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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水タンク、3年で溢れますと東京電力、小委員会は長期保管を検討

  東京電力は福島汚染水タンクが3年で溢れだすと発表しました(1)。3年以内に処理方法を確立し、実行に移す必要を強調しています。海洋放出を3年以内に実現したいようです。一方で、経済産業省の検討委員会は長期保管を検討しています(2)。
 福島第一では地下水が山から流れて来て、原子炉やタービン建屋(以下建屋と略す)に流入しています。あるいは海までに達しています。原子炉建屋にデブリ等がむき出しで放置されています。デブリ等に触れた水は放射能に汚染されます(3)。汚染されれば海に流せないので、これを汲みあげ浄化装置を通した後で海に流しています。ただし全ての放射性物質が浄化できる訳ではありません。東京電力はトリチウムは浄化できないとしています(4)。以下に福島第一汚染水のトリチウム濃度を示します。 
100万)Bq/l)程度で推移する福島第一汚染水のトリチウム
 ※(5)(6)にて作成
 図―1 福島第一汚染水のトリチウム濃度

 図に示す様に最新では1リットル当たり100万ベクレル程度です。国の排水基準は1リットル当たり6万ベクレルですので(7)、20倍弱です。このままでは、海に流せないので東京電力は福島第一構内に汚染水タンクを作り保管しています。
どんどん増える福島第一汚染水
 ※(8)(9)を集計
 図―2 どんどん増える福島第一汚染水

 福島第一の敷地の広さには限界があり、何時かは行き詰るとの見方があります。これを避ける為に、経済産業省は「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」(以下小委員会と略す)を立ち上げ、処分方法の検討を進めています(10)。そして昨年(2018年)8月末に公聴会が開かれました(11)。公聴会の資料(12)には「トリチウムは、水素の仲間で、弱い放射線を出す物質。自然界にも存在し、大気中の水蒸気、雨水、海水、水道水にも含まれている。」等のトリチウムの安全性を強調する文言は記載されており(無論、リスクを示す内容はありません)、さらに5つの処分方法を提示した後で
「海洋放出、水蒸気放出については、規制基準が存在し、国内外において放出の実績があるが、地層注入については適用される既存の基準がなく、長期モニタリングの方法も確立されていない、水素放出については、前処理やスケール拡大について研究開発が必要といった課題がある。なお、地層注入、地下埋設についてはモニタリングが将来にわたり必要な可能性あり。」
と海洋放出の優位性を強調しています。資料を見る限り、公聴会で「海洋放出」のお墨付きを得て、一気に海洋放出に進むつもりだったようです。
 ところが「海洋放出」に反対する意見が続出して(11)目論見はとん挫してしまいまいた。汚染水の海洋放出は福島の皆さんにも不評です。福島県民を対象した世論調査では反対が65%と多く、賛成は19%でした(13)。
 公聴会後の3回ほど小委員会が開かれたのですが、結論には至らなかったようです。そして昨年12月28日の第12回を最後に昨日(8月9日)まで、7ヶ月以上開かれませんでした(10)。ところが昨日開かれました(14)。ここで、東京電力は2022年夏には、タンクがいっぱいになるとの資料を提出しました(15)。
3年後に福島第一の汚染水タンクが一杯となるとする東京電力資料
 ※1(15)を引用
 ※2 ALPS処理水は「汚染水」の最終形態(4)
 図―3 2022年夏には、タンクがいっぱいになるとの東京電力資料

 昨日の朝には報じられていました。一昨日(8日)に東京電力が発表したそうです(1)(16)(17)。
 3年後に福島第一の汚染水タンクが一杯となると報じる福島県の地方紙・福島民報
 ※(18)を8月9日に閲覧
 図―4 「タンク2022年6月に限界」と報じる福島県の地方紙・福島民報

 トリチウムは約12年で半分、41年で10分の1になるので(19)、可能な範囲で長く保管し、その後に放出した方が環境に対する負荷が小さくなります。福島第一の敷地内に保管できないなら、敷地外(例えば中間貯蔵施設)に保管する事も選択肢だと思います。東京電力は使用済み核燃料を一時的に保管する会社を日本原電と共同で設立し、使用済み核燃料の原発敷地外での一時保管を目指しています(20)。
 一方で汚染水の敷地外保管については、「保管施設を設置する自治体等のご理解が必要」「 放射性廃棄物保管施設として、設置許可が必要」と否定的です(15)。
 報道には「処分方法の決定を促したい事業者の『思惑』が行間からにじむ。」(1)とか「処理水が『満杯』となる時期が示されたのは初めてで、処分方法を検討する政府の小委員会の議論が加速しそうだ。」(17)の評論が加えられていました。報道関係者は東京電力が「海洋放出」に導きたいと感じたようです。
 一昨日(8日)東京電力は福島第一原発に関する記者会見をしました。会見を見ていると(21)、この話は出て来ません。経済産業省の会見で発表したとの事です(22)。
経産省の会見で3年で溢れると発表する東京電力
 ※(22)を引用
 図―5 経済産業省の会見で「発表」を報じる福島のローカルTV局・TUF

 この会見は福島で実施されてましたが、東電本店(都内)に中継され質問も受け付けています。自社の事ですので、本来であるならここの会見で発表すべきでしたがしませんでした。このような事をすると次の会見でクレームがでると思うのですが、東京電力の定例会見はお盆を理由に8月19日まで開かれません(23)。クレームの心配が無いから、自社でなく経済産業省の会見で発表したと思われても不思議はないようです。
 そして昨日、小委員会が開かれました(2)(14)。そこでは、「敷地不足を理由にタンク保管の継続に難色を示す東電に対し、『中間貯蔵施設用地を活用し原発の敷地を拡張すべき』との新たな案や、敷地利用の全体図について東電の説明不足を指摘する声が上がった。」(2)、「恒久的な保管に否定的な意見が大勢を占め、風評被害に対する理解が進むまで期限を決めて保管する案などが出された。」(24)と報じられるとおり、長期保管を検討が始まりました。
 福島第一原発の周囲は、国が設置した除染で出た廃棄物を保管する「中間貯蔵施設」があります(25)。以下に示します。
福島第一の周囲に配置された中間貯蔵施設
 ※Google Mapと(25)にて作成
 図―6 福島第一と中間貯蔵施設

 また敷地を拡張してタンクの設置スーペースを確保するとか、中間貯蔵施設を利用する案も出されたそうです。
汚染水の継続保管論議を報じる福島県の地方紙・福島民報
 ※(18)を8月10日に閲覧
 図―7 汚染水の保管継続を求める声を報じる福島県の地方紙・福島民報

 一方で、東京電力の方は中間貯蔵施設での保管について「環境省と地権者の契約をし直すなどさまざまな調整が必要だ」と否定的見解を示したそうです(2)。でも、これって国と地元(福島県、双葉町、大熊町)の問題だと思います。東京電力には福島第一汚染水の海洋放出を実現したい思いがあるようです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 昨年6月14日に東京電力は福島第二を廃炉の方向で具体的に検討を進めると発表しました(26)。これにつて
 「有力視される海洋放出に対しては、地元自治体も漁業者も『風評被害が再燃する』と反発している。今回の判断が処分方法決定に向けた『地ならし』との見方は根強い」
と報じられました。。
福島第二の廃炉は「トリチウム水(汚染水)の処理」と報じる福島のローカルTV局FTV
 ※(27)を転載
 図―8 福島第二の廃炉は「トリチウム水(汚染水)の処理」と報じる福島のローカルTV局FTV

 そして一年以上が過ぎた今年7月31日に福島第二の廃炉が正式決定しました(28)。そしたら、福島第一の汚染水が3年後には溢れますとの発表です(1)。発表資料(15)の行間からは、汚染水の海洋放出を実現したい東京電力の思惑が見えてきます。福島第二の廃炉とリンクしている気がします。
 安倍出戻り内閣や東京電力は、トリチウムは「安全」だと主張しています(29)(230)。でも、(=^・^=)は議論があると思います(31)。そして、福島の皆様も不安だと思います。
 福島を代表する農畜産物に牛肉があります(32)。福島県田村市の肉牛の飼育頭数は5,028頭で福島県2位です。ちなみに1位は郡山市で5,744頭です(33)。郡山市は人口約33万人なのに対し、田村市は4万人弱なので(34)肉牛飼育が盛んな市です。福島の牛肉は美味しいとのことです(35)。福島県は福島産牛肉は「安全」だと主張しています(36)。でも、福島県田村市のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。
他県産はあっても福島産牛肉加工品が無い福島県田村市のスーパーのチラシ
 ※(37)を引用
 図―9 福島産牛肉が無い福島県田村市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県田村市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)第一原発トリチウム水 タンク2022年6月に限界 東電試算 | 福島民報
(2)浄化後の水、タンク保管 第一原発敷地拡張 議論へ 政府小委 | 福島民報
(3)汚染水対策の状況 - 廃炉プロジェクト|廃炉作業の状況|東京電力ホールディングス株式会社
(4)汚染水の浄化処理 - 廃炉プロジェクト|廃炉作業の状況|東京電力ホールディングス株式会社
(5)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果|アーカイブ|東京電力中の「水処理設備の分析結果⇒水処理設備の放射能濃度測定結果 」
(6)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果アーカイブ|データ|東京電力ホールディングス株式会社の「水処理設備の分析結果」
(7)周辺の分析結果ー分析結果 - 廃炉プロジェクト|データ|東京電力ホールディングス株式会社
(8)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社ちゅの「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(9)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社
(10)福島第一原子力発電所における汚染水対策 (METI/経済産業省)
(11)多核種除去設備等処理水の取扱いに係る説明・公聴会 (METI/経済産業省)
(12)(11)中の・多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会 説明・公聴会資料(pdf:5518KB)
(13)復興への道筋「ついた」52% 福島県民対象の世論調査:朝日新聞デジタル
(14)多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(第13回)‐配布資料(METI/経済産業省)
(15)(14)中の多核種除去設備等処理水の貯留の見通し
(16)「処理水保管」22年夏上限 第1原発東電試算、タンク増設困難:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(17)<福島第1原発>処理水「22年夏に満杯」タンク保管量を東電推計 | 河北新報オンラインニュース
(18)福島民報社
(19)半減期 - Wikipedia
(20)リサイクル燃料貯蔵株式会社 │ 事業概要
(21)動画アーカイブ|写真・映像ライブラリー|東京電力ホールディングス株式会社
(22)汚染水タンク 2022年で満杯に TUFchannel 2019/08/08
(23)本社原子力定例会見開催日(8月19日)のご案内について|報道関係各位一斉メール|東京電力ホールディングス株式会社
(24)トリチウム含む処理水「長期保管」議論 恒久的には否定的意見:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(25)中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(26)福島第二原子力発電所に関する福島県知事との意見交換内容について|お知らせ|東京電力ホールディングス株式会社
(27)めげ猫「タマ」の日記 福島第二廃炉、狙いは柏崎刈羽の再稼働
(28)福島第二原子力発電所の廃止について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(29)多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(第11回)‐配布資料(METI/経済産業省)中の資料3-1 田内委員のプレゼン資料(PDF形式:2,285KB)
(30)福島第一原子力発電所でのトリチウムについて 平成 ... - 東
(31)めげ猫「タマ」の日記 「トリチウム...人体に影響見つからず」と福島民友、実は調べていない。
(32)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(33)届出情報の統計-目的別索引-牛の個体識別情報検索サービス⇒【平成30年10月31日公表】  (毎年10月31日頃更新)⇒飼養頭数 牛の種別 市区町村別 平成30年9月末時点 ⇒Excel
(34)平成30年8月分 - 福島県ホームページ
(35)食の宝庫ふくしま | ふくしま満天堂(ふくしまプライド。)
(36)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(37)船引店|店舗・チラシ情報|リオン・ドール
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