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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

南相馬市長再選-未来は暗い‐

 1月23日の南相馬市長選で現職が再選を果たしました(1)。お祝いしたのですが、同市は
・避難指示解除10年経ても残る汚染
・若い女性が逃げて行く
・事故前に比べ半減した出生
・減少が続く人口
・回復しない一次産業
・回復しない交流人口
との状況にあり、未来は暗そうです。
 福島県南相馬市は福島県沿岸部北部にある市です(2)。以下に示します。
事故10年目も汚染されている福島 凡例 
 ※1(3)(4)にて作成
 ※2 避難地域は(5)による。
 図―1 福島県南相馬市

 事故で汚染され図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(6)を超えた地域が広がっています。原発事故11年近くになりますが、南相馬市は汚染されたままです。
 先の原発事故で汚染され、850万円の賠償が出た避難区域、180万円の賠償が出た緊急時避難準備区域、70万円しか賠償が出ないその他の地区の3分割されました(7)。以下に示します。
事故で3分割された南相馬市  凡例
 ※1(3)(4)にて作成
 ※2 旧避難地域および旧緊急時避難準備区域は(5)による。
 図―2 福島県南相馬市の避難区域

 今からおおよそ10年前の2011年6月に同市には10代後半女性が合わせて1,442人いました。それから10年を経て、彼女たちは20代後半になっています。2021年6月の20代後半女性は509人です(9)。残ったのは全体の35%(509÷1,442×100)で、2010年6月当時は10代前半だった女性の3分の2近くが、この10年間で去っていきました。以下に10代後半の方が10年後に残っている割合を示します。
事故後に加速した若い女性の南相馬市脱出
 ※1(9)を集計
 ※2 日付けは10代後半時点
 図―3 南相馬市の10代後半の方が10年後に残っている割合

 事故前から若い方の脱出はありました。事故前の2001年から2011年3月では男性75%、女性66%で、男女とも70%前後です。それが事故後に女性は大きく落ち込みました。
 福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。
福島の綺麗な女性
※(10)をキャプチャー
 図―4 福島の綺麗な女性

 何処へいっても歓迎されます。あえて汚染されている福島に残る必要はありません。
 若い女性がいなくなれば赤ちゃんが生まれなくなります。以下に各年1年間(通年)の出生数を示します。
減少が続く南相馬市の出生数
 ※(9)を各年1年間(通年)で集計
 図―5 南相馬市の出生数

図に示しようにどんどん減っています。数値を記載すると
 事故前(2010年)579人(男の子294人、女の子285人)
 昨年(2021年) 284人(男の子138人、女の子146人)
で半分以下になりました。これからも減って行きます。
 子供が生まれなくなり、転出が増えれば人口が減ります。以下に同市の人口の推移を示します。
住民が減少する南相馬市
 ※1(2)(9)を集計
 ※2 2021年12月は現住人口、他は国政調査
 ※3 旧避難区域の居住者は(11)による。
 図-6 南相馬市の人口

 図に示す様に事故後に大幅に減っています。数値を記載すると
  事故前(2010年10月)70,895人
  2015年10月(事故後)57,797人(旧避難区域外 57,797人、避難区域人0人)
  2020年10月(事故後)59,053人(旧避難区域外 55,748人、4,305人)
  2022年 1月(事故後)58,146人(旧避難区域外 53,786人、4,360人) 
です。2015年から20年にかけては南相馬市の人口は増えているのですが、2015年の国勢調査後の2016年に同市の南部に出されていた避難指示が概ね解除され(2)(5)、住民が戻るようになったためです。旧避難区域外の人口で見れば、減少しています。2020年10月に比べ現住人口ですが2021年12月の人口は減っています。
 南相馬市の人口減は継続しています。主な要因は若い女性を中心とした市外への人口流出とそれに伴う出生減です。
 以下に南相馬市の一次産業生産額の推移を示します。
回復しない南相馬市の一次産業
 ※(12)を集計
 図―7 南相馬市の一次産業生産額

 図に示しように、事故後に急激に落ち込みそのままです。
南相馬市の中心駅は原ノ町駅です(2)。以下に乗車人員の推移を示します。
回復しない原ノ町駅の乗車人員
 ※(13)を集計
 図―8 原ノ町駅の乗車人員

 図に示すようにこちらも回復していません。2020年3月に常磐線が全通し、仙台駅発着の「ひたち」の運転が再開しました(14)。原町駅にも停車し(13)、同駅から東京方面への直通特急が再開しました。原町駅の1日当たりの乗車人員は
 2019年度 1,031人
 2020年度   838人
で、東京方面の特急が復活したのに乗車人員は減っています。
 以下に南相馬市の観光客入込数を示します。
回復しない南相馬市の観光客
 ※(15)を集計
 図-9 南相馬市の観光客入込数

 このうち「セデッテかしま」は、常磐道・南相馬鹿島サービスエリアに併設された物販観光施設で(16)、観光施設と言うよりは、高速道路のサービスエリアに併設された施設とみた方がようので、除外してみる必要があります。すると図に示す様に、原発事故後に大幅に減少しました。その後は、増加に転じたのですが2015年をピークに減少に転じ、事故前(2010年)に比べ大幅に減少したままです。
 1月23日の南相馬市長選で現職門馬和夫氏が再選を果たしました(1)。
 南相馬市長選・現職再選を報じる福島県の地方紙・福島民報
※(17)を1月24日に閲覧
 図-10 南相馬市長選・現職再選を報じる福島県の地方紙・福島民報

お祝いしたのですが、同市は
・避難指示解除10年経ても残る汚染
・若い女性が逃げて行く
・事故前に比べ半減した出生
・減少が続く人口
・回復しない一次産業
・回復しない交流人口
との状況にあり、未来は暗そうです。 

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 多分、南相馬市の復興に最も必要な事は若い女性が魅力を感じる街づくりをして、若い女性の流出を止めるころだと思います。でも、同市の復興の目玉は「ロボットテストフィールド」のようです(18)。これに若い女性が興味を持つは疑問です。
 福島県の地方紙・福島民報は「【南相馬市長再選】課題解決に全力を(1月24日)」との社説で
「明るい兆しも見えている。二〇二〇年に実施された国勢調査で、南相馬市は県内十三市で唯一、前回調査より人口が増加した。」
と論じていました(19)。でも、人口が増加したのは避難指示が解除され一部ですが住民が戻って来たためであり、住民の帰還がとまれば再び人口は減少します。福島13市中で2015~20年の間に避難指示が解除されたのは南相馬市だけです。福島では根拠の無い明るい話題が横行しているようです。こんな福島では福島の皆さまは不安だと思います。
 福島を代表するの冬野菜にシイタケがあります(20)。福島のシイタケは美味しいとの事です(21)。福島県は福島産は「安全」だと主張しています(22)。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産シイタケはありません。
他県産
 ※(23)を引用
 図-11 福島産シイタケが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県須賀川市の皆様を見らない「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)南相馬市長選 現職門馬氏が再選 前市長桜井氏破る | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
(2)南相馬市 - Wikipedia
(3)南相馬市 - Wikipedia
(4)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和2年8月25日~10月30日測定)
(5)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(6)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(7)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(8)原発】【福島】10分で分かる原発賠償の全容|月刊 政経東北|note
(9)福島県の推計人口(令和4年1月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(10)福島県内ニュース|KFB福島放送
(11)避難指示区域別居住状況/南相馬市公式ウェブサイト -Minamisoma City-
(12)福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(13)>原ノ町駅 - Wikipedia
(14)ひたち (列車) - Wikipedia
(15)統計資料一覧 - 福島県ホームページ
(16)南相馬鹿島サービスエリア - Wikipedia
(17)福島民報社 福島県のニュース 福島県の新聞社
(18)福島ロボットテストフィールド/南相馬市公式ウェブサイト -Minamisoma City-
(19)【南相馬市長再選】課題解決に全力を(1月24日) | 福島民報
(20)冬 | ふくしまの野菜 | JA全農福島
(21)いわき菌床椎茸組合 いわきの逸品
(22)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(23)ザ・ビッグ須賀川店 | 宮城県、福島県のイオングループのスーパーマーケット「ザ・ビッグ」 | マックスバリュ南東北
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  1. 2022/01/27(木) 19:53:57|
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