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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

大熊町、住民戻らず。復興拠点避難指示解除半年

 6月30日に復興再生拠点の避難指示が解除された福島県大熊町(1)の居住者は
 解除前(昨年6月1日)374人(2)
 先月(昨年12月1日)398人(3)
 今月(1月1日)   408人(4)
で殆ど変わりません。6月30日に従前の町の中心部(特定復興再生拠点)の避難指示が解除されましたが(1)、住民は殆ど戻りません。
 福島県大熊町は福島県沿岸部中部に立地する町です。事故を起こした福島第一原発や(5)、除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設が立地します(6)。先の原発事故では全町が避難区域に指定されました(5)。名前は大熊町ですが「クマ」はいません(7)。1954年11月1日に大野村と熊町村が合併し大熊町になりました。熊町村の「熊」は元々は「苦麻」です(5)。以下に示します。
事故から12年汚染されている福島 凡例
 ※1(8)(9)にて作成
 ※2 避難区域は(10)による。
 図―1 福島県大熊町

 同町の唯一の旧一級国道(11)は地図で見ると国道6号線で、いわばメインストリートです。その東側は概ね除染廃棄物を30年間は保管する中間貯蔵施設です(12)。メインストリートの東側は少なくとも30年間は人が住めません。
 図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(13)を超えた地域が広がっています。
それでも、自公政権は「安全」だとして(15)2019年4月10日に一部の避難指示を解除しました(16)。そして、復興策が進められています。
2019年は以下の通りです。
 4月12日 安倍元総理御立合いの元、役場開庁式(16)。
 5月7日 役場の業務開始(17)
 6月1日
   ・災害公営住宅入居開始(18)、昨年12月1日時点で87世帯124人が入居しています(19)。
   ・大熊町とスーパーや病院がある南隣の富岡町とを行き来するバスの運行開始(20)。((=^・^=)が調べた限り、大熊町には医療機関もスーパーも見つかりません)。
 6月3日 避難解除区域にコンビニがオープン(21)。
 8月19日 大熊町産イチゴの出荷開始(22)
 10月 再生賃貸住宅入居開始(この住宅は大熊町町民でなくても、移住するのであれば申し込めます(23)。12月1日時点で38世帯45人が入居しています(19)。
2020年は以下の通りです。
 3月14日 原発事故によって不通になっていたJR常磐線が全面再開し(24)、同町唯一の駅である大野駅(6)が再開。東京方面に直通する特急「ひたち」が停車(25)

 4月13日 福祉施設開所(26)
2021年は以下の通りです。
 2月 2日 診療所が開所(27)
 3月25日 聖火リレー(28)。
 4月 5日 商業施設オープン(29)。
10月16日 10年ぶりの同町内での成人式(30)
10月17日 交流ゾーンのグランドオープン(31)および岸田総理訪問(32)
2022年は以下の通りです
 1月 9日 成人式(33)
 6月30日 特定復興再生拠点の避難指示解除(1)(5)(34)

 福島の避難区域は2013年8月までに、それまでの警戒区域と計画的避難区域との区分から、避難指示解除準備区域、居住制限区域に区分が変更されました(5)。除染がすすめられたのですが(35)、放射線量が高い帰還困難区域は除染の対象から外れました(36)。大熊町の唯一の駅である大野駅は帰還困難区域にあります(37)。また、帰還困区域や中間貯蔵施設の範囲(38)を見比べると、大熊町の小中学校、市街地は帰還困難区域か中間貯蔵施設内に位置します。大熊町の中心部は帰還困難区域内か中間貯蔵施設用地内に位置します。2017年4月1日までに、大熊町と双葉町を除く避難指示解除準備区域と居住制限区域の避難指示が解除されました(11)。そして2017年以降に、帰還困難区域は除染をして将来は避難指示を解除するとくて「復興拠点」(39)とそれ以外(俗称白地地区(40))に区分されました。以下に示します。
汚染がひどい旧特定復興再生拠点 凡例
 ※1(9)(10)にて作成
 ※2 避難区域、旧復興再生拠点は(11)による。
 ※3 中間貯蔵施設等には福島第一原発も含み(38)による。
 図―2 福島県大熊町の区分
 
 特定復興再生拠点にはの避難指示は解除されましたが、まだまだ汚染は酷い状態です。
 旧復興再生拠点内には町人口の約6割に当たる2,225世帯の5,896人が住民登録しています。一方で、既に避難指示が解除されている区域の住民登録は554人です(41)。事故から11年半を経てようやく町の中心部を含む区域の避難指示が解除されました。
 以下に居住状況を示します。 
住民が戻らない大熊町
 ※1(42)を集計
 ※2 居住は大熊町民のうち大熊町内に居住している人数
 ※3 滞在者は大熊町民以外で大熊町に滞在している人数
 図―3 大熊町民等の居住状況

 図に示す様に、町民は戻っていません。一時滞在者を含む町内居住者は
  住民登録 10,000人、大熊町民の町内居住者 408人(住民登録の4%)(3)
で、殆ど戻っていません。旧特定復刻拠点解除前後を比較すると
 解除前(昨年6月1日)374人(2)
 先月(昨年12月1日)398人(3)
 今月(1月1日)   408人(4)
で殆ど変わりません。6月30日に町の中心部(特定復興再生拠点)の避難指示が解除(4)されて半年が経過しましたが、住民は殆ど戻りません。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 町の中心部でも避難指示が解除されましたが、住民は戻りません。大熊町の発表ですと、福島県内の避難者は7,326人(4)ですが、福島県の発表では556人です(43)。大熊町は同町に住民票があり、町外に住んでいれば「避難者」として計上していますが、福島県は避難先で新たな自宅を入手した方や災害公営住宅に入居し安定的な住居に転居されたかたは避難者として計上しません。安定的な住居を手に入れた方がもどるは思えず、帰還が期待できるのは福島県が発表している避難者556人だけです。戻る方は少数のようです(44)。復興(ふっこう)とは、一度衰えたものが再び勢いを取り戻す事を指します(45)。多く町は元の勢いを取り戻すことはなく、復興は永遠にしません。
 大熊町はイチゴ栽培に力を入れています(46)。でも、状況は厳しいようです。イチゴは福島の冬を代表する果物でもあります(47)。福島県は福島産は「安全」だと主張しています(48)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(49)を引用
 図-4 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)特定復興再生拠点区域の避難指示が6月30日に解除されました - 大熊町公式ホームページ
(2)令和4年6月1日現在の居住状況・避難状況 - 大熊町公式ホームページ
(3)令和4年12月1日現在の居住状況・避難状況 - 大熊町公式ホームページ
(4)令和5年1月1日現在の居住状況・避難状況 - 大熊町公式ホームページ
(5)大熊町 - Wikipedia
(6)中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(7)ツキノワグマ生態調査の結果について - 福島県ホームページ
(8)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和3年8月31日~10月25日測定) 令和4年03月04日
(9)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(10)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(11)一級国道 - Wikipedia
(12)中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(13)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(14)国連報告者、福島事故の帰還で日本を批判  :日本経済新聞
(15)大川原・中屋敷地区の避難指示が4月10日に解除されます - 大熊町公式ホームページ
(16)平成31年4月14日 福島県訪問 | 令和元年 | 総理の一日 | ニュース | 首相官邸ホームページ
(17)町役場が本庁舎で業務を開始しました - 大熊町公式ホームページ
(18)福島県大熊町
(19)大熊町民の被害・避難状況 - 大熊町公式ホームページ
(20)>町内と富岡町を結ぶ生活循環バスが運行します - 大熊町公式ホームページ
(21)大熊にコンビニがオープン 避難解除後で初の商業施設 | 河北新報オンラインニュース
(22)いちご栽培施設から出荷開始 - 大熊町公式ホームページ
(23)大熊町再生賃貸住宅を整備します - 大熊町公式ホームページ
(24)常磐線 - Wikipedia
(25)ひたち (列車) - Wikipedia
(26)大川原の福祉関連施設が開所しました - 大熊町公式ホームページ
(27)町診療所が開所しました - 大熊町公式ホームページ
(28)町内で聖火つながる - 大熊町公式ホームページ
(29)大熊町に商業施設オープン 飲食店など、避難解除後初―福島:時事ドットコム
(30)原発事故後初、大熊町で成人式 10年ぶり、友人と再会喜ぶ―福島:時事ドットコム
(31)町交流ゾーンが10月17日グランドオープン! - 大熊町公式ホームページ
(32)令和3年10月17日 福島県訪問 | 令和3年 | 総理の一日 | ニュース | 首相官邸ホームページ
(33)ふるさとへの貢献誓う16人…小3で福島第一原発事故 福島・大熊町で成人式 :東京新聞 TOKYO Web
(34)30日午前9時に解除 福島県大熊の特定復興再生拠点区域 復興加速化や住民帰還に期待 | 福島民報
(35)除染情報サイト:環境省
(36)>帰還困難区域とは - コトバンク
(37)大野駅 - Wikipedia
(38)中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(39)特定復興再生拠点区域 - Wikipedia<
(40)「白地地区」20年代に帰還 自民党が提言:朝日新聞デジタル
(41)原子力被災者支援(避難指示関係) (METI/経済産業省)◎避難指示区域の概念図(令和4年3月31日時点)(PDF形式)[[経済産業省HP]
(42)居住・避難状況 - 大熊町公式ホームページ
(43)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(四半期に1回更新) - 福島県ホームページ
(44)春にも一部区域で人が住めるように...でも「戻りたい」町民はわずか 福島第一原発がある大熊町:東京新聞 TOKYO Web
(45)復興 - Wikipedia
(46)念願の周年栽培を「いちご工場」で実現 | 未来ワークふくしま
(47)果物 | JA全農福島
(48)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(49)>マルト SC君ヶ塚店のチラシ・特売情報 | トクバイ
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  1. 2023/01/16(月) 19:43:32|
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