fc2ブログ

めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第二・廃炉が正式決定、行き場が無い使用済み核燃料

 福島第二原発の廃炉が正式決定しました(1)(2)。福島第二には10,076体の核燃料がありますが(3)、行き場がありません。
 福島第二原子力発電所は福島県楢葉町と大熊町にまたがって立地する東京電力の原子力発電所です(4)。地図で見ると福島第一原発南10km程にあります。福島県に電気を供給しているのは東北電力です。先の震災では福島第一原発と同様に原子炉の冷却機能を喪失し「原子力緊急事態宣言」が発令されたました(4)。東京電力からの外部電源は喪失したのですが、東北電力からの外部電源は生き残ったので(5)、これをやりくりし福島第一ようなメルトダウン事故を寸前でまぬかれました。
 福島県はこれまで東京電力に対し福島第二の廃炉を度々、要請してきました(6)。でも、東京電力は方針を決めず、ようやく2018年6月に東京電力ホールディングス社長は、福島県知事内と面会し、福島第二原発について「運転再開せず全基廃炉の方向で具体的な検討に入りたい」と表明ししました(4)。それから1年間、なにも進まなかったのですが、7月24日に東京電力社長は福島県知事と面会し福島第2原発全4基の廃炉を近く正式決定すると表明し、廃炉作業に伴う使用済み核燃料の一時的な貯蔵施設を構内に新たに設置する方針も併せて打診しました(6)。言い換えれば、廃炉作業に伴う使用済み核燃料の一時的な貯蔵施設を構内に設置することを認める事を廃炉の条件にしています。また、東京電力社長は燃料の最終的な保管場所は「廃炉作業終了までに全量を県外に搬出する方針」と述べました(6)。廃炉には40年以上が係るので(1)(2)、少なくとも40年間は使用済み核燃料を福島第二に置きっぱなしする提案です(7)(8)。
 7月30日に福島県知事は廃炉作業に伴う使用済み核燃料の一時的な貯蔵施設を構内に設置することを認めると東京電力い伝えました(7)(8)。
福島第二での核燃料・一時保管を容認したと報じる福島県の地方紙・福島民報
 ※(9)を7月31日に閲覧
 図―1 福島第二での核燃料・一時保管を容認したと報じる福島県の地方紙・福島民報

 これで、福島第二原発の廃炉が確定しました(7)(8)。これを受けてとおもいますが、東京電力は7月31日の取締役会で廃炉を正式決定しました(1)(2)。
福島第二廃炉決定を報じる福島県の地方紙・福島民
 ※(9)を8月1日閲覧
 図―2 福島第二廃炉決定を報じる福島県の地方紙・福島民報

 福島県知事は
 「第一原発と第二原発の全基廃炉を安全・着実に進め、使用済み核燃料の全量県外搬出の約束をしっかりと実行してほしい」
とコメントしたそうです(1)。
使用済み燃料の県外搬出が実現を要求する福島県知事
 ※(10)をキャプチャー
 図―3 使用済み燃料の県外搬出が実現を要求する福島県知事

 福島第二には10,076体の核燃料があります(3)。本当に福島県外に搬出できるのでしょうか?
 搬出先の候補の一つに「リサイクル燃料貯蔵」があります。青森県むつ市にある会社で、東京電力が主に出資して作った会社です。東京電力及び日本原子力発電の原子力発電所から発生する使用済燃料の貯蔵、管理するのが業務です。青森県むつ市にあります(11)。現在、原子力規制員会で適合性審査(安全審査ではない)が進められています(12)。審査に合格すれば、使用済み核燃料の保管が可能になります。
 東京電力は柏崎刈羽原子力発電所6,7号機の再稼働を目指しています(13)。再稼働すれば年間1,800億円の収益が見込めます(14)。東京電力はどうしても再稼働したいと思います。原発で使い終わった使用済み核燃料は核燃料プールに移されしばし保管されます(15)。ところが核燃料プールがいっぱいです。6号機は保管容量2、362体中2,538体(全体の93%)、7号機は保管容量2,572体ちゅう2,489体(全体の97%)で(16)、ほぼいっぱいです。発電するには使用済み核燃料をどこかに移す必要があります。東京電力にとって福島第二より柏崎刈羽原発の使用済み核燃料を「リサイクル燃料貯蔵」に移すメリットが大きいと言えます。
 福島第二からの核燃料搬出には、懐疑的な見方が広がっているようです。福島県の地方紙・福島民報は「【核燃料の県外搬出】明文化で約束を果たせ(7月31日)」の社説で
「東電と日本原子力発電の共同出資による会社は、青森県むつ市に使用済み燃料の中間貯蔵施設を整備し、二〇二一(令和三)年度の操業開始を目指す。今のところ、新潟県の柏崎刈羽原発からの受け入れ以外は未定という。第二原発からの搬入を早期に検討してほしい。」
と論じています(17)。もう一つの地方紙・福島民友は「【7月28日付社説】第2原発廃炉表明/安全確保の枠組みが必要だ」との社説で
「いつまで施設に保管し、どこに運び出すかについては明言していない。東電の説明では燃料がとどめ置かれ、実質的な最終保管場所となるのではないかという懸念は払拭(ふっしょく)できない。」
と論じています(18)。
 現在の安倍出戻り内閣の方針では使用済み核燃料は全量を再処理することになっています(19)。以下に流れを示します。
再処理が必要な核燃料サイクル
 ※(20)を抜粋
 図―4 核燃料サイクル

 原子炉を運転すると、核燃料の中に核燃料として使用できるプルトニウム239ができます(21)。使用済み核燃料から、プルトニウムを取り出し、プルトニウム239で出来た核燃料(MOX燃料)を使う計画です(22)。
 でも、現状では上手くいっていません。使用済み核燃料からプルトニウム239を取り出す再処理工場(23)は、原子力規制員会の審査中(24)で稼働時期が不透明です(25)。
 さらに、再処理工場が稼働しても再処理は進みません。プルトニュウムを使うベストな方法はMOX燃料を主に使う高速増殖炉(26)です。日本では「もんじゅ」がありましたが、廃炉になりました(27)。プルトニュウムは核爆弾の材料になります(28)。それだけに厳格な管理が求められています(29)。今の所、保有量に上限を設け消費した分だけを再処理で取り出す計画です(30)。現状、プルトニュウムを消費する唯一の方法は従前の原子炉でプルトニュウムを原料とした核燃料を使用するプルサーマルだけです(31)。東京電力は2箇所の原子力発電所を所有していました。このうち、福島第二の廃炉が決まったので残りは柏崎刈羽のみになりました。柏崎刈羽のプルサーマルは住民投票で反対が過半数を超えました(32)。仮に再稼働できたとしても、プルトニュウムを使うプルサーマルは実施できません。東京電力は使用済み核燃料の再処理を進めることはできません。
 東電社長は「使用済み核燃料は全量を県外搬出する方針の下、できるだけ早期に搬出する」と表明しましたが、処分の目途はありません。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 東京電力は全く実現の見込みが無い福島第二の使用済み核燃料の福島県外搬出を約束しました。できない事でも平気で約束します。そういえば、原発を安全に運転すると福島の皆様と約束したはずなのに(34)、大事故です。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島を代表する農作物にトマトとがあります。白河市などが主要な産地です(35)。今年もTOKIOのテレビCMが始まりました(36)。福島はトマトの季節です(37)。同市辺りのトマトは引き締まってコクのあるそうです(38)。福島県は福島産トマトは「安全」だと主張しています(39)。でも、福島県白河市のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県白河市のスーパーのチラシ
 ※(40)を引用
 図―5 福島産トマトが無い福島県白河市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県白河市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。



―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)東電、第二原発廃炉決定 認可後、解体準備に着手 | 福島民報
(2)福島第2原発「廃炉」正式決定 東京電力、福島県内全10基着手へ:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(3)福島第一・第二原子力発電所の燃料貯蔵量 - 福島県ホームページ
(4)福島第二原子力発電所 - Wikipedia
(5)>asahi.com(朝日新聞社):福島第一、安全設計で第二と違い 電源喪失巡り東電指摘 - 東日本大震災
(6)福島第2原発の廃炉正式表明 東電社長、知事に | 河北新報オンラインニュース
(7)第二原発廃炉が確定 核燃料一時保管を容認 知事、福島県外搬出前提に | 福島民報
(8)福島第2原発廃炉受け入れ 知事、貯蔵施設は「県外搬出が大前提」:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(9)福島民報社
(10)ニュース|福島中央テレビ
(11)リサイクル燃料貯蔵 - Wikipedia
(12)リサイクル燃料貯蔵株式会社(使用済燃料貯蔵施設)関連審査会合 | 原子力規制委員会
(13)新潟県の皆さまへ(新潟本社)|東京電力ホールディングス株式会社
(14)新知事でも「柏崎刈羽再稼働」が難しい理由 | 原発再稼働の是非 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
(15)使用済み核燃料 - Wikipedia
(16)1~7号機の燃料輸送・使用済燃料保管状況|柏崎市
(17)【核燃料の県外搬出】明文化で約束を果たせ(7月31日) | 福島民報
(18)【7月28日付社説】第2原発廃炉表明/安全確保の枠組みが必要だ:社説:福島民友新聞社 みんゆうNe
(19)使用済み核燃料、全量再処理を一転継続 経産省  :日本経済新聞
(20)原子力発電で使い終わった燃料はどうなるの? | 東北電力 ホームページ
(21)プルサーマル - Wikipedia
(22)原子燃料サイクルとは - 原子燃料サイクル | 電気事業連合会
(23)[再処理事業] 再処理事業の概要 | 事業情報 > 概要 - 日本原燃株式会社
(24)再処理事業所 各申請状況に関する情報 | 原子力規制委員会
(25)六ヶ所再処理工場 合格の時期は不透明に 日テレNEWS24-2019/03/2
(26)高速増殖炉 - Wikipedia
(27)もんじゅ - Wikipedia
(28)プルトニウム - Wikipedia
(29)我が国のプルトニウム管理状況 - 原子力委員会
(30)余剰プルトニウム保有量に上限 核燃サイクル停滞で政府:朝日新聞デジタル
(31)プルサーマル - 原子燃料サイクル | 電気事業連合会
(32)東京電力ホールディングス - Wikipedia
(33)- 「刈羽村住民投票でプルサーマル反対が多数」 柏崎日報 Online 2001-05-28 -
(34)(コメント)福島第一原子力発電所3号機におけるプルサーマル開始について|TEPCOニュース|東京電力
(35)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(36)おいしい福島「んだ、んだ」 TOKIOの新CM発表 | 福島民報
(37)ふくしまプライド。
(38)特産品 - しらかわ | JA夢みなみ
(39)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(40)白河昭和町店 | お店を探す | ヨークベニマル
8月2日追記

 福島県の地方紙・福島民報は福島第二の使用済み核燃料を確実に福島県外に運び出すには「法制化」が必要との福島県関係参議院議員の座談会の内容を報じていました(A1)。
使用済み核燃料を確実に福島県外に運び出すには「法制化」が必要との座談会を報じる福島県の地方紙・福島民報
 ※(9)を8月3日に閲覧
 図―1 使用済み核燃料を確実に福島県外に運び出すには「法制化」が必要との座談会を報じる福島県の地方紙・福島民報

 政治家の皆様も核燃料の福島県外運び出しには懐疑的なようです。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(A1)核燃料処分議論を加速 法制化の必要性指摘 福島県関係参院議員座談会 | 福島民報
スポンサーサイト



  1. 2019/08/01(木) 19:47:03|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<福島県郡山市55周年、未来は暗い | ホーム | 秋田・イージス・アショア、守るのはハワイ>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/tb.php/2974-779f2bd8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)