Q>基準超が見つかれば出荷制限がされますか?
A>いいえ、たとえば昨年2月に福島県沖で採れたクロソイから基準値の5倍のセシウムが見つかりましたが(1)、出荷制限が出されたのは今年4月です(2)。
福島は事故によって汚染されました。

※1(3)(4)にて作成
※2 避難区域は(5)による
図―1 特異的に汚染されている福島
図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(6)を超えた地域が広がっています。事故10年以上経過しましたが、福島は汚染されたままです。だいたい避難地域が設定されたには「フクシマ」だけです。多くの皆さんが福島産の放射能汚染を恐れ、避けていると思います。
文部科学省が編纂した「放射線副読本」の17ページに
「検査で基準値を超える食品が確認された場合でも、市場に流通しないような措置がとられています。」
とか(7)、復興庁が出している冊子の「放射線のホント」では
「基準を超えた場合は、売り場にでないようになっています」
と記述され(8)、基準値を超えて放射能に汚染された食品が見つかった場合には直ぐに出荷制限処置がとられるような記述です。
今年の2月に福島県漁連の検査の出荷前検査ではクロソイから基準値(9)の5倍の1キログラム当たり500ベクレルのセシウムが見つかっています(1)。

※(10)をキャプチャー
図―2 「クロソイ」から1キロあたり500ベクレルのセシウム検出を報じる福島のローカルTV局(FTV)
でも出荷制限は直ぐにはで出ませんでした。出荷制限が出たのは2月後の4月です(2)。
以下に福島産豚肉の検査結果を示します。

※1(11)を集計
※2 基準値は(9)による。
※3 NDは検出限界未満を示す
※4 日付は検査日
図―3 福島産豚肉の検査結果
2012年4月1日から基準値が変わりましたが(9)、基準値変更後にの2012年5月22日に基準超が見つかっています(12)。その後の厚生労働省発表をみると出荷制限はなされていません(13)(14)。
以下に福島産栗の検査結果を示します。

※1(11)を集計
※2 基準値は(9)による。
※3 NDは検出限界未満を示す
※4 日付は収穫日
図―4 福島産栗の検査結果
2017年9月26日に基準超の栗が見つかったと発表がありました(15)。でも、出荷制限の発表はありませんでした(16)(17)。
以上の例に示す様に、「フクシマ産」から基準超が見つかっても出荷制限が実施されないことがあります。「基準を超えた場合は、売り場にでないようになっています」などは、自公政権、原子力産業、マスコミが三位一体となってばら撒いている幻想です。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島に対する疑問を「
めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A 」にまとめました(18)。よかったら他のQ&Aも見て下さい。
福島を代表する冬の果物にあんぽ柿があります(19)。以下に検査結果を示します。

※1(11)を集計
※2 基準値は(9)による。
※3 NDは検出限界未満を示す
※4 日付は検査日
図―5 福島あんぽ柿の検査結果
図に示すようにセシウムが見つかりづつけています。福島産を食べると被ばくリスクを負いいます。被ばくについては「合理的に達成可能な限り低く抑えるべきである」
(ALARA:アララ)との考えを国際放射線防護委員会が1977年に勧告しています(20)。あんぽ柿には代替ができます(21)。この考えに従うなら、福島産ではなく代替品を選ぶべきです。少なくとも、福島の皆様はそのように考えています。
福島を代表する果物にブドウがあります。8月からシーズンです(57)。今年も出荷が始まりました(22)。福島のブドウは甘く、やわらかいそうです(23)。福島県は福島産は「安全」だと主張しています(24)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産ブドウはありません。

※(25)を引用
図―6 福島産ブドウが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県いわき市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
福島の魚から2年ぶり基準値超え クロソイ、国が出荷制限へ | 共同通信(2)
原子力災害対策特別措置法第20条第2項の規定に基づく食品の出荷制限の設定|厚生労働省(3)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会⇒
福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和2年8月25日~10月30日測定)(4)
第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会⇒
資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB(5)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(6)
ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -(7)
放射線副読本(平成30年10月改訂):文部科学省⇒
放射線副読本(平成30年10月改訂)(PDF版)(8)
風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略⇒
放射線のホント(9)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(10)
2021年02月22日(月) 19:33『クロソイ』出荷停止 基準値を超える放射性物質検出 福島県沖8.8キロの海域から22日に水揚げ(FTV)--リンク切れ
(11)
報道発表資料 |厚生労働省(12)
>食品中の放射性物質の検査結果について(第396報) |報道発表資料|厚生労働省(13)
報道発表資料 2012年5月 |厚生労働省(14)
報道発表資料 2012年6月 |厚生労働省(15)
食品中の放射性物質の検査結果について(第1052報) |報道発表資料|厚生労働省(16)
報道発表資料 2017年9月 |厚生労働省(17)
報道発表資料 2017年10月 |厚生労働省(18)
めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A (19)
冬 | ふくしまの果物 | JA全農福島(20)
ALARA - ATOMICA -(21)
市田柿|農畜産物のご案内|JAみなみ信州(22)
ブドウ – くだもの消費拡大委員会(23)
トピックス | JAふくしま未来(24)
福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ(25)
マルト 岡小名店のチラシ・特売情報 | トクバイ
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- 2021/08/20(金) 19:42:55|
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