福島県原発事故が2011年に福島県の検査では基準超(当時)が見つからないのに、福島県県外での検査では続々と基準超が見つかりました。これを福島県の地方紙・福島民友は起きたのは2012年、基準超は1頭と報じていました。事故10年目ですが、福島のマスコミはデマを流します。
福島は事故で汚染されました。そして広範囲に避難区域が設定されました。

※1(2)(3)にて作成
※2 旧避難区域は(4)による
※3 浜通り、中通り、会津は(5)による。
図-1 事故10年目も汚染されている福島
図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(6)を超えた地域が広がっています。事故10年目の福島も汚染されています。多くの方が福島産を正しく恐れ、避けたと思います。いかに東京中央卸売市場での牛肉の取引価格を示します。

※(7)を集計
図―2 牛肉の取引価格(東京中央取引市場)
図に示すように事故前は福島産牛肉は全国平均と同じ程度の価格で取引されていましたが、事故後は安くなりました。これを行政は福島産は「安全」であり、避ける行為を「風評被害」と呼んでいます(8)。マスコミも同調しています。そんななかで、福島の地方紙・福島民友は「【風評の深層・豊かな大地】」なる連載を記載しています。8月27日で4回目の連載です(9)。

※(10)を8月27日に閲覧
図―3 【風評の深層・豊かな大地】を掲載する福島県の地方紙・福島民友
福島の大地が豊かかはわかりませんが、汚染された大地ではあります。
4回目の表題は図に示すように、「一夜で暴落した『牛肉』...戻らぬ値」です。そして書き出しは
「たった1日で1キロ当たりの販売価格が2000円超から1000円弱に―」
です(1)。以下に2010,11年の取引価格を示します。

※(7)を集計
図―4 牛肉の取引価格(東京中央取引市場、2011,12年)
図に示すように1日で一気に千円をきる価格になった訳ではありません。事故後から下がり始めましたが、千円をきったのは事故から半年後の9月です。千円弱にさがるには1日でなく、半年を要しました。この記事は生産者の視点で書かれています。生産者からみれば「価格」は出荷価格です。そして図に示すように事故前は二千円弱で「2000円超」ではありません。
次に本記事は
「2012(平成24)年1月、<中略>(福島)県産牛肉の放射性物質の問題がテレビで報じられると状況が一変。その日の競りでは、1キロ1000円を切った。喜多方市は東京電力福島第1原発から約100キロ離れており、仙台市とほぼ同じ。それでも値崩れは止まらなかった。(中略)『たった1頭、基準値を超えただけでも(中略)』(中略)その後は、県内の畜産農家で全頭検査が始まった。」
と記述しています。
これですと、福島産牛肉の放射能汚染問題が出たのは2012年になっています。 以下に事故直後に福島産牛肉の検査結果を示します。

※1(10)を集計
※2 NDは検出限界未満を示す
※3 日付は牛さんがお肉になった日
図―5 福島産牛肉の検査結果
図に示す通り福島県の検査では見つからないのに「消費地」の検査では基準を超えるセシウムに汚染された牛肉が見つかりました。放射能に汚染された稲わらを餌として食べた牛が汚染された「稲わら牛」問題です(11)。最初に当時の暫定基準値の1キログラム当たり500ベクレル(12)を超えた福島産牛肉が最初に見つかったと発表されたのは2011年7月8日です(13)(14)。2012年ではありません。暫定基準超の福島産牛肉が厚生労働省の発表(10)を数えると消費地の検査で59件見つかっています。「たった1頭、基準値を超え」ではありません。そのため、福島産牛肉は出荷制限が2011年7月19日に設定されました(15)。その後、同年8月25日に全数を調べる「全頭検査」(16)を条件に出荷が認められました(17)。全頭検査が始まったのは2012年でなく、2011年です。
福島県の検査では見つかっていません。2011年あれから9年が経過しましたが、何故に福島県の検査では「暫定基準値超」が見つからなかったの説明を(=^・^=)は知りません。多分、説明されていと思います。でも、福島県の検査は当時から他よりも低く出る検査であったすれば容易に説明がつきます。
福島県は図―1に示すように浜通り、中通り、会津の3地域に区分されます。このうち喜多方市は会津に属します(5)。以下に肉牛の飼育頭数を示します。

※(18)ホルスタイン、ジャージー、乳用種を除きを集計
図―6 福島県の肉牛飼育頭数
図に示すように福島の肉用牛は中通りを中心に飼育されており、喜多方市が属する会津は少数です。独自のブランドを浸透させることは困難で「フクシマ産」として出荷します。図―1に示すように福島は汚染されています。「喜多方市は東京電力福島第1原発から約100キロ離れており、仙台市とほぼ同じ」などと言えません。それ以上に違うのは、福島県の検査が信用できないことです。以下にスズキの検査結果を示します。

※1(10)(2)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※3 淡水は除く
※4 日付けは捕獲日
図―7 スズキの検査結果
図に示すよう、宮城、茨城、千葉県産からセシウムが見つかっています。一方で福島産は厚生労働省(10)や福島県(19)の発表を数えると130件連続で検出限界未満(ND)です。
海が繋がっているのに福島産だけが低く出ており、隣県との整合性がありません。牛肉やスズキ等の福島産農水産物の出荷前検査は厚生労働省の発表(1)を見ると、全てを福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(20)で実施しています。中立性に疑問があります。
福島産は他よりも低くでる検査で「安全」とされ、出荷されます。
福島民友は
・2011年に起こった福島・稲わら牛汚染問題を2012年と記載しています。
・消費地の検査で数十頭から当時の暫定基準超がみつかったのに「たった1頭」と記載しています。そして、福島県の検査では見つけられなかった事実は無視です。
・福島県会津地方は肉牛の飼育は盛ん出はりません。それでも「会津」を取り上げています。
との内容を記事にしました。とんでもない「デマ」です。
<余談>
図表が小さいとご不満の方は、画像をクリックしてください。
マスコミといえども、「フクシマ」に関しては平然とデマを発信します。でも、福島の皆様は騙されないようです。
福島県郡山市の肉牛飼育頭数は5,424頭で、福島県随一です(18)。福島の牛肉は美味しいとの事です(21)。福島県は福島産牛肉は「安全」だと主張しています(22)、 でも、福島県郡山市市のスーパーのチラシには福島産牛肉ありません。

※(23)を引用
図―8 福島産が牛肉が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県郡山市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
【風評の深層・豊かな大地】一夜で暴落した「牛肉」...戻らぬ値:風評の深層:福島民友新聞社 みんゆうNet(2)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会⇒
福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和元年8月29日~11月2日測定)PDF(3)
第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会⇒
資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB(4)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(5)
福島県 - Wikipedia(6)
ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -(7)
東京都中央卸売市場-統計情報検索(8)
福島県風評・風化対策強化戦略について - 福島県ホームページ(9)
風評の深層:福島民友新聞社 みんゆうNet(10)
報道発表資料 |厚生労働省(11)
福島の肉用牛に出荷制限 政府、移動も禁止 (写真=共同) :日本経済新聞(12)
福島産牛肉 基準超のセシウム | 東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース | NHK 40年後の未来へ 福島第一原発の今(13)
食品中の放射性物質の検査結果について(第121報)⇒
(別添9)(PDF:34KB)(14)
食品中の放射性物質の基準値について - 福島県ホームページ(15)
福島県において飼養されている牛のと畜場への出荷及び同県の一部地域で産出される原木シイタケ(施設栽培)の出荷に係る出荷制限の設定について |報道発表資料|厚生労働省(16)
全頭検査(ゼントウケンサ)とは - コトバンク(17)
福島県、岩手県及び栃木県において飼養されている牛の県外への移動及びと畜場への出荷の制限に係る一部解除について |報道発表資料|厚生労働省(18)
届出情報の統計-目的別索引-牛の個体識別情報検索サービス⇒【令和元年10月31日公表】 (毎年10月31日頃更新)⇒飼養頭数⇒牛の種別⇒市区町村別⇒令和元年9月末時点⇒Excel(260KB)
(19)
農林水産物の緊急時環境放射線モニタリング結果【詳細】 - 福島県ホームページ(20)
農林水産部 - 福島県ホームページ(21)
食の宝庫ふくしま | ふくしま満天堂(ふくしまプライド。)(22)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(23)
イトーヨーカドー 郡山店
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- 2020/08/28(金) 19:44:06|
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