昨日(5月9日)、東京電力の特別事業計画が公表されました(1)。
①柏崎刈羽原子力発電所は来年(2014年)から順次再稼働
②2021年には、全7機を再稼働(うち3機は30年超)
とゆうとんでもない内容が書いてありました。(=^・^=)は、
①柏崎刈羽原発のストレステストはいいとこ取り?
②柏崎刈羽原発で事故が起これば福島の比ではない
③東京電力には原発のセキュリティを管理できない
④柏崎刈羽原発の再稼働は地元の電気代とは無関係
⑤大事故を起こしたら、車だって原発だって「免停」になるのは当然
との理由で、東京電力の原発の再稼働はあってはならないと思います。以下詳しく書きます。
1.柏崎刈羽原子力発電所の再稼働計画
特別事業計画には、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働について、独立したセクションを設けていません。適当な所に紛れこませ、とんでもないことが書いています。以下にその部分を示します。

図―1 柏崎刈羽原発の再起動(総合特別事業計画(本体)100ページ抜粋)

図―2 2021年の柏崎刈羽原発(総合特別事業計画(「総合特別事業計画」に関連する参考資料)72ページ抜粋)
2014年から、柏崎刈羽原発を順次再稼働し、すくなくとも2021年には7機全部を再稼働します。柏崎刈羽原子力発電所の7つの原子炉は1985年に完成した1号機を含め、1990年以前に完成したものが3機あります(2)。2021年には、30年を超える老朽化した原子炉が3機になります。特別事業計画は、原発再稼働どころか、老朽化した原子炉を3機も運転し続けるとんでもないものです。なお、原子力保安院は30を超えた原子炉を「高齢化した原子炉」としています(3)。
2.柏崎刈羽原発のストレステストはいいとこ取り?
①一番近い津波の波源域を評価の対象にしていない!
以下の図は防災科学研究所と柏崎刈羽原子力発電所のストレステストでの「津波の波源域」を示します。

※1 防災科学研究所は(4)を(=^・^=)が編集
※2 柏崎刈羽原子力発電所は(5)の「○報告書(1号機):柏崎刈羽原子力発電所1号機における安全性に関する総合評価(一次評価)の結果について(報告)(PDF 18.5MB)」添ー277 第2.3-2図を(=^・^=)が編集
※3
×は、東京電力の原子力発電所(柏崎刈羽、福島)を示す。
図―3 防災科学研究所が想定する津波の波源域と柏崎刈羽原子力発電所のストレステストの津波の波源域の比較
原子力発電所に一番近い津波の波源域を評価していません。日本海側でも大きな地震が起こる可能性があるそうです(6)。そして、過去の日本海側の地震では、15mを超す津波が発生しています(7)。だから、柏崎刈羽原子力発電所も福島と同じように大津波に襲われる可能性は十分にあると思います。福島原発のそばにも、津波の波源域があります。でも、東京電力が想定したのは遠く離れた「チリ地震津波」です(8)8頁。柏崎刈羽原子力発電所も福島と同じことが起こったりして
②なぜか、北陸電力とは違う東京電力のストレステスト
柏崎刈羽原子力発電所から、160km程東に、北陸電力の志賀原子力発電所があります。志賀原子力発電所もストレステストを発表しています(9)。わりと近い所にあるので同じようなデータを使っています。でもなぜか値が違います。
(1)志賀原発のストレステストにある津波の波源域が柏崎刈羽原子力発電所にはない
北陸電力も津波の波源域を想定しています。そこで、東京電力の想定と比較してみました。

※1 東京電力の想定は(5)の「○報告書(1号機):柏崎刈羽原子力発電所1号機における安全性に関する総合評価(一次評価)の結果について(報告)(PDF 18.5MB)」添ー255 第2.1-1図を(=^・^=)が編集
※2 北陸電力の想定は(9)の添付-5.2-2(29/51)の第2図を(=^・^=)が編集
※3
×は、柏崎刈羽原子力発電所を示す。
図ー4 志賀原発と柏崎刈羽原子力発電所のストレステストの津波の波源域の比較
ピンクで囲った部分が、柏崎刈羽原子力発電所のストレステストにはありません!よく見ると出典が微妙に違います。まさとは思いますが、都合の良い資料を探し使ったりして・・・
(2)なぜか低くでる東京電力の津波シュミレーション
北陸電力も東京電力も日本海中部地震の津波のシュミレーションを実施しています。その結果を比較してみました。

(a)全体の比較

(b)新潟県部分の拡大
※1 東京電力は(5)の「○報告書(1号機):柏崎刈羽原子力発電所1号機における安全性に関する総合評価(一次評価)の結果について(報告)(PDF 18.5MB)」添ー264 第2.1-8図を(=^・^=)が編集
※2 北陸電力は(9)の添付-5.2-2(36/51)の第8図を(=^・^=)が編集
図―5 日本海中部地震の津波シュミレーションの比較
なぜだか、東京電力の方が低く出ています。特に重要なのが新潟県部分だと思いますが、北陸電力は3m程度なのに対し、東京電力は2m以下です。まさと思いますが、なるべく低く出るシュミレーションをしたりして・・。
③津波の「溯上」考えない東京電力
津波はエネルギーを持っています。だから、岸壁にぶつかかるとエネルギーで高さを増すと思います。すなわち、津波には、「津波の高さ」と「溯上高」があるみたいです。津波の高さは「海」での津波の高さで、陸にあがると津波は陸を駆け上がり、「海」の高さより高くなるみたいです。そして、「遡上高」は<略>「津波の高さ」と同程度から、高い場合には4倍程度までになることが知られています。」(10)だそうです。

(11)より引用
図―6 壁に当たって高さを増す津波(福島第一原子力発電所)
この時の津波の高さは13.1mですが、地形(崖の高さは30m)から比較しすると60mくらいかと(=^・^=)はおもいます(11)。ほぼ4倍程度です。これは防潮堤でも同じだと思います。でも東京電力は15mの防潮堤を柏崎刈羽原子力発電所に作るので、15mの津波に耐えられるといってます(12)。15mの防潮堤で耐えられる津波は、15÷4=3.75mです。東京電力は柏崎刈羽原子力発電所で想定される津波の高さは3.3mであるとしています((5)の「○報告書(1号機):柏崎刈羽原子力発電所1号機における安全性に関する総合評価(一次評価)の結果について(報告)(PDF 18.5MB)添-284頁)。これなら、大丈夫だとは思いますが・・・
2.柏崎刈羽原子力発電所で事故が起きたら、福島の比でない。
東京電力は福島第一原発事故のベントよる放射性物質の分布を見積もっています。それによると、ほとんどが海の方に行き、陸にはいかない結果になっていまず。

※データは(12)による。
図―7 福島第一原発のベントによる放射性物質飛散見積もり
これは、風向きによるものだと(=^・^=)は思います。以下に柏崎(2011年中)と福島(2011年3月11日から15日)の分布を以下の図に示しますが、事故当時は風は海から陸に吹いていました。だから、大部分の放射性物質は海に飛散したと思います。でも、わずかに吹いた北東の風で、1部の放射性物質が陸に向かって流れ悲惨な放射性物質汚染を引き起こしたと(=^・^=)は思います。

※1 気象庁のデータ(13)を(=^・^=)が集計
※2 福島の集計期間は2011年3月11日から15日の10分毎データ
※3 柏崎のデータは、2011年中の日毎の最頻の風向きを集計
※4 風下の方向で分布を記載
図―8 柏崎と福島の風向き分布
では、柏崎はどうかといえば、ほとんどが海から陸に風が吹いています。だから、一度、事故がおこれば漏れた放射性物質のほとんどは陸地に流れ、福島の数倍の放射性物質汚染を引き起すと(=^・^=)は思います。
3.東京電力はセキュリティ管理ができていない。
原子力発電所は「放射性物質」とゆうテロをする方には、魅力的な物質がたくさんあります。テロをする方が、原発内部に入り込み悪さをしたら大変なことになると(=^・^=)は思います。そのためには、原発に入る人をしっかり確認し、怪しげな人は入れないのが鉄則だと思います。では、東京電力はどうでしょうか
①福島第一原発で、17歳の方が働いていたのが東京電力より発表されました((14)の5月9日会見)。なんと他にも6,000人もの方の生年月日が分からないそうです。これでは身元確認はデタラメとしか言いようがありません。この中に、秘密工作員やテロをやろうする方がいなかった事を(=^・^=)は祈るばかりです。
②街宣車が、福島第二原発に乗り込んだ
福島第一原発が放射性物質をばらまいた直ぐあとの3月31日に、福島第二原子力発電所に
「街宣車が侵入し構内を約10分間走り回った。福島県警双葉警察署はこの街宣車を運転していた男を逮捕した」 そうです(15)。
ある国では、指導者が交代し、ロケット実験に失敗しました。そして、今月(5月)初めに核実験をするとのニュースが流れていました(16)。でも今日(5月10日)現在では核実験は実施されていません。その代わり「(5カ国は)核実験を一番多く行っている諸国。(声明は)言い掛かりで、卑劣な居直りだ」といって反発してみせたそうです(17)。(=^・^=)は核実験ができなかったと思います。新任の指導者が威信をかけて実施したミサイルの打ち上げ実験に失敗し、するはずだった核実験もできないなどの失敗を犯しては、求心力の低下すると思います。そしたら、思い切ったことをするのではないかと(=^・^=)は心配です。 「2009年6月、アメリカ国際政策センターのセリグ・ハリソンは米下院外交委員会の公聴会で証言し、北朝鮮が戦争状態に陥った場合、「北朝鮮は報復として韓国ではなく日本か在日米軍基地を攻撃するだろう」と予測した[15]。」(16)なんて話があります。そのターゲットに柏崎刈羽原子力発電所になったら、今の東京電力の管理ではアウトだと思います。
4.柏崎刈羽原発の再稼働は地元の電気代とは無関係
柏崎刈羽原子力発電所は新潟県にあります。新潟県に電力を供給しているのは「東京電力」でなく「東北電力」です。特別事業計画(1)を見ると、柏崎刈羽原子力発電所が再稼働しないと、「東京電力」の電気料金がもっと上がるようにも取れますし、そのような報道もあるみたいです。でも、この脅しは「地元」には無関係です。「地元」から見れば、他人の電気代の為にリスクを冒す気になれないと思います。また、「東京電力」から電気の供給を受けている方が、自分の電気代の為に「他人」にリスクを負わせるのは倫理的に間違っていると(=^・^=)は思います。
5.大事故を起こしたら、車だって原発だって「免停」になるのは当然
車で大事故を起こしたら「免停」になると思います。社会的は妥当だと思います。事故を起こした運転者は、起こさない人に比べ、事故を起こす潜在リスクが大きい可能性がありこれを排除するのは、社会防衛上は妥当なことだと思います。だったら、原子力発電所も同じだと思います。事故を起こした電力会社には「原子力発電所」の運転を禁止するのが当然だと思います。
(=^・^=)の結論
柏崎刈羽原子力発電所の再稼働はあってはならない!
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
総合特別事業計画の認定について(2)
柏崎刈羽原子力発電所>発電所の概要(3)
"PDF] 原子力安全・保安院(4)
防災基礎講座 基礎知識編(5)
柏崎刈羽原子力発電所1、7号機の安全性に関する総合評価(一次評価)結果に係る報告書の経済産業省原子力安全・保安院への再提出について(6)
日本海側でも「M7」巨大地震を警戒!佐渡で震度5強 - 政治・社会 - ZAKZAK(7)
めげ猫「タマ」の日記 柏崎刈羽原発沖でプレート地震が起こったら津波は?(8)
・福島原子力事故調査報告書(中間報告書) 本編(PDF 2.68MB)(9)
志賀原子力発電所2号機の安全性に関する総合評価(一次評価)の結果の提出について(10)
気象庁 | 津波について(11)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の津波―溯上高(実際に到達した高さ)は60m?(津波の高さは13mでも)(12)
柏崎刈羽原子力発電所津波対策の取組(動画)"
(12)
福島第一原子力発電所における東北地方太平洋沖地震に伴う原子炉施設への影響に係る経済産業省原子力安全・保安院への報告について(続報)|プレスリリース|東京電力(13)
気象庁 | 過去の気象データ検索(14)
映像|写真・映像ライブラリー|東京電力(15)
めげ猫「タマ」の日記 大飯原子力発電所、テロは大丈夫?(16)
「北朝鮮の核実験実施は間近」 米国に警戒感(17)
北朝鮮、核実験自制要求に反発
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- 2012/05/10(木) 20:34:24|
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