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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島県知事、3期目の課題

 昨日(10月30日)の福島県知事選で、現職が当選しました。3期目を努める事になりました(1)。お祝いしたいのですが、
 ・事故から11年半を過ぎて福島は汚染されている。
 ・事故から11年半を過ぎて福島第一からは放射能が漏れ続けている。
 ・来春には汚染水の海洋放出が始まり、「フクシマ」のリスクが増大する。
 ・除染廃棄物の行き場が決まらない。
 ・廃炉と言いながら、廃炉廃棄物は福島第一原発内に留め置かれたままでる。
 ・フクシマは復興していないのに、自公政権が定めた復興期間は事故後20年で終了する。
との問題があり、3期目も苦しそうです。
 昨日(10月30日)の福島県知事選で、現職が当選しました。3期目を努める事になりました(1)。お祝いしたのですが、1、2期目に多くの積み残しをしており、険しい県政運営が待ち受けいそうです。
 2011年3月に福島第一原発は災害想定の甘さから(2)、冷却機能を失いボロボロになりました(3)。
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 ※(4)をキャプチャー
 図-1 水素爆発する福島第一原発1号機

 そして福島を特異的に汚染しました。
事故から11年を経て汚染されている特異的に汚染されている福島凡例
 ※1(5)(6)にて作成
 ※2 避難区域は(7)による
 図―2 特異的に汚染されている福島

 図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(8)を超えた地域が広がっています。
 福島第一原発では幾つかの排水路があります。以下に示します。
福島第一構内から海に続く福島第一排水路
 ※(9)にて作成
 図―3 福島第一排水路

以下に各排水路のセシウム137濃度を示します。 
法定限度を超えたセシウム137に汚染された水が流れる福島第一排水路
 ※1(9)にて作成
 ※2 法定限度は(10)による。
 図―4 福島第一排水路のセシウム137

 その昔、福島第一原発汚染水はコントロール・ブロックされていると言った故人がいますが(12)、図に示すように福島第一からは法定限度を超えた放射能に汚染された汚染水が海に流れ続けています。
 事故から11年半になりますが、福島は汚染は解消せず、福島第一原発からは今も放射能が漏れ続けています。
 2011年3月以降、福島は放射能の環境流出ゆう福島独特の課題を抱えました。これについて行政は、「安全」「安心」を喧伝しています。ただし、根拠は怪しげです。
 福島県は県内に7か所に福島の放射線量を代表する測定点(モニタリングポスト)を設けています(14)。自公政権に変わった直後の(15)、2013年に突然に下がっています。
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 ※1(16)(17)にて作成
 ※2 日付け中2013年は省略
 図―5 突然下がる福島県各地の放射線量

原因は放射線の高い場所から低い場所への移動です。値が高い福島市や郡山市では別の人為的操作を実施しました(18)。
 以下に東日本太平洋岸各道県の海産魚の検査結果を示します。
他では見つかっても福島産海産魚からは見つからないセシウム
 ※1(19)(20)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 日付けは採取日
 図―6 海産魚の検査結果

 図に示すように福島を除く東日本で太平洋に面する福島以外の全ての道県で見つかっています。一方、福島県が検査した福島産海産魚は厚生労働省や福島県の発表(19)(20)を数えると3,482件連続で検出限界未満(ND)です。海は繋がっているのに汚染源がある福島産からはセシウムが見つから無い等はおかしな話です。
 海産魚等の農水産物の出荷前検査は厚生労働省の発表(19)を見ると概ね福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(21)実施しています。中立性に疑問があります。
 福島産は他よりも低く出る出荷前検査で安全とされ出荷されます。 
 そしておかしなデータが出てきました。
 妊娠期間は概ね280日で(22)、3月11日の280日後は12月16日なので、下発事故後に懐妊した赤ちゃんは2012年以降に生まれます。
 合計特殊出生率は15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、一人の女性がその年齢別出生率で一生の間に産むとしたときの子供の人数に相当します(23)。以下に福島の合計特殊出生率を示します。
2011,12年と下がった福島の合計特殊出生率
 ※(24)を引用
 図―7 福島の合計特殊出生率

 事故の翌年、福島では合計特殊出生率が低下しました。
 以下に福島の事故前後の自然死産率の推移を示します。
全国の1.5倍の福島県死産率(グラフ)
 ※(25)を集計
 図―8 福島県の自然死産率の推移

2012年以降に自然死産率は全国平均の1.5倍に跳ね上がっています。このような増加が偶然に起こる確率を計算したら、統計的に差があるとされる5%(26)を下回る1.3%でした(27)。 
 福島事故直後に二種類の避難区域が設定されました。警戒区域と計画的避難区域です。警戒区域は事故直後の2011年3月12日に設定されました。計画的避難区域は事故後にしばらくしてから放射線量が高いことが判明し設定された避難区域で(28)、設定されたのは事故から1ヶ月以上が過ぎた2011年4月22日です。南相馬市、浪江町、川俣町、飯舘村、葛尾村に設定されました。このうち南相馬市、浪江町の避難区域は主に警戒区域です。一方で飯舘村の全域、葛尾村の大部分、川俣町に設定された避難区域全ては計画的避難区域です(7)。これら3三町村は逃げ遅れたないしは逃げなかった町村です。以下に示します。
事故から11年以上が過ぎて汚染されている福島 凡例 
 ※1(5)(6)にて作成
 ※2 避難区域は(7)による
 図-9 計画的避難区域

 以下にこの3町村(川俣町、飯舘村、葛尾村)の各年通年の合計の出生数を示します。
事故後に女の子が多く生まれた川俣町、飯舘村、葛尾村
 ※1(29)を通年で集計
 ※2 2022年は8月まで
 図―10 3町村の出生数

 図に示すように2012年は女の子が多く生まれています。数値を記載すると
 男の子 50人
 女の子 80人
で、女の子が多く生まれています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら統計的に差があるとされる5%(27)を下回る0.9%でした(30)。
福島県にあるひらた中央病院は、福島産米や野菜について避けるか否かのアンケート結果を発表しています。以下に示します。 

 表―1 福島産を許容すかのアンケート結果
 ※(31)を集計
郡山・三春で許容される福島産米

 福島県は福島を7つの生活圏に区分しています。県中地域に属する郡山市・三春町、相双地域に属する相馬・南相馬市(32)をひとまとめにして比較してみることにしました。表から計算すると、郡山市・三春町では福島産米や野菜を共に許容する方は67%です。一方で相馬・南相馬市では7%です。同じ福島県内でも地域によって福島産に対して温度差があります。
 福島県の発表(29)を集計すると、福島産米と野菜を共に許容する方が67%の福島県郡山市・三春町の葬式(死者)数は
  事故前1年(2010年3月~11年2月) 3,163人
  事故11年目(2021年3月~22年2月)3,765人
で19%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら約2兆分の1でした(33)。
 福島県の発表(29)を集計すると、福島産米と野菜を共に許容する方が7%の相馬・南相馬市の葬式(死者)数は 
  事故前1年(2010年3月~11年2月) 1,284人
  事故11年目(2021年3月~22年2月)1,357人
で、殆ど変わりません。無論、統計的な差もありません。
 福島県の発表(29)を集計すると、福島産米と野菜を共に許容する方が37%のいわき市の各年3月から1年間の葬式(死者)数は
  事故前1年(2010年3月~11年2月) 4,007人
  事故11年目(2021年3月~22年2月)4,447人
で11%増えています。郡山市と相馬市・南相馬市の中間でしょうか? 
 以下に表―1および福島県の発表(29)作成した、葬式(死者)数の増加率と福島産米や野菜を共に許容する方の割合をまとめました。
福島産を許容する地域ほど増える葬式
 ※(29)(31)を集計
 図―5 葬式(死者)数の増加率と福島産の許容割合

 図に示す様に福島産を許容する程に葬式(死者数)が増えています。
 東京電力が福島を中心とした大規模な放射能放出を始めたあと福島ではおかしな事が起きています。
 現福島県知事は長野県出身で、2001年に総務省より福島県に出向し、2006年より副知事を務めまし(34)。そして2014年11月より福島県知事を務めています(35)。福島の放射能環境流出に深く関わってきました。10月30日の選挙で3選が決まりました。お祝いしたいのですが、課題が一杯です。
 福島第一原発では「汚染水」が増え続けています。
どんどん増える福島第一汚染水
※(36)(37)にて作成
 図-6 どんどん増える福島第一汚染水

 先週の発表を集計すると、東京ドーム一杯分の124万立方メートル(38)を超える135万立方メートルの汚染水が溜まっています(39)。自公政権や東京電力は、これ以上貯め続けることはできないとして、海洋放出を企てています(40)(41)。
 汚染水は浄化装置に通されますが、現状の浄化装置ではトリチウムと呼ばれる放射性物資は除去できません(42)。以下に「汚染水」のトリチウム濃度を示します。
法定限度の9倍近いトリチウムで汚染されている福島第一原発汚染水
 ※1(43)(44)を集計
 ※2 法定限度は(10)による
 図-7 汚染水のトリチウム濃度

 図に示すように福島第一汚染水は法定限度を大きく超えています。最新のデータでは法定限度が1リットル当たり6万ベクレルに対し、汚染水は約9倍の同53万ベクレルです。こんな物を海に流したら、福島の皆様の健康が心配です。そうでなくても、福島産の忌避(自公政権用語は風評被害)が加速しそうです(45)。一方で、自公政権や東京電力は汚染水の海洋放出は「安全」だと主張しています(46)(47)。東京電力は原発事故前は原発の放射能は五重の壁で厳重に封印されており、外に漏れだすことはないと喧伝していました。
原子炉を守るはずだった五重の壁
 ※(49)を引用
 図-8 五重の壁

 自公政権や東京電力は、事故前には原発は安全と主張していました。でも、大爆発です。自公政権や東京電力の「安全」と主張が間違っていることが福島原発事故で実証されました。どれだけの方が自公政権や東京電力の主張を信じるかは未知数です。
 IAEAは海洋放出は「安全」だとの主張を認めました(50)。2007年7月16日に、東京電力柏崎刈羽発電所は東京電力の想定を超える地震に襲われました(51)。この地震により火災を起こしました(38)。
煙もくもく、柏崎刈羽原発
 ※(52)をキャプチャー
 図-9 煙もくもく柏崎刈羽原子力発電所 

 さらには、放射能漏れ事故も起こしました(53)。直接の影響だけで3,200億円の被害をだしました(54)。
 この事故で東京電力の災害想定以上を地震が襲いました。東京電力の原発は想定以上の自然災害に襲われる事が実証されました。この事故の後、IAEAは調査に入ったのですが、この点は指摘しませんでした(51)。その後の福島原発事故で、IAEAにも見逃しがあり、「安全」を主張しても「安全」を担保しないことが明らかになりました。
 東京電力やIAEAがいくら汚染水の海洋放出が「安全」だと言っても、国民的理解を得ることはありません。
 岸田政権では国民的理解を得ることはできません。岸田総理は「丁寧な繰り返し」は得意ですが、「丁寧な説明」はできません(55)。汚染水の海洋放出以上に国民的理解理解が求められる問題に、新型コロナワクチンがあります。以下に都道府県別の10月30日までの累積感染率と3回目ワクチン接種率の相関を示します。
 ※(56)(57)(58)を集計
 図-10 3回目接種率と累積の感染率の相関

 図に示すように3回目接種率が高い都道府県ほど累積の感染率が低くなっています。新型コロナワクチンは有効です。コロナ禍を脱出するには、国民的理解を得て多くの方に接種を受けてもらうべきです。
以下にワクチンの累積の接種状況を示します。
 進まない新型コロナワクチン接種
※(58)を集計
 図-11 日本のワクチン接種人数(累積)

 図に示すように3回目も含め増加が止まっています。そして、2千万人の方が一度のワクチンを接種していません。数値を記載すると
 1回でも接種 10,284万人(83.0%)
 2回以上接種 10,213万人(82.7%)
 3回以上接種  8,761万人(70.7%)
 オミクロン対応接種 494万人( 4.0%)
です(58)。なお、()内は全人口に対する割合です。そして、図に示すように頭打ちです。新型コロナワクチンへの国民的理解はできていません。新型コロナに比べ、汚染水の海洋放出は国民的関心が低い事案です。およそ、国民的理解などあり得ません。
 汚染水の海洋放出は福島県に大きな影響をもたらします。福島県知事は7月25日の会見で、海洋放出について
「関係の方々に、丁寧な説明を行うとともに、関係者の声をしっかり受け止め、理解が深まるよう取り組むことなどについて、改めて県として求めたところであります。
今後も国が前面に立って『行動計画』に基づきながら、責任を持って取り組んでいただきたいと考えております。」
と述べ(59)、明確な態度を明らかにしていません。もし、海洋放出をしなければ福島第一原発の敷地内に汚染水が貯まり続け、廃炉作業の妨げになり得ます。一方で、海洋放出となれば、福島県も「安全」を主張し、影響を最小限に抑えなくてはなりません。早ければ、来年の春には汚染水の海洋放出が始まります(60)。それまでに決断することが求められます。
 福島県も人口減に苦しんでいます(61)。以下に事故前10年(2001年3月~11年2月末)までの、福島県の男女別、年代別の社会減を示します。
男女とも均等に出て行く事故前10年の福島
 ※(29)を集計
 図-12 福島の事故前10年の社会減

 図に示すように10代後半から20代前半の社会減が顕著です。数値を記載すると
  10代後半から20代前半の社会減は
   男性 -30,369人
   女性 -29,831人
で、男女ともほぼ3万人でした。以下に近々10年(2012年9月~22年8月)のまでの、福島県の男女別、年代別の社会減を示します。
若い女性が特異的に出て行く近々10年の福島
 ※(29)を集計
 図-13 福島の近々10年の社会減

数値を記載すると
  10代後半から20代前半の社会減は
   男性 -17,640人
   女性 -27,057人
で、事故前10年に比べ男性は減りましたが、女性は減っていません。ただ、この間に福島の人口は減りました。そこで2001年3月と2012年9月の10代人口の割合で見ると、事故前10年の10代後半から20代前半の社会減は
   男性 -23%
   女性 -24%
で、男女で、大きな差はありません。近々10年の10代後半から20代前半の社会減は
   男性 -17%
   女性 -28%
で、男性は改善しましたが、女性は悪化しました。事故前に比べ福島の若い女性は福島に残らなくなりました。
 福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。
福島の綺麗な女性
 ※(62)をキャプチャー 
 図-14 福島の綺麗な女性

 若い女性がいなくなれば子供が生まれなくなります。以下に各年9月から翌年8月までの出生数を示します。
減少が続く福島の出生数
 ※(29)を各年9月から1年間集計
 図-15 福島県の出生数(各年9月から1年間)

 図に示しように、どんどん減っています。数値を記載すると
  事故前(2009年9月~10年8月) 16,271人(男の子 8,366人、女の子 7,905人)
  近々1年(2021年9月~22年8月)10.018人(男の子 5,156人、女の子 4,862人)
で、近々1年は事故前の61.6%に減っています。
 福島県の人口減少を抑える為に、若い女性に魅力ある福島を作り、福島に残ってもらう事が近々の課題です。
  図-2に示す様、福島は事故で汚染されました。多くの方が、福島を正しく恐れ、福島産を避けました。福島を代表するする果物にモモがあります(63)。モモの最大産地の山梨県(福島県は2位)(64)と各年7・8月のモモの価格を比較してみました。以下に示します。
2011年以降・低迷が続く福島のモモ価格
 ※(65)を集計
 図―16 山梨・福島のモモ価格

 福島のモモは事故前から山梨産に比べ安かったですが、事故後にさらに安くなりました。 
 福島は避けられています。原発事故で失われた福島への信頼を取り戻すことも急務です。
 福島では放射能を取り除く除染が行われました。「除染」といっても放射能を消滅させることはできないので、放射能汚染が酷い部分(例えば表土)を集める作業です(66)。集めたのは放射能汚染物は「除染廃棄物」になります。除染で出た廃棄物を保管する為に、福島第一原発の周囲に中間貯蔵施設が作られました(67)。なぜ、「中間」といえば、30年以内に除染廃棄物は福島県外に最終処分場を作り、運び出すことになっています(68)。中間貯蔵施設への搬入は2015年3月13日です(69)。30年ですので、2045年3月12日までに、除染廃棄物を福島県外に運び出さなくてはなりません。あと22年と少しです。最終処分場のような大規模施設は完成までに時間がかかります。例えば最後の地方空港と呼ばれている「静岡空港」は、1987年に現在の場所での建設が決まりました。そして開港したのは約22年後の2009年です(70)。静岡空港の例から言えば、そろそろ最終処分場の候補地を決めなくてはなりません。一方で、自公政権は未だに候補地探しを一切していません(68)。2045年3月までに、最終処分場を福島県県外に作り除染廃棄物を運び出せるか不透明です(71)。福島県知事は次の4年で、国に最終処分場の設置計画を明示させる課題を負います。
 福島第一原発では「廃炉」作業が進められています(72)。2011年12月21日に、あと30年から40年で廃炉を完了すると発表しました(73)。それから11年が経過したので、廃炉完了期限まであと19~29年です。廃炉にはいろいろな形態があります(74)。福島県は廃炉で出た廃炉廃棄物は、福島県外に処分場を作り、福島第一構内も含め福島県から持ち去ることを望んでいます(75)。理想を言えば、廃炉作業で出た廃棄物は、直ぐに福島県外の処分場に運び出して欲しいはずです。でも、事故から11年半が経過しましたが、廃炉廃棄物の処分場はできていません。現状は廃炉作業で出た廃棄物は福島第一原発内に立て続けられています(76)。東京電力は廃炉の最終形態について
「福島第一原子力発電所の『廃炉』の最終的な姿について、いつまでに、どのような状態にしていくかについては、地元の方々をはじめとする関係者の皆さまや国、関係機関等と相談させて頂きながら、検討を進めていくことになると考えています。」
と述べ(77)、曖昧にしています。「地元の方々」の意向は、県外処分であることは明らかです。このまま行けば、福島第一廃炉は
「放射性物質で汚染された施設の一部や廃棄物について、周辺環境に影響を与えないよう安全対策を実施したうえで、現場で処分」
になります(74)。
 福島県知事は東京電力や国に対し、廃炉廃棄物の県外処分を約束させ、福島第一原発の廃炉を
「原子炉の運転停止後に速やかに作業が開始され、全ての放射性廃棄物は敷地とは別の処分施設へ移送」
し(74)、廃炉の最終形態は「更地」させるべきです。
 復興(ふっこう)とは、一度衰えたものが再び勢いを取り戻す事を指します(75)。福島原発事故では11市町村の全部または一部で避難指示が出ました(7)。今年8月30日に、双葉町の居城可能な区域で避難指示解除になり(78)、11市町村で住民が住めるようになりました。
 以下に川内村を除く避難指示が出た10市町村の居住状況を示しま
住民が戻らない旧避難区域
 ※1(79)~(91)を集計
 ※2 川内村を除く
 ※3 避難者数は対象者数―解除区域の居住者数で集計
 図―17 避難指示が解除された区域の居住数と避難者数(川内村を除く)

 図に示す様に、避難指示は解除されましたが住民はあまり戻っていません。概ね10月1日時点で旧避難地域に住んでいるのは
 住民登録 65,163人中15,531人(全体の24%)
です。住民はなかなか戻りません。
 事故から11年半ですが、図-2に示す様に福島は汚染されたままです。図-4に示す様に福島第一原発からの放射能漏れが止まりません。図-16に示す様に、山梨と福島のモモの価格差は開いたままです。そして、旧避難区域には住民がが戻りません。福島の復興は進んでいません。
 復興庁は東日本大震災や原発事故からの復興を目的に期間を定めて設置された行政機関です。2012年2月10日に設置され、2031年3月31日に廃止される予定です(92)。自公政権は福島の復興を事故後20年で見切りをつける予定です。福島県知事が任期を終えるのは2026年11月です(35)。任期切れあと4年と少しで、復興庁は無くなります。次の4年で、福島復興の終着点を国と合意する必要があります。
 福島県知事が再選されました(1)。いよいよ3期目です。お祝いしたいのですが
 ・事故から11年半を過ぎて福島は汚染されている。
 ・事故から11年半を過ぎて福島第一からは放射能が漏れ続けている。
 ・来春には汚染水の海洋放出が始まり、「フクシマ」のリスクが増大する。
 ・除染廃棄物の行き場が決まらない。
 ・廃炉と言いながら、廃炉廃棄物は福島第一原発内に留め置かれたままでる。
 ・フクシマは復興していないのに、自公政権が定めた復興期間は事故後20年で終了する。
との問題があり、3期目も苦しそうです。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 本記事は10月30日までの公表データを元に作成し、本日分公表分のデータは入れていません。
 福島県は、福島原発事故由来の放射性廃棄物は福島県外で処分すべしと考えています。でも、自公政権は福島県内での処分の実績を積んでいます。環境省は除染廃棄物を減らすために除染土の再利用を進めています。場所は福島県内に限定されていませんが、実際にモデル事業が行われたのは福島県内のみです(93)。汚染水の海洋放出については、経産省で議論されまたが、その中で何処でとの議論がありません(94)。最初から福島での処分が前提です。福島の皆様にしてみれば、福島の放射能汚染は国策の失敗(安全を無視した原子力の推進)で生じた物だから、負担は全国民が等しく負うべきと考えていると思います。でも、自分の街に放射能処分場ができるとしたら「指定廃棄物は東京電力福島第一原発の周辺に集約すべきだと考えている」と考えるはずです(95)。福島原発事故の放射能汚染汚染物の処分場を計画すると、激しい反対運動が起こります。福島の放射能汚染物の県外処分はほぼ不可能です。これでは、福島の皆様は不安だと思います。
 寒い日が続きます。鍋が恋しい季節です。鍋に欠かせないのがネギです(96)。福島で秋冬ねぎの出荷が始まりました(97)。福島のネギは甘味があって美味しいとの事です(98)。福島県は福島産は安全だと主張しています(99)。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産ネギはありません。
他県産はあっても福島産ネギが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
 ※(100)を引用
 図-19 福島産ネギが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県須賀川市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島県知事に内堀氏3選 復興の実績強調、新人に大差 | 河北新報オンライン
(2)フクシマは本当に「想定外」だったのか - 日本経済新聞
(3)福島第一原子力発電所事故の経緯 - Wikipedia
(4)1号機水素爆発vs3号機?vs小型核爆発の比較 - YouTube
(5)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和3年8月31日~10月25日測定) 令和4年03月04日
(6)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(7)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(8)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(9)2022年のアーカイブ - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社⇒2022年10月27日(廃炉・汚染水・処理水対策チーム会合 第104回事務局会議)⇒【資料3-6】環境線量低減対策(6.12MB)
(10)周辺の分析結果ー分析結果 - 廃炉プロジェクト|データ|東京電力ホールディングス株式会社
(11)安倍首相「アンダーコントロール」のウソ|WEBRONZA - 朝日新聞社の言論サイト
(12)風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略
(13)放射線副読本(令和3年改訂(令和4年一部修正))(PDF版):文部科学省
(14)空間線量モニタリング結果情報 - 福島県ホームページ
(15)内閣総理大臣 - Wikipedia
(16)平成22・23・24年度 県内7方部環境放射能測定結果 - 福島県ホームページ平成25年3月
(17)平成25年度 県内7方部環境放射能測定結果 - 福島県ホームページ平成25年4月
(18)めげ猫「タマ」の日記 移転してもまだ線量の高いモニタリングポスト(放射線線量測定点)を除染する福島県
(19)報道発表資料 |厚生労働省
(20)農林水産物の緊急時環境放射線モニタリング結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(21)農林水産部 - 福島県ホームページ
(22)妊娠期間「十月十日(とつきとおか)」の計算・妊娠週数の数え方 [妊娠の基礎知識] All About
(23)合計特殊出生率 - Wikipedia
(24)10の指標にみる福島県のいまVer.29を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(25)保健福祉部関係の統計情報データベース(過去倉庫) - 福島県ホームページ⇒福島県人口動態統計確定数
(26)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(27)めげ猫「タマ」の日記 福島の自然死産率は全国平均の1.5倍
(28)asahi.com(朝日新聞社):20キロ圏外に「計画的避難区域」 葛尾や浪江・飯舘 - 東日本大震災
(29)福島県の推計人口(令和4年9月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(30)めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A Q42.原発事故後、福島で出生異常は起きていませんか?
(31)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(32)福島県の位置・人口・面積 - 福島県ホームページ
(33)めげ猫「タマ」の日記 福島産、食べて応援、あの世行き(事故11年目)
(34)内堀雅雄 - Wikipedia
(35)福島県知事一覧 - Wikipedia
(36)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(37)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社
(38)東京ドーム (単位) - Wikipedia
(39)2022年のアーカイブ|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社⇒10月⇒ 24日
(40)ALPS処理水の処分 (METI/経済産業省)
(41)ALPS処理水の処分 | 東京電力
(42)多核種除去設備 (ALPS)|東京電力
(43)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果|アーカイブ|東京電力中の「水処理設備の分析結果⇒水処理設備の放射能濃度測定結果 」
(44)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果アーカイブ|データ|東京電力ホールディングス株式会社の「水処理設備の分析結果」
(45)官製風評 処理水海洋放出 | 特集・連載 | 福島民報
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(78)居住人口ゼロの自治体解消 福島県双葉町・復興拠点の避難解除 原発事故から11年5カ月 | 福島民報
(79)楢葉町内居住者数について|楢葉町公式ホームページ
(80)避難指示区域別居住状況/南相馬市公式ウェブサイト -Minamisoma City-(南相馬市)
(81)広報なみえ - 広報なみえ - 浪江町ホームページ
(82)広報とみおか/富岡町
(83)県内外の避難・居住先別人数/富岡町
(84)ホーム/富岡町
(85)令和4年10月1日現在の村民の避難状況について - 飯舘村ホームページ
(86)山木屋地区の居住の状況 - 川俣町公式ホームページ(川俣町)
(87)住民生活課 - 葛尾村ホームページ
(88)広報かつらお - 葛尾村ホームページ
(89)田村市民の避難状況動向調査報告 - 福島県田村市ホームページ
(90)居住・避難状況 - 大熊町公式ホームページ
(91)避難状況| 双葉町公式ホームページ
(92)復興庁 - Wikipedia
(93)除去土壌の再生利用について|中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(94)トリチウム水タスクフォース情報 (METI/経済産業省)
(95)「県内集約」候補地の塩谷町、環境省と対話なく:朝日新聞デジタル
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コメント

溜まった汚染水の海洋放出嫌だ。
ロスアトム社がトリチウム水の処理うまくいったとホームページに載せている。
海洋放出前に何故やらないのかしら?
ロシアの会社だから?
  1. 2022/11/08(火) 12:37:17 |
  2. URL |
  3. きのこ #-
  4. [ 編集 ]

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