NHKは(福島)県内産の農林水産物について、放射性物質の検査を行っていますが、昨年度は、平成23年度の検査開始以来初めて、すべて国の食品の基準を下回りましたと喧伝していました(1)。でも、2020年11月25日の厚労省の発表(2)では、福島産コウタケから、福島県漁連の出荷前検査ではクロソイから基準超のセシウムが見つかっています(3)。平然と垂れ流すNHKでは「国民の知る権利」を充足(4)しません。
福島は事故によって汚染されました。

※1(5)(6)にて作成
※2 避難区域は(7)による
図―1 特異的に汚染されている福島
図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(8)を超えた地域が広がっています。事故10年以上経過しましたが、福島は汚染されたままです。だいたい避難地域が設定されたには「フクシマ」だけです。多くの皆さんが福島産の放射能汚染を恐れ、避けていると思います。
そんな中、NHKは
「福島県は、県内産の農林水産物について、出荷や販売の前に放射性物質の検査を行っていますが、昨年度は、平成23年度の検査開始以来初めて、すべて国の食品の基準を下回りました。」
と喧伝していました(1)。

※(1)をキャプチャー
図-2 昨年度は全てが基準値以下と喧伝するNHK
でも、でも、2020年11月25日の厚労省の発表(2)では、福島県の検査で福島産コウタケから、基準値の1キログラム当たり100ベクレル(9)を超える、同430ベクレルのセシウムが見つかっています(2)。また、福島県漁連の検査の出荷前検査ではクロソイから同500ベクレルのセシウムが見つかっています。

※(10)をキャプチャー
図―3 「クロソイ」から1キロあたり500ベクレルのセシウム検出を報じる福島のローカルTV局(FTV)
そして今年度は4月15日の福島県の検査でクロソイから同270ベクレルのセシウムが見つかっています(11)。海産物で出荷制限があるのは「フクシマ産」だけす(12)。
NHKは「肉類は検査開始当初から基準超えが出ておらず」と喧伝していました。

※(1)をキャプチャー
図-4 「肉類は検査開始当初から基準超えが出ておらず」と喧伝するNHK
以下に事故直後に福島産牛肉の検査結果を示します。

※1(13)を集計
※2 NDは検出限界未満を示す
※3 日付は牛さんがお肉になった日
図―5 福島産牛肉の検査結果
図に示す通り福島県の検査では見つからないのに「消費地」の検査では当時の暫定基準の1キログラム当たり500ベクレル(14)を大きく超えるセシウムに汚染された牛肉が見つかりました。放射能に汚染された稲わらを餌として食べた牛が汚染された「稲わら牛」問題です(15)。
以下に福島産豚肉の検査結果を示します。

※1(13)を集計
※2 基準値は(14)による。
※3 NDは検出限界未満を示す
※4 日付は検査日
図―6 福島産豚肉の検査結果
2012年4月1日から基準値が変わりましたが(13)、基準値変更後に基準超が見つかっています(16)。
以下にイノシシとクマ肉の検査結果を示します。

※1(13)を集計
※2 基準値は(14)による。
※3 NDは検出限界未満を示す
※4 日付は捕獲日
図―7 福島産イノシシ・クマ肉の検査結
対数表示で慣れない方はわかりにくいかもしれませんが、事故から10年以上を経た今も基準超が見つかり続けています。
イノシシやクマ肉は畜産物でないから肉類ではないと主張される方もいるかもしれませんが、牛肉、豚肉からも基準超が見つかっており
「肉類は検査開始当初から基準超えが出ておらず」
とのNHKの喧伝は「嘘」です。
また
「野菜と果物は平成25年度から<中略>、国の基準値を超えるものは出ていません。」
とも喧伝していました(1)。

※(1)をキャプチャー
図-8 「野菜と果物は平成25年度から、国の基準値を超えるものは出ていません。」と喧伝するNHK
栗は果物です(17)。以下に福島産栗の検査結果を示します。

※1(13)を集計
※2 基準値は(14)による。
※3 NDは検出限界未満を示す
※4 日付は収穫日
図―9 福島産栗の検査結果
図に示す通り平成29年度(2017年)に基準超の栗が見つかっています(18)。
福島の農協はあんぽ柿を福島の冬の果物としています(19)。以下に福島産あんぽ柿の検査結果を示します。

※1(13)を集計
※2 基準値は(14)による。
※3 NDは検出限界未満を示す
※4 日付は検査日
図―10 福島あんぽ柿の検査結果
図に示しように平成30年度(2018年度)産あんぽ柿から基準超のセシウムが見つかっています(20)。
NHKは
「野菜と果物は平成25年度から、国の基準値を超えるものは出ていません。」
と喧伝していますが、平成26年度以降も果物から基準超のセシウムが見つかっています。
NHKは
「検査を担当する県環境保全農業課は『出荷や販売の前に必ず検査をする』」
と喧伝していました(1)。
福島を代表する野菜にキュウリがあります(21)。伊達市が1位(22)の須賀川市が2位(23)の産地です。以下に示します。

※1(5)(6)にて作成
※2 避難区域は(7)による
※3
●は、キュウリ検査1件を示し(25)による。
図―11 福島県須賀川市、伊達市
事故10年目ですが、図に示す様に両市はICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(8)を超えた地域が広がっています。福島のキュウリの主要産地は事故から10年以上経た今も汚染されています。今年も出荷が始まっています(26)(27)。ところが図に示す通り伊達市産も須賀川市産む検査結果がありません。福島産キュウリの出荷が始まりましたが、福島県は主要産地のキュウリを検査していません。
福島県に水揚げされる魚のなかで、年間の水揚げ額が最も高いのがカツオです。福島県のいわき市小名浜港は全国主要43港のなかでも水揚げ額で上位を誇ります(28)。昨年はTOKIOのテレビCMが流れました(29)。福島を代表する魚のようです。今年も初ガツオの水揚げがありました(30)。以下に検査結果を示します。

※(31)を引用
図-12 検査結果が出てこない福島産カツオ
図に示す通り検査結果が出て来ません。
キュウリもカツオも出荷始まっているのにキュウリは主要産地が、カツオは全く検査されていません。それでもNHKは
「検査体制を維持しながら」
と喧伝でしています。

※(1)をキャプチャー
図-12 「検査体制を維持しながら」と喧伝するNHK
NHKは
①昨年度に福島産コウタケや(2)、クロソイから基準超のセシウムが見つかっているのに、昨年度は全てが基準値以下と喧伝します(1)。
②事故後に福島産牛肉(15)や豚肉(16)から基準超のセシウムが見つかっているのに、「肉類は検査開始当初から基準超えが出ておらず」と喧伝します(1)。
③平成26年度以降も福島産果物から基準超のセシウムが見つかっているのに(18)(20)、「野菜と果物は平成25年度から、国の基準値を超えるものは出ていません。」
と喧伝します(1)。
④福島を代表する魚であるカツオの出荷が始まったのに検査結果がなく、福島を代表する野菜であるキュウリの出荷が始まったのの主要産地の検査結果が無くとも「検査を担当する県環境保全農業課は『出荷や販売の前に必ず検査をする』」
と喧伝します(1)。
このような嘘を平然と流すNHKは「国民の知る権利」を充足(4)しません。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
図―5に示すように事故後の牛肉の検査で、福島県検査では基準値以下なのに消費地の検査で基準超になった原因はいまだに説明されていません。これは、福島県の検査が他に比べ低く出る検査であることで容易に説明できます。以下にマダイの検査結果を示します。

※1(13)(2)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※3 日付けは捕獲日
図―13 マダイの検査結果
図に示す様に、宮城県、岩手、茨城、千葉県産からセシウムが見つかっています。一方で福島県が検査した福島産マダイは福島産は厚生労働厚生労働(13)や福島県(32)の発表を数えると195件連続で検出限界未満(ND)です。
隣県では見つかっているのに、汚染源がある福島産から見つからないなど、海はつながっているのに、おかしな話です。マダイ等の福島産農水産物の出荷前検査は厚生労働省の発表(13)を見ると、概ね福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(33)で実施しています。中立性に疑問があります。
受信料との名目で多く方から「カツアゲ」し、それを元手に「嘘」を垂れ流すNHKでは福島の皆様は不安だと思います。
本文に記載の通り、福島を代表する野菜であるキュウリの出荷が始まりました。須賀川市は福島県2位の産地です(23)。同市辺りのキュウリはみずみずしい香りで、パリッとして歯切れのよいとの事です(34)。福島県は福島産は「安全」だと主張しています(35)。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。

※(36)を引用
図-14 福島産キュウリが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県須賀川市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
放射性物質の検査開始後初めて すべて国の食品基準を下回る|NHK 福島県のニュース(2)
食品中の放射性物質の検査結果について(3)
福島の魚から2年ぶり基準値超え クロソイ、国が出荷制限へ | 共同通信(4)
【電子版】NHK受信料「合憲」 国民の知る権利を充足-最高裁(更新) | 商社・流通・サービス ニュース | 日刊工業新聞 電子版(5)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会⇒
福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和2年8月25日~10月30日測定)(6)
第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会⇒
資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB(7)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(8)
ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -(9)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(10)
2021年02月22日(月) 19:33『クロソイ』出荷停止 基準値を超える放射性物質検出 福島県沖8.8キロの海域から22日に水揚げ(FTV)--リンク切れ
(11)
食品中の放射性物質の検査結果について(1234報)⇒2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果⇒ 検査結果(Excel:14KB)⇒No14
(12)
水産物の放射性物質調査の結果について:水産庁(13)
報道発表資料 |厚生労働省(14)
食品中の放射性物質の基準値について - 福島県ホームページ(15)
基準値を超える放射性セシウムが検出された稲わらを給与した牛の肉の流通調査等について:東北農政局(16)
>食品中の放射性物質の検査結果について(第396報) |報道発表資料|厚生労働省(17)
秋の味覚「栗」は果物という衝撃の事実。それ以上に驚きの真実も - まぐまぐニュース!(18)
食品中の放射性物質の検査結果について(第1052報) |報道発表資料|厚生労働省(19)
冬 | ふくしまの果物 | JA全農福島(20)
食品中の放射性物質の検査結果について(第1106報)⇒2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果⇒検査結果(PDF:152KB)⇒No419、420、427
(21)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(22)
福島県[伊達市]の農作物 | 夏秋きゅうり さやえんどう 桃 すもも ニラ 柿 | 雑穀類, いも類, 米, 野菜, 果物 | 生産/収穫/作付面積 | 福島県と日本の中の順位 | 市町村 | ジャパンクロップス(23)
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品目から探す | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報(25)(24)⇒野菜⇒か行⇒き⇒キュウリ、キュウリ(施設)で検索
(26)
トピックス | JAふくしま未来(27)
トピックス | JA夢みなみ(28)
小名浜のカツオ|福島県|全国のプライドフィッシュ|プライドフィッシュ(29)
ふくしまプライド(30)
小名浜でカツオ初水揚げ 港に初夏の味到来 | 福島民報(31)(24)⇒魚介類⇒か行⇒か⇒カツオで検索
(32)
農林水産物の緊急時環境放射線モニタリング結果【詳細】 - 福島県ホームページ(33)
農林水産部 - 福島県ホームページ(34)
>特産品 - すかがわ岩瀬 | JA夢みなみ(35)
福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ(36)
ザ・ビッグ須賀川店 | 宮城県、福島県のイオングループのスーパーマーケット「ザ・ビッグ」 | マックスバリュ南東北
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