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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

飯舘バイオマス、焼却灰は?

 福島県の地方紙・福島民報は飯舘村のバイオマス発電について、社説で「放射性物質を含む焼却灰などの拡散を防ぐため、環境省が稲わらなどを焼却してきた仮設減容化施設で実績のある」と、あたかも安全かのように論じていました(1)。でも、燃えかす(灰)が出ますが、安全性の説明が不十分です。
 福島は原発事故によって汚染されまそた。
事故から11年以上を経て汚染が続く福島  凡例 
 ※1(2)(3)にて作成
 ※2 避難区域は(4)による。
 図―1 福島県飯舘村

 図に示す様に、原発事故では東部の一部が避難地域になりました。また、事故から10年以上ですが、ICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(5)を超えた地域が広がっています。事故から11年以上ですが福島は汚染されています。
 当然、森林も汚染されました。福島産杉の樹皮(バーク)からは1キログラムあたり6,000ベクレルのセシウムが見つかっています(6)。一方で、森林の除染は殆ど実施されていません(7)。福島の森林には大量の汚染木材があります。当然、福島県の林業も低迷しました(8)。
 福島県飯舘村は阿武隈高地と呼ばれる山地に位置する(9)、山村です(10)。図ー1に示す様に飯館村は汚染され、事故後に全域が避難区域になりました(4)(6)。その後に、放射能汚染物を焼却し減容化する「減容化施設」が作られました。この施設も昨年(2021年)2月に焼却処理を終えました(11)。
原発事故後に飯舘村の林業生産額は「0」になりました(12)。山村の飯舘村には林業の再生は重要な課題です。そこで飯舘村は森林の再生や村の経済活性化の為に樹皮(バーク)などを燃やして発電するバイオマス発電を計画しました。すでに稼働が終わった放射能汚染物を焼却する減容化施設を再利用します(13)。これについて福島県の地方紙福島民報は「【飯舘のバイオ発電】森林再生に生かせ(8月17日)」との社説で
「放射性物質を含む焼却灰などの拡散を防ぐため、環境省が稲わらなどを焼却してきた仮設減容化施設で実績のあるフィルターを装備する。運営会社は、開所までの二年間で、施設の安全性についての県民の理解を高める努力が欠かせない。」
と論じていました(1)。排煙からの放射性物質拡散が防げるので「安全」なような主張です。飯舘村が出した資料では「・通常の焼却施設には、排ガスから放射性物質の付着した灰(ばいじん)を捕集する布フィルタ(バグフィルタ)が設置されており、これにより、灰(ばいじん)は確実に捕集されます。 」と記載しており、排煙から放射能を取り除くので「安全」と説明しています。
 以下に構成図を示します。
 灰が生成されるバイオマス発電
※(14)を集計
 図-2 飯舘村バイオマスの構成

図に示すように排煙の他に、「不燃物」、すなわち燃えかすの「灰」がでます。汚染された木を燃やすと184倍の濃度の放射能を含む「灰」が生成されます(15)。既に記載の通り福島産の樹皮(バーク)からは1キログラムあたり6,000ベクレルのセシウムが見つかっています。この184倍は約100万ベクレルです。ところが飯舘村の資料には「灰」をどのように安全に管理するか記載がありません(13)。業者は
「不燃物の放射性物質濃度は比較的低いと想定しています」
「灰は、原則不燃物と同様の処理となります」
と説明しすっとぼけています(16)。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 「灰」はきわめて高い放射能濃度になります。沖縄では放射能で汚染された木材を燃やしてできた「灰」をろ過した水をかんすい代わりに添加した沖縄そばが1キログラムあたり258ベクレルのセシウムに汚染された例が見つかっています(17)。バイオマスに限らず放射能汚染木材を燃やて生じた「灰」は厳格な管理が必要です。でも、福島民報の社説ではこの点は一切触れていません(1)。福島では、不都合な事は無視され都合の良い事だけがピックアップされ、「安全」とか「風評被害」とが主張されます。こんな福島では福島の皆様は不安だと思います。
 福島を代表する野菜にキュウリがあります(18)。今年もTOKIOのテレビCMが流されました(10)。福島県福島市あたりでは出荷の最盛期になりました(20)。同市あたりのキュウリは水分が豊富で、ほてった体を冷やす効果があり、夏場にぴったりの食材です(21)。福島県は福島産は「安全」だと主張しています(22)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシにはキュウリはありません。
 他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
※(23)を引用
 図-3 福島産キュウリが無い福島県福島市のスーパーのチラシ


 (=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)【飯舘のバイオ発電】森林再生に生かせ(8月17日) | 福島民報
(2)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和3年8月31日~10月25日測定) 令和4年03月04日
(3)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(4)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(5)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(6)>放射性物質の現状と森林・林業の再生(令和2年度パンフレット):林野庁
(7)【ふくしま現在地】(6)「山林再生」 除染実施、一部のみ 全体困難、関係者に諦めの声 | 福島民報
(8)東日本大震災が福島県相双地方の林業・木材産業に与えた影響と森林・林業行政の取組み
(9)飯舘村 - Wikipedia
(10)59 飯舘村
(11)蕨平地区仮設焼却施設|飯舘村の状況|対象市町村|対策地域内廃棄物処理の取組について|福島県における取組|放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト|環境省
(12)福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(13)~木質バイオマス発電施設整備計画~の検討成果について - 飯舘村ホームページ
(14)事業概要 | 飯舘バイオパートナーズ株式会社
(15)調理加熱用の薪及び木炭の当面の指標値設定に関するQ&Aについて:林野庁
(16)Q.発生する灰の処理はどのように行うのですか。 | 飯舘バイオパートナーズ株式会社
(17)食品中の放射性物質の検査結果について(第317報) |報道発表資料|厚生労働省⇒1 自治体が公表した放射性物質の検査結果⇒検査結果(PDF:113KB)⇒No289
(18)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(19)「ふくしまプライド。」新CM 『産地のきもち・夏野菜』篇 15秒 - YouTube
(20)トピックス | JAふくしま未来
(21)特産品を知る | JAふくしま未来について | JAふくしま未来
(22)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(23)イトーヨーカドー 福島店
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  1. 2022/08/19(金) 19:47:26|
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