今日(10月26日)は原子力の日です(1)。ウクライナ侵攻等により、エネルギー危機が高まり、岸田政権は再稼働の推進やを言い出しました(2)。福島原発事故は(3)、原発が事故れば大変な事になることを証明しました。日本で最初の原発が、1963年10月26日に日本最初の原発が稼働いて59年になりますが(4)、今もって廃棄物の処分が決まっていません(5)。そんな訳で原発は「トイレ無きマンション」と揶揄され続けています(6)。福島原発事故から10年半が過ぎ、原発に対する関心は薄れた気がします。でも、この日くらいは原子力について考えてみるのも悪くないと思います。
原子力は原子核の変換や核反応に伴って放出される多量のエネルギーのことです(7)。最大の特徴じは少ない燃料で、莫大なエネルギーを生み出します。ウラン(ウラン235)は、わずか1gで、石油2,000?分、ドラム缶にすると10本分のエネルギーを生み出すほどのパワーがあります(8)。そんな訳でしょうか、1956年10月26日に 日本が国際連合の専門機関の一つである国際原子力機関へ参加した事や、1963年10月26日に 茨城県東海村の日本原子力研究所の動力試験炉 (JPDR Japan Power Demonstration Reactor) が日本で初めての原子力発電に成功した事を受け、1964年7月31日に毎年10月26日を「原子力の日」とすることが閣議決定されました。今日は原子力の日です(1)。
ロシアのウクライナ侵攻で日本のエネルギー事情も厳しいものとなりました(9)。今後、電力料金の値上げが起きるようです(10)。でも、東京電力が同社の原発が再稼働することを前提に、値上げ幅を抑える方針を発表しました(11)。エネルギー危機に対応するには、原発の再稼働が有効なようです。そして岸田政権は、原発推進を言い出しました(2)。昔は原子力は「明るい未来のエネルギー」と考えられていました。

※(13)を引用
図-1 「原子力明るい未来のエネルギー」との看板
また、エネルギー安全保障を強化するには発電コストが割安で、電力を安定的に供給できる原子力発電の活用が不可欠だとの考えもあります(14)。国際条約でダムや原子力発電所への攻撃は禁止されいます(15)。また、この先、日本が核武装する余地を残す為にも、原発は必要だとの考えもあります(16)。
一方で、ウクライナ侵攻ではロシアは原発を攻撃しています(17)。ダムも攻撃しそうです(18)。いくら、国際条約で原発やダムの攻撃が禁止されているからの言って、守られる保証はありません。対岸の半島の南側の国は、日本を「仮想敵」としています(19)。多分、北も同じです。そして北も南の国も日本との約束は守りません(20)(21)。
原子力は生物に対して悪影響(放射線障害)を与える放射線を放出する能力(放射能)を持った物質(放射性物質、放射性廃棄物)を発生させる欠点があります(22)。廃棄物の処理が大変です。日本で最初の原発が、1963年10月26日に日本最初の原発が稼働いて59年になりますが(4)、今もって廃棄物の処分が決まっていません(5)。そんな訳で原発は「トイレ無きマンション」と揶揄され続けています(6)。電力会社は「高レベル放射性廃棄物の最終処分について、国や原子力発電環境整備機構(NUMO:ニューモ)と連携を図りながら、地域の皆さまへの情報発信などを通じた理解活動を積極的におこなっております。」としていますが(5)、「理解」した自治体はありません(23)。
日本でもいくつかの原子力事故が起きました(24)。
1999年9月30日、JCO東海事業所の核燃料加工施設内で核燃料を加工していた最中、ウラン溶液が臨界に達して核分裂連鎖反応が発生し、この状態が約20時間持続した。これにより、至近距離で多量の中性子線を浴びた作業員3名中、2名が死亡、1名が重症となりました(25)。原子力発電の燃料に使われるウラン235は、一定量を超えて集めると核分裂反応が連続して起こり(臨界)、高い放射能を放出します(26)。作業員が多量のウラン235を容器に詰め混み、核分裂反応が起こったのが原因です(24)。
柏崎刈羽原子力発電所は新潟県柏崎市と刈羽村にまたがって立地する東京電力発電所です(27)。2007年の中越沖地震では設計時の想定を超える揺れに襲われ(28)、火災や放射能漏れ事故(29)を越しました。

※(30)を転載
図-2 煙もくもく柏崎刈羽原子力発電所
東京電力はこの事故を踏まえ「災害に強い発電所づくりに取り組んでまいります。」と主張しました(31)。でも、これが適当な言い逃れである事が2011年に明らかになりました。
日本では2011年3月までは、放射能は制御でき大量の放射能が環境に漏れ出す事はないとされていました(32)。でも、2011年にチェルノブイリ原子力発電所事故と同じ、レベル7の原発事故が日本でも起こりました(33)。福島第一原発に出された「原子力緊急事態宣言」は今も出されたままです(34)。事故から11年半が経過しましたが、福島原発事故は収束していません。
そして、事故で福島は汚染されました。

※1(35)(36)にて作成
※2 避難区域・旧避難区域は(37)による
図-3 原発事故から11年半を経ても汚染されている福島
図に示す様に、事故から11年半ですが、ICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(38)を超えた地域が広がっています。事故から11年半を得て、福島は汚染されたままです。
以下に福島産ブドウの検査結果を示します・

※1(39)(40)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※3 日付けはサンプル日
図―4 福島産ブドウの検査結果
図に示すように昨年もセシウム入りでした。福島産はセシウム入りが続きます。福島産を食べると被ばくリスクを負います。
図ー1の看板は福島県双葉町で掲示されました(13)。事故から11年半を経て、同町で暮らす方は6人です(41)。双葉町に取って「原子力」は「町を滅ぼすエネルギー」でした。
双葉町の11歳の少女が甲状腺にGMを当てたら100ミリシーベルト程度の被曝(ひばく)をした可能性があると試算されました(42)。事故直後に福島の子供達は放射能を体内に取り込み放射線を出していたのは事実です。一方で、文科省が出している「放射線副読本」には、内部被ばくについて
「放射線を受けたことが原因で原子力発電所の周辺に住んでいた人が放射線を出すようになるというよう
な間違った考えや差別、いじめも起こりました。原子力発電所の周辺に住んでいた人が放射線を出すようになることはありません」
との記述しています(43)。双葉町の子供が原発事故で内部被ばくした事実を「差別」との言葉で誤魔化しています。このように、福島につては数々フェークが流されてきました(44)。
2011年3月時点で、東日本太平洋岸には5原発がありました。北から、東通、女川(以上東北電力)、福島第一、第二(以上東京電力)、東海第二(日本原電)の3社、5原発がありました(45)。このうち、原子力緊急事態宣言が出たのは東京電力の福島第一、第二だけで(34)、他は重大な事態にはなりませんでした。東北電力や日本原電は、3.11の巨大津波に備えていましたが、東京電力は備えませんでした(46)。ところが、2014年4月に、福島第一原発を襲った津波を「想定外」と言い出しした(47)。その考えは今も変わっていません。

※(48)を引用
図―5 「想定外」を主張する東京電力
事故の加害者でなく「当事者」を主張しています(49)。電力会社の中には
「東日本大震災以降、福島第一原子力発電所事故を踏まえた反省に基づき、全社を挙げて規制の枠組みにとどまらない安全性向上の取組みを推進しています。」
と福島事故の反省を主張するところがありますが(50)、東京電力は「想定外」を言い続け「反省」していません。
今日は原子力の日です。原子力について=^_^=なりにまとめると
・ウクライナ侵攻によりエネルギー価格が高騰し、原発の再稼働を進めれば当面の価格上昇は緩和できる。
・核技術を保有し続ければ、核武装する余地が残せる。
・核施設は戦争になれば攻撃目標にされる。
・核のゴミの処分の見通しがない
・事故を起こせば大変な事になる。福島原発事故は11年半を経て収束していない。
になると思います。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
原発の再稼働は立場によっていろいろな考えがあると思います。自民党や原子力ムラにしてみれば、原発は福島事故を反省し、原発の安全性は大きく向上した(50)。日本の厳しいエネルギー事情(9)を考えれば、原発を推進すべしと考えているようです。自民党の中には将来、日本が核武装する余地を残す(51)為に原子力技術を温存すべきとの考えがあります。日本でも使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理施設の設置が進められています(52)。ここで取り出したプルトニウムで、核兵器が作れるとの見方があります(53)。
宮城県女川町に女川原発があります。2011年3月の震災で大きな津波被害を受け、人口の減少が加速しました(54)。ここで、原発がなくなれば、人口流出が加速して町が無くなる危険があります。女川町の皆さんは、原発が無くなるか、町が無くなるかの選択だと思います。=^_^=が女川町民なら、多少の問題があっても再稼働に賛成します。女川町は女川原発の再稼働に同意しました(55)。
隣町の原発なら反対します。原発マネーは主に立地自治体に入るので(56)、隣町にはあまり入りません。隣町の原発はメリットが薄いのにリスクだけ負います。特に、東京電力のように自らが電気を供給しないエリアに原発を作り、事故を起こしました。このような会社の原発(57)などは受け入れがたいものです。東京電力は、自社の原発は「安全」だと主張しています(58)。でも、そんなに安全なら地方にリスクを押しつけず、東京に原発を作るべきです。東京電力は福島での福島第一汚染水処分を計画しています。これについて「安全」を主張しています(59)。そんなに安全なら、福島第一、第二の電気で恩恵を受けた東京で処分すべきです。事故から11年半がたっていますが、東京電力が地方にリスクを押しつける体質は変わっていません。こんな東京電力では福島の皆様は不安だと思います。
福島を代表する食材にナメコがあります。今が季節です(60)。福島のナメコはおいしいとの事です(61)。福島県は福島産は「安全」だと主張しています(62)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産ナメコはありません。

※(63)を引用
図-6 他県産はあっても福島産ナメコが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
原子力の日 - Wikipedia(2)
原発の新増設検討も 方針転換の理由は? | NHK | ビジネス特集 | 各地の原発(3)
福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia(4)
JPDR - Wikipedia(5)
高レべル放射性廃棄物の最終処分場の場所はまだ決まっていないと聞いたけど? - 放射性廃棄物の処分|中部電力(6)
環境用語集:「トイレなきマンション」|EICネット(7)
原子力 - Wikipedia(8)
電気は足りているのになぜ原子力発電は必要なの? - 原子力発電|中部電力(9)
ウクライナ危機と国際エネルギー情勢 NHK解説委員室(10)
夜間料金値上げ 東北電力、来春新プラン 基本料金も2000円高く:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet(11)
原発再稼働を前提に値上げ幅を決めると東京電力 柏崎刈羽7号機、2023年度から企業向け:東京新聞 TOKYO Web(12)
原子力明るい未来のエネルギー - Wikipedia(13)
エネルギー安全保障 原子力発電活用が不可欠 ウクライナ危機 「再稼働容認」上昇 - 産経ニュース(14)
日本の核武装、ウクライナ侵攻が後押しとなるのか - BBCニュース(15)
ジュネーヴ諸条約及び追加議定書(16)
日本の核武装、ウクライナ侵攻が後押しとなるのか - BBCニュース(17)
ザポリージャ原子力発電所 - Wikipedia(18)
「ロシア軍がダム爆破計画」数十万人被害の恐れ ゼレンスキー氏 | 毎日新聞(19)
日本を「仮想敵」扱いして準備してきた韓国軍 自衛隊機へのレーダー照射は“突然の出来事”ではない(1/4) | JBpress (ジェイビープレス)(20)
日朝平壌宣言 - Wikipedia(21)
慰安婦問題日韓合意 - Wikipedia(22)
<原子力 - Wikipedia/a>
(23)地層処分 - Wikipedia(24)
原子力事故 - Wikipedia(25)
東海村JCO臨界事故 - Wikipedia(26)
臨界量 - Wikipedia(27)
柏崎刈羽原子力発電所 - Wikipedia(28)
新潟県中越沖地震における柏崎刈羽原子力発電所の地震観測記録について 平成19年7月19日 東京電力株式会社(29)
柏崎刈羽原子力発電所6号機の放射性物質の漏えいについて|TEPCOニュース|東京電力(30)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい東電原発(3月1週)―柏崎刈羽・安全審査の申請書を再提出―(31)
第8回地域の声委員会(社内会議)|新潟本社・柏崎刈羽原子力発電所|東京電力ホールディングス株式会社(32)
なぜ原発の安全神話は生まれたのか:民間事故調シンポジウム(1/3 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン(33)
国際原子力事象評価尺度 - Wikipedia(34)
原子力災害対策特別措置法 - Wikipedia(35)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会⇒
福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和3年8月31日~10月25日測定) 令和4年03月04日(36)
第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会⇒
資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB(37)
避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ(38)
ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -(39)
報道発表資料 |厚生労働省(40)
農林水産物の緊急時環境放射線モニタリング結果【詳細】 - 福島県ホームページ(41)
避難状況(令和4年9月30日現在)| 双葉町公式ホームページ(42)
11歳少女が甲状腺に100ミリシーベルト被曝か 福島事故後、公表せず :日本経済新聞(43)
⇒
放射線副読本(令和3年改訂(令和4年一部修正))(PDF版):文部科学省⇒
放射線副読本(令和3年改訂(令和4年一部修正))(PDF版):文部科学省(44)
めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A (45)
日本の原子力発電所 - Wikipedia(46)
フクシマは本当に「想定外」だったのか - 日本経済新聞(47)
今回の津波は、それまでの知見では想定できない大規模なものでした|東京電力(48)
原子力発電所に質問です 柏崎刈羽原子力発電所の安全対策|東京電力ホールディングス株式会社(49)
(コメント)最高裁判所における一連の判決等を受けて|お知らせ|東京電力ホールディングス株式会社(50)
福島第一原子力発電所のような事故を二度と起こさないために|安全対策 |あくなき安全性の追求|原子力発電について|エネルギー|事業概要|関西電力(51)
自民党の核政策論議 被爆国の責任、再認識を | 中国新聞デジタル(52)
[再処理事業] 再処理事業の概要 | 事業情報 > 概要 - 日本原燃株式会社(53)
原発の核燃料で核兵器は作れる? 核をめぐるQ&A:朝日新聞デジタル(54)
女川町 - Wikipedia(55)
女川原発再稼働「地元同意」から1年 避難の確実性、まだ遠く | 河北新報オンライン(56)
原発マネー 持ちつ持たれつ 依存の構造(下)-関電役員 金品受領-(57)
東京電力ホールディングス - Wikipedia(58)
安全対策|柏崎刈羽原子力発電所|新潟本社・柏崎刈羽原子力発電所|東京電力ホールディングス株式会社(59)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(60)
鈴木 忠さん なめこ 生産者 Vol.14 - ふくしまプライド。(61)
福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ(62)
イオン 福島店のチラシ・特売情報 | トクバイ
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