11月21日に行われた福島市長選で、現職市長が再選されました(1)。原発事故後に3回の市長選がありましたが、過去2回は現職が落選しているので(2)、現職が当選した事故後最初の選挙です。お祝いしたいのでが、彼が市長になった福島市は
①市長の意向で放射線量「0」のモニュメントを展示(3)。
②百貨店の閉店など、市内中心部の空洞化が進展(4)。
③少子化の加速
などが起こり、現市長が続投する福島市の未来は暗そうです。
福島県福島市は福島県内陸部北部にある市です(5)。以下に示します。
※1(6)(7)にて作成
※2 避難区域は(8)による。
図―1 福島県福島市
図に示す様に、福島県の北の外れにあります。それでも県庁所在地です(5)。そして、ICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(10)を超えた地域が広がっています。福島市は日本の都道府県庁所在地の中で最も放射能汚染が酷い市です。
福島市は県庁所在地でありながら、人口は福島県3位です。人口が最も多いのは、地図で見ると沿岸部南の隅に位置するいわき市です(11)。県庁所在地が人口が1位でない県は、群馬県(12)と山口県(13)がありますが、どちらも人口は2位です。人口3位以下の市に県庁があるのは福島県だけです。しかも、人口最大のいわき市は沿岸部の南の外れ、県庁所在地の福島市は内陸部北の外れと、離れています。福島県庁は日本の県庁のなかで、最も不便な位置にあります。
福島市では、原発事故後にこれまでに3回の市長選挙が行われました(1)(2)。過去2回は現職が落選しています(2)。11月21日に行われた選挙で現職の木幡氏が再選されました(1)。原発事故後で最初の現職当選です。今回当選した木幡氏も前職の小林氏も福島市出身ではありません。木幡氏は福島県飯舘村出身で(14)、高校は南相馬市にある原町高校です(15)。高校卒業後は都内の大学に進学し、中央省庁の官僚をしていました(14)。小林は高校こそは福島高校ですが、出身は伊達市で、高校卒業後は都内の大学に進学し、中央省庁の官僚を居ていました。福島市長選で落選しましたが、今度は出身の伊達市長選に出馬するとしています(16)。事故後に就任した福島市長は福島市と関係が薄い方が続いています。
木幡氏が2017年12月に福島市長に就任しましたが(14)、翌19年8月に黄色い防護服を着た少年の立像で、片手にヘルメット、もう片方の手に太陽を持っている。少年の胸部にある空間放射線量の線量計カウンターには「000」と表示されいる「サン・チャイルド」を設置し、多くの批判を浴びました(3)。
。

※(17)を転載
図―2 「サン・チャイルド」
福島市は仙台市に近く(新幹線で二十数分)、仙台経済圏に組みこまれています。多くの福島市民は、仙台でお買い物をします(18)。その分だけ、福島市の空洞化は深刻です。2020年8月に、福島市唯一の百貨店「中合」が閉店しました。これで福島市は全国でも珍しい百貨店の無い県庁所在地になりました(19)。福島市の空洞化は進展しました。そして、木幡市長は福島市は「中合」閉店阻止をしませんでした。「中合」はダイエーの100%子会社ですが(19)、ダイエーはイオンの100%子会社です(20)。「中合」はイオンの100%孫会社です。イオンのビジネスモデルは徹底した行政との癒着です。行政の意向を取り入れた店舗運営を行う代わりに、行政から便宜を受ける手口です。イオンでは各地で福島産のさかなを販売しています(21)。(=^・^=)の住む街でも販売されて大変に不愉快な思いを時々します。福島県浪江町は原発事故で全域に避難指示がだされました。その後に避難指示が主要部分で解除されましたが(22)、現在(2021年10月末)、住んでいる住民は1,753人です(23)。そこに出店しました(24)。福島産魚の販売にしても、浪江出店にしても赤字なはずです。それでも実行するのは行政の意向です。イオンは福島市のすぐ北の伊達桑折インターチェンジ付近に大規模なショッピングモールの建設を進めています。進めるには福島市等の行政の同意が必要でした。福島市は 福島駅周辺の店と競合しない新しい機能が相当程度含まれる」「シネマコンプレックス(複合映画館)は設けず、(福島駅近くの)イオンシネマ福島と、イオン福島店=福島市南矢野目=は営業を継続する」との説明を受け、出店に同意しました(25)。この説明に「中合」の存続も含めるべきでしたし、可能だったはずです。
以下に福島市の各年10月から翌年9月までの1年間の出生数を示します。

※(11)を集計
図-3 各年10月から1年間の出生数
現市長が就任した後の2018年以降に大きく減っています。4年間合計の数値を記載すると
概ね元市長時代(2009年10月~13年9月) 8,728人
概ね前市長時代(2013年10月~17年9月) 8,611人(1%減)
概ね現市長時代(2017年10月~21年9月) 7,225人(16%減)
で、現市長が市長に就任してから大きく減っています。彼の失政で福島市は少子化が進みました。現市長が一期目の実績をまとめた政策集で、保育所の待機児童の解消に「公約達成」と記しています(26)。無論、現市長の行政手腕によるもでなく、出生数の大幅減少という失政によるもです。現、福島市長の4年間を振り返ると
①市長の意向で放射線量「0」のモニュメントを展示(3)。
②百貨店の閉店など、市内中心部の空洞化が進展(4)。
③少子高齢化の加速
などが起こり、福島の問題をより深刻化させました。現市長は再選を果たし(1)続投します。福島市の未来は暗そうです。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島市の未来を暗くしているのに、福島市民の福島産忌避もあると思います。
福島を代表する畜産物に牛肉があります(27)。福島の牛肉は良質な霜降りをもち、軟らかな肉質で「牛肉の傑作」と呼ばれます(28)。福島県は福島産は「安全」だと主張しています。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。

※(29)を引用
図-4 福島産牛肉が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
現職木幡氏が再選 福島市長選 | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS(2)
小林香 (政治家) - Wikipedia(3)
福島に設置のヤノベケンジ《サン・チャイルド》が撤去へ。時期と収蔵先などは未定|美術手帖(4)
中合 - Wikipedia(5)
福島市 - Wikipedia(6)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会⇒
福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和2年8月25日~10月30日測定)(7)
第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会⇒
資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB(8)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(9)
福島県 - Wikipedia(10)
ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -(11)
福島県の推計人口(令和3年10月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(12)
群馬県 - Wikipedia(13)
山口県 - Wikipedia(14)
木幡浩 - Wikipedia(15)
福島県立原町高等学校 - Wikipedia(16)
小林香 (政治家) - Wikipedia(17)
めげ猫「タマ」の日記 福島市の子供像に批判、放射線「0」などあり得ぬ(18)
仙台経済圏 - Wikipedia(19)
中合 - Wikipedia(20)
>ダイエー - Wikipedia(21)
イオンが福島魚コーナー常設/県、漁連と協業し首都圏5店 / みなと新聞 電子版(22)
浪江町 - Wikipedia(23)
浪江町ホームページ トップページ(24)
福島県浪江町に「イオン浪江店」オープン|イオン株式会社のプレスリリース(25)
イオン出店、隣接の福島市が容認へ 25年前から構想:朝日新聞デジタル(26)
【木幡市政2期目】県都発展へ政策遂行を(11月22日) | 福島民報(27)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(28)
福島牛 - ふくしまプライド。(29)
福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ(30)
いちい 福島西店のチラシ・特売情報 | トクバイ
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- 2021/11/23(火) 19:43:38|
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