2017年3月末に避難指示が解除された福島県川俣町山木屋(1)に設置された商業施設、「とんやの郷」が今月でオープン3年になりました(2)。お祝いしたのですが
・山木屋に住民が戻らず利用者が見込めない
・面する道路の交通量が減少する
などの状況にあり、未来は暗そうです。
福島県川俣町は阿武隈高地の北部に位置する山村です。福島事故で放射能が飛んで来て町は汚染されました。

※1(3)にて作成
※2 旧避難区域は(4)による。
図―1 福島県川俣町
図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(5)を超えた地域が広がっています。事故10年目ですがが川俣町は今も汚染されたままです。
事故後5年間(2011年3月から2016年2月)に生まれた赤ちゃんは
男の子 141人
女の子 182人
で女の子が多く生まれています。偶然に起こる確率を(=^・^=)なりに計算すると統計的に差があるとされる5%を下回る2.3%でした(6)。
通常は男の子が多く生まれるので(7)異常な事態です。福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。

※(8)を引用
図―2 福島の綺麗な女性
でも喜んでばかりはいられないようです。放射性影響研究所は広島や長崎で遺伝的な影響が無かった根拠の一つに生まれて来る赤ちゃんの男女比(出生性比)に異常がなかったことをあげています(9)。さらには福島事故で設定された避難区域の全てないし大部分が「計画的避難区域」だったのは川俣町の他に飯舘村、葛尾村がありますが、どちらも川俣町と同じように事故後に女の子が多く生まれています(10)。広島や長崎で起きて無い事が福島では起きているようです。
それでも安倍出戻り内閣は「安全」であるとして(11)2017年3月31日に川俣町山木屋の避難指示を解除しました(1)(4)。そして2017年7月1日にい物や飲食、交流機能を中心に、避難から帰還された方々の生活支援や人が集まり、にぎわいを生み出すために、また、避難によって散り散りになってしまった地域コミュニティの再生に貢献する施設として「とんやの郷」オープンしました(2)。今月でオープン3年になります。以下に外観を示します。

※(12)にて作成
図―3 「とんやの郷」
なかなか立派な施設です。でも、中に入っている商業施設は日用品や食料品を扱う小売店とランチ営業のみの飲食店のみです(2)。以下に帰還者数を示します。

※1(13)を集計
※2 避難者数には転出者等も含まれており、現在の住民登録人数と一致しない。
図―4 川俣町山木屋の帰還・避難者数
図に示すように住民は戻っていません。2020年7月1日時点で山木屋に住んでいるのは348人です。ピークの2019年11月1日の355人より減っています。住民の帰還の流れは止まりました。だいたい福島は車社会です(14)。Goole Mapで調べると車で20分ほどでスーパーがあります。品揃えを考えればそちらが便利です。
子供たちは車が運転できません。以下に15歳未満の子ども人数を示します。

※(2)を集計
図―5 川俣町山木屋の15歳未満の人口(含む避難者)
図に示す通りどんどん減っています。数値を記載すると
2017年4月1日(避難指示解除翌日) 72人(町内30人、町外42人)
2020年7月1日 25人(町内 7人、町外18人)
です。2018年4月に再開した小学校は、6年生5人が19年3月に卒業し、児童が「0」になりました(15)。小学校を卒業した児童は全員が山木屋の中学には進学しませんでした(16)。山木屋の中学(山木屋中学校)には1年生2人、2年生1人の3人の方が在学しています(17)。ただし、昨年は入学式がおこなれておらず(18)途中から転校された方です。今年は入学式は行われたのですが(19)、昨年の山木屋小学校の児童は「0」なので(15)、よその小学校を卒業され山木屋に来ています。多分全員が避難中です(20)。子供がいない以上は子供たちの利用は期待できません。
中通り(福島県内陸部)と浜通り(同沿岸部)を結ぶ国道を通行される方々にもご利用も想定しているようですが(2)、地図で見ると10kmほど北側に中通りと浜通りを結ぶ高規格道路の建設が進められており、今年度中の完成予定です(21)。そうなれば、「とんやの郷」を通り中通りと浜通りを行き来する車は減ります。
「とんやの郷」が今月でオープン3年になりました(2)。お祝いしたのですが
・山木屋に住民が戻らず利用者が見込めない
・面する道路の交通量が減少する
などの状況にあり、未来は暗そうです。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
このままでは山木屋から人が消え、「とんやの郷」の火は消えると思います。川俣町は住民が帰還する環境をととのえても、住民が帰還するような積極策はとれません。
お隣の飯舘村では、こども園や小中学校の諸経費(給食費、教材代、制服代)は無料にしています(22)(23)。村を継続のために子供たちを村に囲い込もうとしています。川俣町は原発事故で避難指示が出た山木屋とそれ以外に分けられました(4)。山木屋の皆さんは東京電力から精神的賠償として850万が支払われましたが、それ以外の方は12万円です(24)。いわゆる「賠償格差」です。とくに自主避難された方は面白くないと思います。同じ川俣町からの避難者でも、山木屋の方は850万円、自主避難は12万円です。ただし、山木屋の58歳の女性が避難生活で精神的に追い詰められ、うつ状態になり、自殺したと事例を裁判所が認定しました(25)。山木屋は強制避難であり、避難によるストレスは大きかったともいます。川俣町は飯舘村のように山木屋の皆様にだけにこども園や小中学校の諸経費(給食費、教材代、制服代)は無料するような特別な扱いはできないと思います。すれば、山木屋とそれ以外の対立が激化します。子供たちや山木屋に戻る積極策はとれません。そして、子供が戻らくなり山木屋は滅びます。子供が戻らにのには不安もあると思います。そして、他の福島の皆様も不安なようです。住民が戻らない理由には不安もあると思います。そして福島の皆様も不安なようです。
福島県いわき市産米の全量全袋検査は約44万件です(26)。同市の人口は約34万人なので(27)、市民が食べるには充分な量です。福島のお米はおいしいとの事です(28)。福島県は福島産米は「安全」だと主張しています(29)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシに福島産米はありません。

※(30)を引用
図―6 福島産米が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県郡山市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
川俣町 - Wikipedia(2)
山木屋地区復興拠点商業施設「とんやの郷」 - 川俣町公式ホームページ(3)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会⇒
福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和元年8月29日~11月2日測定)PDF(4)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(5)
ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -(6)
めげ猫「タマ」の日記 福島・川俣町山木屋、学校再開、子供の帰還は「0」(7)
出生性比(8)
ミスピーチ 5日から活動開始へ|NHK 福島県のニュース(9)
原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 ? 公益財団法人 放射線影響研究所 RERF(10)
めげ猫「タマ」の日記 女の子が多く生まれる福島県葛尾村(事故から8年9ヶ月)(11)
国連報告者、福島事故の帰還で日本を批判 :日本経済新聞(12)
google map(13)
山木屋地区の居住の状況 - 川俣町公式ホームページ(過去分を含む)
(14)
東京から福島にIターン、地方移住で分かったWeb ... - Wantedly(15)
「小学校」存続へ正念場 川俣・山木屋、粘り強く郷土愛育む授業:東日本大震災7年7カ月特集:福島民友新聞社 みんゆうNet(16)
原発被災地の学校、再開1年で休校 若い世代にためらい:朝日新聞デジタル(17)
児童・生徒数 - 川俣町公式ホームページ(18)
平成31年度 - 山木屋小学校/山木屋中学校 - 川俣町公式ホームページ(19)
【4月6日(月曜日)】入学式 - 川俣町公式ホームページ(20)
めげ猫「タマ」の日記 福島・川俣町山木屋、学校再開、子供の帰還は「0」(21)
相馬福島道路が2020年度までに全線開通します - 福島県伊達市ホームページ(22)
幼保連携型認定こども園「までいの里のこども園」園児募集 - 飯舘村ホームページ(23)
義務教育学校開校に関する説明会(次年度就学予定園児の保護者対象) - 飯舘村ホームページ(24)
原発】【福島】10分で分かる原発賠償の全容|月刊 政経東北|note(25)
原発避難で自殺、東電に4900万円賠償命令 福島地裁 (写真=共同) :日本経済新聞(26)
ふくしまの恵み(27)
>いわき市 - Wikipedia(28)
食の宝庫ふくしま | ふくしま満天堂(ふくしまプライド。)(29)
全量全袋検査に関するよくある質問 - 福島県ホームページ(30)
マルト 平尼子店のチラシ・特売情報 | トクバイ
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- 2020/07/06(月) 19:46:20|
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