福島県の地方紙・福島民報は1月20日付社説で
「あんぽ柿の地理的表示(GI)保護制度への登録申請を進めている認可されれば<中略>ブランド力の強化につながる。」
と論じていた(1)。でも、福島産あんぽ柿は放射能汚染を払拭するデータがなく、ブランド力の強化は不可能である。
福島の冬の特産品にあんぽ柿(あんぽがき)があります(2)。あんぽ柿は渋柿を硫黄で燻蒸した干し柿で、ドライフルーツの一種です。福島県伊達市が発祥の地であり、同市の特産品です(3)。以下に伊達市を示します。

※1(4)(5)にて作成
※2 旧避難区域は(6)による
図-1 福島県伊達市
図に示す様に旧避難地域に隣接し、ICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(7)を超えた地域が広がっています。避難地域が設定されなかった市町村で局所的に放射線量が高いとされる特定避難勧奨地点(8)が設定されたのでは同市だけです。伊達市は避難指示が出なかった市町村では最も汚染が酷い市です。以下にあんぽ柿の精密検査結果を示します。

※1(9)を集計
※2 基準値は(10)による。
図―2 伊達市産あんぽ柿の検査結果
図に示すよう今年も基準超が見つかりました。
ところが福島はこれを安全だとして、出荷しています。簡易検査ですが基準値以下であるとして、出荷しています。簡易検査は、伊達市の他、福島市、桑折町、国見町産も対象になっています。簡易検査なので、検査合格品の一部を抜き取り検査にかけて基準値(1キログラム当たり100ベクレル)以下であることを説明すれば、簡易検査が正しいとの根拠になるのですが、そのようなデータは載せていません。単に概念を説明しているだけです。一方で、簡易検査装置が概念通りにできているとのデータはありません。
更にもっと不安な事がかります。1キログラム当たりですが、
精密検査 24件中50ベクレル以上 3件(12.5%)
簡易検査 1,205、224件中50ベクレル以上42件(0.0035%)
で、まったく値が合いません。このような事が偶然に起こる確率を検査したら「0」でした(11)。以下に偶然に起こる確率の検査結果を示します。
表‐1 偶然に起こる確率の検査結果
※計算方法は(12)による。

このあんぽ柿について、福島県の地方紙・福島民報は「【あんぽ柿百年】産地活性化の好機に(1月20日)」との社説で
「JAふくしま未来は、あんぽ柿の地理的表示(GI)保護制度への登録申請を進めている。伝統的な生産方法や産地の気候・風土・土壌などの特性が、品質や評価の高さと結び付いている農林水産物を知的財産として国が保護する制度だ。認可されれば「南郷トマト」(南会津町)に次いで県内二品目となり、ブランド力の強化につながる。」
と論じていました。
この地区で、あんぽ柿を扱うのは社説で取り上げた「JAふくしま未来」の他に「専門農協である伊達果実農業協同組合」があります(3)。一方にだけブランドを認めてよいかは疑問にがあります。それ以前に図‐2に示しよう精密検査では、基準超が出ています。一方で簡易検査でが、基準超は殆どなく、検査の整合がありません。簡易検査で安全が担保されるとは言い難い状況です。これでは社説が主張する「ブランド力の強化」など無理です。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島産はさしたる根拠もなく「安全」とされます(13)。そして、福島の皆さまも福島産が「安全」とは考えていません。
福島の冬を代表する果物にイチゴがあります(14)。福島県須賀川市ではイチゴ狩りが楽しめます(15)。同市はイチゴの季節です。イチゴは同市あたりの特産品です(16)。同市のイチゴは美味しいとの事です(17)。福島県は福島産は「安全」だと主張しています(18)。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。

※(19)を引用
図―3 福島産イチゴが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県須賀川市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
あんぽ柿百年】産地活性化の好機に(1月20日) | 福島民報(2)
あんぽ柿について | ふくしまの果物 | JA全農福島(3)
あんぽ柿 - Wikipedia(4)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会⇒
福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和2年8月25日~10月30日測定)(5)
第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会⇒
資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB(6)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(7)
特定避難勧奨地点とは - コトバンク(8)
ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -(9)
報道発表資料 |厚生労働省(10)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(11)
あんぽ柿検査情報 | 冬 | JA全農福島
検査情報(12)
めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A Q18.統計的な差ってなんですか?(13)
めげ猫「タマ」の日記 「福島産は安全」には科学的根拠が無い(14)
冬 | ふくしまの果物 | JA全農福島(15)
2022年01月15日(土) 20:00時間無制限で食べ放題の観光イチゴ園 9種類を思う存分味わって <福島県須賀川市>(FTV) (16)
特産品 - すかがわ岩瀬 | JA夢みなみ(17)
おざわ農園 - 食品 / 須賀川市 - ふくラボ!(18)
福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ(19)
ザ・ビッグ須賀川店 | 宮城県、福島県のイオングループのスーパーマーケット「ザ・ビッグ」 | マックスバリュ南東北
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- 2022/01/24(月) 19:45:15|
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