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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一廃炉廃棄物、外への排出は無理

 1月16日に原子力規制委と東電社長の懇談が行われました(1)。その最後の方で原子力規制委員会委員長は「(福島第一の廃炉廃棄物)の総量を減らしていかなければならない」と発言し(2)、福島第一からの運びだしを求めました。でも、原発事故の瓦礫を引き受ける所などは無く、無理です。福島第一原発の未来は「廃炉廃棄物」の保管場所です。
 福島第一では「廃炉作業」が進められています。ただ、実態は不安定な放射能汚染物を安定な状態で管理できるようにする「安定化作業」です。福島第一では3号機核燃料プールからの核燃料取り出しが行われています。だたし、取り出した核燃料は福島第一構外に運びだされるのでなく、構内に設置された共用プールに移されるだけです(3)。その他にも日々、廃炉廃棄物が増えています。以下に例を示します。
どんどん溜まる福島第一原発廃炉廃棄物
 ※(4)にて作成
 図―1 増え続ける福島第一廃炉廃棄物

 福島県の地方紙・福島民報は福島第一の最終形態について「【原発廃炉】道筋を明確に示せ(1月15日)」との社説で
「最もあやふやなのは、廃炉の最終的な形が依然、固まっていない点だ。復興を進めるには、構内を更地にして有効活用できる環境づくりが不可欠と言える。二〇一一(平成二十三)年十二月の工程表策定時、原子炉施設の解体が記されていた。今は明記されていない。東電は「いろいろな意見がある」と背景を説明する。廃炉の到達点が定まらない中で完了目標を掲げても現実味に欠ける。」
と論じ(5)、福島第一の更地化を求めています。これが福島の皆様の希望だと思います。
 この為には廃炉廃棄物の福島第一原発構外への搬出が不可欠です。物理的には搬出可能な物があります。たとえば、使用前の核燃料(いわゆる新燃料)です。福島第一には800体の新燃料があります(使用済み核燃料プール518、新燃料貯蔵庫230、供用プール529)(5)。東京電力は柏崎刈羽原発の再稼働を目指しています(6)。新燃料は福島第一から持ち出し、柏崎刈羽に転用した方が良いと考えると思います。実際に5,6号機の新燃料の構外持ち出しが計画されましたが、とん挫しました(7)。現状では廃炉の終着点は不透明です(8)。
 1月16日に原子力規制委と東電社長の懇談が行われました(1)。その最後の方で原子力規制委員会委員長は「(福島第一の廃炉廃棄物)の総量を減らしていかなければならない」と発言し(2)、福島第一からの運びだしを求めました(9)。
原子力規制委が東電に廃炉廃棄物の処分を求めた旨を報じる福島県の地方紙・福島民報
 ※(10)を1月17日に閲覧
 図―2 原子力規制委が東電に廃炉廃棄物の処分を求めた旨を報じる福島県の地方紙・福島民報

 使用済み燃料の搬出先の例とて、RFS、柏崎刈羽、福島第二をあげていました(2)。でも無理です。
 原発内に保管してある使用済み核燃料に課税する「使用済核燃料税」なる物があります(11)。柏崎刈羽原子力発電所が立地する新潟県柏崎では(12)、使用済み核燃料税を徴収しています(11)。一般的に使用済み核燃料は原子炉で使用された後、冷却するために原子力発電所内にある貯蔵プール(英語版)で3年 - 5年ほど保管が必要です。その後、核燃料サイクルに用いるために再処理工場に輸送されて処理が行われるか、高レベル放射性廃棄物処理場での長期保管が行われる事になっています(13)。柏崎刈羽原子力発電所は2012年1月に全てが停止しました(14)。それから8年が経過しましたので、冷却が終わり外へ運び出だせりようになっています。ところが、柏崎刈羽原子力発電所内には保管量は1万3734体の約81%使用済み核燃料がそのまま保管されています。行き場がないようです。一方で柏崎市は早く他へ運び出して欲しいようです。そのために保管期間の長さに応じて課税する累進課税制度を東京電力に求めています(15)。立地する原発で出た使用済み核燃料の持ち出しを求めている柏崎市が、他所(福島第一)からの使用済み核燃料の持ち込みを認める訳がありません。福島第一原発が立地する大熊町・双葉町は(19)使用済み核燃料税を設けていません(16)。使用済み核燃料税が課税されない福島第一から課税される柏崎刈羽に東京電力が使用済み核燃料を移すことはあり得ません。
 福島第二は廃炉が決まっています。口約束ですが、核燃料は全て福島県外で処分することになっています(17)。福島県や地元の楢葉町や富岡町(18)が福島第一からの持ち込みを容認するとは思えません。
 福井県の若狭湾沿岸部は多数の原発があり「原発銀座」と呼ばれています(20)。今も2原発4機が稼働しています(21)。そのうち原発内の使用済み核燃料保管施設が一杯になり、停止せざるを得なくなるなのではと心配されています。福井県内に3箇所の原発を所有する関西電力は(21)、使用済み核燃料を再処理までの間(できるの?)、一定期間保管する中間貯蔵施設を計画しています(22)。福井県との間で福井県内には作らないことを約束しています(23)。原発を認めても、使用済み核燃料の保管場所にされたくないようです。
 RFSはリサイクル燃料貯蔵株式会社(Recyclable - Fuel Storage Company)の略称で、東京電力が80%、日本原電が20%を出資して設立した会社です。青森県むつ市にあります。東京電力ならびに日本原電の原子力発電所から発生する使用済燃料の貯蔵・管理を業務としています(24)。使用済み核燃料は再処理しプルトニュウムを取り出して処分することになっています(25)。ところがプルトニュウムが余剰になり、使うあての無いプルトニュウムが取り出せなくなっています(26)。プルトニュウムは原発で再利用することになっているのですが、プルトニュウムを再利用するプルサーマル(27)は柏崎刈羽でも(28)東海第二でも(29)、実施される見込みがありません。プルトニュウムを使う見込みが無い以上はRFSに運ばれた使用済み核燃料は行き場のないまま延々と留め置かれることになりそうです。
 日本原電の東海第二原発も柏崎刈羽と同様に再稼働を目指しています(30)。再稼働するれば使用済み核燃料がでます。東海第二の使用済み核燃料が貯蔵容量3,287体の約3分の2の2,165体が保管されています(31)。柏崎刈羽も東海第二も当面は使用済み核燃料の処分(再処理)の目途が無い以上は、再稼働したらこれまでの使用済み核燃料をRFSに送り出すことになります。RFSに福島第一の使用済み核燃料を受け入れる余裕はありません。
 原子力規制委員会委員長は1月16日の東電社長との懇談で「(福島第一の廃炉廃棄物)の総量を減らしていかなければならない」と発言し、さらには使用済み燃料の搬出先の例とて、RFS、柏崎刈羽、福島第二をあげていました(2)。でも無理です。福島第一の廃炉廃棄物を引き受けるところなどある訳がありません。福島第一原発の未来は「廃炉廃棄物」の保管場所です。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 本論と離れますが、原発の使用済み核燃料ってババ抜きのババに似ている気がします。何処かが引き受けなければならないのですが、みんな嫌がっています。事故前には日本では17カ所で原発が稼働していました(32)。まだ、ババ抜きが成立します。原発事故の廃棄物は福島第一だけです。ババ抜きは成立しません。福島第一の外に運び出すなどは無理です。政府も東京電力を最終形態を曖昧にしたたまま福島第一構内に留め置くはずです。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島県本宮市には乳業メーカーがあります。そこの牛乳は美味しいとの事です(33)。福島県は福島産原乳は「安全」だと主張しています(34)。でも、福島県本宮市のスーパーのチラシには福島産牛乳はありません。
県外産はあっても福島産牛乳が無い福島県本宮市のスーパーのチラシ
 ※(35)を引用
 図―3 福島産牛乳が無い福島県本宮市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県本宮市の皆さまを見習い「フクシマ産」は飲食しません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)第53回原子力規制委員会 臨時会議 | 原子力規制委員会
(2)(1)⇒会議映像 YouTube中の1:14頃
(3)3号機燃料取り出し - 廃炉プロジェクト|廃炉作業の状況|東京電力ホールディングス株式会社
(4)2019年のアーカイブ - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社⇒2019年12月19日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第73回事務局会議)⇒【資料3-4】放射性廃棄物処理・処分(789KB)
(5)【原発廃炉】道筋を明確に示せ(1月15日) | 福島民報
(5)福島第一・第二原子力発電所の燃料貯蔵量 - 福島県ホームページ
(6)柏崎刈羽発電所新トップページ|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力
(7)福島第一 5・6号機新燃料の所外搬出の計画変更について
(8)福島第1廃炉の「終着点」は 選択肢示し幅広く議論を  :日本経済新聞
(9)東電に処分検討求める 福島第一原発核燃料や廃棄物 規制委 | 福島民報
(10)福島民報社
(11)新潟県柏崎市使用済核燃料税|柏崎市
(12)柏崎刈羽原子力発電所 - Wikipedia
(13)使用済み核燃料 - Wikipedia
(14)発電所データ集|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力 定期検査実績
(15)柏崎市長、使用済み核燃料の経年累進課税「年度内合意を」  :日本経済新聞
(16)福島第一原子力発電所 - Wikipedia
(17)使用済核燃料税の現状 | 全国原子力発電所所在市町村協議会
(18)<福島第2原発廃炉>「県外搬出」は口約束 実現の担保なく | 河北新報オンラインニュース
(19)福島第二原子力発電所 - Wikipedia
(20)4原発が集中立地 福井・若狭湾沿岸部の今
(21)関西電力 - Wikipedia
(22)中間貯蔵について教えてください。 | よくあるご質問 [関西電力]
(23)関電の中間貯蔵地選定「福井県外の約束」どこまで  :日本経済新聞
(24)リサイクル燃料貯蔵株式会社 │ 会社概要
(25)原子燃料サイクルとは - 原子燃料サイクル | 電気事業連合会
(26)余剰プルトニウム保有量に上限 核燃サイクル停滞で政府:朝日新聞デジタル
(27)プルサーマル - Wikipedia
(28)プルサーマルは力不足  :日本経済新聞
(29)asahi.com(朝日新聞社):東海第二原発、プルサーマル見送り 地震・津波対策優先 - 東日本大震災
(30)東電、展望なき原電支援 東海第2再稼働見通せず―破綻回避を優先:時事ドットコム
(31)使用済燃料の貯蔵状況 | 日本原子力発電株式会社
(32)日本の原子力発電所 - Wikipedia
(33)東北協同乳業株式会社 | 福島県本宮市にある11/19-B1乳酸菌ヨーグルトをはじめ、牛乳・プリンなどを製造している会社です。
(34)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(35)新本宮舘町店 | お店を探す | ヨークベニマル
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