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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

住民の帰還が止まった川俣町山木屋(2022年3月)

 2017年3月末に避難指示が解除された福島県川俣町山木屋(1)の居住者は
 事故時(2011年3月) 1,259人
 ピーク(2019年11月)  355人
 先月(2022年2月)    340人
 今月(2022年3月)    340人
で、減少ないし横ばいが続いています。住民の帰還は止まりました。山木屋と町の中心部を結ぶ新しいトンネルが開通したのですが(3)、住民を呼び戻すことはできませんでした。
 福島県川俣町は阿武隈高地の北部に位置する山村です。福島事故で放射能が飛んで来て町は汚染されました。
事故から11年を経て汚染されている福島  凡例 
 ※1(4)(5)にて作成
 ※2 旧避難区域は(6)による。
 図―1 福島県川俣町

 図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(7)を超えた地域が広がっています。事故から11年目近くになりますが、福島も汚染されています。
 事故後5年間(2011年3月から2016年2月)に生まれた赤ちゃんは
 男の子 141人
 女の子 182人
で女の子が多く生まれています。偶然に起こる確率を(=^・^=)なりに計算すると統計的に差があるとされる5%を下回る2.3%でした(8)。
 通常は男の子が多く生まれるので(9)異常な事態です。福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。
福島の可愛い女の子
 ※(10)を引用
 図―2 福島の可愛い女の子

でも喜んでばかりはいられないようです。放射性影響研究所は広島や長崎で遺伝的な影響が無かった根拠の一つに生まれて来る赤ちゃんの男女比(出生性比)に異常がなかったことをあげています(11)。さらには福島事故で設定された避難区域の全てないし大部分が「計画的避難区域」だったのは川俣町の他に飯舘村、葛尾村がありますが、どちらも川俣町と同じように事故後に女の子が多く生まれています(12)。広島や長崎で起きて無い事が福島では起きているようです。広島や長崎で起きていない事がフクシマで行きました。広島や長崎のデータを持ってきて福島は「安全」と言うのは非科学的です。それでも、自公政権は「安全」であるとして(12)2017年3月31日に川俣町山木屋の避難指示を解除しました(1)(6)。 以下に15歳未満の子ども(多分全員が避難中(14))人数を示します。
子供避難者が減っている川俣町山木屋
 ※(2)を集計
 図―3 川俣町山木屋の15歳未満の人口(含む避難者)

 図に示す通りどんどん減っています。数値を記載すると
  2017年4月1日 72人(町内30人、町外42人)(避難指示解除翌日)
  2022年3月1日 20人(町内 4人、町外16人)
です。そして2018年4月に再開した小学校は、6年生5人が19年3月に卒業し、児童が「0」になりました(15)。今、山木屋にある学校に中学生が7人いますが(16)、この中で山木屋の小学校からそのまま中学校に進んだ生徒はいません。
 以下に川俣町山木屋の帰還者・避難者数を示します。
住民が戻らない川俣町山木屋
 ※1(2)を集計
 ※2 事故時の人口は避難者+避難修了者+死亡者で(2)を集計
 図―4 川俣町山木屋の帰還・避難者数

 図に示しように住民が戻りません。数値を記載すると
 事故時1,259人中居住340人(27%)(2)
です。さらに居住者は
 ピーク(2019年11月)  355人
 先月(2022年2月)    340人
 今月(2022年3月)    340人
で、減少ないし横ばいが続いています。住民の帰還は止まりました。3月18日に山木屋と町の中心部を結ぶ国道114号に新しいトンネルが開通したのですが(3)、住民を呼び戻すことはできませんでした。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 同じ避難区域でもお隣の飯舘村は巨額の費用をかけて住民の呼び戻しを図っています(17)。でも、川俣町山木屋ではこのような積極策がとれません。山木屋の皆さんは東京電力から精神的賠償として850万が支払われましたが、山木屋以外の川俣町民は12万円です(18)。いわゆる「賠償格差」です。とくに自主避難された方は面白くないと思います。同じ川俣町からの避難者でも、山木屋とそれ以外では大きく違います。山木屋だけの優遇策を実施したら多くの町民の不満が増します。ただし、山木屋の58歳の女性が避難生活で精神的に追い詰められ、うつ状態になり、自殺したと事例を裁判所が認定しました(19)。山木屋は強制避難であり、避難によるストレスは大きかったともいます。そして、避難対象とされたかった方も含め、不安は解消していません。
 福島県川俣町山木屋で養豚が行われています(20)。事故前は1万頭を飼育していたので(21)、山木屋最大の産業ではないかと推定しています。そこの豚はおいしいとの事です(20)。福島県は福島産は「安全」だと言っています(22)。でも、福島県川俣町のスーパーのチラシには福島産豚肉はありません。
他県産はあっても福島産豚肉が無い福島県川俣町のスーパーのチラシ
 ※(23)を引用
 図―5 福島産豚肉が無い福島県川俣町のスーパーのチラシ


 (=^・^=)も福島県川俣町の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)川俣町 - Wikipedia
(2)山木屋地区の居住の状況 - 川俣町公式ホームページ(過去分を含む)
(3)川俣・国道114号の泡吹地トンネル開通 急カーブが解消:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(4)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和3年8月31日~10月25日測定) 令和4年03月04日
(5)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(6)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(7)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(8)めげ猫「タマ」の日記 福島・川俣町山木屋、学校再開、子供の帰還は「0」
(9)出生性比
(10)https://www.fukushima-tv.co.jp/localnews/mode=detail&news_id=2022032000000011" target="_blank" title="2022年03月20日(日) 21:00 子どもたちが想う”ふるさと” 一年後には避難先から『学び舎』が戻る 福島県大熊町の3.11(FTV)
(11)原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 ? 公益財団法人 放射線影響研究所 RERF
(12)めげ猫「タマ」の日記 女の子が多く生まれる福島県田村市(2021年前半)
(13)国連報告者、福島事故の帰還で日本を批判  :日本経済新聞
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島・川俣町山木屋、学校再開、子供の帰還は「0」
(15)「小学校」存続へ正念場 川俣・山木屋、粘り強く郷土愛育む授業:東日本大震災7年7カ月特集:福島民友新聞社 みんゆうNet
(16)児童・生徒数 - 川俣町公式ホームページ
(17)公民館に11億円!飯館村の村民があきれるハコモノ復興計画 | 話題 | カナロコ by 神奈川新聞
(18)原発】【福島】10分で分かる原発賠償の全容|月刊 政経東北|note
(19)原発避難で自殺、東電に4900万円賠償命令 福島地裁 (写真=共同) :日本経済新聞
(20)グローバルピッグファーム株式会社 直営農場 本場 ・ はやま | ふくしまGAP(農業生産工程管理)チャレンジ
(21)まちの - 川俣町
(22)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(23)>いちい 川俣店のチラシ・特売情報 | トクバイ
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  1. 2022/03/26(土) 15:54:00|
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