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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

大熊町・新町長決定、道のりは厳しい

 福島県大熊町の町長選で元副長の方が当選しました(1)。祝福したのですが、道のりは厳しい状況です。
 福島県大熊町は福島県沿岸部中部に立地する町です。事故を起こした福島第一原発や(2)、除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設が立地します(3)。先の原発事故では全町が避難行に指定されました(2)。名前は大熊町であり、「クマ」は町のマスコットキャラクターにもなっています(4)。
大熊町のマスコットキャラクターはクマ
 ※(4)を引用
 図―1 大熊町のマスコットキャラクター

だだし、「クマ」はいません(5)。1954年11月1日に大野村と熊町村が合併し大熊町になりました。熊町村の「熊」は元々は「苦麻」です(2)。以下に示します。
事故から8年8ヶ月以上が過ぎて汚染されている福島
 ※1(6)のデータ(7)に示す方法で11月1日に換算
 ※2 避難区域は(8)による。
 図―2 福島県大熊町と周辺の町 

 図に示す様に国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた地域(9)が広がっています。それでも、安倍出戻り内閣は「安全」だとして(10)4月10日に避難指示を解除しました(2)(8)。
 避難指示解除で町は4つの地域に分けられました。
 ・住民が暮らすことができる避難指示解除区域
 ・将来的に避難指示解除を目指す特定復興拠点(11)
 ・今の所はなにも決まっていない特定復興拠点以外の避難区域
 ・福島県全域の除染廃棄物を集約する中間貯蔵施設(3)
以下に示します。
4つに区分された大熊町
 ※1(6)のデータ(7)に示す方法で11月1日に換算
 ※2 避難区域は(8)による。
 ※3 中間貯蔵施設、福島第一原発は(3)、特定復興拠点は(12)による。
 図―3 大熊町の町内区分 

 大熊町では昨日(11月10日)に町長選がありました。現町長は立候補せず、元副町長と元町議会議長の2人の新人の方との争いになりました。この結果、元副町長が当選しました(1)。投票率は53%で、得票数は
 元副町長   3,539
 元町議会議長   863
で、元副町長の圧勝です(13)。
 元副町長なので、現町長の方針を引き継ぐと思います。だたし、役割はまったく別のものになりそうです。現町長は事故前の2007年9月20日に就任し、2019年11月19日に退任予定です(2)。原発事故以降は、大部分は全町民が避難する中で町長を務めました。2015年3月に発表された復興計画では「町民生活再建支援」と「町土復興」を目標にしていました(14)。避難先での町民の生活を守りながら、なんとか大熊町に戻れるようにすることだと思います。そして現町長の最終年である2019年4月10日に一部地域で雛指示が解除されました(2)。4月14日には安倍出戻り総理ご臨席の元、役場の開庁式(15)、5月7日に大熊町内に新たにできた本庁舎での業務を開始しました(16)。現町長は大熊町に戻る足ががりを築くことを達成しました。
 2019年3月20日改定された復興計画では
「避難先及び 大熊町内での安定した生活」
「帰町を選択できるとともに、町外からも人が来たくなる環境づくり 」
とです。また
「次世代へつなぐ大熊 」も掲げています。ただし、避難されている方については
「利用者が見込めなくなったサービスは縮小・廃止をし、必要に応じて避難先行政への移行を促す取り組みを行っていきます。 」
との記述があります(17)。すなわち、避難さえれている方の行政サービスは避難先に依頼し、大熊町としては「帰町を選択できるとともに、町外からも人が来たくなる環境づくり 」を進め「大熊町内での安定した生活」実現することです。そしてこれを次世代の引き継ぐことが次期町長の課題だと思います。次期町長は「町に戻る人だけでなく、戻らない人や新たに入って来る人と協力して町を再生したい」と抱負を述べたそうです(18)。
 図―3を見ると、大熊町の避難解除区域はそこそこ広さがあるように見えますが、住んでいた人は全町民の4%です(2)。殆ど人が住んでいませんでした。ここに人が住むようにするには、町を復興するのでなく新たな町を作る必要があります。人が住む街には産業、住宅、商店、医療機関や福祉施設、交通インフラなどが必要と思いますが、これを作らなくてはなりません。
 大熊町辺りの最大の産業は「福島第一の廃炉」と「中間貯蔵施設」です。他に農業がありますが(19)(20)、規模は大きくありません。以下に福島第一で働く方の人数を示します。
ピークに比べ半減した福島第一での廃炉従事者
 ※(21)(22)にて集計
 図―4 福島第一原発で働く方の推移

 図に示す様に2015年春をピークに減少が続いています。原子力規制委は必要な人が投入されていないとの見方をしてます(23)。最大の産業である「廃炉」は衰退に向かっています。
 以下に大熊町と福島第一周辺の2町の今年4月から9月までの累計の転入者数を示します。
転入者が少ない大熊町
  ※(24)を集計
 図‐5 4月から9月までの転入者数

 原子力関係は男性が多い職場です(25)。図に示す様に男性が多くなっています。転入者は概ね原子力関係者と推定できます。ただ、人数を見ると大熊町が少なくなっています。原子力関係者に人気があるのは富岡町です。
 大熊町は、大熊町に移り住む人なら概ね応募できる復興公営住宅(26)を40戸整備しました(27)。避難指示が解除後に廃炉などの原子力関係者に入居してもらうつもりだと思います。10月には入居ができたようです(28)。今、住んで入るのは40戸中6戸で(29)、残りの34戸は追加募集になりました(26)。
  以下に大熊町の居住状況を示します。
住民が戻らない大熊町
 ※1(30)を集計
 ※2 帰還者は居住者のうち大熊町に住民票を有する方、居住者は住民票を移さずに大熊町に居住している方(例えば廃炉関係者)
 図―6 大熊町の居住状況

 住民票の有無にかかわらず大熊町に住んでいる方は707人ですが、住民票を持っているかたは
  対象 10,305人中119人(1%)
です(2)。帰還は進まないようです。
 以下に各年10月から翌年9月までの1年間の赤ちゃん誕生数を示します。
減り続ける大熊町の赤ちゃん誕生数
 ※(31)を集計
 図―7 大熊町の赤ちゃん誕生数(各年10月から翌年9月までの1年間)

 図に示す通り減り続けています。数値を記載すると
  事故前(2009年10月から10年9月) 129人(男の子 60、女の子69)
  近々1年(2018年10月から19年9月) 63人(男の子 37、女の子26)
で、近々1年は事故前の半分以下になっています。お母さんになり得る年代の女性の皆さんが、大熊町民を止めています。
 大熊町町立の幼稚園、小学校、中学校の大熊町内での再開は2022年春を予定しています(32)。現状は会津若松市にあります(2)。今、大熊町町立の幼稚園、小学校、中学校に通学しているのは1,463人(幼298、小751、中414)中18人(幼3、小12、中3)(1.2%)です。大熊町は子供への求心力を失っています。大多数が避難先の学校に通っています。学校を再開した時に、大熊町の学校に戻るとも思えません。
 大熊町の新しい町長が決まりました(1)。「町に戻る人だけでなく、戻らない人や新たに入って来る人と協力して町を再生したい」と抱負を述べたそうです(18)。でも、
 ・宛てにしていた廃炉関係者の新規転入はあまり無い。
 ・避難している住民もなかなか戻らない。
 ・子供が生まれなくなり、次世代に町を引き継げない。
などの現象があり、次期町長には厳しい道のりが待っています。特に、2022年に学校を再開した時に児童、生徒が集まるかは疑問です。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 大熊町への帰還進まない理由には、町の中心部が避難指示が出たままであり、中間貯蔵施設もあり大多数の方が元場所に戻れない事もあるとは思います。他に放射能汚染への不安もあると思います。少なくとも多くの福島の皆様は福島の放射能に不安を抱いています。
 福島では輸出用の柿の出発式が11月5日に行われました(32)。福島は柿の季節です。福島の柿は食味がよいそうです(33)。福島県は福島産柿は「安全」だと主張しています(34)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産柿はありません。
他県産はあっても福島産柿が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(35)を引用
 図―8 福島産柿が無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県福島市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)吉田氏が初当選 大熊町長選 | 福島民報
(2)大熊町 - Wikipedia
(3)中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(4)ツキノワグマ生態調査の結果について - 福島県ホームページ
(5)大熊町のマスコットキャラクター - 大熊町公式ホームページ
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(7)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(8)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(9)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(10)国連報告者、福島事故の帰還で日本を批判  :日本経済新聞
(11)復興庁 | 特定復興再生拠点区域復興再生計画
(12)(11)中の「大熊町特定復興再生拠点区域復興再生計画」の認定について[平成29年11月10日]
(13)大熊町長選挙の開票結果をお知らせします - 大熊町公式ホームページ
(14)大熊町第二次復興計画について - 大熊町公式ホームページ
(15)新庁舎開庁式を行いました - 大熊町公式ホームページ
(16)町役場が本庁舎で業務を開始しました - 大熊町公式ホームページ
(17)>大熊町第二次復興計画を改訂しました - 大熊町公式ホームページ
(18)大熊町長に吉田氏初当選 域外活動中心、異例の戦い - 産経ニュース
(19)いちご栽培施設から出荷開始 - 大熊町公式ホームページ
(20)豊作に笑顔、大川原で稲刈り - 大熊町公式ホームページ
(21)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社の各月の「福島第一原子力発電所作業者の被ばく線量の評価状況について」(2018年7月まで)
(22)福島第一原子力発電所作業者の被ばく線量の評価状況について - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社
(23)ミス多発、人手不足影響か=規制委が福島第1、東電幹部から聴取へ:時事ドットコム
(24)福島県の推計人口(令和元年10月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(25)「あのとき、おなかに子供がいました」福島第一原発の女性オペレーターは、5年後も現場にいた。 | ハフポスト
(26)第1期大熊町再生賃貸住宅の入居者を追加募集します - 大熊町公式ホームページ
(27)>2019年度施政方針 - 大熊町公式ホームページ
(28)大熊町再生賃貸住宅を整備します - 大熊町公式ホームページ
(29)大熊町民の被害・避難状況 - 大熊町公式ホームページ
(30)居住・避難状況 - 大熊町公式ホームページ
(31)令和元年11月1日現在の居住・避難状況 - 大熊町公式ホームページ
(32)会津身不知柿を海外へ 美里で輸出発送式 | 福島民報
(33)みしらず柿 | JA会津よつば
(34)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページくだもの編 [PDFファイル/200KB]
(35)鎌田店|店舗・チラシ情報|リオン・ドール
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  1. 2019/11/11(月) 19:42:06|
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