6月中の福島県の人口動態が発表になったので(1)、各年前半(1~6月)の20代前半女性の社会減のを集計したら
事故前(2010年)3.0%減
昨年度(2022年)4.2%減
で、事故前より増えています。新型コロナも若い女性の福島脱出を止めることはできなかったようです。
福島は原発事故によって汚染されました。


※1(2)(3)にて作成
※2 避難区域は(4)による
図―1 特異的に汚染されている福島
図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(5)を超えた地域が広がっています。事故から10年以上が経過しましたが、福島は汚染されたままです。
既に除染は終っており(6)、今後は自然に放射線量が下がるのを待つしかありません。福島で放射線源はセシウム137です(7)。セシウム137は半分になるのに30年かかります。4分の1になるには60年、一桁下がるには100年がかかります(8)。若い方も含め、福島で暮らすことは一生涯に渡り放射能と暮らすことを意味します。
以下に過去1年の福島県の月別社会増減を示します。

※(1)を集計
図―2 福島の社会増減
図に示しように3,4月に顕著に動きます。前半(6月まで)を集計すればその年の社会増減が分かります。
福島県の4月中の人口動態が発表になったので(1)、2022年1~5月までのの年齢階層別の社会増減を集計してみました。

※(1)を集計
図―3 福島県の年齢階層別社会増減
図に示す様に20代前半女性で顕著です。数値を記載すると、20代前半の社会減は
男性 992人減
女性1,492人減
で(1)、男性より多くの20代前半女性が福島から逃げたしています。20歳前後は就職や大学進学といった新たな一歩を踏み出す時期です。福島の方は福島に残るか、去るかの選択を迫られる時でもあります。そして多くの若い女性が福島県外からのスタートを決断したようです。
事故前から若い方の福島脱出はありました。以下に各年1~6月の福島県の20代前半の社会増減を示します。

※(1)を各年1~6月で集計
図-4 福島の20代前半の社会的増減
図に示すように女性の減少が顕著です。20代前半女性の1~6月の社会減は
事故前(2010年)1,442人
今年(2022年) 1,492人
で、事故前より若干増えています。ただし、各年1月1日時点の20代前半女性の人数は
事故前(2010年)47,011人
今年(2022年) 35,252人
で25%減っています。そこで割合を算出しました。以下に示します。

※(1)を各年1~6月で集計
図-5 福島の20代前半の社会的増減の割合
図に示すように女性の脱出割合が増加しています。数値を記載すると男性では
事故前(2010年)1.9%減
昨年度(2022年)2.4%減
で、0.5%の増加ですが、女性は
事故前(2010年)3.0%減
昨年度(2022年)4.2%減
で、1.2%の増加です。
今から5年前の2017年7月に福島には44,733人の10代後半女性がいました。5年が経ち彼女達は20代前半になっています。今年(2022年)7月の福島の20代前半女性は29,543人で(1)、残ったのは65.8%です。2017年7月時点で10代後半だった福島の女性のうち3分の1以上の方が、この5年間で福島から逃げ出しています。以下に福島の10代後半の方が5年後に残っている割合を示します。

※1(1)を集計
※2 日付けは10代後半時点
図―6 福島の10代後半の方が5年後に残っている割合
事故前から若い方の福島脱出はありました。事故前の2001年から2006年3月までの平均を取ると男性76%、女性74%で、男女に大きな差はありませんでした。それが近々の2017年5月時点で、10代後半の方が5年後に福島に残っている割合は男性74%、女性65%で、男性は変わりありませんが、女性は大きく落ち込みました。事故後に福島の若い女性の逃げ出しています。
一昨年より新型コロナウイルスが全国に広がっています(8)。福島などの東北地方は感染者が少ないとされます(9)。以下に上位都府県、福島、全国平均の累積の人口10万人当たりの感染率を示します。

※(9)(10)を集計
図―7 上位都府県、福島県と全国の新型コロナ感染率
図に示すように福島県は全国平均よりも低くなっています。福島の皆様の福島脱出は、被ばくリスクが下がる代わりに新型コロナ感染リスクが高まることを意味ます。新型コロナの流行も福島の女性の福島脱出を止めることはできていません。
福島の合計特殊出生率は1.39です(11)。一人の若い女性が福島を去ることをは、彼女が将来産むであろう1.39人の子どもも一緒に去って行くことを意味します。
以下に各年6月から翌年5月までの福島での赤ちゃん誕生数を示します。

※(1)を各年度
図―8 福島の赤ちゃん誕生数
年々減り続けています。数値を記載すると
事故前(2009年7月~10年6月) 15,809人(男の子8,130人、女の子7,679人)
近々1年(2021年7月~22年6月)10,328人(男の子5,295人、女の子4,969人)
で、事故前に比べ35%減っています。
福島からは若い女性が去ってき、子供が生まれなくなり、老人と男だけになります。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島の若い女性は新型コロナより放射能汚染を恐れているようです。福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。

※(12)を引用
図―9 福島県の綺麗な女性
何処へいっても歓迎されます。敢えて、汚染されているフクシマに残る必要はありません。福島の人口減少が止まりません。事故直前の2011年3月の人口は約202万人でした。それが今年6月に180万人をきりました(1)。この11年で1割以上減っています。復興どころか福島は確実に衰えて行ます。福島の皆様は11年間、放射能を注意した生活を強いられています。だれもが住みたいとは思わないはずです。
福島の夏を代表する野菜にピーマンがあります(13)。8月になりシーズンです(14)。福島県田村市は福島最大のピーマン産地です(15)。福島のピーマンは独特のにおいも和らぐ風味の良いそうです(13)。福島県は福島産は「安全」としています(16)。でも、福島県田村市のスーパーのチラシには福島産ピーマンはありません。

※(17)を引用
図-10 福島産ピーマンが無い福島県田村市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県田村市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
福島県の推計人口(令和4年7月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(2)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会⇒
福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和3年8月31日~10月25日測定) 令和4年03月04日(3)
第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会⇒
資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB(4)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(5)
ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -(5)
除染情報サイト:環境省(6)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)(7)
半減期 - Wikipedia(8)
日本における2019年コロナウイルス感染症の流行状況 - Wikipedia(9)
新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和4年8月17日版)(10)
都道府県の人口一覧 - Wikipedia(11)
保健福祉部関係の統計情報データベース - 福島県ホームページ⇒福島県人口動態統計⇒
令和2年確定数 [PDFファイル/1.93MB](12)
福島県内ニュース|KFB福島放送(13)
野菜 | JA全農福島(14)
伊達のピーマン - 福島県伊達市公式ホームページ(15)
福島県[田村市]の農作物 | 夏秋ピーマン いんげん | 雑穀類, いも類, 米, 野菜, 果物 | 生産/収穫/作付面積 | 福島県と日本の中の順位 | 市町村 | ジャパンクロップス(16)
福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ(17)
メガステージ田村店 | お店を探す | ヨークベニマル
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- 2022/08/18(木) 19:49:16|
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