昨年4月10日に一部で避難指示が解除された福島県大熊町(1)の在住者は6月1日時点で
対象 10,298人中、居住235人(全体の2%)(2)
です。新型コロナ禍で、花畑づくりを強行したのですが(3)、効果はなかったようです。
福島県大熊町は福島県沿岸部中部に立地する町です。事故を起こした福島第一原発や(4)、除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設が立地します(5)。先の原発事故では全町が避難区域に指定されました(4)。名前は大熊町ですが「クマ」はいません(6)。1954年11月1日に大野村と熊町村が合併し大熊町になりました。熊町村の「熊」は元々は「苦麻」です(4)。以下に示します。

※1(7)にて作成
※2 避難区域は(8)による。
図―1 福島県大熊町
同町の唯一の旧一級国道(9)は地図で見ると国道6号線で、いわばメインストリートです。その東側は概ね除染廃棄物を30年間は保管する中間貯蔵施設です(10)。メインストリートの東側は少なくとも30年間は人が住めません。避難指示が解除されたのは西側で、地図で見ると町の主要部分(旧役場、駅、病院、小中高校)などは避難区域内にあります。地図で見る限り避難指示が解除された地域は山林か農地で宅地はあまりありません。
図に示す様に国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(11)に近い同0.2マイクロシーベルトをすべての地域で超えています。それでも、安倍出戻り内閣は「安全」だとして(12)昨年4月10日に避難指示を解除しました(4)(8)。
そして、復興策が進められています
2019年は以下の通りです。
4月12日 安倍出戻り総理御立合いの元、役場開庁式(13)。
5月7日 役場の業務開始(14)
6月1日
・災害公営住宅入居開始(15)、現在、50世帯が入居しています(16)。
・大熊町とスーパーや病院がある南隣の富岡町とを行き来するバスの運行開始(17)。((=^・^=)が調べた限り、大熊町には医療機関もスーパーも見つかりません)。
6月3日 避難解除区域にコンビニがオープン(18)
7月11日 雑貨店と電気店が仮オープン(19)
ただし、本格的な商業施設は東京オリンピックの影響を受け(20)、2020年春の完成を予定していたのですが、1年遅れる見込みです(21)。
8月19日 大熊町産イチゴの出荷開始(22)
10月 再生賃貸住宅入居開始(この住宅は大熊町町民でなくても、移住するのであれば申し込めます(23)。5月1日時点で35世帯が入居しています(16)。
2020年は以下の通りです。
3月14日 原発事故によって不通になっていたJR常磐線が全面再開し(24)、同町唯一の駅である大野駅(4)が再開。東京方面に直通する特急「ひたち」が停車(25)。
4月13日 福祉施設開所(26)
6月13日 新型コロナ禍で、花畑づくりを強行(3)(27)

※(3)をキャプチャー
図―2 大熊町の花畑づくりに来た綺麗な女性
でも、住民は戻りません。以下に示します。

※1(28)を集計
※2 居住は大熊町民のうち大熊町内に居住している人数
※3 滞在者は大熊町民以外で大熊町に滞在している人数
図―3 大熊町民等の居住状況
図に示す様に、町民は戻っていません。
対象 10,298人中、居住235人(全体の2%)(2)
です。新型コロナ禍で、花畑づくりを強行したのですが(3)、効果はなかったようです。
なお他に一時滞在者(多分、おおむね東電社員様、同町には東電単身寮があるんで(29))が617人います(2)。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
大熊町内には小中学校はありません(30)。避難先の会津若松市で大熊町立の小中学校を運営していますが、年々、児童・生徒が経ています。今年の新小学1年生の入学はありませんでした(31)。町への求心力は衰えています。2022年に学校の再開を目指していますが(30)、2023年に延期が決まりそうです(32)。どこまで児童・生徒が集まるか(あるいは集まらないか)不透明です。大熊町は廃炉関係者の移住に期待を持っていると思いますが(33)、南隣の富岡町に比べ不利です。地図でみると富岡町と福島第一や中間貯蔵施設へは国道でつながっていますが、大熊町の避難解除区域と間に国道はありません。富岡町の中心駅の富岡駅の周囲は避難指示が解除されており(8)、地図で見ると近隣にはスーパー、診療所、学校、ホテル、漁港などがあります。大熊町唯一の大野駅(4)の周囲は避難区域であり(8)何もありません。廃炉関係者にとっての利便性は富岡町のほうが上です。
住民が戻らない要因には不安もあると思います。そして、福島の皆様は不安を抱いています。
福島はくだもの王国を自称しています(34)。今はサクランボが旬です(35)。福島のサクランボは甘みと酸味がバランスよく、繊細な味わいです(36)。福島県は福島産は「安全」だと主張しています(37)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。

※(38)を引用
図―4 福島産サクランボが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
大川原・中屋敷地区の避難指示が4月10日に解除されます - 大熊町公式ホームページ(2)
令和2年5月1日現在の居住・避難状況 - 大熊町公式ホームページ(3)
大熊町 学生と住民が花畑づくり|NHK 福島県のニュース(4)
大熊町 - Wikipedia(5)
中間貯蔵施設情報サイト:環境省(6)
ツキノワグマ生態調査の結果について - 福島県ホームページ(7)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会⇒
福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和元年8月29日~11月2日測定)PDF(8)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(9)
一級国道 - Wikipedia(10)
中間貯蔵施設情報サイト:環境省(11)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局(12)
国連報告者、福島事故の帰還で日本を批判 :日本経済新聞(13)
平成31年4月14日 福島県訪問 | 令和元年 | 総理の一日 | ニュース | 首相官邸ホームページ(14)
町役場が本庁舎で業務を開始しました - 大熊町公式ホームページ(15)
福島県大熊町(16)
大熊町民の被害・避難状況 - 大熊町公式ホームページ(17)
>町内と富岡町を結ぶ生活循環バスが運行します - 大熊町公式ホームページ(18)
大熊にコンビニがオープン 避難解除後で初の商業施設 | 河北新報オンラインニュース(19)
<震災8年4ケ月>帰還途上の町、雑貨で潤い 老舗4代目仮設で再開 | 河北新報オンラインニュース(20)
福島・大熊町、商業施設整備に遅れ 災害公営住宅入居1カ月 :日本経済新聞(21)
福島・大熊の避難解除地区 施設完成1年遅れも | 河北新報オンラインニュース(22)
いちご栽培施設から出荷開始 - 大熊町公式ホームページ(23)
大熊町再生賃貸住宅を整備します - 大熊町公式ホームページ(24)
大野駅 - Wikipedia(25)
ひたち (列車) - Wikipedia(26)
大川原の福祉関連施設が開所しました - 大熊町公式ホームページ(27)
大熊町・花舞台へのご協力のお願い - 大熊町公式ホームページ(28)
居住・避難状況 - 大熊町公式ホームページ(29)
東京電力新大熊単身寮新築工事(30)
>町立幼小中の今後について - 大熊町公式ホームページ(31)
東京新聞:入学生 事故後初めてゼロに 大熊町立小学校:社会(TOKYO Web)(32)
町内学校再開延期へ コロナ考慮、23年度に 大熊町 /福島 - 毎日新聞(33)
大熊町特定復興再生拠点区域復興再生計画が認定されました - 大熊町公式ホームページ(34)
くだもの図鑑 – くだもの消費拡大委員会(35)
トピックス | JAふくしま未来(36)
特産品を知る | JAふくしま未来について | JAふくしま未来(37)
食の安全に関する取組 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ(38)
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- 2020/06/22(月) 20:09:13|
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