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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

柏崎刈羽合格3年、まもなく再稼働?

 東京電力柏崎刈羽原発が原子力規制委員会の適合性審査(安全審査ではない)に2017年12月27日に合格してから明日(12月27日)で3年(1)になります。新潟県知事は「県民の意思を確認するプロセスが必要になる」としていますが、具体的な方法は未定です(2)。そんな中で県議会の意見を踏まえて判断する意向を示しました(3)。新潟県議会は自公が多数を占めており(4)、再稼働を容認します。「県民の意思」が「県議会の意見」なら、再稼働が容認されます。
 柏崎刈羽原子力発電所は新潟県柏崎市と刈羽村にまたがって立地する東京電力発電所です(5)。ただし、あまり評判が良くありません。今は記事が消えましたが、新潟の地方紙が行った世論調査では、柏崎刈羽原発の再稼働に「反対」「どちらかといえば反対」が計52%だったのに対し、「賛成」「どちらかといえば賛成」は計26%だそうです。
 新潟の皆さんが反原発と言うよりは、東京電力の原発だからだと思います。第一に新潟は東京電力の供給エリア外です(6)。まったく供給していない訳ではありませんが、東京電力が新潟でも電気を供給している(7)(8)事を新潟の読者に聞く限り殆ど知られていないようです。
 2007年の中越沖地震では設計時の想定を超える揺れに襲われ(9)、火災や放射能漏れ事故(10)を越しました。
2007年の柏崎刈羽原発火災映像を放送したBSN
 ※(11)を転載
 図-1 煙もくもく柏崎刈羽原子力発電所 

 そして運転停止に追い込まれました(5)。これに対し東京電力はこの事故を踏まえ「災害に強い発電所づくりに取り組んでまいります。」と主張しました(12)。ところが、4年後に福島原発事故が起こり、大爆発を起こし、5重の壁が一気に壊れ放射能が福島第一原発から福島を中心にした区域に「うつり」、福島を中心に各地を汚染しました。これについて東京電力は「想定外」を言い出しました(13)。むろん「安全対策を考える上で想定しないと決めた想定外」との想定外です(14)。新潟県内限定で新潟県限定ですが「災害に強い発電所作りに挑戦しづづけます」とのテレビCMを流しています(15)。2004年の事故後とほぼ同じフレーズです。12月24日の記者会見では「事故を起こした」でなく「事故を経験した」との発言が出ました(16)。まったく、反省の様子がありません。これで新潟の皆様の理解が得られるとは考えられません。
 それでも、東京電力は柏崎刈羽原子力発電所に執着しており、再稼働を目指しています(2)。原発を再稼働するには、原子力規制員会の適合性審査(安全審査ではない)と(17)、立地自治体の同意が必要です(18)。適合性審査は基本設計を審査する設置許可基準審査、詳細な設計を審査する工事計画審査、そして運用規定を審査する保安規定審査があります(19)。東京電力は2013年9月に適合性審査を申請しました(20)。これが2017年12月27日に認可されました(1)。明日(12月27日)で3年です。
 今年10月14日に7号機の工事計画が認可されました(29)。最後まで問題となっていた「保安規定」が(21)(22)が、10月30日に正式に認可されました(23)。これで7号機の適合性審査が終わりました。12月24日に東京電力は来月(2021年1月)には7号機の安全対策工事が終わると発表しました(24)。東京電力は11月6日に柏材刈羽原発7号機の使用前検査を原子力規制委員会に申請しました(25)。原子力規制委員会は行う使用前検査の(26)と柏崎刈羽原発の立地自治体(新潟県、柏崎市、刈羽村)(2)の同意で再稼働です。
 使用前検査については、今年9月に申請されています(27)。使用前検査は機器・配管の洗浄(フラッシング)や機器・配管の健全性を確認、ポンプの単体試運転や弁の動作確認等や調整を行う「建設段階の検査」、機器・配管が一連の系統の機能試験を行う「機能試験」、このあと原子炉に核燃料を入れる「燃料装荷」、原子炉を起動し核分裂反応をさせる「出力上昇試験」の3つのステップで行います(28)。
 東京電力は来年2月中に「燃料体を挿入できる段階の検査」を、来年4月中に「原子炉を起動する前の検査(臨界反応操作を開始できる段階の検査)」、来年6月中に「(工事完了時の検査)」を終わらすとしています(28)。すると4月以降に核燃料を装荷し、原子炉を起動した状態での検査をする計画です。東京電力は地元の同意がないまま、原子炉に核燃料を装荷しとうとしています。東京電力は12月24日の会見で核燃料を装荷の地元同意の要否について地元とのコミュニケーションをより一層取りながら進めていくと、明言を避けました(16)。
 地元同意ですが、原発がある刈羽村の品田宏夫村長は11月15日の選挙で6選を果たし、再稼働容認の意向を示している。「条件付き再稼働容認派」の柏崎市の桜井雅浩市長も同日の市長選で再選し、東電には追い風になりました(2)。残るは新潟県知事ですが、当初は難しいとみられていましたが(29)。風向きが変わった感じがします。新潟県では有識者による独自の「三つの検証」が続いています。事故原因については「技術委員会」が10月に報告書をまとめました。残る福島事故の健康や生活への影響と、避難計画の実効性を検証する二つの委員会は議論開始から3年が過ぎており、21年中に結果がまとまる可能性が高いそうです。新潟県知事は三つの検証結果が出そろった後に、再稼働の可否を判断する方針です。「県民の意思を確認するプロセスが必要になる」としていますが、具体的な方法は未定です(2)。そして知事は12月3日の県議会で、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に必要とされる地元同意の判断について「県議会の意見を踏まえた上で、結論を県民に示したい」と述べました(3)。県議会の意見を「県民の意思」と解釈できる発言です。新潟県議会は自公が多数を占めており(4)、再稼働を容認します。
 2021中に柏崎刈羽原発7号機は
  ①1月中の安全工事の終了
  ②4月中に「原子炉を起動する前の検査」
  ③三つの検証結果
  ④県議会の再稼働容認決議
  ⑤起動試験⇒再稼働
の可能性が出てきました。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方は、画像をクリックしてください。
 (=^・^=)は新潟県知事の放射能が大好き方と思います。昨年、10月の豪雨で福島では大量の災害ごみがでました。災害で生じた福島県本宮市の泥土から最大で1キログラム当たりで3,960ベクレルのセシウムが見つかりました(30)。これは国が再利用して許される同100ベクレル(31)の40倍近い値です。福島の災害ごみは放射能に汚染されている可能性が高いです。これを新潟県は受け入れました(32)。本宮市が新潟県に要請したものです。この事実は福島では発表されましたが、新潟県や実際に受け入れた新潟県五泉市はこの事実を積極的には広報しなかったようで、新潟では報じられなかったようです(33)。これなどは国策に沿う処置です。新潟県知事は国策との整合性を重視するようです。本音では再稼働を認めたいはずです。自公が推薦した候補ですから当然です。
 ただし、彼は知事選では反原発色が強い野党系候補と同じように柏崎刈羽の再稼働に慎重な姿勢を示しました。野党系候補の政策も丸呑みする「だきつき」ともいえる戦術を展開しました(29)。
 新潟県知事の任期は2022年6月までです(33)。ただし、新潟県の野党は人手不足に陥っています。新潟2区では、野党系候補が決まっていません(34)。前回の知事選では3人の方に立候補を断られています(35)。有力な対立候補が出ないとなれば、現新潟県知事は選挙を気にせずに再稼働の決断ができます。
 また、東京電力は柏崎刈羽は安全になったと主張しています(37)。これもどこまで信用されているか(=^・^=)にはわかりません。少なくとも福島の皆様は東京電力を信用していません。
 福島の冬を代表するくだものにイチゴがあります(38)。今年も出荷が始まりました(39)。福島県いわき市は福島第二のイチゴの産地です(40)。同市のイチゴは甘く、美味しいとの事です(41)。東京電力は福島産は「安全」であり、避ける行為を「風評被害」と呼んでいます。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(42)を引用
 図―2 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ 

 (=^・^=)も福島県いわき市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
  
 

―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)第57回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会
(2)「世界最悪」レベルの事故の後始末は終わってないが…東京電力が柏崎刈羽原発を動かしたい理由:東京新聞 TOKYO Web
(3)原発再稼働の判断「県議会の意見、踏まえる」、新潟知事:朝日新聞デジタル
(4)新潟県議会 - Wikipedia
(5)柏崎刈羽原子力発電所 - Wikipedia
(6)【経済インサイド】東電の浮沈握る「柏崎刈羽原発」再稼働 地元・新潟県民の不信感は解消できるのか(2/4ページ) - 産経ニュース
(7)東北・九州エリアにおけるご家庭向け電気料金プランの受付開始について|プレスリリース|東京電力エナジーパートナー株式会社
(8)料金プラン|電気料金プラン|東京電力エナジーパートナー株式会社
(9)新潟県中越沖地震における柏崎刈羽原子力発電所の地震観測記録について 平成19年7月19日 東京電力株式会社
(10)柏崎刈羽原子力発電所6号機の放射性物質の漏えいについて|TEPCOニュース|東京電力
(11)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい東電原発(3月1週)―柏崎刈羽・安全審査の申請書を再提出―
(12)第7回「地域の声委員会」の概要について|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力
(13)今回の津波は、それまでの知見では想定できない大規模なものでした|東京電力
(14)フクシマは本当に「想定外」だったのか  :日本経済新聞
(15)CM・新聞・雑誌広告|動画・画像集|東京電力ホールディングス株式会社
(16)動画アーカイブ|写真・映像ライブラリー|東京電力ホールディングス株式会社
(17)>新規制基準適合性に係る審査・検査の流れ | 原子力規制委員会
(18)全審査「合格」 地元から賛否の声 柏崎原発 首長対応も注目(新潟日報)
(19)発電用原子炉に係る安全審査状況 設計工事計画認可 | 原子力規制委員会
(20)コメント)柏崎刈羽原子力発電所7号機の新規制基準への適合性に係る設計及び工事計画認可について|お知らせ|東京電力ホールディングス株式会社
(21)第27回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会
(22)(21)⇒資料2 東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所の発電用原子炉施設保安規定及び設計及び工事の計画の審査状況について(2回目)【PDF:5MB】
(23)(コメント)柏崎刈羽原子力発電所の保安規定変更認可について|お知らせ|東京電力ホールディングス株式会社
(24)お知らせ(2020年度)|新潟本社・柏崎刈羽原子力発電所|東京電力ホールディングス株式会社7号機新規制基準に基づく安全対策工事の進捗状況について
(25)設計・建設段階の安全規制 使用前検査 | 原子力規制委員会
(26)>柏崎刈羽原子力発電所7号機の使用前確認申請書の提出について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(27)原子力発電所の試験・試運転 (02-02-02-05) - ATOMICA -
(28)事前同意なし? 核燃料いつ入れる 柏崎刈羽原発:朝日新聞デジタル
(29)新知事でも「柏崎刈羽再稼働」が難しい理由 | 原発再稼働の是非 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
(30)放射線監視室 - 福島県ホームページ令和元年台風19号に伴う環境放射能モニタリング結果について(最終報) [PDFファイル/1.12MB]
(31)100Bq/kg と 8,000Bq/kg の二つの基準の違いについて - 環境省
(32)福島の台風災害ごみ、初の県外搬出 新潟で広域処理 | 河北新報オンラインニュース
(33)めげ猫「タマ」の日記 福島の放射能汚染ゴミが新潟県五泉市に運ばれました。
(34)衆院新潟2区 候補一本化 越年へ 与野党とも調整難航 | www.niigata-nippo.co.jp › news › politics
(35)2018年新潟県知事選挙 - Wikipedia
(36)発電所の安全対策|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力
(37)クリスマス迫る...「イチゴ」食べ笑顔に!伊達で収穫作業本格化:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(28)福島県[いわき市]の農作物 | ネギ 秋冬ねぎ | 雑穀類, いも類, 米, 野菜, 果物 | 生産/収穫/作付面積 | 福島県と日本の中の順位 | 市町村 | ジャパンクロップス
(39)いわきの特産品|ウェルカムふくしま
(40)風評被害に対する行動計画の策定について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(41)マルト 岡小名店のチラシ・特売情報 | トクバイ
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  1. 2020/12/26(土) 21:49:34|
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