福島県の1月中の人口動態が発表になったので(1)、福島県伊達市の過去1年間(2019年2月から20年1月)の赤ちゃん誕生数を集計したら、
男の子 132人
女の子 196人
で女の子が多く生まれています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら、統計的な差があるとされる5%(2)を下回る0.04%でした。通常は男の子が多く生まれるので(3)、異常な事態です。放射線影響研究所は広島や長崎で遺伝的影響が無かったことの根拠に、生まれて来る赤ちゃんの男女の比率(出生性比)(3)に異常がなかったことをあげています(4)。広島や長崎で見つからなかった事が福島では起こっています。広島や長崎のデータを元に福島は「安全」との主張は非科学的です。
福島は事故によって汚染されました。

※1(5)の数値データを元に(6)に示す手法で1月1日時点に換算
※2 避難区域は(7)による
※3 中通りは(8)による。
図-1 旧計画的避難区域
図に示す通り国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(9)を超えた地域が広がっています。事故8年目の福島も汚染されています。
福島事故直後に二種類の避難区域が設定されました。警戒区域と計画的避難区域です。警戒区域は事故直後の2011年3月12日に設定されました。計画的避難区域は事故後にしばらくしてから放射線量が高いことが判明し設定された避難区域で、設定されたのは事故から1ヶ月以上が過ぎた2011年4月22日です(7)。さらには、警戒区域では残された家畜は殺処分となりました(10)。一方で、計画的避難区域では一定の条件下で家畜の持ち出しが認められました(11)。計画的避難区域は逃げ遅れた、さらには家畜の持ち出し等の為になかなか逃げなった避難区域です。葛尾村の大部分と飯舘村の全域が計画的避難区域になりました。また、逆に大部分ないしは全域が計画的避難区域に指定されたのは葛尾村と飯舘村だけす(7)。事故前に葛尾村では3,448頭の牛と3,863頭の豚が飼育されていした(12)。これは葛尾村の事故前の人口1,531人(13)を超えます。事故前の飯舘村に約220戸の農家が肉牛を飼育していました(14)。両村とも畜産が盛んでした。家畜の移動で被ばくした方も多いと思います。福島事故で何かが起こるとすれば、この2村で強くでるはずです。
以下に葛尾村と飯舘村合計の赤ちゃん誕生数を示します。

※1(1)を集計
※2 各年(通年)で集計
※3 2020年は1月のみ
図―2 福島県葛尾村・飯舘村の合計の赤ちゃん誕生数
図に示す様に2012年以降に女の子が多くまれるようになっています。妊娠期間を280日として(15)、3月11日の280日後は12月16日なので、2012年からは事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれます。2012年1月以降今年9月までの赤ちゃんの誕生数を合計すると
男の子 206人
女の子 260人
です。こにような事が偶然に起こる確率を計算したら1.2%でした(16)。大部分ないしは全域が計画的避難区域となった2村(飯舘村、葛尾村)では通常とは異なり(3)、事故後は女の子が多くまれています。
被ばくの影響は積算線量(浴びた放射線の総量)が重要です(17)。放射線量は低下したとしても、図―1に示す様に福島は汚染されています。福島の皆様の積算線量は日々、増え続けています。これまで出なった地域に拡散しても不思議はありません。
福島県伊達市は避難地域は設定されませんでしたが、旧計画的避難地域に隣接しています。年間に被曝(ひばく)する放射線量が20ミリシーベルトを超える恐れがある住宅の住民に、地域一帯を強制避難させず、戸別に避難を勧奨する特定避難勧奨地点(18)が設定されました(7)。避難地域が設定されなかった市町村で、特定避難勧奨地点が設定されたのは伊達市だけです。同市は避難指示が出なかった市町村の中では、最も汚染がひどい市の一つです。出生性比は女の子100人に対して生まれてくる男の子の人数を示します。通常は男の子が多く生まれるので100を超えています(3)。以下に福島県伊達市の各年2月から翌年1月までの1年間の出生性比を示します。

※(1)を集計
図―3 福島県伊達市の出生性比
図に示すように、2014年をピークに低下してます。女の子がより多く生まれるようになりました。そして2019年2月から1年間を集計すると100以下となり、男の子よりも女の子が多く生まれるようになりました。数値を記載すると
男の子 132人
女の子 196人
です。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.04%でした。通常は男の子が多く生まれる(3)ので以上な事態です。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果(伊達市)
※ 計算方法は=^_^=の過去の記事(18)による。

でも、これは伊達市だけではないようです。福島県は東から浜通り、中通り、会津に区分されます(8)。浜通りは広範囲に避難区域が設定されました。一方で中通りの避難地域は1市1町の一部で、限定的でした(7)。以下に中通りの各年2月から1年間の出生性比を示します。

※(1)を集計
図―4 中通りの出生性比
図に示すように事故後にどんどん低下してます。数値を記載すると
事故前(2010年2月から11年1月) 108(男の子5,079人、女の子4,697人)
近々1年(2019年2月から20年1月) 99(男の子3,537、女の子3,573人)
で、女の子が多く生まれています。事故前との比較でこのような事が偶然に起こる確率を計算したら、統計的に差があるとされる5%(2)を下回る4.3%でした。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
表―2 偶然に起こる確率の計算結果(中通り)
※ 計算方法は=^_^=の過去の記事(18)による。

福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。

※(20)をキャプチャー
図―5 福島の綺麗な女性
でも、喜んでばかりもいられないようです。ABCCは1947年にアメリカ政府で設立された研究機関で、広島や長崎に投下さえた原爆の影響について調査しました。その後1972年に日米共同の「放射線影響研究所」に改組され(21)、現在も続いています(4)。放射線影響研究所は我が国において放射線影響に関し最も実績のある研究機関です。そこが広島・長崎の原爆投下では遺伝的影響がないとしています。その根拠の一つに生まれて来る赤ちゃんの男女比(出生性比)に異常がなかったことあげています(4)(22)。
長崎や広島では見つからなかった事が福島では見つかっています。広島や長崎の結果を元に福島は「安全」とする説明は「非科学的」です。福島の方の37.2%が遺伝的影響を心配しています(23)。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
放射線影響研究所は広島や長崎の原爆投下では遺伝的影響がない根拠に、自然死産の増加が無かったこともあげています(4)。以下に福島の事故前後の自然死産率の推移を示します。
以下に福島の事故前後の自然死産率の推移を示します。

※(24)を転載
図―6 福島県の自然死産率の推移
。
(=^・^=)は不安なので
「買わない」「食べない」「出かけない」の「フクシマ3原則」
を決めています。でも、これって(=^・^=)だけではないようようです。
福島県いわき市産米の全量全袋検査数が約42万件超です(25)。同市の人口は約34万人なので(1)、とりあえず市民が食べるには充分な量です。同市のお米は「Iwaki Laiki」と言って、美味しい米だそうです(26)。福島県は福島産米は「安全」だと主張しています(27)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産米はありません。

※(28)を引用
図―7 福島産米が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
福島県の推計人口(令和2年2月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(2)
有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書(3)
出生性比(4)
原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 ? 公益財団法人 放射線影響研究所 RERF(5)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成30年9月6日~11月15日測定) 平成31年03月08日 (KMZ KMZ, CSV ZIP)」
(6)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2018年)(7)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(8)
福島県 - Wikipedia(9)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局(10)
警戒区域内の家畜の安楽死処分の対応に関するQ&A:農林水産省(11)
計画的避難区域及び緊急時避難準備区域における家畜の取扱い等について:農林水産省(12)
わが葛尾村の農業 -022/036page(13)
葛尾村 - Wikipedia(14)
福島・飯舘村:牧草地で牛を放牧 事故後初 - 毎日新聞(15)
妊娠期間「十月十日(とつきとおか)」の計算・妊娠週数の数え方 [妊娠の基礎知識] All About(16)
めげ猫「タマ」の日記 女の子が多く生まれる福島県(2019年)(17)
放射線の健康への影響は積算線量が決める | 原子力災害専門家グループ | 東電福島原発・放射能関連情報 | 首相官邸ホームページ(18)
特定避難勧奨地点(トクテイヒナンカンショウチテン)とは - コトバンク(19)
めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A Q18.統計的な差ってなんですか?(20)
つなぐ聖火福島から⑪ふたば未来高 2人の陸上部員 2020/02/18 TUFchannel(21)
原爆傷害調査委員会 - Wikipedia(22)
全文 - 放射線影響研究所(23)
第35回「県民健康調査」検討委員会(令和元年7月8日)について - 福島県ホームページ⇒
資料2-1 平成29年度「こころの健康度・生活習慣に関する調査」結果報告 [PDFファイル/1.92MB](24)
保健福祉部関係の統計情報データベース(過去倉庫) - 福島県ホームページ⇒福島県人口動態統計確定数
(25)
ふくしまの恵み(26)
いわき産コシヒカリのブランド米「Iwaki Laiki-いわきライキ」(27)
全量全袋検査に関するよくある質問 - 福島県ホームページ(28)
マルト 平尼子店のチラシ・特売情報 | トクバイ
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- 2020/02/27(木) 19:57:05|
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| コメント:1
え~~~??
女の子一人に対し、0.67!!
昔、私が教わった時には、女の子1の出生に対し、男の子1.07~1.05くらいの数字だった。
受精したときは、もっと男の割合が高いが、途中でダメになってしまうので、出生時は男の子がちょっと多い。
そういう風に教わった。
確かに、異常事態ですわ。
- 2020/02/28(金) 13:55:42 |
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- きなこ #-
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