28)。図―1に示す様に、浪江町は避難区域の直ぐ北に位置しますが、直ぐ南には富岡町が位置します。避難指示解除は浪江町と1日違いの2017年4月1日です(11)。以下に、避難指示解除後の累積の転入者数を示します。
浪江町に比べ多い、転入者
 ※(29)を集計
 図―4 避難指示解除後の累積の転入者数

 図に示す様に、浪江町は富岡町大幅に少なくなっています。避難している浪江町民と結婚し、住民票を浪江町に移す方等も想定できます。転入したけど、その後に出て行くことも考えられるので、転入者全てが浪江町に住んで入る訳ではなりません。4月末時点で累積の転入者は396人です。一方で、浪江町内に住んでいるかたは1,008人(21)で、そのうち709人が帰還者なので(22)、残りの299人が新規転入者です。浪江町に住民票を移した方の4分の3程度は、浪江町に住んでいます。
 累積の転入者を男女別にみると、女性は
  浪江町 136人
  富岡町 145人
で、それ程には差はありません。一方で男性は
  浪江町 223人
  富岡町 462人
で大きく開いています。原子力関係者は概ね男性です(30)。浪江町は富岡町に比べ原子力関係者の取り込みが上手くいっていません。福島第一を手掛けたのは日立製作所や東芝です(8)。当然ならが福島第一の廃炉を担う企業です。日立製作所も(31)東芝(32)も拠点は関東地方にあり、廃炉の支援拠点(例えば従業員の宿舎)を用意するなら富岡町の方が有利です。東京電力も事情は同じと思います。そんな訳で、廃炉関係者を呼びこむのが難しいと思います。浪江町は「なくなる」とまで言われています(33)。
 富岡町には既にスーパーが開いています。営業時間は11時から19時に1日8時間です(34)。一方でイオン浪江店は月~土(祝日の除く)が6時から20時の14時間、日祝が9時から20時の11時間(で(5)、富岡町のスーパーより長くなっています。先に開店した広野店の営業時間は8時から21時の13時間で、平日はここよりも長くなっています。その分、人件費がかさみ赤字がかさみます。それでもイオンは出店しました。営業時間が長い理由について、復興関連の利用が見込まれるとNHKは喧伝していますが(2)、復興関連の方が富岡町のスーパー開店時間は11時です。
浪江町のスーパー開店を喧伝するNHK
 ※(35)をキャプチャー
 図―5 「復興関連の関係者等の利用が見込まれ」と喧伝するNHK

 確かに浪江町に今、お住まいの方の利便性は上がると思います。なんとなく流通と行政の癒着がまた一歩、深まった感じがします。オープニングセレモニーには福島県知事も出席されました。当然、イオンの皆さんともお話をしたはずです。
イオン浪江店オープニングセレモニーに出席した福島県知事
 ※(2)をキャプチャー
 図―6 オープニングセレモニーに出席する福島県知事

 癒着が横行する福島では、福島の皆様は不安だと思います。
 福島県桑折町のスマイルピーチの方が同町産モモの販売会に参加されたそうです(36)。
福島産モモの販売会に参加したスマイルピーチ
 ※(36)をキャプチャー
 図―7 桑折町産モモの販売会に参加したスマイルピーチ

 福島はモモの季節です。福島のモモは美味しいとの事です(37)。福島県は福島産モモは「安全」だと主張しています(38)。でも、福島県鏡石町のスーパーのチラシには福島産モモはありません。
他県産はあっても福島産モモが無い福島県鏡石町のスーパーのチラシ
 ※(39)を引用
 図―8 福島産モモが無い福島県鏡石町のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県鏡石町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


P.S.
本記事は選挙運動と認識される可能性もあるので、以下にメールアドレスを記載します。
inu_poti@yahoo.co.jp

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)浪江町 - Wikipedia
(2)ローカルTime FNN被災地発...
(3)イオン浪江店 | お買物情報やお得なチラシなど
(4)イオン浪江7月14日開店 利便性向上、帰還促進に期待 | 福島民報
(5)「イオン浪江店」7月14日オープン 地元の鮮魚、食料品など販売:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(6)町民の避難状況(令和元年6月30日現在) | 浪江町ホームページ
(7)浪江町ホームページ トップページ
(8)福島第一原子力発電所 - Wikipedia
(9)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(10)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(11)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(12)DASH村 - Wikipedia
(13)<安住の灯>浪江と富岡 避難解除2年進まぬ帰還 移住者に期待 若い世代の支援強化 | 河北新報オンラインニュース
(14)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(15)浪江町の歴史4(復興創生期) | 浪江町ホームページ
(16)平成30年度上半期の話題 | 浪江町ホームページ
(17)相馬野馬追 - Wikipedia
(18)福島)浪江町の「うけどん」、イメージアップキャラ就任:朝日新聞デジタル
(19)福島)復興局の2支所を移転 7日に富岡と浪江へ:朝日新聞デジタル
(20)町民の避難状況 - 震災・原発事故からの復興 - 浪江町ホームページ
(21)広報なみえ - 浪江町ホームページ
(22)町民の避難状況(令和元年5月31日現在) | 浪江町ホームページ
(23)広野町 - Wikipedia
(24)原発避難エリアにスーパー開業、帰還促進、採算性は厳しい
(25)『(仮称)イオンモール北福島』開業に向けた動きが!? | イオンファンクラブ ?福島県 県北地域情報?
(26)新設基準8000平方メートル以上に 大型店届け出 福島県、9月にも緩和 | 福島民報
(27)「浪江町人口ビジョン」及び「まち・ひと・しごと創生浪江町総合戦略」を策定しました(企画財政課)
(28)浪江町復興計画【第二次】の策定について | 浪江町ホームページ
(29)福島県の推計人口(令和元年6月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(30)「あのとき、おなかに子供がいました」福島第一原発の女性オペレーターは、5年後も現場にいた。 | ハフポスト
(31)日立製作所 - Wikipedia
(32)東芝 - Wikipedia
(33)炎上の日、ウーマン村本さんに頼まれた「浪江町を案内してほしい」 - withnews(ウィズニュース)
(34)新富岡店 | お店を探す | ヨークベニマル
(35)浪江に震災後初のスーパー|NHK 福島県のニュース
(36)ローカルTime FNN被災地発...
(37)食の宝庫ふくしま | ふくしま満天堂(ふくしまプライド。)
(38)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(39)鏡石店 ? イオンスーパーセンター公式ウェブサイト
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  1. 2019/07/15(月) 19:46:49|
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