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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

嘘だらけの学校配布・海洋放出PRビラ


 岸田政権は福島第一汚染水の海洋放出が「安全」する2種類のビラを、教育員会を通さずに学校に配布しました(1)。元のビラを見たら
 経産省作成ビラ
  「廃炉作業は、地下水との闘いです。」(2)⇒廃炉作業の最大の難関はデブリの取り出し(3)
 復興庁作成ビラ(4)
 「トリチウム(三重水素)は身の回りにたくさんあります」⇒福島第一汚染水のトリチウムは海水(表層)の約200万倍です((=^・^=)の計算)
 「トリチウムの健康への影響は心配ありません」⇒トリチウムは他の放射性物質と異なりDNAに取り込まれるので同一視できないとの意見があります(5)。
 「取り除けるものは徹底的に取り除き」⇒汚染水の最終形態である「処理水」では、法的根拠による基準(告示限度比)(6)を超える放射能がトリチウム以外でも見つかっています(7)。
と嘘を羅列しています。
 福島第一原発では、法的根拠による基準(告示限度比)(6)を超える放射能に汚染された汚染水が発生しています。以下に福島第一汚染水のトリチウム濃度を示します。
法定限度を超えるトリチウムに汚染されている福島第一汚染水
 ※1(8)(9)を集計
 ※2 法定限度は(10)による
 図-1 汚染水のトリチウム濃度

 図に示すように、福島第一原発の汚染水は処理装置で処理しても「水」の中に法定限度を超える放射能が含まれています。言い換えるなら法定限度を超える放射能に汚染された「汚染水」です。ところが東京電力などは「処理水」と呼んでいます(11)。
 現状は海に流せないので東京電力は福島第一構内に汚染水タンクを作り保管しています。
どんどん増える福島第一汚染水
 ※(12)(13)を集計
 図―2 どんどん増える福島第一汚染水

 最新の発表(14)を集計すると、東京ドーム一杯分の容積124万立方メートル(15)を超える132万立方メートルの汚染水が溜まっています。そこで、自公政権は汚染水の「海洋放出」を昨年に決めました(16)。
汚染水海洋放出決定を報じる福島県の地方紙・福島民報号外
 ※(17)を2011年4月13日に閲覧
 図-3 「海洋放出の決定を」と報じる福島県の地方紙・福島民報号外

 これについては多様な意見があります。2018年に開かれた公聴会では海洋放出に反対する多くの意見がでました(18)。2020年末に朝日新聞が実施した与論調査では、海洋への放出には「賛成」は32%にとどまり、「反対」が55%でした(19)。こうしたなか、自公政権は汚染水の海洋放出をPRするチラシを作成しました(2)(4)。これを市町村教委に知らせずに、昨年末から全国の学校に送りつけました(1)。多様な意見や反対世論を無視して海洋放出について、「安全な状態で処分される」などと紹介しています(1)。
 以下に資源エネルギー庁作成のビラを示します。
「廃炉作業は、地下水との闘いです。」と記述する資源エネルギー庁のビラ 桜並木で終わる資源エネルギー庁作成のビラ
 (a)1枚目           (b)二枚目
 ※(2)を引用
 図ー4 資源エネルギー庁作成のビラ

 「嘘」に満ちています。「廃炉作業は、地下水との闘いです。」と表記しており、汚染水処理が廃炉の最重要課題のような書き方です。でも、廃炉作業の最大の難関はデブリの取り出しす(3)。そのデブリ取り出しは昨年末までに始める計画でしたが、実施できませんでした(20)。だいたい2011年12月に廃炉を30~40年で完了する計画を発表しました(21)。あれから10年が経過したので、あと20~30年です。あと30年で、廃炉ができるか不透明です。
「浄化処理した水を安全に処分していきます。」と記述していますが、図ー1に示す通り汚染水を浄化装置に通しても、告示限度比を超えたトリチウムが残っており,浄化はできていません。本文中には「 『環境や生物が汚染される』といった、事実とは違う
認識」との記述」とあります。今年の1月に福島県漁連は福島県相馬市沖で採れたクロソイから、基準値の1キログラム当たり100ベクレル(22)の14倍の同1,400ベクレルのセシウムが見つかったと発表しました(23)(24)。
福島産クロソイから基準値の14倍のセシウム検出を報じる福島県のローカルTV局・FTV
 ※(25)をキャプチャー
 図-5 福島産クロソイから基準値の14倍のセシウム検出を報じる福島県のローカルTV局・FTV

事故から11年近くが経過しましたが、福島の海からは「放射能汚染魚」が見つかっています。「環境や生物が汚染される」とゆうのは、事実とは違いません。
 最も違和感を抱いたのは最後の桜を並木(多分、福島第一原発構内)を歩く方く廃炉作業員らしき方です。福島第一原発事故の東電対応を美化した映画に「Fukushima 50」があります(26)。テレビでも放映されたので(=^..^=)も見ました。ラストシーンは避難区域の並木を歩く東電社員様です。このチラシと最後がにているように思えます。この映画のラストの「現場の「英雄」たちの活躍によって原発事故が収束し、復興が着実に進んでいるかのように印象づけるエンディング。」で違和感があるそうです(27)。福島第一の廃炉作業は順調とは言えません(20)。(=^..^=)ミは大変な違和感を覚えます。
 以下に復興庁庁作成のビラを示します。
「トリチウム(三重水素)は身の回りにたくさんあります」と記述する復興庁のビラ 「取り除けるものは徹底的に取り除き」と記述する復興庁のビラ
 (a)1枚目           (b)二枚目
 ※(4)を引用
 図ー6 復興庁作成のビラ

このビラには
 「トリチウム(三重水素)は身の回りにたくさんあります」
との記述があります。原子力施設の周辺を除けば海水(表層)に含まれるトリチウムは1リットル当たり0.1ベクレル以下です(28)。図ー1に示すように福島第一汚染水のトリチウム濃度は低いものでも約20万ベクレルで、身の回りの約200万倍です。汚染水は1リットル当たり1,500ベクレルに薄めて海に投棄するそうです(29)。これでも15,000倍です。身の回りのトリチウムは福島第一のトリチウムに比べ極微量です。たくさんある訳ではありません。
 このビラには
 「トリチウムの健康への影響は心配ありません」
との記述があります。ところが、トリチウムは他の放射性物質と異なりDNAに取り込まれるので同一視できないとの意見があります(5)。セイラフィールドはイギリスの再処理工場で2015年に年間1,540兆ベクレルのトリチウムを海に流しています(30)。ここの周辺(セラフィールド、ドーンレイ)で小児白血病の発生率が全国平均よりはるかに高いことが1983年発表され、その主たる原因は再処理施設から放出された放射性物質によるものではないかという疑いがもたれています(31)。原因は特定されておらず、放射性物質の影響も否定できません。セイラフィールドの白血病の原因が特定されない限りにおいては「トリチウム」を安全と言い切るのは無理です・
 このビラには
 「取り除けるものは徹底的に取り除き」
との記述があります。東京電力はALPS等の汚染水処理装置でトリチウム以外の放射性物質は取り切れるとしています(32)。ところが汚染水の最終形態である「処理水」では、法的根拠による基準(告示限度比)(6)を超える放射能がトリチウム以外でも見つかっています(7)。「取り除けるものは徹底的に取り除き」は嘘です。
 岸田政権は福島第一汚染水の海洋放出が「安全」する2種類のビラを、教育員会を通さずに学校に配布しました(1)。このビラには
  「廃炉作業は、地下水との闘いです。」(2)⇒廃炉作業の最大の難関はデブリの取り出し(3)
 「トリチウム(三重水素)は身の回りにたくさんあります」(2)⇒福島第一汚染水のトリチウムは海水(表層)の約200万倍です((=^・^=)の計算)
 「トリチウムの健康への影響は心配ありません」(2)⇒トリチウムは他の放射性物質と異なりDNAに取り込まれるので同一視できないとの意見があります(5)。
 「取り除けるものは徹底的に取り除き」(2)⇒汚染水の最終形態である「処理水」では、法的根拠による基準(告示限度比)(6)を超える放射能がトリチウム以外でも見つかっています(7)。
と嘘を羅列しています。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 このビラの基本は
 ①比較をしないこと
 ②危険が証明されていなければ「安全」だと言い切ること
だと思います、でも「安全」ははずの原発が大事故を起こしたには事実です。「安全」を主張するには「安全」が科学的に証明されていなくてはありません。そしてこのような「嘘」に満ちたビラを子供達に送りつける岸田政権では福島の皆様は不安だと思います。
 福島の冬を代表する果物にイチゴがあります(33)。今、須賀川市ではイチゴ狩りが楽しめます(34)。同市はイチゴの季節です。イチゴは福島県須賀川市あたりの特産品でもあります(35)。同市のイチゴは美味しいとの事です(36)。福島県は福島産は「安全」だと主張しています(37)。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
 ※(38)を引用
 図―7 福島産イチゴが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県須賀川市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)「原発処理水は安全」国が学校にチラシ 被災3県、配布見合わせも | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
(2)復興のあと押しはまず知ることから
(3)最難関デブリ取り出し 工法の決定“1年遅れ”に|テレ朝news
(4)ALPS(アルプス)処理水について知ってほしい3つのこと
(5)DNAの中にまで入り込むトリチウムの特別な危険性
(6)安全・安心を第一に取り組む、福島の“汚染水”対策④放射性物質の規制基準はどうなっているの?|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁
(7)多核種除去設備等処理水の 二次処理性能確認試験の状況等
(8)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果|アーカイブ|東京電力中の「水処理設備の分析結果⇒水処理設備の放射能濃度測定結果 」
(9)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果アーカイブ|データ|東京電力ホールディングス株式会社の「水処理設備の分析結果」
(10)周辺の分析結果ー分析結果 - 廃炉プロジェクト|データ|東京電力ホールディングス株式会社
(11)処理水ポータルサイト | 東京電力
(12)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(13)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社
(14)⇒2月⇒ 21日
(15)東京ドーム (単位) - Wikipedia
(16)廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議
(17)福島民報社
(18)多核種除去設備等処理水の取扱いに係る説明・公聴会 (METI/経済産業省)
(19)福島原発の処理水、海洋へ放出「反対」55% 世論調査:朝日新聞デジタル
(20)【ふくしま現在地】(1)「廃炉」 見通せない完了時期 デブリ取り出し、課題山積 | 福島民報
(21)2011年のアーカイブ - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社
(22)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(23)JF福島漁連相馬双葉地区 ⇒125ページ、2022/1/16
(24)福島沖の魚で再び基準超え | 福島民報
(25)"2022年01月27日(木) 19:15 福島県沿岸の水揚げ量が震災後最多に…一方で「クロソイ」が基準超えで自主回収(FTV)
(26)Fukushima 50 (映画) - Wikipedia
(27)Fukushima50は事実を伝えているか 東日本大震災9年の日、映画に感じた違和感 | 47NEWS
(28)新潟県内の環境水中トリチウム濃度レベル(第 2 報)
(29)福島の海洋放出水をみなで持ち帰る「放出水シェア運動」を展開しよう | COLUMN | 原子力産業新聞
(30)多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(第16回)‐配布資料(METI/経済産業省)資料4 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会 取りまとめ(案)(PDF形式:2,109KB)
(31)英国における原子力施設周辺の小児白血病 (09-03-01-01) - ATOMICA -
(32)多核種除去設備 (ALPS)|東京電力
(33)冬 | ふくしまの果物 | JA全農福島
(34)時間無制限で食べ放題の観光イチゴ園 9種類を思う存分味わって <福島県須賀川市>
(35)特産品 - すかがわ岩瀬 | JA夢みなみ
(36)おざわ農園 - 食品 / 須賀川市 - ふくラボ!
(37)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(38)ザ・ビッグ須賀川店 | 宮城県、福島県のイオングループのスーパーマーケット「ザ・ビッグ」 | マックスバリュ南東北
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  1. 2022/02/27(日) 19:47:59|
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