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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

東北中央道、常磐道と接続、未来は暗い

 東北中央道の相馬-相馬山上IC間(六キロ)が12月22日開通し、東北中央自動車道が常磐自動車道が接続しました(1)(2)。開通に先立ち福島県の地方2紙は、社説で期待感を示していました(3)(4)。でも、相馬IC周辺の町村からは若い女性が逃げ出し、大幅な人口減が見込まれます。お祝いしたいのですが未来は暗そうです。
 東北中央道(とうほくちゅうおうどう)は、福島県相馬市を起点に山形県を経由し、秋田県横手市で秋田自動車道に接続する全長約268キロメートルの高速道路です。現在、整備が進められています(5)。以下に示します。
事故から8年9ヶ月以上が過ぎて汚染されている福島
 ※1(6)のデータを(7)に示す手法で12月1日に換算
 ※2 旧避難地域は(8)による。 
 ※3 東北中央道は地図と(5)による。
 ※4 中間貯蔵施設は(9)による。
 ※5 JCTはジャンクションを略した。位置は地図による。
 図―1 東北中央道

 このうち相馬-相馬山上IC間(六キロ)が12月22日開通し、東北中央自動車道が常磐自動車道が接続しました(1)(2)。これで、福島県沿岸部北部と接続しました。
常磐道と東北中央道
 ※(10)を12月23日に閲覧
 図―2 東北中央道と常磐道と接続を報じる福島県の地方紙・福島民報

以下に新規開通部分を示します。
概ね放射能汚染地帯を走る東北中央道の相馬IC直結部分
 ※1(6)のデータを(7)に示す手法で12月1日に換算
 ※2 旧避難地域は(8)による。 
 ※3 東北中央道は地図と(5)による。
 図―3 東北中央道新規開通区間

 新規開業区間に接続する部分は国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(11)を超えています。当該道路の走行は、汚染地帯の走行を意味します。また、図―1に示す様に直ぐ南は概ね旧避難区域です。当該道路は、ギリギリ旧避難区域を迂回したルート設定になっています。
 福島県の地方紙・福島民報、当該道路の常磐道接続について「【相馬福島道路】浜通りに人を呼び込め(12月21日)」との社説で
「浜通りと中通りの時間的な距離が縮まり、往来が便利になる。復興の歩みを伝える「ホープツーリズム」推進、交流人口拡大に期待する。」
と論じていました(3)。ここで浜通りとは、福島県沿岸部で概ね図―1の常磐道沿線です。中通りは内陸中部で図―1での東北道沿線です。北部には県庁所在地の福島市、中部には福島県で最大の人口を要する郡山市を中心とした郡山都市圏があります(12)。もう一つの地方紙の福島民友は「【12月22日付社説】相馬福島道路/常磐道接続を最大限生かせ」との社説で
「同道路が、首都圏と仙台市を結ぶ常磐道と接続されることの意義は大きい。産業や観光の振興に役立てていくことが重要だ。」
と論じていました。どちらも期待感を示しています。
 福島県沿岸部は事故によって3つに分割されたともいます。すなわち、避難指示が出た中部(概ね広野町を除く双葉郡、飯舘村)、南部(いわき市、広野町)、北部(南相馬市、相馬市、新地町)です。新規開通部分はこのち沿岸部北部と福島県の東北道沿線を結ぶ役割を担います。ところが沿岸部と内陸部の交流は浅いそうです(12)。内陸(中通り)北部も沿岸部(浜通り)北部も共に仙台経済圏に組み込まれており仙台指向が強い地域です。例えば、南相馬市発の高速バスは福島市方面が6往復に対し、仙台方面は8往復です(13)。また、南相馬市、相馬市、新地町の各駅から仙台方面に鉄道が繋がっています(14)。沿岸部北部は福島県内より仙台との交流が活発です。
 福島民報の社説では
 「船便で工業製品を相馬港に荷揚げし、中通りや山形、秋田県まで運ぶルートができ、物流の効率化も進む。」
とも論じています(3)。でも、図―2に示す様に相馬ICと相馬港は少し離れています。少し北には仙台港があります(15)。仙台港は仙台港ICで高速道路とも繋がっています(16)。福島市等の中通り北部を結ぶなら仙台港が便利です。さらにいえば山形県には酒田港が(17)、秋田県には秋田港があります(18)。敢て相馬港を利用する意味がありません。
 福島民友の社説では
「今春再開した新地町の海釣り公園は、相馬地方以外からの来場者が半数以上を占め、その多くが同道路経由とみられる。今後は同道路から公園に最寄りの常磐道新地ICまでそのまま通行が可能となり、利用者の増加が期待される。」
と論じています(4)。
 新地町の海釣り公園は地図で見ると、相馬港の北側の防波堤(新地町内)に設けられています。そこから海釣りが楽しめます(19)。デッキが設けられているのですが、総数は41で(20)、同時に41人しか利用できません。
 以下に相馬IC周辺の2市1町(南相馬市、相馬市、新地町)の観光客入り込み数を示します。
観光客が回復しない相馬IC付近の2市1町
 ※(21)を集計
 図―4 相馬IC周辺の2市1町(南相馬市、相馬市、新地町)の観光客入り込み数

 事故後に大幅に落ち込みましたが、少しは回復しました。ところが道の駅を除くと、2015年をピークに減少に転じています。この年の3月に常磐自動車道が全線開通しました(22)。常磐道全線開通も、翌年の観光客増加には結びつきませんでした。さらには2016年12月に相馬IC周辺の2市1町と仙台との鉄道が再開しました。でも翌2017年の観光客入り込み数は減少に転じました。この地区では交通インフラの整備、再開も実績として観光客増には結び付いていません。
 この地区で最も深刻なのは、将来の大幅な人口減です。今から5年前の2014年11月にこの地区には15~19歳の女性が2,481人いました。5年を経て19年11月には彼女達は20~24歳になっています。今、この1,203人です(22)。2014年11月に10代後半だった女性のうち今も残っているのは48%(1,203÷2,481×100)です。5年前に15~19歳の女性の半分以上がこの地区を去っています。
 この地区では過去5年間に1,644人の女の子が生まれました。彼女達は今は0~4歳になっています。この地区の0~4歳の女性は少し増えて1,794人になっています(22)。約109%(1,794÷1,644)になっています。このようにして5歳毎の男女別の5年後に残っている割合を計算しました。
子供と若い女性が去っていく相馬IC付近の2市1町
 ※(22)を集計
 図―5 5年後に残っている割合(2014年11月時点)

 図に示す様に出生を除き0歳から14歳の子どもがは5年後に残っているのは8割程度です。5年毎に残っている割合を0-4、5-9、10-14歳で掛け合わすと男の子で53%、女の子で48%です。この地区で生まれた子供の半数は成人(20歳)までに、去って行きます。そして15-19歳の方が5年後に残っている割合は男性で72%、女性で48%ですすなわち
・子供とお母さんが出て行く
・若い女性が出て行く
との状況が発生し、女性が殆ど残らくなりました。各年代の残って入る割合を掛けあわせて計算した、累積の残存率を示します。
30歳までに8割以上の女性が去って行きそうな相馬IC付近の2市1町
 ※(22)を集計(2014年11月⇒19年11月で算出)
 図―6 事故後の累積の残存率(南相馬市、相馬市、新地町)

 子供産むであろう30歳程度まで(24)残っている女性は17.7%です。この地区では多くの子どもや若い女性が去っていきます。以下にこの地区の赤ちゃん誕生数を示します。
出生数が減少に転じた相馬IC付近の2市1町
 ※(22)を集計
 図―7 赤ちゃん誕生数南相馬市、相馬市、新地町)

 2017年11月から減り出しています。今後も減っていきます。
 以下に事故前の2006年3月時点で5年後に残っていた割合を示します。
 10代後半以外がそこそこ残っていた事故前の相馬IC付近の2市1町
※(22)を集計
 図―8 5年後に残っている割合(2006年3月時点)

 10代後半では男女とも74%ですが、20代前半では100%を超えており、高校を卒業し進学したのち、大学や専門学校を卒業したあと戻ってくる場合もありました。以下に累積の残存率を示します。
 大人になっても7、8割が残っていた事故前の相馬IC付近の2市1町
※(22)を集計(2006年3月⇒11年3月で算出)
 図―9 事故後の累積の残存率(南相馬市、相馬市、新地町)

10代後半の方が出てしまた影響は残るのですが、30歳から60歳で男性8割、女性7割で推移しています。
 東北中央道が相馬ICで常磐道と繋がりました(1)(2)。お祝いしたいのですが、この辺りの女性は出産適齢期になるまでに大部分が出て行き、子供が生まれなくなり高齢化と人口減が加速します。お祝いしたのですが、未来は暗そうです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 常磐道と東北自動車道は来年度(2020年度)中に東北中央道で繋がります(5)。福島では、除染で出た廃棄物の中間貯蔵施設中間貯蔵施設の輸送が行われています(25)。主に高速道路を使うそうです(26)。そのため、図―1に示す福島県北部に位置する福島市からの廃棄物の輸送は東北道-郡山JCT-磐越道-いわきJCT-近くのIC(多分、大熊IC)と(27)図―1に示すようにかなり遠回りになっています。
 東北道と常磐道は2020年度中に東北中央道で繋がります(5)。これで、福島市からの輸送は東北道-東北中央道-相馬IC-近くのIC(多分、双葉か大熊IC)になり、かなりの効率化ができます。今回開通した道路の主要目的は除染で出た廃棄物の輸送です。廃棄物の輸送が終われば、用済みだと思います。それを、それ以外でも地域の発展に貢献するようなデマが喧伝がなされています(3)(4)。福島ではデマが飛び交っているようです。これでは、福島の皆様は不安だと思います。
 福島県鏡石町産米の全量全袋検査数が12万件を超えました(28)。同町は人口約1.2万人の町なので(23)、町民が食べるには充分な量です。福島のお米はおいしいとの事です(29)。福島県は福島産米は「安全」だと主張しています(30)。でも、福島県鏡石町のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県鏡石町のスーパーのチラシ
 ※(31)を引用
 図―10 福島産米が無い福島県鏡石町のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県鏡石町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)相馬―相馬山上IC開通 東北中央道と常磐道接続 相馬福島道路 | 福島民報
(2)「相馬福島道路」常磐道と接続 相馬-相馬山上IC間が開通:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(3)【相馬福島道路】浜通りに人を呼び込め(12月21日) | 福島民報
(4)【12月22日付社説】相馬福島道路/常磐道接続を最大限生かせ:社説:福島民友新聞社 みんゆうNet
(5)東北中央自動車道 - Wikipedia
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成30年9月6日~11月15日測定) 平成31年03月08日 (KMZ KMZ, CSV ZIP)」
(7)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2018年)
(8)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(9)中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(10)福島民報社
(11)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(12)仙台経済圏 - Wikipedia
(13)東北アクセス株式会社 | 福島と宮城のバス会社
(14)常磐線 - Wikipedia
(15)仙台港 - Wikipedia
(16)仙台港インターチェンジ - Wikipedia
(17)酒田港 - Wikipedia
(18)秋田港 - Wikipedia
(19)新地町海釣り公園  - 新地町ホームページ
(20)(19)中の 施設概略図 [PDFファイル/7.42MB]
(21)統計資料一覧 - 福島県ホームページ
(22)>常磐自動車道 - Wikipedia
(23)福島県の推計人口(令和元年11月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(24)都道府県ランキング! 結婚・出産の年齢、そして生涯未婚率 | 結婚し隊
(25)>除去土壌等の輸送について|中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(26)(25)⇒中間貯蔵施設への除去土壌等の輸送に係る基本計画⇒本文
(27)2019年度の輸送|中間貯蔵施設情報サイト:環境省福島市からの搬出・輸送
(28)ふくしまの恵み
(29)食の宝庫ふくしま | ふくしま満天堂(ふくしまプライド。)
(30)全量全袋検査に関するよくある質問 - 福島県ホームページ
(31)鏡石店 ? イオンスーパーセンター公式ウェブサイト
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