福島県二本松市の女性の死者数は、福島県の発表(1)を集計すると
事故前(2010年1月~9月)234人
今年(2019年1月~9月) 309人
で、事故前に比べ44.4%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら3万分の1でした。一方で、福島産を避ける方が多い相馬市・南相馬市の合計は
事故前(2010年1月~9月)469人
今年(2019年1月~9月) 490人
で、殆ど変りません。
福島県二本松市は福島県の中央部にある市です。以下に示します。
※1(2)のデータを(3)に示す手法で10月1日に換算
※2 避難区域は(4)による。
図―1 福島県二本松市、相馬市、南相馬市
図に示す通り、同市はほぼ全域が国が除染が必要とする毎時0.23マイクロシーベルト(5)を超えています。さらには避難指示区域に隣接しています。
同市でも「除染」が行われました(6)。放射性物質はなにもしなくても時間と共に減っていきます。その減り方は「半減期」で計算できます(7)。以下に福島県二本松市の放射性物質の量と、半減期で計算される予想量を示します。

※元データおよび計算方法は(8)による。
図―2 半減期でしか減らない福島のセシウム(福島県二本松市)
図に示しように自然に減る分でしかセシウムは減っていません。除染はほとんど効果をあげていません。
福島県県民健康管理調査基本調査では福島原発事故後4ヵ月間の被ばく線量を推計しています(9)。これを元に1ミリシーベルト以上の被ばくをした方は90.3%(13,602人中12,284人)です。これは飯舘村の92.0%ついで2位ですが、同村は2011年6月22日までにほぼ全村民が避難しています(10)。二本松市は避難しなかった市町村では最も汚染が酷い市です。
。以下に各年1月から9月までの9ヶ月の同市の女性の葬式数を示します。

※(1)を各年1月から9月の9ヶ月間で集計
図―3 福島県二本松市女性の葬式数
図に示す様に事故があった2011年以降に急に増えています。そして今年も年も戻っていません。数値を記載すると
事故前(2010年1月~9月)234人
今年(2019年1月~9月) 309人
で、事故前に比べ44.4%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら3万分の1でした。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果
※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(11)による。

さらには同市女性の平均寿命は
事故前の2010年は87.1歳(12)
事故後の2015年は86.7歳(13)
で、短くなっています。
福島県のひらた中央病院が福島産を避けるか、避けないかのアンケート結果を発表しています(14)。以下に結果を示します。
表―2 福島産米や野菜を許容すかのアンケート結果
※ (14)を集計

表に示す通り、地域によって大きな差があります。相馬市・南相馬市では多くの方が福島産米や野菜を避けています。福島の他地域より放射能汚染を警戒していると想像されます。以下に各年1月から9月までの9ヶ月の相馬市・南相馬市の女性の葬式数を示します。

※(1)を各年1月から9月の9ヶ月間で集計
図―4 福島県相馬市・南相馬市女性の両市合計の葬式数
図に示す通り2011年に増えていますが、その後は元に戻っています。両市は図―1に示す様に沿岸部にあり、先の震災で男女合わせて1,094人の犠牲者を出しました(15)。これが2011年のみの増加の要因です。数値を記載すると
一方で、福島産を避ける方が多い相馬市・南相馬市の合計は
事故前(2010年1月~9月)469人
今年(2019年1月~9月) 490人
で、殆ど変りません。
避難しなかかった市町村では最も汚染が酷い福島県二本松市女性の今年1-9月の葬式は44.4%増えましたが、福島産を避ける方が多い相馬・南相馬市女性の葬式はそれ程には増えていません。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島県鏡石町も台風19号に伴う豪雨で大変な被害を受けました(16)。同町には田んぼアートがありますが(17)、無事だったようです。

※(17)を引用
図―5 大半で稲刈りが終わった鏡石町の田んぼアート
同町は米作りが盛んなようです。10月の福島は新米の季節です(18)。同町産米の全量・全袋検査数が3万件を超えました(19)。同町は人口約12、000人(20)、なので町民が食べるには充分な量です。福島のお米はおいしいとの事です(21)。福島県は福島産米は「安全」だと主張しています(22)。でも、福島県鏡石町のスーパーのチラシには福島産米はありません。

※(23)を引用
図―6 福島産米が無い福島県鏡石町のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県鏡石町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
福島県の推計人口(令和元年10月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(2)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(3)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)(4)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(5)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(6)
福島県 二本松市|除染実施区域(市町村除染)の概要・進捗|除染情報サイト:福島県・環境省(7)
半減期 - Wikipedia(8)
めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)―その17「除染で放射線量が下がった。除染の効果は殆どなかった」(9)
第31回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成30年6月18日)について - 福島県ホームページ中の
第31回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成30年6月18日)について - 福島県ホームページ(10)
飯舘村 - Wikipedia(11)
めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A Q18.統計的な差ってなんですか?(12)
平成22年市区町村別生命表の概況|厚生労働省(13)
平成27年市区町村別生命表の概況|厚生労働省(14)
研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ(15)
平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(月1回更新) - 福島県ホームページ(16)
鏡石の「浸水」153ヘクタール 台風19号、阿武隈川と鈴川決壊:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet(17)
かがみいし2019田んぼアート|鏡石町公式ホームページ[福島県](18)
ふくしまプライド。(19)
ふくしまの恵み(20)
鏡石町公式ホームページ[福島県](21)
食の宝庫ふくしま | ふくしま満天堂(ふくしまプライド。)(22)
全量全袋検査に関するよくある質問 - 福島県ホームページ(23)
鏡石店 ? イオンスーパーセンター公式ウェブサイト
10月29日追記
男性についてのお問い合わせがありましたので、男性のデータを記載します。

※(1)を各年1月から9月の9ヶ月間で集計
図―A1 福島県二本松市男性の葬式数

※(1)を各年1月から9月の9ヶ月間で集計
図―A2 福島県相馬・南相馬市男性の葬式数
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- 2019/10/28(月) 19:42:22|
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赤羽佑太 様
お問い合わせありがとうございます。
Q1>男性のデータはなぜないのでしょうか?
男性は二本松市と相馬・南相馬市で変動に大きな差がなかったためです。記事が長くなり読者の負担をおそれた為です。なお、お問い合わせがあれば、回答するつもりでした。
Q2>男性の増減は特になかったのでしょうか?
二本松市男性
事故前(2010年1月~9月)273人
今年(2019年1月~9月) 297人
相馬・南相馬市男性
事故前(2010年1月~9月)469人
今年(2019年1月~9月) 490人
共に少し増えていますが、統計的な差はありません。グラフを追記したのでよろしければ見てください。
- 2019/10/29(火) 19:35:54 |
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