食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。週末なので、今週(7月23日~27日)の食品中の放射性セシウムの検査結果をまとめてみました。先週同様(6)に今週もしっかり基準超えがでています。お買いものの参考になればいいかなと思います。
①検査数1,779件中36件の基準値超え(全体の2%)
②平均は、1キログラム当たり7.4ベクレル、最大は850ベクレル(宮城産クロダイ)
③基準超の食品は、宮城、福島、栃木で見つかっています(過去1か月でみると、これに岩手、茨城、栃木、群馬、千葉、神奈川、長野が加わります)。
※1集計期間7月23日から7月27日
※2牛肉を除く

図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(7月4週)
色分けは以下の通りです。
橙出荷制限・自粛対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
※ 基準値はおおむね1キログラム当たり100ベクレルです。
1.栃木のチチタケは去年は検査されていない
栃木県産のチチタケから、基準を超える1キロ当たり110ベクレルの放射性セシウム(死の灰)が見つかります。「栃木県では毎年のシーズンになるとこのキノコを目当てに山林に分け入り、遭難し死傷する者が後を絶たないほどの人気がある。」(2)そうです。去年はどうなこな心配になり、検査状況をまとめてみました。
表―1 チチタケの検査状況

2011年は、栃木県では検査されていません。でも、周辺の各県(福島、茨城)では検査されとんでもない値が出ています。会津地方のデータを見ると、去年は今年に比べ相当に高い値(2011年440(Bq/kg)MAX→2012年 ND)になっています。栃木県のチチタケも去年はとんでもない値であったことは容易に想像できます。でも、検査されていません。まさと思うのですが、基準外を出さないために去年は検査しなかったりして。
2.宮城県の特産品の検査状況
栃木県を代表するキノコのチチタケ?(2)が検査されていません。他の県ではどうか(=^・^=)は心配になりました。幸いに宮城県では、県のホームページで特産品を紹介しています(3)(4)。そこで宮城県が特産品として紹介している物(ただし、他県でセシウムが見つかっている)の検査状況を集計してみました。
表―2 宮城県特産品の検査状況

ほとんどが検査されてません。
3.上がり続ける福島県産のモモのセシウム。
福島県のモモの生産量は、全国の約20%です(5)。モモの5個に1個は福島県産です。いまのところ、最大でも1キログラム当たり30ベクレルで、基準以下のレベルです。でも、少し心配なことがあります。検査する度に放射性セシウム濃度が上がっています。以下に福島県伊達市産モモの放射性セシウム濃度の推移を示します。地域によるばらつきを防止するため伊達市に限定しました。

図―2 福島県伊達市産のモモの放射性物質濃度推移
最初は低かったのですがだんだん上がっていき、最後は基準越なんて・・・。木になっている間にどんどん放射性セシウムを取り込んでいたりして・・・
<余談>
食品の検査状況をみると(=^・^=)はいつも、不安・危険を感じます。それは、基準超えの食品をださない最良の方法は検査しないことだからです。
もし、1キロ当たり30ベクレルのモモからでる放射線がすべて見えたら、どうなるかアニメ(GIF)を作ってみました。

(=^・^=)は怪しげな産地の食品は食べるべきでないと思います。これは風評被害でなく、正当な自己防衛だと思います。
単位について不明であれば(7)をご覧ください。
―参考したサイト様および引用いた過去の記事―
(1)
農林水産省/厚生労働省(食品中の放射性物質の検査結果)(2)
チチタケ - Wikipedia(3)
食材王国みやぎ [復興応援版] | 宮城県運営の食情報発信ウェブサイト(4)
みやぎの食材カレンダー(大地の恵み編/主な地域特産品・伝統産品):食材王国みやぎ [復興応援版] | 宮城県運営の食情報発信ウェブサイト(5)
うつくしま旬の果物(もも)(6)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(7月3週)(7)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
スポンサーサイト
- 2012/07/28(土) 20:10:20|
- -
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
伊達市の桃農家です
桃の出荷はこれからが本番です
7月中下旬の出荷は全体の1割にも満たないです
よって、放射性物質の検出も少ないのは当然です
8月に入ると主力品種の「あかつき」の出荷になります
当然量が多くなります
農家は畑ごと、個人ごとに出荷するたびに検査します
昨年は100オーバーありましたが、今年も出るかもしれません
ハラハラドキドキしながらの収穫出荷です
もし、出荷されてどこかの検査機関で100オーバーが見つかれば、もう福島の第一次産業は終わりでしょう
- 2012/07/29(日) 13:41:36 |
- URL |
- kanno #GBcf1KNY
- [ 編集 ]
kanno様
コメントありがとうございます。
①JA伊達においては、福島県の検査とは別に既に1,683点のモモを検査し、すべてが50Bq/kg以下で、97.3%は検出限界(20Bq/kg)以下であること。
② 初出荷予定の7日程度前を基本に、検査用サンプル品を営農センターに送り、検査に合格した農家しか出荷が認められい。
ことも記載すべきでした。この場を借りて追記させて頂きます。
ただ気になることがあります。初出荷前ですので育ちの良い桃が優先的に検査されるような気がします。福島県伊達市のモモは福島県では、7月に12回発表されていますが、20Bq/kg以上が2個(20%)あります。JA伊達さんの検査結果の約10倍です。福島県の検査数が少ないせいかもしれませんが・・
福島県の検査数を増やすことはできないでしょうか?各種の農業統計を見るとと、日本のモモの15個に1個は福島県伊達市産だと思います。
> 伊達市の桃農家です
>
> 桃の出荷はこれからが本番です
> 7月中下旬の出荷は全体の1割にも満たないです
>
> よって、放射性物質の検出も少ないのは当然です
> 8月に入ると主力品種の「あかつき」の出荷になります
> 当然量が多くなります
>
> 農家は畑ごと、個人ごとに出荷するたびに検査します
> 昨年は100オーバーありましたが、今年も出るかもしれません
> ハラハラドキドキしながらの収穫出荷です
>
> もし、出荷されてどこかの検査機関で100オーバーが見つかれば、もう福島の第一次産業は終わりでしょう
- 2012/07/29(日) 19:20:18 |
- URL |
- めげ猫「タマ」 #-
- [ 編集 ]