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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

NHKの嘘、福島第一汚染水タンクはことし夏から秋に満杯、実は来年

 NHKは13日の19時と21時から番組で、福島第一原発の汚染水タンクがことしの夏~秋ごろにはすべて満杯になると流していました。でも、東京電力の発表を集計すると(1)、来年の夏~秋です。嘘を平然と流すNHKは国民の知る権利を充足しません(2)。
 福島第一原発では、五重の壁(3)が一気に壊れ、高濃度の放射能を含む核分裂生成物がむき出しになり、そこに地下水等が流れこみ、高濃度の放射能に汚染された汚染水が発生し続けています(4)。以下に汚染水のトリチウム濃度を示します。
法定限度よりはるかに高い放射能え汚染されている処理水
 ※1(5)(6)を集計
 ※2 法定限度は(7)による
 図-1 汚染水のトリチウム濃度

 図に示す様に、法定限度を大きく超えるトリチウムに汚染されています。このままでは、外に流せないので今は、これを汲み上げ、タンクに保管しています。以下にタンク内の汚染水量と容量をしめします。
どんどん増える汚染水と増設が止まった汚染水タンク
 ※(8)(9)を集計
 図-2 タンク内汚染水量と容量

 図に示す様に、汚染水は増え続けていますが、東京電力はタンクの増設を止めています。やがてタンクは一杯になります。
 東京電力等は汚染水は浄化処理をしており、処理後の汚染水を「処理水」と命名しています(10)。一方で、今の浄化システムではトリチウムは浄化できません(11)。図-1に示す様に、汚染水は法定限度を超えたトリチウムに汚染されていおり、トリチウムが除去できない以上は浄化処理を終えても「汚染水」に変わりはありません。ところが東京電力と自公政権は海に投棄することを決めています。その時期が今年の春から夏と発表になりました(12)。
海洋放出か今年の春~夏と報じる福島県の地方紙・福島民友
 ※(13)を1月14日に閲覧
 図-3 処理水海洋放出、春から夏ごろと報じる福島の地方紙・福島民友

 これについてNHKは1月13日の19時と21時からの番組で福島第一原発の汚染水タンクがことしの夏~秋ごろにはすべて満杯になると流していました。
今年の夏~秋に汚染水タンクが一杯になるとNHK
 ※ NHKの1月13日21時からの放送ををキャプチャー
 図-4 夏~秋ごろにはすべて満杯になると流すNHK

 NHKの喧伝通りなら、福島第一汚染水の海洋投棄は遅くとも今年の夏には始める必要があり、春から夏での海洋投棄が必要になります。
 本当かなと思い(=^・^=)なりに調べることにしました。以下に福島第一汚染水処理の概要を示します。
 福島第一汚染水処理の流れ
 ※(14)(15)で作成
 図―5 福島第一原発の汚染水処理の流れ

 タービン建屋から汲み上げた汚染水は「セシウム吸着装置」に送られなます。名前は「セシウム吸着装置」ですが、セシウムの他にストロンチウムもそれなりに汚染水から分離できます。当初はセシウムしか分離できなかったので(15)、この名前の付いたと思います。無論、分離したセシウムやストロンチウムが無くなる訳でなく、分離された放射性物質は敷地内に保管されます。このあと「淡水化装置」に送られます。ここで、原子炉に戻す「水」が分離されます。残りはSR処理水として保管されたのちにALPSと呼ばれる装置で最終処理がなされ、「ALPS処理水」ないしは「処理水」としてタンクに保管されます。
 海洋投棄が始またとしても、原子炉に「水」を灌ぐ必要があるので、対象となるのは「SR処理水」と「ALPS処理水」です。最新データをみると1月5日時点で
 SR処理水とALPS処理水合計 1,320,212立方メートル
 タンク容量合計         1,373,100立方メートル
 タンクの空(差)           53,888立方メートル
です(16)。汚染水の総量は
 2022年1月6日 1,317,469立方メートル(17)
 2023年1月5日 1,348,152立方メートル(18)
 364日間の増加量(差) 29,683立方メートル
です。1日当たりで81.5(29,683÷364)立方メートルの増加です。これをタンクの空容量で割ると637日(29,683÷81.5)になります。おおよそ来年10月です。今のペースで汚染水が増え続けたとして、福島第一原発の汚染水タンクが一杯になるのは来年の夏~秋ごろであって、今年の夏~秋でなりません。それをNHKは「ことしの夏~秋ごろ」と嘘を流しました。嘘を平然と流すNHKは国民の知る権利を充足しません(2)。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 2015年に自公政権や東京電力「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」と福島県漁連に約束しています(18)(19)。一方で福島県漁連は海洋放出については反対しています(12)。500億円のつかみ金(基金)を用意して(20)福島県漁連等の理解を得よとしているようですが、この春までに理解を得られるかは不透明です。だったらプランBを用意すべきです。本文に記載の通りまだ2年弱あります。今ならまにあいます。でも、岸田政権の東京電力も海洋放出で強行突破する気で、プランBを用意する気配はありません。このような政権では福島の皆さまは不安だと思います。
 福島県いわき市の特産品にネギがあります。今年もシーズンになりました。同市のネギは甘くて柔らかくて太いそうです(25)。福島県は福島産は「安全」だと言っています(26)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産ネギはありません。
 他県産はあっても福島産ネギが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
※(27)を引用
 図-7 福島産ネギが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ


 (=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社
(2)電子版】NHK受信料「合憲」 国民の知る権利を充足-最高裁(更新) | 商社・流通・サービス ニュース | 日刊工業新聞 電子版
(3)5重の壁 - Wikipedia
(4)汚染水対策の状況 - 廃炉プロジェクト|廃炉作業の状況|東京電力ホールディングス株式会社
(5)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果|アーカイブ|東京電力中の「水処理設備の分析結果⇒水処理設備の放射能濃度測定結果 」
(6)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果アーカイブ|データ|東京電力ホールディングス株式会社の「水処理設備の分析結果」
(7)周辺の分析結果ー分析結果 - 廃炉プロジェクト|データ|東京電力ホールディングス株式会社
(8)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果アーカイブ|データ|東京電力ホールディングス株式会社の「水処理設備の分析結果」
(9)周辺の分析結果ー分析結果 - 廃炉プロジェクト|データ|東京電力ホールディングス株式会社
(10)ALPS処理水の処分 | 東京電力
(11)多核種除去設備 (ALPS)|東京電力
(12)福島第1原発処理水海洋放出、春から夏ごろ 政府が行動計画を改定 | 福島民報
(13)福島民友新聞社 みんゆうNet -福島県のニュース・スポーツ-
(14)汚染水の浄化処理 - 廃炉プロジェクト|廃炉作業の状況|東京電力ホールディングス株式会社
(15)>サリー (機械) - Wikipedia
(16)>2023年のアーカイブ|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社⇒1月⇒
(17)2022年のアーカイブ|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社⇒1月⇒13日
(18)福島第一原子力発電所のサブドレン水等の排水に対する福島県漁業協同組合連合会からの要望書への回答について|東京電力
(19)「いささかも反対に変わりない」全漁連会長 福島第一原発の処理水海洋放出めぐり岸田首相や経産相と面会:東京新聞 TOKYO Web
(20)原発処理水の海洋放出開始「春から夏ごろ」 漁業支援に基金500億円 政府が行動計画改定 | 河北新報オンライン
(21)いわきの特産品|ウェルカムふくしま
(22)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(23)イオン いわき店のチラシ・特売情報 | トクバイ

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  1. 2023/01/15(日) 19:57:19|
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