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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

原子力ムラ化が進む福島県富岡町(2021年2月)

 2017年4月に大部分で避難指示が解除された福島県富岡町(1)の2020年2月の
 町内在住者             1,576人
 避難指示解除後の新規転入者 1,298人
で、町内在住者の大部分は避難指示解除後に新規に転入された方です。新規転入者は男性994人、女性304人で男性が多いので概ね原子力関係者です。
 福島県富岡町(とみおかまち)は、福島県沿岸部、中部ある町で、東京電力福島第二原子力発電所が立地します(2)。原発事故によって全域は避難地域となりました(1)。以下に示します。
事故から10年を経て汚染されている福島  凡例 
 ※1(3)(4)にて作成
 ※2 避難区域は(5)による。
 図-1 福島県富岡町

 図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(6)を全ての地域で超えています。。それでも、安倍出戻り内閣は「安全」だとして(7)、2017年4月1日に大部分で避難指示を解除しました(1)(5)。
 同町には多くの原子力や関連した施設があります。
 ・福島第二発電所(2)
 ・指定(放射性)廃棄物処分場(8)。
 ・リンプルふくしま(指定廃棄物処分場PR施設)(9)。
 ・「東京電力廃炉資料館」(10)。
また北隣の大熊町には福島第一原発(11)や中間貯蔵施設があります(12)。ダンプの運転手等を含め約一万人がかかわっています(13)。福島第一では安定化作業では6千人を超える方がが働いています(14)。福島第二も含め同町や同町周辺には原子力の仕事が溢れています。
 富岡町は町の復興に力を注いできました。
 2016年10月 町営診療所再開(16)
 2017年 3月 ショッピングセンターのグランドオープン(17)
 2017年 4月 一部を除き避難指示解除(5)(17)
 2017年10月 JR富岡駅再開(18)
 2018年 4月 学校再開(19)
 2018年 8月 リンプルふくしま開館(9)
 2018年11月 東京電力廃炉資料館開館(10)
 2019年 4月 こども園開園(20)
 2019年 7月 富岡漁港再開(21)、福島第二原発廃炉の正式決定(22)
 2020年 3月 常磐線全面再開。同町の夜ノ森が再開(23)。同町から仙台まで鉄道が直通
 2020年 5月 東京電力が福島第二の廃炉計画を原子力規制委員会に申請(3)。 
 それでも住民は戻りません。以下に富岡町民の居住先を示します。
住民が戻らない富岡町
 ※(15)を集計
 図―2 富岡町民の居住先

 図に示す様に町内居住があまり進んでいません。今年1月1日時点で
  住民登録 12,319人中で町内在住は1,576人(12.8%)
です(24)。でも増えたものをあります。以下に富岡町への転入者数を示します。
2017年以降に増えた富岡町の転入者数
 ※(25)を集計
 図―3 富岡町内の転入者数

 図に示す様に避難指示が解除された2017年4月以降に急に増えています。避難指示解除によって富岡町内に住居を確保できれば誰もが富岡町に住むことができるようになりました。多くの方が富岡町に新たに移り住んだようです。
 以下に在住者の増減と新規転入者を示します。
転入者と町内在住者増分はほぼ同じで推移する富岡町
 ※(16)(25)を集計
 図―4 富岡町内在住者の増減と新規転入者数

 避難指示解除直後は町内居住者増加数が新規転入者に比べ多かったのですが、その後は町内居住者増加数と新規転入者数がほぼ同じになりました。2020年末までの福島県富岡町(1)の
 町内在住者            1,576人
 避難指示解除後の新規転入者 1,298人
で、町内在住者の大部分は避難指示解除後に新規に転入された方です。新規転入者は男性957人、女性291人で男性が多いので概ね原子力関係者です。富岡町で町内在住者が増えている要因は住民の帰還でなく、新規の転入者です。福島第一で働くのは大部分が男性です(26)。富岡町や周囲には原子力関係の仕事が沢山あります。富岡町は住民が帰還ではなく、原子力関係者が新規に移り住み、戻った住民は少数派です。
 避難指示解除は町の再生のスタートでなく、別の町ができるスタートです。廃炉に従事する男性の町、これが新たな富岡町です。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 富岡町内在住者の世帯数1,103です。1世帯当たりの人数は1.4人(1,576÷1,103)です。多くの方が単身赴任です。富岡町は学校教育に力を入れています(27)。それでも原子力ムラの皆様は家族を連れて来るのにはためらいがあるようです。そして、福島の皆様も不安なようでうす。
 福島県須賀川市産米の2019年産米の全量全袋検査は約77万件です(28)。同市の人口は8万人弱なので(25)、市民が食べるには充分な量です。福島のお米はおいしいとの事です(29)。福島県は福島産は安全だと主張しています(30)。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシに福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
 ※(31)を引用
 図―5 福島産米が無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県須賀川市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)富岡町 - Wikipedia
(2)福島第二原子力発電所 - Wikipedia
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和元年8月29日~11月2日測定)PDF
(4)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(5)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(6)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(7)国連報告者、福島事故の帰還で日本を批判  :日本経済新聞
(8)処分に向けた取組み|福島県における取組み|放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト|環境省
(9)アクセス|特定廃棄物埋立情報館リプルンふくしま|環境省
(10)東京電力廃炉資料館|廃炉資料館|東京電力ホールディングス株式会社
(11)福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia
(12)中間貯蔵施設の概要|中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(13)【動画あり】【最終処分場化】本誌記者が見た【中間貯蔵施設】|月刊 政経東北|note
(14)福島第一原子力発電所作業者の被ばく線量の評価状況について - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社⇒2020年⇒ 9月
(15)広報とみおか/富岡町
(16)(15)⇒広報とみおか(平成28年11月号) (PDF: 11.2MB)
(17)(16)⇒2017年⇒広報とみおか(平成29年3月号) (PDF: 10.6MB)
(18)(16)⇒2018年⇒広報とみおか(平成30年4月号) (PDF: 15.2MB)
(19)手探りの半年 20人の子どもたちと13人の教職員 福島・富岡町で学校再開
(20)みんなで遊ぶの楽しみ、富岡・こども園開園 | 河北新報オンラインニュー
(21)福島・富岡漁港が再開、被災漁港の全てが再開 | 河北新報オンラインニュース
(22)福島第二原子力発電所の廃止に伴う発電事業変更届出書の提出について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(23)常磐線 - Wikipedia
(24)(16)⇒広報とみおか3月号 (PDFファイル: 11.6MB)
(25)福島県の推計人口(令和3年2月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(26)「あのとき、おなかに子供がいました」福島第一原発の女性オペレーターは、5年後も現場にいた。 | ハフポスト
(27)富岡町の学校教育に関するお知らせ | 富岡町文化交流センター 学びの森
(28)ふくしまの恵み
(29)>食の宝庫ふくしま | ふくしま満天堂(ふくしまプライド。)
(30)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(31)ザ・ビッグ須賀川店 | 宮城県、福島県のイオングループのスーパーマーケット「ザ・ビッグ」 | マックスバリュ南東北
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  1. 2021/03/08(月) 19:42:00|
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